【完結】婚約者にウンザリしていたら、幼馴染が婚約者を奪ってくれた

よどら文鳥

文字の大きさ
68 / 87

54 アリアのコンサート編12

「うーん、知らない方が良いと言うこともありますけど。もしかしたら幼馴染同士の縁が切れてしまうかもしれないし」
「腐れ縁なだけですよ。婚約破棄されたり婚約者奪われた側ですからね」
「じゃあ、教えるけれど……」

 私にはマーレット様が教えてくれたことを、すぐには信じられなかった。
 だが、思い返してみると、すべての謎だったことが一致してしまったのだ。

「オズマたちが私の鞄の中から奪おうと……!?」
「その過程でゴールドチケットを入れたのは謎だけれど、おそらくは同じアリアファンとしての情? どちらにしても事実なら許せないことですけれど」
「うん、もしも事実なら、絶対に許しません!!」

 結果的にはマーレット様は救われた。
 だが、問題はそこではない。
 私の大事に、とても大事にしていたプラチナチケットを奪おうとしたことだ。

 ダミーチケットのおかげで助かったものの、これが事実だとしたら、絶対に許さない!!
 もう二人がどうなろうと知らないから!

 サバス様がこっそりとチケットを入れていなかったとしたら、十中八九本当のことなのだろう。
 いや、オズマはさっきミーナがゴールドチケットと交換したと言っていたし確実か。

 こんなことなら、話をしっかり聞いておくべきだったな。
 そうしたら、私の作ったダミーチケットを見れたかもしれないのに。

 夜も遅くなってしまったが、真っ先にサバス様の元へ行き、チケットのことを確認した。

「ライアンの鞄にはお菓子を忍ばせただけだが……」
「え!?」

 ガサゴソと漁ると、袋の中で潰れてしまっているクッキーが出てきた。

「お腹がすくと思って……」
「申しわけございません! 全く気がつかず……」

 慌てて潰れたクッキーの破片を袋から口に放り込んで一気にボリボリ食べた。
 砂糖の量が多くてかなり甘いが、美味しかった。

「それは私が作ってみたのだ」
「え!? サバス様が!?」
「うむ。いつも作ってもらっているからな。たまには私が作ろうかと」
「ま、また作ってください! 慌てて急いで食べてしまって……」
「構わぬ。今日はもう遅いし泊まって行くが良い。家族のものには部下に頼んでおくとしよう」

 アリア様のコンサートをみた後にアエルが住んでいる家に泊まることになるとは……。
 とても嬉しいが、それと同じくらいにオズマたちへの怒りも込み上げていた。
 これはファンに対する暴挙といえるだろう。

 今度会ったら事実確認をしなければ!



----------
【後書き】

アリアのコンサート編はこれで終わりです。
次回、新しい展開が始まります。

コンサート編で一部伏線を入れていましたが、サバス様と──な展開になります。

更新楽しみにしていただけたら幸いです。

あなたにおすすめの小説

学園では婚約者に冷遇されていますが、有能なので全く気になりません。〜学園でお山の大将されてても、王宮では私の方が有能ですから〜

織り子
恋愛
王都カラディナにある国立魔術学園では、満十六歳の生徒たちの社交界デビューを兼ねた盛大なパーティーが開かれていた。 侯爵令嬢タレイア・オルトランは、婚約者である第二王子アスラン・オグセリアの迎えを待つも、結局ひとりで会場へ向かうことになる。 学園では身分の差がないとはいえ、アスランが公然とタレイアを侮辱し続けてきたことで、彼女は生徒たちから冷笑と蔑視の的となっていた。しかしタレイアは、王城で政務を担ってきた聡明さと矜持を失わず、毅然と振る舞う。

【完結】恋人との子を我が家の跡取りにする? 冗談も大概にして下さいませ

水月 潮
恋愛
侯爵家令嬢アイリーン・エヴァンスは遠縁の伯爵家令息のシリル・マイソンと婚約している。 ある日、シリルの恋人と名乗る女性・エイダ・バーク男爵家令嬢がエヴァンス侯爵邸を訪れた。 なんでも彼の子供が出来たから、シリルと別れてくれとのこと。 アイリーンはそれを承諾し、二人を追い返そうとするが、シリルとエイダはこの子を侯爵家の跡取りにして、アイリーンは侯爵家から出て行けというとんでもないことを主張する。 ※設定は緩いので物語としてお楽しみ頂けたらと思います ☆HOTランキング20位(2021.6.21) 感謝です*.* HOTランキング5位(2021.6.22)

旦那様から出て行ってほしいと言われたのでその通りにしたら、今になって後悔の手紙が届きました

伊久留りさ
恋愛
 北辺の国境を守る小さな領地、ヴァルドリア。その城館の一室で、若き領主の妻アリシアは、夫レオンハルトの言葉に静かに耳を傾けていた。 「アリシア、君にはもう少し、この城から離れてもらいたい」  レオンハルトの声は、いつものように低く、落ち着いていた。しかし、その言葉の意味は、アリシアにとってあまりにも唐突で、あまりにも冷たいものだった。 「……離れる、とはどういう意味でございますか」 「つまり、この城にいないでほしい、ということだ。しばらくの間、君には別の場所で暮らしてもらいたい」  アリシアは、ゆっくりと目を閉じた。指先がわずかに震えるのを、彼女は必死に抑えていた。この男の前で、自分が動揺している姿を見せたくなかったからだ。

【完結】何でも欲しがる義妹が『ずるい』とうるさいので魔法で言えないようにしてみた

堀 和三盆
恋愛
「ずるいですわ、ずるいですわ、お義姉様ばかり! 私も伯爵家の人間になったのだから、そんな素敵な髪留めが欲しいです!」  ドレス、靴、カバン等の値の張る物から、婚約者からの贈り物まで。義妹は気に入ったものがあれば、何でも『ずるい、ずるい』と言って私から奪っていく。  どうしてこうなったかと言えば……まあ、貴族の中では珍しくもない。後妻の連れ子とのアレコレだ。お父様に相談しても「いいから『ずるい』と言われたら義妹に譲ってあげなさい」と、話にならない。仕方なく義妹の欲しがるものは渡しているが、いい加減それも面倒になってきた。  ――何でも欲しがる義妹が『ずるい』とうるさいので。  ここは手っ取り早く魔法使いに頼んで。  義妹が『ずるい』と言えないように魔法をかけてもらうことにした。

「仕方ない」には疲れました ~三年続いた白い結婚を終わらせたら、辺境公爵の溺愛が待っていました~

ゆぷしろん
恋愛
 「仕方ない」と白い結婚に耐え続けていた伯爵夫人エリス。  彼女の誕生日、夫は幼なじみのセシリアを屋敷に連れ帰り、エリスが大切にしてきた猫を彼女に見せろと言う。冷めた晩餐の前で心が折れたエリスは、ついに離縁を宣言し実家へ戻った。  彼女の薬草知識と領地経営の才は、北方を守る公爵ディートリヒが目を留める。流行り病に苦しむ公爵領を救うため奮闘するエリスは、初めて努力を認められ、大切に扱われる喜びを知っていく。一方で彼女を失った元夫の伯爵家は傾き、身勝手な幼なじみの嘘も暴かれて――。  我慢をやめた傷心令嬢が、辺境公爵に溺愛され、自分らしい幸せを選び直す逆転愛されファンタジー。

変態婚約者を無事妹に奪わせて婚約破棄されたので気ままな城下町ライフを送っていたらなぜだか王太子に溺愛されることになってしまいました?!

utsugi
恋愛
私、こんなにも婚約者として貴方に尽くしてまいりましたのにひどすぎますわ!(笑) 妹に婚約者を奪われ婚約破棄された令嬢マリアベルは悲しみのあまり(?)生家を抜け出し城下町で庶民として気ままな生活を送ることになった。身分を隠して自由に生きようと思っていたのにひょんなことから光魔法の能力が開花し半強制的に魔法学校に入学させられることに。そのうちなぜか王太子から溺愛されるようになったけれど王太子にはなにやら秘密がありそうで……?! ※適宜内容を修正する場合があります

里帰りをしていたら離婚届が送られてきたので今から様子を見に行ってきます

結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
<離婚届?納得いかないので今から内密に帰ります> 政略結婚で2年もの間「白い結婚」を続ける最中、妹の出産祝いで里帰りしていると突然届いた離婚届。あまりに理不尽で到底受け入れられないので内緒で帰ってみた結果・・・? ※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています

これまでは悉く妹に幸せを邪魔されていました。今後は違いますよ?

satomi
恋愛
ディラーノ侯爵家の義姉妹の姉・サマンサとユアノ。二人は同じ侯爵家のアーロン=ジェンキンスとの縁談に臨む。もともとはサマンサに来た縁談話だったのだが、姉のモノを悉く奪う義妹ユアノがお父様に「見合いの席に同席したい」と懇願し、何故かディラーノ家からは二人の娘が見合いの席に。 結果、ユアノがアーロンと婚約することになるのだが…