【完結】夫が愛人と一緒に夜逃げしたので、王子と協力して徹底的に逃げ道を塞ぎます

よどら文鳥

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9 【ザグレーム視点】メアリーナに騙された!

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「実はメチャクチャお金に困っていた。だけれど今更働く気にもなれなくなって、偽物の金魂で生計を立てていたんですよ」
「なるほど! 一理、いや……むしろそうとしか思えなくなってきたぞ!」

「でしょう? きっと私たちの不倫関係の慰謝料を頼りにしていたんですよ。だからこそあんなに早急にことが進んで、判決も言い渡されたってわけでしょう」

「確かにメアリーナのやつ、離婚裁判が終わったあと、顔がほっこりしていた気もする。そうか! 裁判が終わって安心したのではなく、俺たちから金を巻き上げられることによって、これ以上密売をしなくて済むという安心感からきた顔だったというわけか!」

 これで謎は解決した。

 おのれ……メアリーナのやつめ。金持ちかと思ったら、全くの貧乏人間だったというわけか。
 しかも巻き添いを喰らい、俺たちまでもが詐欺罪に追い込まれてしまった。

 だが……。

「もしもの場合、これで言い逃れもできるか」
「と言いますと?」
「メアリーナの弱みを握った。もしも俺たちが捕まってしまっても、メアリーナの悪事を暴けばあいつは捕まる。おそらくもうすぐ被害届を出すはずだ。だが、自らの犯罪を恐れたら、俺たちへの被害届も取り下げるだろうよ。捕まっても俺たちは無罪で釈放だ」

「そんなうまくいきますかねぇ……ちょっと心配ですぅ」
「もちろん捕まらないように対策は考えよう。リスクは少ない方がいい!」

 おかげで少しだけ気が楽にはなった。
 だが、偽物の金魂とわかった以上、証拠品はこのまま捨てるわけにはいかない。
 少々重いが、このまま持ち運ぶことにした。

「ザグレームさまぁ、このあとどこへ逃げたらいいのですか?」

 確かにかなり困っている。

 馬車は使用不能。
 王都の出入口は通り抜け不可能。
 残された所持金も五十万円しかない。
 更に、そろそろ被害届も出されているだろうから、堂々と外を歩くのも危険になってきている。
 おまけに重い偽物金魂も持っている状態。

「……ひとまずカップルが泊まる宿泊施設へ行くべきか……あそこならば身分証明書の提示も必要ないし、一万少々あれば泊まれる。おまけに風呂もあるしシャーラと二人きりだ」
「もう……こんな時にザグレームさまったらエッチなんですからぁ」
「愛が減っては戦ができぬというからな」

 とはいえ、残された金も少ない。
 国から脱出するための金と考えると危険ではあるのだ。

 ひとまず二泊の契約でチェックインし、まずはシャーラとよろしく過ごす。
 もちろん、今後の計画もしっかり話し合った。

 だが、全く解決策が思いつかないまま朝を迎えてしまう。既に逃げ道が全くない状況をどうしろというのだ!
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