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20話 ソフィアは公爵の呪いを解く
「ソフィア様と一緒だと不思議なことが起こりますね」
「なにかありましたっけ?」
「なにも起こらなかったことが不思議なんですよ」
「と、言いますと?」
「普通、これだけの長距離を移動していたら、モンスターと数十回は遭遇するのが自然なんです。しかし、オロチはこちらから目撃したものの、それ以外のモンスターとは全く会わなかった……」
うーん、運が良いのか悪いのか。
今の私は寄付した分、少しでも稼げればいいなぁという気持ちに変化していたからモンスターと遭遇してほしかった。
怪我もなく平和で旅になっているし、まぁいっかくらいの気持ちでもあるが。
「楽しい旅になっていますね」
「はは……、我々騎士団としては拍子抜けですけどね。と思ったらオロチのような規格外のモンスターに遭遇したり……、ソフィア様に良いところを全く見せられずお恥ずかしい限りです」
「そんなことありませんよ。何度も言いますが、オロチを倒せたのは騎士団の皆さんが私に自由な時間を提供してくれているからですからね?」
オロチの一件が終わったあとも、馬車の中で魔法に関する勉強に没頭している。
自由にできるのも、騎士団が馬の操縦をしてくれたり、ご飯の準備や野営まで、ありとあらゆることをしてくれているからこそ。
「有意義な旅になったようでなによりです。私もソフィア様と一緒に長旅ができて……、おっと! 既に公爵の領地ですな」
長旅ができて?
アーヴァイン様は慌てて話題を変えてきた。
なにを言いたかったのだろうか。
目的地に到着して、アーヴァイン様が先に降りる。
「足元に気をつけてくださいね」
「いつもありがとうございます」
最近、このタイミングがたまらなく嬉しく、特にアーヴァイン様の手を触れた瞬間はドキドキが止まらなくなる。
私は魔法を感知する力を持っていない。
アーヴァイン様はそれを良いことに、長い時間馬車に乗った疲れを癒すような魔法をコッソリと私にかけてくれているんじゃないかって思う。
などと浮かれている場合でもない。
陛下と外見がソックリで、高貴な服装を身につけている公爵様と思わしきお方が出迎えてくれていたのだ。
「…………」
公爵様はモンスターから呪いをかけられて声が出せないうえに、片方の腕を失ってしまっている。
私は馬車の中で、呪いを解く治癒魔法も、失った身体を再生する魔法も覚えた。
早く魔法をかけたいところだが、公爵様は無言で私を警戒しながら見ているようだった。
ひとまず私は跪く。
アーヴァイン様がすぐに跪きながら状況を説明した。
「……というわけでソフィア様をお連れしました」
「…………」
公爵様は私に対して手を差し伸べてくれた。
握手を交わしてからさっそく二つの魔法を発動してみる。
『身体の異常を取り除きたまえ、――』
『本来の身体に戻したまえ、――』
二つの魔力による光が公爵様の身体の中へ入っていく。
「どうでしょうか……。喋れますか?」
「…………、あ……、あぁ、あー、あいうえお……。おぉ……しゃべれる! 私の声が元に戻ったぞーーー!!」
公爵様が涙をこぼしながら喜んでいる。
何度も声を出しながら。
「ソフィア殿といったな。なんとお礼を言ったらいいのだろうか。本当にありがとう」
「よかったです。腕に関しては魔法が効き始めてから少し時間がかかると思いますが、元どおりになるはずです」
「さすがは魔女の力が流れているだけのことはある……。近づいてきたときはつい警戒してしまい、すまなかったな」
「魔女の力……?」
聞いたこともないワードが出てきて、つい聞き返してしまった。
すると公爵様は不思議そうな表情をしながらも答えてくれた。
「ソフィア殿は魔女の自覚はないのか? 膨大な魔力の中に魔女特有の力も感じるのだよ。それもかなり強大な力をな」
私はアーヴァイン様と目を合わせながら真実を知って驚いていた。
私って……、いったい何者なんだろう……。
「なにかありましたっけ?」
「なにも起こらなかったことが不思議なんですよ」
「と、言いますと?」
「普通、これだけの長距離を移動していたら、モンスターと数十回は遭遇するのが自然なんです。しかし、オロチはこちらから目撃したものの、それ以外のモンスターとは全く会わなかった……」
うーん、運が良いのか悪いのか。
今の私は寄付した分、少しでも稼げればいいなぁという気持ちに変化していたからモンスターと遭遇してほしかった。
怪我もなく平和で旅になっているし、まぁいっかくらいの気持ちでもあるが。
「楽しい旅になっていますね」
「はは……、我々騎士団としては拍子抜けですけどね。と思ったらオロチのような規格外のモンスターに遭遇したり……、ソフィア様に良いところを全く見せられずお恥ずかしい限りです」
「そんなことありませんよ。何度も言いますが、オロチを倒せたのは騎士団の皆さんが私に自由な時間を提供してくれているからですからね?」
オロチの一件が終わったあとも、馬車の中で魔法に関する勉強に没頭している。
自由にできるのも、騎士団が馬の操縦をしてくれたり、ご飯の準備や野営まで、ありとあらゆることをしてくれているからこそ。
「有意義な旅になったようでなによりです。私もソフィア様と一緒に長旅ができて……、おっと! 既に公爵の領地ですな」
長旅ができて?
アーヴァイン様は慌てて話題を変えてきた。
なにを言いたかったのだろうか。
目的地に到着して、アーヴァイン様が先に降りる。
「足元に気をつけてくださいね」
「いつもありがとうございます」
最近、このタイミングがたまらなく嬉しく、特にアーヴァイン様の手を触れた瞬間はドキドキが止まらなくなる。
私は魔法を感知する力を持っていない。
アーヴァイン様はそれを良いことに、長い時間馬車に乗った疲れを癒すような魔法をコッソリと私にかけてくれているんじゃないかって思う。
などと浮かれている場合でもない。
陛下と外見がソックリで、高貴な服装を身につけている公爵様と思わしきお方が出迎えてくれていたのだ。
「…………」
公爵様はモンスターから呪いをかけられて声が出せないうえに、片方の腕を失ってしまっている。
私は馬車の中で、呪いを解く治癒魔法も、失った身体を再生する魔法も覚えた。
早く魔法をかけたいところだが、公爵様は無言で私を警戒しながら見ているようだった。
ひとまず私は跪く。
アーヴァイン様がすぐに跪きながら状況を説明した。
「……というわけでソフィア様をお連れしました」
「…………」
公爵様は私に対して手を差し伸べてくれた。
握手を交わしてからさっそく二つの魔法を発動してみる。
『身体の異常を取り除きたまえ、――』
『本来の身体に戻したまえ、――』
二つの魔力による光が公爵様の身体の中へ入っていく。
「どうでしょうか……。喋れますか?」
「…………、あ……、あぁ、あー、あいうえお……。おぉ……しゃべれる! 私の声が元に戻ったぞーーー!!」
公爵様が涙をこぼしながら喜んでいる。
何度も声を出しながら。
「ソフィア殿といったな。なんとお礼を言ったらいいのだろうか。本当にありがとう」
「よかったです。腕に関しては魔法が効き始めてから少し時間がかかると思いますが、元どおりになるはずです」
「さすがは魔女の力が流れているだけのことはある……。近づいてきたときはつい警戒してしまい、すまなかったな」
「魔女の力……?」
聞いたこともないワードが出てきて、つい聞き返してしまった。
すると公爵様は不思議そうな表情をしながらも答えてくれた。
「ソフィア殿は魔女の自覚はないのか? 膨大な魔力の中に魔女特有の力も感じるのだよ。それもかなり強大な力をな」
私はアーヴァイン様と目を合わせながら真実を知って驚いていた。
私って……、いったい何者なんだろう……。
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