ぼくと怪物三人組@トーキョーベイエナジーアイランド

alphapolis_20210224

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第五部 ゴールデンエイジ

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 翌朝、管理海域のぎりぎり外にオートマトン漁船が多数集結していた。マザーは監視船団を出した。

「にらめっこかよ」爪でこんこんと画面を叩くと漁船の諸元が表示された。「こんなの信用できるか」
「改造は確実として、どのくらいの力かな」監視船からの画像は安定しているが、人数などの規模や装備まではまだ分からなかった。
「囚人奪還ならかなりのものだろうね」
「それはイリーガル。本土のポリスにまかせよう」
 もっともな意見だった。十二名の逮捕は自警組織として当然だし、その後の収容も合法だ。
「けど、それはそれで嫌だな。本土の警察を再上陸させるのか」
 ぼくの言葉にウォーデが耳を立て、牙をむいた。

 その時、漁船団にもっとも接近した監視船に何かが撃ち込まれた。甲板に飛びこんで転がる。人の腕くらいの筒状の物だった。
 オートマトンが調べると外見通りの筒で、中にはなんと巻いた紙が入っていた。

「なんだ、ありゃ」耳が元にもどった。ウォーデにも予想外だったらしい。

 さらに驚かされた。それはまさしく本当の紙、植物繊維を漉いたシートで、墨、すなわち炭素の微粒子を主原料とした塗料で字が書かれていた。そんなのを検索するのは初めてだった。

 その割に内容は予想通りだった。十二名の速やかなる解放。拘禁への十分な補償。そしてインフィニティ・マザーのコードすべての引き渡し。

「日没までに従わなかったら……、と」ファーリーがかなり癖の強い字と古めかしい言い回しを読みながらつぶやいた。「なんか、若い衆が上陸して暴れるってさ。もったいぶってるけど、要はそう書いてあるよ」
「そりゃまずいな。あの装備とスピードは脅威だ。俺たちじゃ相手にならない」ウォーデはビクタの左腕を見た。
「でも、マザーはビジョンにアタックできるし」
「いや、あの攻撃の仕様を教えてくれないのが気になる。何かあるんじゃないか」ぼくはマザーを呼んだが、反応はなかった。
「あいつ、隠してばっかだね」
「やっぱりポリスに連絡する? これ明らかにインティミデーション。海上で取り押さえてもらえばいい」
「待って、わざわざ昔の言葉なのが気になる。ファーリー、それ今の言葉に解釈しないで書いてある通りに意味をとっても脅迫になる?」
「あ、そっか。いや、難しいね。話し合いましょうってだけだから。引いてある故事で実力行使をほのめかしてるんだ」
 ウォーデが鼻で笑った。「そりゃ慎重だな」
「ぼくらの自治権の範囲でなんとかしなくちゃ。それにしてもマザー、なんで無視してる?」ぼくはタップ信号を自動で送り続けるようにセットした。「それと、船内の様子分からない? 人数とか」

 みんな口を閉じてそれぞれ監視にもどった。しばらくしてファーリーが画面を叩いた。「ちょっと見て」十秒ほど巻き戻される。船窓に人影が見えた。拡大し、画像を補正する。

 そいつは、真っ白い肌をしていた。
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