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しおりを挟む部屋に入るとその場にへたり込んだ。
身体が震え、ドキドキが止まらない…。
信じられない……こんなことが本当に起こるなんて……。
先生…相変わらず優しくて素敵だったな…。背、高くて体型も全然変わらずスラッとしていたし…。
食事もごちそうしてくれた上に、わざわざ家まで送ってくれた…。
会計時に私が財布を出すと「俺は自分の教え子の、しかも年下の女の子に金を出させるようなケチな男じゃないぞ」と言われてしまい、支払わせてくれなかったのだ。
教え子…やっぱり先生にとって私は未だに小学6年生のままなのかな…。女の子…もう23になったのに…。子供扱いされたくない…。
だって……。
私は寝室のクローゼットの奥から箱を出した。まさかこれを再び開ける日が来るなんて…。
入っていたのは小学校の卒業アルバム。6年2組のページを開く。そこには10年前の自分やクラスメート、そして海堂先生がいた。
一緒に1通の手紙も収められていた。
10年ぶりに、少し色あせた桜色の封筒の中から中身を取り出し、そっと開いた。
それは、卒業式当日にほとんど寝ないで書き上げた先生への手紙だった。封筒とおそろいの桜色の便せんに、今よりも幼い字で先生へのありったけの想いが綴られていた。久しぶりに読み返し、胸が熱くなる。そして最後に記した私の願い…。
でも…まさか本当に…本当に10年後に先生と再会するなんて……。
卒業と同時に先生への想いはきっちりと蓋をして鍵をかけて心の奥底に閉じ込めたはずだった。
そのはずだったのに……。
あっけなく鍵が開いてしまった。
そして止まっていた時計の針が再び動き出してしまった。
もうハッキリと認めざるを得なかった。
まだ先生が好きなのだ、と。
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