レディブラスト 〜The Young Justice〜

橘樹太郎

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第18話:The Young Justice

18-2:奮起

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 ───それからしばらく経った後、私は何処かの瓦礫の下へ埋まっていた。

 何故埋まっていたのかなど分からない・・・・・・ただ、背中に重いコンクリートがのしかかっているのが分かった。

 超人であったおかげか、大事には至らなかったものの、それでも苦しみはある。
何度も背中のコンクリートを退けようとするが、全然動く気配が無い・・・・・・
狭くて苦しい状況。
何処で起きているか分からないものの、爆音と誰かの叫びが私の頭の中で響く。

「・・・・・・お、おかぁさん・・・・・・おとぅさん・・・・・・おにぃぢゃん・・・・・・助けて・・・・・・
誰か助けてよぉ!!
お願い、誰か・・・・・・助けてよぅ・・・・・・」

 プライドも無く、ただ泣き叫んで助けを乞う私は、自分でも情けなかった。

 苦しい、辛い───そんな事、誰だって同じなのに。
同じなのに───


 それからどれぐらい経ったのだろうか───何人もの死傷者が出たのだろうか。

 私の涙は枯れ果ててしまった。
どうすれば良いのかもう分からずじまいで諦めそうになっていた。

 私のせいで大勢が死ぬ───それは紛れもない真実となる。
現彦くんを止められず、あの時に躊躇ってしまった時点でヒーロー失格だ。

 もう駄目だ。
 そう諦めていた時、瓦礫の外から声が聴こえてきた。

「───にいる筈なんだが・・・・・・」

「───さん、───なんですか?」

「まぁ、───の友人だ」

 私は知ってる声を聴き、声を出してみる。
 すると、瓦礫の外にいる人達あら反応があり、彼等は私にのしかかる重りをどかそうとしていた。

「───クソ、重機でもあれば・・・・・・」

 誰かが私を助けようとしているのに、私はこの中で諦めかけている。
それで良いのだろうか───いや、駄目だ。

 私は、正義の味方ヒーローになると誓った───それなら、私は。

 一筋の光が差し込んだ時、私は再び両手を地面に付けて瓦礫を押し除けようとする。外での助けもあってか、やっと瓦礫が押し除けられ、私が出た頃には眩しい朝日と2人の男が出迎えた。

「大丈夫か───って、その顔まさか!?」

 そう、私を助けたのは藤堂さんと───兄の和也だった。

 兄・・・・・・お兄ちゃんは唖然としており、私がふと顔に触れると、そこからは肌が露出していた。

 その時に察したのだが、マスクは顔が見えてしまうぐらいに破損していたようで、顔半分でも知ってる人からすれば正体はバレバレだった。

「どういう事か説明を・・・・・・」

「お願い、今は時間が無いの。"奴"を止めないとまた大勢の人が死ぬ───これ以上、私のせいで犠牲を増やしたく無いの」

 私は兄にそう言った後、藤堂さんの方を向いた。

「藤堂さん・・・・・・目覚めて良かったです。
お怪我は?」

「まぁ、所々痛むが大丈夫だ。それより立花、本部がどうなってるか聞いてるか?」

「いえ・・・・・・聞いてません」

「そうか・・・・・・困ったな」

 私達の会話に付いて行けず、兄は腕を組みながら咳払いをし、私達を振り向かせた。

「・・・・・・で、どうする?
ミカ───レディブラストの方は今回の犯人を倒さないといけなくて、藤堂さんの方は、拠点が気になるんだろ?」

「だね・・・・・・私はこのコスチュームをなんとかしないと・・・・・・」

「替えのスーツは本部にあるが・・・・・・」

 東堂さんの言う替えのスーツとは隠密用と空戦用の事だろうが、本部があるのは御場原ごばらの方なので天崎より遠い・・・・・・それなら家に帰って"あの"コスチュームを着た方が早いかなと考えた。

「いえ、家に替えがあるので取ってきます」

「いいのか?」

「いいんです。これが最後の戦いになりそうなので・・・・・・」

「そうか・・・・・・行ってこい」

 しかし、私が空を飛ぼうとした瞬間、兄が再び声をかけて呼び止めた。

「もう! 説明は後にって───」

「違う! お前まさかお父さんとお母さんにその格好見せるのか?」

「あっ・・・・・・」

 よくよく考えるとコスチュームのままだった・・・・・・これは兄に感謝。


 私はマンションに戻り、荷物を撮りに行くと、現彦くんが住んでいた部屋は不気味な程片付いていた。

 彼の自室にもはいるが、そこは写真が消えたどころか照明も昼白色に変わっており、ここで見たものは幻覚まぼろしだったのかと思う程に綺麗さっぱりな状態になっていた。
 ・・・・・・って違う違う、そんな事よりもリュックを持っていかないと。

 リュックの上には置き手紙のように紙が一枚置いてあり、そこには

『贈り物を受け取った地で待ってる』

とだけ書かれていた。


 リュックを持って行き、私は車の中で着替える。顔の傷や汚れは隠しきれない為、仕方なくそのまま向かった。

 どうやら私を助ける前、目覚めた藤堂さんは病室を飛び出して、私に情報提供していた兄と共にこちらへ来たらしい。
・・・・・・走行中にドローンに襲われたようだけど、何とか振り切ったようだ。

「よく追跡を撒けましたね・・・・・・」

「この車に武器が入ってたおかげなのと、お前の兄さんが上手かったおかげだな」

「・・・・・・まぁ、ゲーセンでもそういう的当てはしてたし」

「お兄ちゃん、すご・・・・・・」

 兄は指で鼻を擦りながら照れ隠しをした。


 兄を警察署に降ろし、私は家から少し離れた所で降ろして貰う。その際に、お手軽な通信機を貰い、これで連絡を取り合う事にした。
 そして、私が家に帰ると両親おやが慌てていた。

「ミカ、どうしたのその顔!?」

「まぁ、色々あって」

「えらい落ち着いてるな・・・・・・とにかく逃げるぞ!」

「あっ、私後で行くから」

「そんな事言ってる場合!? 死ぬかもしれないのに!?」

「大丈夫───お母さん、お父さん。
私を信じて」

 私の言葉に対し、両親は渋い表情かおをした後、絶対に帰ってくるよう私に言った。


 私は破損したコスチュームを部屋に隠し、ベットの下に隠してあるダンボールからお手製コスチュームを取り出した。

 着てみるが腹回りがちょっとキツくなったかな・・・・・・?
 まぁ、戦ってる内にまた痩せるよね。


 部屋の窓から出て行った私は、親の乗った車が走っていくのを見守る。秋津市全体でサイレンが鳴り響く。これではまるで黙示録だ。
でも、この世の終わりには絶対させない。この私がいるのだから───
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