ベアりんぐ奇譚詩編集

ベアりんぐ

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熱さまシート

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P-06「熱さまシート」

 また、新しい詩に手を伸ばす。

 いつまで、こうしているのだろう。

 いや、感じる。何かその時のようなものが来た時、きっと私はこの場所から離れてゆくのだろう。

 迎えがくるのか。それとも、私が迎えにゆくのか。まあ今はどちらでも良いだろう。




 おでこに貼るようにして、熱を下げるようにしていたのは良い思い出だ。

 今はもう、なかなか使っていないが。





       @






 熱を冷ます



 どんなに熱がでても
 その熱を冷まそう

 友情も恋も夢も
 いつかは冷める

 夏もいつかは冬になる
 時間もいつかは冷める


 そして生命も


 そうじゃない
 そうではない

 熱を生むために僕らは生まれた
 熱に魅入られて僕らは進んできた

 どんな熱も持ち合わせるのだ
 僕らは人間なのだから



 熱を醒ます







       @






 熱は、持ってこそなのかも知れない。

 どんなものでも、その息が絶えれば熱を失う。

 だから、熱が冷めないように。

 熱を醒まして、私達は生きる。

 熱を生むために、私達は生まれてきたのだから。


 : 情熱の、感受を求めし少女の手記





 
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