その令嬢、青き制服をまといて、金色の王子を射止める

甘い秋空

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第1話 一人だけ制服が違う

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「なんか、私は、クラスで浮いていますね」

 王立魔法学園へ、平民から特待生として入学いたしました。高等部1年生のオードリと申します。

 銀髪で青緑色の瞳で、希少な光魔法を使えます。



「この制服のせいかな?」

 貴族の皆さんの制服は、赤茶色のブレザーと、タータンチェックのスカートで、ソックスは自由です。

 でも、平民の私だけ、セーラーカラーと呼ばれる大きな襟が特徴の紺色のトップスに白いリボン、紺色のプリーツスカート、紺色のハイソックスです。

 学園から支給された制服なのですが……

「地味……」

 私の教室の席まで地味で、一番後ろのスミです。



 教室の最前列の席には、アーロン王子様と、婚約者のグレース侯爵令嬢が座っています。

 噂では、政略結婚と言われていますが、意外と仲は良いようです。

 周囲には、早速、取り巻きじゃなく、ご友人たちがいらっしゃいます。

「うらやましいな」



「ずいぶんと大きな独り言だな」

 エイダン君が話しかけてきました。
 隣の席の、まぁまぁイケメンです。

 栗毛、ブラウンの瞳と、一般的な容姿で、私に話しかけてくる珍しい同級生です。

「オードリが、警戒されているのは、予言のせいだよ」

「え? なにそれ」

 予言は、聖女の大事な仕事です。私も勉強していますが、異常気象など、もっと大きな出来事を占うものです。

 私が同級生に警戒される予言なんて、ありえません。

「その令嬢、青き制服をまといて、金色の王子を射止める」
 エイダン君が、こじらせた中等部男子みたいな呪文を唱えます。

「これが予言された言葉で、クラスの全員が知っている」

 私には、初耳で、まったく意味不明です。

「つまり、青い制服のオードリが、金髪のアーロン王子のハートを射止めるって話」

 青い制服の令嬢って、私だと思われているの?
 いや、この制服は、紺色だからね!

「アーロン王子には、グレース侯爵令嬢という、婚約者がいますので、ありえません」

 心の底から否定しますが、エイダン君は笑っています。



「そんな夢物語より、私は、養女にしてくれる貴族様を探すのが最優先です。どなたか心当たりがあったら、教えてね」

 平民のままでは、聖女への道は遠いのです。貴族の養女になって、聖女見習い、そして聖女になって人々を救うのが夢です。

「光魔法だって、これから、もっと鍛えるんだから」

 今は、軽いケガを治癒するのがやっとです。


「オードリなら、きっと、侯爵家の養女になれるよ」
 エイダン君が励ましてくれました。

「それなら、夢は大きく、国王の養女とか言ってよ」

「そこまでは、言えない……」

 地味な学園生活が続いていましたが、今日は笑うことが出来ました。ありがとう、エイダン君。




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