魔法の国のプリンセス

中山さつき

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幕間3

EP7:主人と愛の絆(リード)☆

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「あーーー」

 なんだ、久し振りに普通の目覚めだな……。
 ここしばらくはいつもアレな快楽で起こされていたんだが……珍しいな、寝坊でもしたか?

「……何で俺様が心配してやらねばならん……全く、主人に気を揉ませるとはペット失格だな」

 ゴソゴソーー。

「あ? 誰かいるのかーー!?」

 起き上がってみれば入り口のそばに肌色とピンクの何かが蹲っていた。

「……なにしてるんだお前?」

 顔を伏せていても誰かはすぐにわかる。しかし……何故そんな部屋の隅で小さくなってやがる?
 まさか今更裸が恥ずかしい訳でもないだろうに……。

「え、えっと……」
「――キラリ様、申し上げた筈ですが?」

 のわっ!? びっくりした! いたのかレイチェル!? 俺様に気配を悟らせんとは……いつの間に……。

「キラリ様」

 もう一度何かを迫るように名前を呼ぶ。一体何をさせようとしているのか。

「く、くぅーん……」

 なんだ犬みたいな鳴き声を出して?

「よろしい。では参りましょう」
「ぅ……」
「返事は?」
「ワン……」

 なんだ? 何がしたい? レイチェル?
 我が側近ながら時々コイツの考えがよくわからん時がある。大方毎朝の奉仕もコイツの差し金だろうが、一体俺をどれだけ女好きだと思ってやがるんだ? いくらなんでも毎日朝晩はしんどいんだが……。

「陛下、本日は一日こちらのペットのお世話をして頂けますか? まだまだ躾が行き届いていませんが、ペットと戯れることは日々のストレスを癒してくれるかと存じます」

 そう言って恭しく差し出してきたのは赤いリード。その先は黒い革の首輪に繋がっている。
 首輪は隷属の証としてキラリに俺が与えたものだ。

「さぁキラリご主人様にご挨拶をしなさい」
「……わん……」

 羞恥に顔を染めてはいるがそれでも言われた通りに挨拶(?)と称して鳴いた。よく見れば髪を上でまとめて犬の耳のようにしている。よく出来ているな……。

「ぅわん」

 思わず手を伸ばして触れると少し怯えたような声で鳴く。
 これは……!? やばいな。意外と……いいな……。何というか支配欲が満たされるというか、征服した感が凄い。

「陛下、どうぞお願い致します。私は外で待機しておりますので何か御座いましたらお呼びくださいませ。ではキラリ、粗相のないようにするのですよ? 貴女は犬ですが賢い筈ですね?」

 随分と念を押すものだ。これではそうそうフリを止める事も出来まい。

「……わ、わん!」
「よろしい。では陛下、私はこれで失礼致します」
「あ、ああ……ご苦労だった」

 レイチェルが部屋を出て行ったが、これはどうすればいいのか。
 床にぺたんと座り込んだままじっとしているキラリを見ているとさすがに哀れに思えてくる。

「………………」

 裸に首輪だけ。座り方も指示されているのかいわゆるお座りの状態だな。手が邪魔で肝心なところが胸もアソコも見えん……。
見えそうで見えない……これはこれである意味ツボを押さえていると言えるか。
 っと、それよりもこのまま放置しておくのも可哀想だが、かといって犬の世話と言われてもな……。
 単にいつものように抱く訳にはいかないのか?
 ふむ……。思ったよりも面倒なんだが……。

「ぅ……わん……」

 俺が何もしない事に不安でも抱いたか?

「はぁ……お前も大変だな……」
「わ、わん……」

 しかしどうすればいいものか。犬の世話といえば……何だ? ご飯――餌か? あとは散歩くらいしか思い浮かばん……さすがにこれを引いて外は俺の方がキツイな。

「――ぅひゃぁぁん!?」
「ぅおぉぁっっ!?」

 何だ!? いきなり!?
 俺様とした事が間抜けな声を上げてしまったじゃねぇか!!??

「んぁ、ぁ、ぁ、ぁぁぁんん……ぃやぁ……らめぇ!? あ、ぁぁぁ……んんん!!!」
「お、おい!? どうしたいきなり!?」

 いや、どうしたもこうしたもどう見てもよがっている訳だが? なぜ急に?

「んんんっっ! あぁぁっ!! ぃや、ぃやっ!!!」
「――言い忘れておりました。陛下」
「「――!?」」

 レイチェルだと!? コイツいつの間に部屋の中に……。

「申し訳ありません。ノックをしましたが返事がなく、何やら盛りのついた雌犬の鳴き声がしましたので入室させて頂きました」
「お前な……」

 随分な言い様だな……。
 だいたいコレはお前のせいだろう?
 何だあの尻尾は? あんなものは生えていなかったはずだが……。あの位置……まさか!?

「さすがは陛下です。ご明察の通りア○ルプラグでございます。そしてコレがリモコンでございます。魔力を込めていただきますと雌犬の穴の中を掻き回します。このように――」

 ブゥゥゥゥンンン!!!!

「ぁぁぁあああああああああっっっっ!!!!」

 お、おい!? 大丈夫なのか悲鳴をあげてひっくり返ったじゃねぇか!?
 俺は女が女を甚振るのは好きじゃねぇ……。全く気持ちがよくねぇ。

「レイチェル、そいつを寄越せ。それとどうやって止める?」
「どうぞお納めください。表のスイッチを押す事でオンオフ切り替えが出来ます。それではこの子のお世話をお楽しみくださいませ」

 スイッチ……これか。丸いボタンを押し込むとカチリと小さな感触がして振動音がおさまった。外まで聞こえるほどの振動では快楽よりも痛みがあるんじゃねぇのか?
 あられもない姿でひっくり返るキラリを見ると勃つモノもたたねぇよ……。
 レイチェルのやつ一体何を考えてんだ……ん?

「どうした?」
「ぅ……クゥ~ン」

 体を擦り寄せて……!? ああ! くそ! そうだった。コイツはすぐに発情しちまう。
 確実にバッドスキルを何か持ってるな……。もしくは呪いの類だが……。俺には判断できん。

「ぁゎん」

 仕方ねぇ。一発抱いてから考えよう。
 足に擦り寄るキラリを抱えてベッドに戻る。
 レイチェルに言われているのかそれでも犬の真似を止めようとはしない。

「向こうを向け」

 それだけで頭を低くしてお尻を突き出したポーズを取る。一度こうなるとある程度発散させないとちょっとアレだなコイツは……。

「やれやれ……挿れるぞ!」
「ゎん……ぁぁぁぁぁぁんん!!」



「クゥー」
「すまんな。ちょっとやりすぎたな……」

 あまりにも気持ちがよすぎて連発しちまった。
 自分の絶倫さが時々恐ろしくなるな……。

「……不便だな。喋っていいぞ」
「ぅ……ゎん……?」
「大丈夫だ。俺がいいと言えば問題ない」
「はい……ゎん」
「何だそれは……まぁいい。それでこれからどうするかだな……」
「………………」
「やる事はやったし、もう終わりでいいんじゃねぇか?」

 度が過ぎると興奮も何もない。俺は別に女を甚振る趣味はない。まぁ言うことをきかねぇ奴はいらねぇし、相応の対処はするがな。

「――いいえまだでございます陛下!」
「………………」

 やっぱり出てきやがったな。予想してたから驚きはしねぇが、コイツやはり気配を察知させないとは……。俺様の感知能力を上回る隠密? 隠蔽? いつの間にそんなスキルを身につけたんだよ!?

「陛下の側近としていついかなる時もお傍に……そしてどのような些細な煩わしさも感じさせぬよう完璧に気配を消す事を身につけました」
「お、おう……」

 何で俺の側近はこういうのばかりなんだ……。
 どこか振り切った奴ばっかりじゃねぇか……。

「それは陛下がぶっ飛んだお方でございますゆえ……」
「あと俺の思考をあっさり読むな」
「失礼致しました。陛下がわざわざ口にせずとも察して行動できるように心がけておりますればその御心が自然と伝わってくるのでございます」
「そ、そうか……」

 こえーよそのレベルまでいくと。
 はぁ……顔も体も極上の女のなのにな……。

「光栄でございます。いつでもお求めください」

 だからこえぇって。

「それはさておき陛下、散歩の時間でございます。こちらの餌をお与えいただき少し庭を散歩させて頂きたく思います」
「……正気か? この格好でか?」
「問題ありません。中庭とその周辺は人払いを済ませております。自然の中、ペットとの癒しの時間をお過ごしくださいませ」
「……わかった」

 これはさっさと済ませてやった方がキラリのためだ。だからそんな目で見るな。諦めろ。俺も諦めた。



「恥ずかしい……ゎん……」

 言うな。裸の女を這わせてその首輪から伸びるリードを引く俺はもっと恥ずかしい。

「それにしても久し振りに庭を歩いた気がするな……。確かに偶にはいいかも知れん」

 毎日執務室で書類仕事というのもつまらん。迷宮下層に人が来ることも滅多にないしな……。
 久し振りにやってきたのがコイツだったな。ソロの魔法使いのくせに中々やるものだ。
ただし運が悪かった。
牛頭馬頭とは決定的に相性が悪かっただけで他の迷宮なら攻略していただろう。
 それが今では裸で犬プレイか……人間一つ道を誤るととんでもない目に合うものだな……。

「……どうした?」

 何だ? 急に動きが鈍ったようだが……?

「……お…っこ……」
「何だ? 聞こえねぇぞ?」
「ぅ~わん! ぉしっこだわん!!」
「――っ!?」

 マジか!? 何で急に――あっ!!
 あの餌か!? アイツ正気かよ!? 同じ女だろ!? ここまでやるか普通……。

「ぅぁん……もれ……る……ぅぅう……」

 くそっ、仕方がねぇ!

「おい犬。犬らしくそこの木でさせてやる! ほら足を上げてやれ!」

 心を鬼に。俺に無理矢理させられた方がまだ精神的にましだろう。

「ぅぅ……ぁぅぁぁ……はぅっ!!」

 モゾモゾするだけで一向に足を上げようとしない。何してんだよ!? 漏らしたいのか!?

「……何だ手伝って欲しいのか? 仕方ねぇな……」
「え!? いゃぁっ!? ダメっ! いやぁっ! あぁぁ見ない……で……」

 足を広げて抱え上げた途端、我慢の限界に達したのかキラリのアソコから尿が溢れ出た。

「ぁ……ぃゃぁぁぁああああっっ!!!」

 普段目にすることのない光景。特にコイツの場合は体毛が薄く殆ど丸見えのアソコから淡い黄金色の小水が湧き水のように溢れ出る様は何故か俺を無性に興奮させた。
 うわぁっ……俺自身が言うのもなんだがこういうプレイにも興奮する奴がいるのが少し分かってしまった。……ような気がする。
 現に俺様の股間も痛いくらいに昂ぶっている。
 おいおいマジかよ!? 俺も変態の気があるのか!?
 それとも見慣れないだけか!?

「ぉ……降ろして……ください……わん……」

 いつの間にか放尿は終わっていた。濡れた秘部が木漏れ日に煌めく。

「……木に手をついて足を開け……」

 赤いリードを軽く引き目の前にある幹に向ける。

「はい……ゎん……」

 フルフルと揺れる尻尾プラグが俺を誘っているように見える。
 何だかんだと理由をつけても結局は俺様はコイツが気に入っているらしい。抱きたくて仕方がない。

「いくぜ!」
「ン……ぁぁぁぁあああああンンンン!!!!」

 入り口に当てただけでもう十分愛液で潤っているのがわかる。そのまま腰を一気に突き出しキラリの奥深くまで貫く。あとはもう言うまでもない事だな……。
 快楽を味わい尽くすのみ!!
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