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「声大きい」
「あ、悪かった」
私の文句に素直に謝る。良いやつではないか。
「ランプの中にいなかったってことは、外に出られたってことだろうよ。どうやったのかは知らないが」
「俺たちがランプをこすったら、この家に転移したんだ。驚いてランプの蓋を開ければ、ランプの中にはこんな紙切れが一枚あったきりさ」
於菟春がそれをひらひらと見せる。魔神が受け取り、じっくりと見分した。何かわかれば良いのだが。
「どうやら見立ては逆のようだな」
「どういうことや」
「俺は、そのランプの精を解放したお前さんたちをここに呼んでくれたと思った」
「ああ。さっきも言っていたな」
「だけど、彼がお前さんたちをここに呼んだんだ」
「ややこしいな」
眉をしかめる私に、魔神が呵呵と笑う。
「よりシンプルに言えば、ランプの精が何らかの理由でランプから引き剥がれてしまった。このままでは消えてしまうから、ランプ自体になけなしの魔力を残して、助けてもらえるところまで、縁あった人間を呼び出した」
「全然シンプルやないけど、よくわかったわ」
うかつにも私があの市でランプを買わなければ、こんなことにはならなかったわけだろう。だが、起きてしまったことは仕方がない。
「なぁ、君も魔神やし、どうにかして俺たちをもとの世界に戻してくれへんかな」
「それは無理な話ってもんだ」
「ほう──煙草を吸っても?」
「かまわないさ。火を点けてやろう」
「そりゃどうも」
咥えた煙草に、自然と火が点く。便利だが味気ない。
「どうして無理なんだ?」
「お前さんたちを呼んだのが、そのランプの魔法だからさ。魔法はかけた同族じゃないと解けないのさ」
「ランプの精と君は同じ魔神やろう」
「少し違うな。例えば……そうさな。お前さんたちは、この国の人間ではないし、イスラム教徒でもない」
私たちを順に指差し、そう言う。こくりと頷けば、彼は満足したように言葉を進めた。
「それでも、同じ人間というくくりでは同じだ。でも例えば、獅子はお前さんたちとは明らかに違う」
「獅子?」
突然の猛獣に声を返せば、於菟春が笑った。
「なるほど。同じ哺乳類だけど、違う、というわけか」
「ああ、そういうことか。それやったらわかる。私たちは、君もランプの精も同じ魔神──違いは、日本人かペルシャ人かというもんかと思っとったけど、そもそも哺乳類というレベルでの区別やったというわけやな」
私たちの回答に魔神は頷く。そうして、指を一つ鳴らすと、私たちの前に豪華な食事を用意した。
「まぁ、もう陽が暮れる。今日はゆっくりと体を休めて、この先のことを考えると良いさ。幸い財宝はあるし、屋根のある家もある」
「それもとびきり豪勢な、な」
苦笑すれば、於菟春も苦笑いを浮かべた。
「先ずはせっかく出してくれた、この食事をいただくとしようか」
「あ、悪かった」
私の文句に素直に謝る。良いやつではないか。
「ランプの中にいなかったってことは、外に出られたってことだろうよ。どうやったのかは知らないが」
「俺たちがランプをこすったら、この家に転移したんだ。驚いてランプの蓋を開ければ、ランプの中にはこんな紙切れが一枚あったきりさ」
於菟春がそれをひらひらと見せる。魔神が受け取り、じっくりと見分した。何かわかれば良いのだが。
「どうやら見立ては逆のようだな」
「どういうことや」
「俺は、そのランプの精を解放したお前さんたちをここに呼んでくれたと思った」
「ああ。さっきも言っていたな」
「だけど、彼がお前さんたちをここに呼んだんだ」
「ややこしいな」
眉をしかめる私に、魔神が呵呵と笑う。
「よりシンプルに言えば、ランプの精が何らかの理由でランプから引き剥がれてしまった。このままでは消えてしまうから、ランプ自体になけなしの魔力を残して、助けてもらえるところまで、縁あった人間を呼び出した」
「全然シンプルやないけど、よくわかったわ」
うかつにも私があの市でランプを買わなければ、こんなことにはならなかったわけだろう。だが、起きてしまったことは仕方がない。
「なぁ、君も魔神やし、どうにかして俺たちをもとの世界に戻してくれへんかな」
「それは無理な話ってもんだ」
「ほう──煙草を吸っても?」
「かまわないさ。火を点けてやろう」
「そりゃどうも」
咥えた煙草に、自然と火が点く。便利だが味気ない。
「どうして無理なんだ?」
「お前さんたちを呼んだのが、そのランプの魔法だからさ。魔法はかけた同族じゃないと解けないのさ」
「ランプの精と君は同じ魔神やろう」
「少し違うな。例えば……そうさな。お前さんたちは、この国の人間ではないし、イスラム教徒でもない」
私たちを順に指差し、そう言う。こくりと頷けば、彼は満足したように言葉を進めた。
「それでも、同じ人間というくくりでは同じだ。でも例えば、獅子はお前さんたちとは明らかに違う」
「獅子?」
突然の猛獣に声を返せば、於菟春が笑った。
「なるほど。同じ哺乳類だけど、違う、というわけか」
「ああ、そういうことか。それやったらわかる。私たちは、君もランプの精も同じ魔神──違いは、日本人かペルシャ人かというもんかと思っとったけど、そもそも哺乳類というレベルでの区別やったというわけやな」
私たちの回答に魔神は頷く。そうして、指を一つ鳴らすと、私たちの前に豪華な食事を用意した。
「まぁ、もう陽が暮れる。今日はゆっくりと体を休めて、この先のことを考えると良いさ。幸い財宝はあるし、屋根のある家もある」
「それもとびきり豪勢な、な」
苦笑すれば、於菟春も苦笑いを浮かべた。
「先ずはせっかく出してくれた、この食事をいただくとしようか」
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