ハーレムマスターオンライン~エロゲのような異世界で最高のハーレムを目指します~

南郷 聖

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プロローグ

プロローグ2『利用規約』

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『GAME START』

 目の前に文字が表示され、俺の視界が眩い光に包まれる。それと同時に意識が何かに吸い込まれるような感覚に陥った。エレベータが動き出す時に感じる不快感に似たようなものを感じながら目を閉じていると、不意に地面に足が着いた感触がする。

「フルダイブするってこんな感じなんだな…」

 ゆっくりと目を開けると、雲一つない闇夜を巨大な赤い月が煌々と照らしている。周囲には建物等のオブジェは一切なく、地平線が見えるほどの広大な草原が目の前に広がり、緩やかな風が俺の頬を撫でている。VRゲームの中だと言うのに風の感触や草の匂いまで鮮明に感じられた。

「さすが最新型だな。触覚や嗅覚まで現実みたいに体感できるのか。……ん?」
 
 不意に背後に人の気配がしたので振り返ると、そこには背中に6枚の輝く白い羽を生やし、プラチナっぽい材質の全身鎧を纏った長い緑髪の美女が笑顔で佇んでいた。俺は気配を全く感じずに背後を取られたことに驚愕しながら彼女が何者かと警戒していると、その女性はゆっくりと俺に近寄り優雅な所作で一礼してくる。

『お待ちしておりました窪塚陽斗様。数々の試練を超え、ハーレムマスターオンラインの世界へようこそお越しくださいました』

「…試練? そんなもん受けた覚えはないが?」

『貴方様がハーレムマスターオンラインのソフトを手に入れた瞬間から、貴方様の身には数々の試練が降りかかったはずです。覚えはありませんか? 例えば…車に轢かれかけ、空から鉄骨が降り注いできたりとか』

 あぁ、そう言えばGE〇から家に帰る間にそんなこともあったな。いつもは起きない様なトラブルが一気に襲いかかってきて変だなぁとは思ってたんだよ。ていうか自分の身の安全よりも近くにいた人達を救出する方が手間だったわ。…なるほどね、あれがこの女の言う試練だったって事か。

「つまり、あの出来事は全部あんたの仕業だったって事か」

『いえ、私ではありませんよ? 全ては女神様が企てた試練です』 

「女神様?」

『はい。私の上司であり、創造と創世を司る女神アナルヴィス様です。申し遅れましたが、私は女神アナルヴィス様の腹心であり、窪塚陽斗様のナビゲーターを務めさせていただきます序列第1位の熾天使セラフ『ネフィリム』と申します。以後、私のことは気軽にネフィとお呼び下さい』

 …随分気合入ってるなこのゲーム。彼女から感じる気配はまさに天使の如き清らかで荘厳な聖なる波動だ。背中から後光差してるし。長年修業を積んで精神を鍛えてる俺だから平然としているが、普通の人間がこの波動を正面から受けたら…多分号泣しながら彼女の足元に跪いている事だろう。こんな所まで表現出来るとか…流石新型PSV!

「ナビゲーター…天使が案内役とか豪勢だな」

『いえ、私は女神様の使いっ走りのようなものですのでお気になさらずに。それではこれから色々とご説明いたしますが、その前にこちらの利用規約をご確認していただいた後、同意を得られましたら最後のページにある記入欄にお名前をサインしていただきますようお願いいたします』

 ネフィは空中に開けた謎の光る穴から銀色のファイルを取り出し、俺に手渡してきた。利用規約か。ネトゲとかやる時はいっつも規約なんて読み飛ばしてるからなぁ。さらっと流し読みしてサインしちま………ん? いや、ちょっと待て。これって…。


――――――――――――――――――――――――――――――――
ハーレムマスターオンライン利用規約

 第一章 ハーレムマスターオンラインについて
 
 ハーレムマスターオンライン(以下HMO)は創造と創世の女神アナルヴィス様が考案した、現世に対して絶望を抱を抱いている人々を救済するために製作されたゲームソフトです。現実のしがらみを全て捨て去り、生活環境が全く違うファンタジーな異世界で利用者様に新たな人生を提供いたします。

 当規約に同意して頂いた段階で現実世界での利用者様の肉体の消去、並びに利用者様との面識がある全ての人間の中から利用者様に関する記憶が完全に抹消されますのでご了承ください。
――――――――――――――――――――――――――――――――


 前半の説明も謎だけど…問題なのは後半部分。俺の肉体と、俺の関係者の俺に関する記憶の完全消去? なんの冗談だ?

「なぁネフィ、これに同意したら俺の存在が消滅するような事が書いてあるんだが…どういうことだ? なにかの演出?」

『いえ、演出でも誇張でもございません。分かりやすく説明致しますと、このハーレムマスターオンラインというゲームは、制作スタッフ達を女神様が密かに洗脳して作らせたエロゲであり、それと同時にこのゲームの元になった現世とは異なる世界への転生装置でもあるのです』

「……は? て、転生装置??」

『はい。要は貴方様が読んでいた愛読書ラノベによくある異世界転生をするためのアプリがこのエロゲなのです。しかし、異世界に行くためには問題が2つあります』

「問題?」

『はい、1つ目は異世界への移動方法です。異世界へと旅立つためには現世と異世界の境界にある次元の壁を越えなければならないのですが、窪塚陽斗様の現在の肉体では貧弱すぎて次元の壁を超えることは叶いません。ですので、現在の肉体を一旦消去し、次元の壁を越えられる強度を持つ肉体へと転生術式を用いて再構成いたします』

 あぁなるほど。そのために転生しなきゃならんという事か。てか貧弱って酷くない? 結構鍛えてるはずなんだけどなぁ俺。

『もう一つは現世でのトラブル回避の為の処理です。このまま窪塚陽斗様が異世界に旅立つと現世では神隠し扱いになってしまい、地球担当の神様に多大なご迷惑をかけることになります。ですので、窪塚陽斗様に関わってきた全ての関係者の記憶を完全に抹消することで、あと腐れなく異世界へと旅立てるよう処置を取らせていただきます』

「つまり現世での俺が完全消滅すれば、その次元の壁とやらを越えてエロゲの世界に行けるってことだな?」

『大体そんな感じです』

 よかった合ってた。

『厳密にはエロゲの世界ではなく、次元を超えた先にあるHMOのようなシステム概念が存在する異世界に、ですね。女神様が厳正なる抽選で選出した現世に対して絶望を抱いている1000人の方々がこのHMOというゲームソフトを入手するよう運命操作されており、ゲームソフト入手後の試練を乗り越えた方々には新しい世界での人生と生きる希望を与える…というのが、女神様が打ち立てたHMOプロジェクトの主目的となっております』

「HMOプロジェクトねぇ……っていうか抽選? 厳選じゃなくて?」

『はい、抽選です。ちなみに抽選方法は女神様お手製の自作アプリにて決定されました』

「えらい現代的な女神だな」

 そんなもんで選んでいいのか?とか、せめて事前に面接ぐらいしろよとかツッコミたいことは色々あるが、この利用規約に同意すればラノベとエロゲが融合したような魔法が存在する素敵世界に行けるってことは理解した。 

『如何いたしますか? 利用規約に同意して頂けないなら現実という名の絶望と混沌が渦巻く地獄のような世界へと戻って頂くことになります。ちなみに現実に戻ったとしてもHMOのゲーム自体は通常通りプレイして頂くことが可能ですので、存分に一人プレイを楽しんでくださっても結構ですよ?』

 嫌な言い方するなコイツ。




 ―――確かに俺は、現実に絶望…というか嫌気が差している。


 現実の日本は平和すぎる。いくら修行して強くなったとしても命を賭けた戦いが出来る某地下闘技場みたいな場所なんて何処にもないし、悪事を行っている腐った豚共を屠殺したとしても、バレたら法で罰せられるのは俺だ。その辺は海外に行ったとしても同様だろう。

 尚且つ、俺自身中学中退で、学歴もなければ職も資格もコネもない。窪塚流の道場を継いで門下生を募集したとしても、殺人剣なんていう物騒な剣術なんて一般人には受け入れられないだろう。この先生きていたとしても学歴が重視される日本では底辺の人生しか待っていないのは目に見えている。まぁその辺は自業自得としか言えないんだが。

 それに…。

『窪塚陽斗様、あなたは生まれてすぐに両親を失い、幼少の頃から祖父の手で育てられていましたね。そして2歳の誕生日を迎えた日から毎日毎日、貴方様を窪塚流の後継者にするべく拷問のような辛く苦しい修行を課せられて来ました。そんな修行の日々をなんとか乗り越えて成長したあなたは中学生の頃、学校の中庭でクラスメイトで友人でもあった女生徒が酷い虐めにあっている現場を目撃し、その少女を救うために鍛え上げられた肉体と技を初めて祖父以外の人間に使いましたね』

「ッ!? なんで…そのことを…」

『女神様は全てご存じです。そして怒りに任せて暴れた後、気付いた時には…女生徒を虐めていた人間達全員を男女問わず複雑骨折、及び内蔵破壊という瀕死の重傷にまで追い込んでしまいました。幸い死者は出ませんでしたが、あなたはその時、自分の友人が自分の知らないところで虐められていたという義憤と、彼女を救いたいという義侠心に駆られてやり過ぎてしまった」

 …あぁ、よく覚えてるよ。結局助けた彼女にはビクビク震えながら絶叫して逃げられるし、傷害事件どころか殺人未遂事件扱いにされて教師にシコタマ怒られたあと、警察に連れて行かれて初めて取り調べというものを体験させられる事になった。

『しかし、その件は虐められていた女生徒を救うための行為だったということと、当時はまだ12歳だったということで罪には問われませんでした。ですが問題はそれでは終わらなかった。あなたが潰した者達の中にたまたま国会議員の息子がいて、愛する息子が酷く傷付けられた事に大激怒。この事件のことをあなたが全面的に悪いように改変してからマスコミにリークし、まだ未成年だったにも関わらず悪し様に実名報道された結果、あなたは危険な犯罪者として学校はおろか住んでいた街の中でも完全に孤立していきました。被害者だった女生徒が何も言わずに地方へと転校してしまったことも大きかったようですね』

「・・・・・・・・・」

『そのことが原因であなたは完全に不登校になり、中1にして中学中退状態。それ以降は鬱憤を晴らすかのように祖父と修行の日々を送り続け、修行以外の時間はエロゲとラノベとアニメ鑑賞。それと自分の荒れた心の中を綴った妄想ポエムを書き続け、修行以外では一切外に出る事のない完全なる引きこもりへと進化していきました。キモオタニート乙です』

「キ、キモオタニートじゃねぇし! 一応学生だったし! たまにバイトもしてたし!」

『学校なんてまったく行ってない上に、バイトを始めたのもつい最近ですよね?』

「…はい」

 うぐぅ…。ていうか引きこもりって言っても近場のコンビニには買い物に行ってたし、オタク文化には夢と希望と浪漫がいっぱい詰まってるんだよ! それとポエムの部分はスルーしてください。

『その後、過激な修行の末に窪塚流の皆伝を得てようやく修行の日々から自由になったあなたは、居場所がない現実世界を拒絶して仮想空間で女の子とイチャイチャできるVRエロゲと言う名の現実逃避を選択して現在に至ります。……こんな人生を送ってきた方が現実に絶望していないとは言えませんよね?』

 全部当たってるから何も言い返せない。内心地味に疑っていたが、俺しか知らない情報(特にポエム)を知っているってことは、どうやらこのゲームに女神という存在が絡んでいるのは事実のようだ。

「…俺の人生の振り返りは色んな意味で辛いからその辺にしておいてくれ。ネフィが言いたいのは、要は絶望しかない現世で生きていくより、異世界に行く方が俺自身が幸せになれるって事だろ?」

『その通りです。異世界には人間だけでなく様々な種族、そして人間を襲う魔物も存在します。窪塚陽斗様が現世で使えなかった能力を存分に発揮出来るだけでなく、その力を上手く使用すれば富や名声、そして女性達からも羨望の眼差しを向けられることでしょう』

「異世界では強い人間がモテるってことか?」

『当人の性格にもよりますが概ねその通りです。数ある国家の中には力こそ正義と謳っている国もございますし、これから行く世界ではハーレムを作ることが標準化しており、全国どこでも一夫多妻、一妻多夫制が認められております。法による規制も割と緩いですし、女性との交渉次第では貴方様が愛した『さく○んぼ小学校』の同人ゲームのような鬼畜行為を行うことも可能です』

「っ!? い、いやいやネフィさんよ。俺はさくら○ぼ小学校もた○きソフトもIR○Sも好きだが決してロリコンじゃないぞ? 俺は基本的に雑食系草食男子だし、これまでに好きになった女の子がたまたま小さい子が多かったってだけの話だ」

『言い訳乙でございます。異世界に住まう人々は貴方様と同じく魂や感情を持った普通の人達ですので、幼女への強姦や監禁等の畜生の如き行為は程々にお願いいたします』

「そんなことしねぇし!」

 …つまりだ。国によっては力があればやりたい放題出来るし、幼女だろうと人妻だろうと交渉次第では手に入れることが出来るということだ。それにそんな世紀末チックな世界なら俺以上の強者とも戦えるかもしれない。んー、なんて素晴らしい世界なんだろう。

 しかし、ネフィは今さらっと重要な事を言ったな。HMO世界の住人は魂や感情を持っている…っていうことは、現地の住民はNPCのようにプログラムで管理されたキャラクターなんかじゃなくて自立した存在ということだ。自立しているということは、会話する際には対人スキルが求められることになる。……そうなってくると、ここで重大な問題が発生する。

「…なぁネフィよ、俺には戦う力はあっても女性経験もコミュ力も対人スキルもないんだが?」

『? 今こうして私としっかりお話できていますが?』

「いや、なんか知らんけどネフィとは普通に話せるんだよ。普通の女性の前に出たらガチガチに緊張して何も話せない自信がある。なんせ中学校に行かなくなってから女の子とまともに話したことなんてないからな」

 交渉すっ飛ばして女の子を無理矢理手込めにするような外道プレイは俺の趣味じゃないし、出来ることなら童貞は惚れた女に捧げたい。贅沢を言うならデ○マスのこ○えちゃんみたいな子に甘やかされながら、言葉攻めをされつつ騎乗位で襲われるように卒業したい。しかし、仮にそういう子に出会ったとしても引きこもりでコミュ障な今の俺にはどうする事も出来ないだろう。

『なるほど。ですがご安心ください。プレイヤーの中にはそういうコミュ障の方もいると想定して、女神様は異世界をスキル制の世界に設定したのです。例えば、口説き上手になれるスキルや女性を魅了しやすくなるスキルを手に入れれば、対人スキルに自信のない方でもコミュ力不足を補うことが出来ます』

「マジでゲームみたいだな…さすが異世界。ちなみにそのスキルって簡単に手に入るのか?」

『申し訳ありませんが、スキルに関しての細かい内容は利用規約に同意していただいたあとにご説明いたします。まずは利用規約をご確認していただき、異世界に旅立つかどうかを考慮して頂きたく思います』

 まぁそりゃそうだな。異世界に行かなきゃスキルもクソもないし。俺は再び流し読みで利用規約に目を通していく。元々活字が得意じゃない俺はこういう長い文章を見ていると徐々に眠くなってくるが、それでも頑張って確認していくと気になる項目が何個かあった。




・異世界で死亡、及びロストしたとしても女神が責任を取ることはありません。全て自己責任です。

・女神がプレイヤーに神託クエストを発した場合、プレイヤーはそれを達成するために行動することが義務付けられています。クエストをクリアすると女神から様々な恩恵を受けることが出来ますが、クエスト達成の義務を放棄した場合には何らかの神罰ペナルティが下りますのでご注意ください。

・基本的に神託クエスト以外で女神がプレイヤーの行動に制限を掛けることはありませんが、HMO内に存在する女神が定めた女神法は遵守して頂きます。女神法を破ったプレイヤーは即座にロスト判定となり、救済措置等は一切ありません。




「ネフィ、いくつか質問してもいいか?」

『どうぞ。答えられることならお答えいたします』

「ありがとう。んじゃまずロストっていうのはどういう状態のことだ?」

『ロストとはプレイヤーの魂が消滅した状態の事を指します。普通の死と違って、魂が消滅するということはプレイヤーの存在そのものが消滅するという意味と同義です。そうなった場合、魂の再生はもちろん蘇生や転生等の処置も二度と行うことは出来ません。その先に待っているのは完全なる”無”です』

 ロストしたら俺という存在が無に帰るって事か。それは……少し怖いな。

「…ロストは頻繁に起きるものなのか?」

『いえ、普通に生活していればロストすることは滅多にありません。ですが、魔物と戦闘することが多いプレイヤーは話が別です。プレイヤーが魔物との戦闘等で命を落とした場合、女神様の加護により魂を消耗することで任意に蘇生することが出来ます。しかし蘇生ができる回数は2回まで。3回死んでしまったプレイヤーは魂が摩耗に耐え切れずに消滅し、ロストとなります」

「任意ってことは蘇生を選択しないこともできるのか?」

『はい。オススメは致しませんが、その場合は通常通り異世界を巡っている輪廻の輪の中に帰り記憶も消去されるでしょう。転生先もランダムです。世界のどこかにロストしないようにする対抗手段も存在しますので、現地で探すことを推奨いたします』

 なるほど、2回まで死ねるとか結構有情かもしれんね。対策が用意されているってことは、消費した残機を回復する手段でもあるってことかな? 入手する機会があったら率先して手に入れよう。

「次。女神の神託クエストってどのくらいの頻度で発生するんだ?」

『女神様が気まぐれで発令するので正確にはお答えできませんが、世界の危機等の緊急事態が発生した際には確実に神託クエストが降るでしょう。クリアした時に貰える報酬は女神様が決められることですのでお答えできません』

 …女神の気まぐれでクエストが発生するのかい。まぁ女神からの報酬なんだから期待して良さそうだし、神託クエストが発生したときは率先してクリアを目指した方が良いかもしれない。

「最後に…女神法って何?」

『女神法とは女神様が定めたプレイヤーが絶対に遵守しなければならない法律の事です。その内容は今のところ1つ…”13歳以下の子供を男女問わず故意に殺害する事を禁ず”。これだけです』

「なんていうか…意外と真っ当だな。でもなんで13歳?」

『異世界では13歳から成人として認められるからです。それと女神様は非常に子供好きで、プレイヤーの中に子供を殺すことで興奮する異常性癖を持つ者が現れたのでこの法を制定したのです。今後、もしプレイヤーが再び女神様の逆鱗に触れるような行為を犯したら、新たなる女神法がさらに増えることになるのでご注意ください』

 …それって全部、抽選なんかでプレイヤーを選んだ女神の責任なんじゃないの?

『女神様が子供好きで殺めるのを好まないのは異世界全土に知られていますが、現地人には女神法が適用されません。もしそういう現場を見つけたら最優先で救出してあげてください。成果を上げることで女神様から何らかの恩恵を授けられることもあるでしょう』

「まぁ、俺としても子供を助けるのは吝かじゃないからな。了解した」

 ここまで話を聞いた結果、子供を故意に殺さなければ犯罪行為以外は何をしようと自由ということだ。剣や魔法を極めるのもよし、ハーレムを作るのもよし、強者に喧嘩を売って命懸けの決闘をするもよし。俺にとってはまさに理想の世界とも言えるだろう。唯一の肉親でもあり師匠でもあるジジイに俺の存在を忘れられるのは少し寂しい気もするが…あのジジイなら俺がいなくても元気にやっていくはずだ。

『結論は出ましたか?』

「…あぁ、利用規約に同意させてもらう」

 俺は利用規約の署名欄に自分の名前を書いた。書き終えた瞬間銀色のファイルが光り輝き、俺の体がサラサラと砂のように崩れ去っていく。完全に体が崩壊した俺は、ふよふよと空中に浮かぶ白くて丸い宝玉のような形状に変化していた。

(な、なんじゃこりゃあああ!?)

『利用規約に同意されたと同時に現世での窪塚陽斗様としての人生が終了し、肉体が消滅して魂のみの状態になりました。それではこれよりチュートリアルを開始いたします』



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