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プロローグ
プロローグ6『触手と転生』
しおりを挟む『―――――――ト様、起きてくださいアキト様』
誰かの声が聞こえる。女の子の…具体的には俺の敬愛するエロゲ声優の一人『赤葉りんご』様っぽい声が。その声に答えるように目を開けると、そこにはネフィの綺麗な顔が至近距離で俺の顔をじーっと覗き込んでいた。
「……ネフィ?」
『はい』
「え、あれ? 気絶してたのか俺」
『気絶と言うか、新たな肉体に転生したのです。アキト様の肉体生成と魂の融合は無事に完了いたしましたが…大丈夫ですか?』
「あ、あぁ…ッ!?」
首を傾げるネフィの仕草に俺の心が”トゥンク”と高鳴る。なんでこんなにときめくんだろう? 理由は分からないが、さっきまでの魂状態の時と違ってネフィの事がめっちゃ可愛く感じる。心臓がドクンドクンと鼓動を早め、顔が熱を帯びていた。これまで3次元の女になんてそんなに興味なかったのに、目の前の可愛い天使にはこんなに心惹かれてる。なんて可愛いんだ……彼女が…欲しい。
「ネフィ…キスしていいか?」
『…は? 良い訳ないでしょう。寝起きに盛るとか犬ですか? あまりふざけたことを言うと、その股間で勃起している無駄にデカいモノを引き千切りますよ?』
「辛辣!?」
『アホなこと言ってないで新しい体をご確認ください。忠告ですが、私に触れたら物理的に消し飛ばしますのでご注意ください』
「あ、あぁ。なんかごめん…」
ネフィから蔑んだ視線とコメント+殺意を貰ったおかげで何とか気分が落ち着いてきた。横になっていたその場から起き上がり、新しい体の状態を確認する。身体自体は以前のままで動きにも問題はない。試しに窪塚流の型をやってみるが、むしろ今までよりも技のキレが上がっている気がした。能力値を上げたりスキルが増えたりしたのが影響してるのかもしれんね。
確認の結果、身体機能や体調などには特に異常はない。ないんだが……ネフィを見ていると、ありえないぐらいに興奮している自分がいる。寝起きに彼女を見た瞬間から俺の相棒がMAX状態のまま通常に戻ろうとしない。こんなに興奮したのは俺が幼少の時、親父の遺したPCに入っていた凌辱系エロゲ『絶〇~青い果実の散花~』をプレイした時以来だろうか。思えばあれが俺のエロゲ人生の始まりだったような気がするなぁ。あ、そう言えばスタジオ〇ビウスが去年、11年振りに新作を出すとか言ってたけど…あれどうなったんだろ?
『…? アキト様、何か問題でもありましたか?』
「問題って言うか…なんでか知らんけどネフィを見てると物凄くムラムラするんだ。気合で耐えてるけど、気を抜いたらネフィに襲い掛かってしまいそうなレベルでヤバい」
『ムラムラ…性的に興奮しているという事ですよね? これまでのプレイヤーの方にそういう事例はなかったのですが…』
どうする? このムラムラを解消するためには少なくとも3発以上抜かなきゃ治まらない気がする。しかし、せっかく目の前に超絶美少女天使のネフィが居るのに一人プレイなんてしたくないし、これからエロゲ異世界に行くのに何も経験がないのはプレイヤーとしての沽券にかかわる気がする。ここは何としてでもネフィをその気にして抜いてもらうしかない!
だが、普通に頼んでもこの毒舌天使に軽くあしらわれるだけだろう。それなら…そうせざるを得ない状況に持っていけばいい。
「ネフィ、これは転生が失敗してるって事か? いくら何でもこのムラムラっぷりは普通じゃないぞ」
『いえ、それはありえません。転生作業は確実に成功しております。私に興奮しているアキト様がおかしいのですこの変態蛆虫』
「うぐっ!? で、でも…この状態は明らかにおかしいだろ。成功してるって言うんなら、俺のナビゲーターとしてこのムラムラをどうにかしてくれよ! こういうクレーム処理もお前の仕事だろ!?」
『………チッ、畏まりました。要するに、アキト様の精力を消費出来ればよろしいのですね?』
舌打ちしやがったなコイツ…。職務の責任を笠に着て言うこと聞かせるみたいで申し訳ないが、こっちもマジでいっぱいいっぱいなのだ。もはや爆発寸前。マジで出しちゃう5秒前。今の俺なら一人プレイの自己最速記録である46秒を塗り替えることが出来るかもしれない。
そんなことを考えていると、ネフィが突然呪文のようなものを唱えだした。彼女の足元に黒い魔法陣が光り輝き、そこからにょろにょろとした鮮やかなピンク色のタコっぽい何かが這い出して来る。
「えーっと…? ネフィさん、それは何かな?」
『紹介しましょう。こちらは今、天界の男性天使達の間で密かに流行している最新のデリバリーオ〇ホール、『クイーンオクトパス3世』ちゃんです』
「デ、デリバリーオ〇ホ!?」
『本日はアキト様の為に最高級コースであるアルティメットエクスタシーコースの注文を出して召喚いたしました。この子の触手に掛かればあっという間に快楽の海どころか深海にまで沈められること間違いなしです。まぁ下手をすると気持ち良すぎて快楽依存症になり、もうこの子無しじゃ生きて行けない体になるかもしれませんが…そこは気合でどうにかしてくださいね』
「依存症て…。いやいやいや、ネフィが抜いてくれるんじゃないの!?」
『は? 誰がそんなことをすると言いました? 偉大なる女神様の側近であるこの私がそんなことする訳ないでしょう。エッチしたいだけの童貞野郎にはこの子で十分です。さぁクイーンオクトパス3世ちゃん、やっておしまいなさい!!』
『ギュピィィィィィィィイイイイイイ!!!』
ネフィの命令を受諾したかのようにピンク色のタコの触手が這い寄ってくる。俺の脳内で緊急危険信号が点灯したので即座に逃げだそうとするが、何かに体が拘束でもされたかのように全く身動きを取る事が出来ない。
「くそっ…なんだこれ! 動け、動け動け! 動いてよぉぉぉ!!」
『ふふっ、知らないんですか? 大天使からは逃げられません』
「お前実は大天使じゃなくて大魔王だろ! やめろ…やめろ、こっち来るな…! ちょ、ダメ…そんなところ…ンッ! アッーーーーーーーーーーーーーッッッ!!!!」
しばらくお待ちください。
「………コヒュー、コヒュー…」
数時間後、ボロ雑巾のように干からびた俺が粘液塗れでピンクの触手から排出された。抜かれ過ぎたせいか、空に浮かんでいた赤い月が今では黒ずんだ黄色にしか見えない。
『無事に性欲は解消されたようですね。最高級の触手プレイは堪能できましたか?』
「うぅ…汚されちゃった。もうお婿に行けない…(´;ω;`)」
『あの子はただのオ〇ホールですからアキト様は綺麗なままですよ? それでは最後に転生作業へと移りますが、何か質問等はございますか?』
「何事もなかったかのように通常業務に戻ろうとすんな鬼畜天使!!」
まったく…酷い目にあった。あの触手が全身に纏わりついて俺の弱いところを的確に愛撫しつつ、俺の相棒に痛みと快感のギリギリの強度で吸い付きながら最適な締め付けとヌルヌル具合でピストン運動を行い、おまけに俺の尻穴にまで触手を侵入させて前立腺を刺激してくる徹底ぶり。最終的に何発抜かれたかは覚えていないが、普通の人間があの攻めを喰らったら間違いなく堕ちていただろう。
だが、あの攻め方は色々な意味で勉強になった。是非今後の参考にさせてもらおう。
『酷い言い草ですね。いくら発情していたとはいえ、初対面の天使にいきなり口付けを迫る方がよっぽど鬼畜だと思いますが?』
「うぐっ……その点は申し訳ない」
『いえ、私もアキト様の狂ったような痴態を楽しませて頂きました。あまりにも滑稽で笑えましたので今回の件は不問に致します』
「あ、ありがとよ…💢」
この鬼畜ドS天使め…。今度会ったら絶対に仕返ししちゃる!
『話を戻しますが、ここまでの事で質問等はございますか? 無ければ転生作業に移らせていただきますが』
「あぁ…質問って言うかさ、転生する前にメニューやスキルの使い方を聞いておきたいんだ。正直よく分からんし」
『畏まりました。時間も迫っておりますので軽くでよいのでしたらレクチャーいたします』
それから30分程度かけてネフィからスキルや魔法、メニューのざっくりとした使い方を教わり、これで転生の準備は整った。あとの細かいことは現地で模索することにしよう。試行錯誤するのも異世界転生の醍醐味だからな。
『それでは…これよりアキト様の転生シークエンスを開始し、指定のステータスでエレクチオンへとお送り致します。なお、転生される場所は完全にランダムとなっており、時間も他のプレイヤーと多少ずれることがありますのでご了承ください。準備はよろしいですか?』
「転生先ってランダムなの!? んーまぁいいや、やってくれ! ネフィ…色んな意味で世話になった。ありがとな」
『…はい。どうかこれからのアキト様の旅路に女神様の祝福を…』
ネフィが右手を上げた瞬間、俺の足元に光輝く魔法陣が形成される。それと同時に強烈な光が俺の体を包み、どこかに飛ばされるような感覚と共に俺の意識は完全に消失した。
§ § § §
アキト様をエレクチオンへと送り出した数時間後、私の側に一本の光の柱が降りてきた。それは私の主である創造と創世を司る女神アナルヴィス様がご降臨なされる時に生じるもの。私はその光に対して厳かに跪いた。
「最後の適格者を無事に送り出せた様ね、ネフィ」
「はい女神様。任務は無事に完了いたしました」
「うんうん、お勤めご苦労様。それじゃ詳細を聞かせてもらおうかしら」
「畏まりました。今回の試練に合格できたのは1000人中383名。そこから個人面談を行った結果、その内の152名を総合的に不適格と判断し、現世へと送り返しました。詳しくはこちらに纏めてある書類をご覧頂ければと思います」
「そう…結構残ったわね。HMOのソフトを手に入れた瞬間からギリギリ死ぬ程度の不幸が訪れるように設定しておいたんだけど…地球の神は人間を存外丈夫に作っていた様ね。まぁこれぐらいの試練は乗り越えてくれないと話にならないんだけど」
HMOの発売日当日に617名の日本人が不幸な死を遂げている。今頃日本はパニックになっているでしょうね。
「それで、残った者の中に期待出来そうな人は居たかしら?」
「はい、5名ほどではありますが有望な人材がおりました。私見ではありますが、彼等のうちの誰かが次代のハーレムマスターになる可能性があるかと思われます。そして、その先も…」
「へぇ…ふふっ、そう。それは楽しみだわ。私の願いを成就してくれるプレイヤーが現れることを期待しておきましょう。それじゃ私は色々と仕事が溜まってるからエレクチオンの管理は引き続き任せるわ。よろしくね、ネフィ」
「畏まりました」
女神様が掻き消えるようにこの場から去ったあと、私は女神様の側近としての通常業務に戻る。空中に表示したコンソールを操作しながら、ふとこの場に最後に現れたプレイヤー『アキト様』の事を思い出した。私が有望株のプレイヤーに選んだ一人であり、不当な扱いを乗り越えて剣術とエロゲに青春時代を捧げたコミュ障のロリコンっぽい男の子。彼がこの先どんな人生を歩むのか、色々と期待しながら見守って行こうと思う。
「頑張ってくださいね、アキト様」
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