ハーレムマスターオンライン~エロゲのような異世界で最高のハーレムを目指します~

南郷 聖

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第1章 鉱山都市ユヴァリー

第6話『鉱山都市ユヴァリーのラーメン屋さん』

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 ステータス確認も終わり、再び暇になったのでアサヒに話を振ってみる。

「なぁアサヒ。ユヴァリーってどんな街なんだ?」

「ん? そうだな…ユヴァリーの街は鉱山が多く採掘業が盛んで、その利益で急成長を遂げた鉱山都市だ。鉱山では鉄や魔鉱石だけでなく、稀にミスリルなんかも取れたりするらしい。そのおかげかドワーフや鬼人などの腕のいい鍛冶職人が多くこの街に移り住んでいて、優良装備を比較的安価で買えるのが特徴だな。貴殿のその貧弱な装備もユヴァリーで整えると良い」

「貧弱で悪かったな。敵の攻撃なんて当たらなければどうということはないんだよ」

 まぁ、今の俺の装備って前世から着ていた黒のチノパンと白パーカー(返り血で一部赤い)だけだからねぇ。ちゃんとした刀も欲しいし、金が出来たら装備を一式整えた方が良いだろう。






 1時間後、盗賊や魔物が現れることもなく無事にユヴァリーの街の前に到着した。ユヴァリーの街は高い外壁に覆われた街で、入口のところには装備を固めた門番達が真面目に身分証や荷物の検査を実施している。俺達の前にいた馬車の荷台を数人掛かりでくまなくチェックしている所を見ると、この街のセキュリティはしっかり機能しているようだな。

 馬を降りて小一時間並んでいると、やっと俺達の番が回ってきた。

「次の方どうぞ。身分証を確認させていただけますか?」

「あぁ。これで頼む」

 アサヒが胸元から銀色のカードらしき物を取り出して門番に渡す。…そういや俺、身分証持ってないけど大丈夫かな?

「確認します……えっ!? まさか、貴女はあの『銀氷姫』アサヒ=フリューベルク殿ですか!?」

「そうだが…私のことを知っているのか?」

「勿論です! 王都ポロッサで行われた選抜騎士大武会を15歳という若さで史上最年少優勝して王国騎士となり、さらには魔物大繁殖スタンピードに見舞われたこの街を救ってくださった特務騎士団『白銀』のメンバーでもいらっしゃったのですから! お会いできて光栄です!! サイン貰っていいですか!?」

「あ、あぁ…」

 どうやらアサヒはかなり名の知れた騎士だったらしい。まぁたった1人でミコトを守りながら伯爵の私兵50人以上を単独撃破出来る実力があるんだから納得だな。なんでそんな有名な騎士がミコトの護衛騎士なんてやってるのかは知らんけど。

「ありがとうございます!! それで、そちらの御二方は銀氷姫殿のお供ですか?」

「あぁ。こちらの天使のように可憐な方は隣国にあるラヴェンダー伯爵家のご令嬢、ミコト=フラーノ=ラヴェンダー様だ。それで、こっちの男はこの国に来たばかりでまだ身分証を持っていなくてな。身元は私が保証するから通してもらえないだろうか?」

「は、伯爵家のご令嬢とは知らず失礼いたしました! ですが、身分証がない方からは入場料として銀貨一枚頂く規則なのですが…よろしいでしょうか?」

「了解だ。これで頼む」

 アサヒの手から門番に銀貨が渡される。ていうか、今の俺って身分証がないどころか無一文じゃん! さっさと身分証も欲しいし、ここはテンプレ通り冒険者ギルドで登録してから早急に金稼ぎした方が良いだろう。このままアサヒのヒモになるってのも流石に男としてどうかと思うし。

「悪いなアサヒ。金が出来たらすぐ返すわ」

「いや、貴殿には世話になりっぱなしだからな。このくらい気にしないでくれ」

「そんな男前な事言われたら……惚れてまうやろぉぉぉ!!!」

「いきなり耳元で叫ぶな馬鹿者!」///

 ぐふッ! い、良いツッコミだアサヒ。でもツッコミはグーパンでやるもんじゃないぞ?  

「た、確かに頂きました。ようこそ鉱山都市ユヴァリーへ。どうぞお通りください」




 街の中に入ると、そこには中世の都会っぽい街並みが広がっていた。街全体の床に石畳が敷かれ、目の前にある大きな通りの左右にはロココ建築っぽい建物が所狭しと並んでいる。どうやらこの通りでは商業が盛んに行われているようで人通りが結構あり、多種族の人達もちらほら見える。

 その中でも特に目を惹かれたのは、ラフな格好で買い物をしている獣人の女の子達だ。全身を毛がモシャモシャしてるタイプではなく、普通の女の子にケモミミと尻尾が生えてる俺得仕様の獣人様だ。ブラボー女神、ブラボー異世界!

「あぁ…獣人可愛い。あの尻尾に顔面埋めてもふもふしたい…」

 こういう光景を見ると異世界に来たんだなぁって実感するね。いつか獣人の女の子も俺のハーレムに加えて、ふわふわな尻尾やケモミミを一晩中もふり倒して包み込まれながら眠りたい。

「…アキト殿、また邪なことを考えているな。顔が気持ちわるいぞ?」

「だから気持ち悪いとか直球で言うな凹むから。何でもないからまずは飯にしようぜ?」

「そうだな。それなら最近この街に出来たという食堂に行ってみよう。ミコト様もそれでよろしいですか?」

「うん。みんなでご飯食べるの」





 アサヒに案内されて10分ほど歩いたところに、入口の前に長蛇の列が形成された他の商店とは明らかに違う雰囲気の店を発見した。その店の名は『岩窟覇王~ユヴァリー本店~』。んー、なんか北海道に似たような名前のラーメン屋があった気がするんだが…系列店? 入口に店名が入った木製の大きな看板を構えてるし、”冷やし中華始めました”と書かれたのぼりまで飾ってある。これって明らかに日本人が開いたラーメン屋だよな?

「この店のラーメンとかいう食べ物が今この街で大人気になっているとラヴェンダー領にまで噂が届くほどに有名らしくてな。特にこがしみそチャーシューとかいう料理が大人気らしい。話を聞いた時から一度来てみたかったのだ!」

「へー、そうなんだ。たのしみだねー」
 
「たのしみなの~」

 せっかく異世界に来たのに、そこでの初めての食事がラーメンっていうのは正直どうなんだ? とも思ったが、アサヒ達も楽しみにしてるようなので観念して列の最後尾に並ぶことにした。でも…この長蛇の列はしばらく時間掛かるぞ?





「「「いらっしゃいませぇぇぇぇあ!!」」」

 列の最後尾に並んで待つこと40分。やっと店の中に入った俺達に威勢のいい女性従業員達の声が掛けられる。店内はカウンター席が12席、テーブル席が8席あるかなり広めのラーメン屋のようだ。近寄ってきた女性店員に3名と伝えると、テーブル席を勧められたのでそこに着席する。すぐにお冷とおしぼりを出してくれるのはありがたいね。

「美味しそうな匂いが漂っているな。噂通り期待出来そうだ」

「おなかすいたの」

 テーブルの端にあった羊皮紙のメニューを見てみる。ラーメンの種類は基本の焦がし味噌・焙煎塩・焼き醤油と、それぞれの味のチャーシュー麺。最近始めたらしい冷やし中華。あとはラーメンに入れる煮卵などのトッピング類と、サイドメニューに餃子があるらしい。あれ、ご飯系が無いぞ?

「ご注文はお決まりっすか?」

「俺は焦がし味噌チャーシュー大盛りに味玉一つ。あと餃子と…ライスはないのか?」

「あー、申し訳ありませんお客さん。ライスはこの店では取り扱ってないんすよ。うちの店長も探してるんすけど、どうやらこの国にはお米自体がないみたいなんすよねぇ。…ていうかお客さん、よくライスなんて知ってたっすね?」

「まぁ以前はよく食べてたからな。俺の中でラーメンに小ライスは基本なんだが…ないなら仕方ない。んじゃ焦がし味噌チャーシュー大盛りと味玉と餃子だけでお願いします。アサヒ達はどうする?」

 このラーメン屋だけでなく国自体に米がないならどうしようもない。俺の快適な食生活のため、他の国に行った時にでも情報を集めて米探ししないといけないな。朝食は米派の俺にとっては死活問題だし。

「私はこがしみそチャーシューメンを頼む。ミコト様はどうしますか?」

「ミコトもそれがいいー」

「焦がし味噌チャーシュー2つに焦がし味噌チャーシュー大盛り味玉一つ。あと餃子っすね。少々お待ちくださいっすー。味噌チャーシュー2、味噌チャーシュー大盛り味玉1、餃子入りましたっすー!」

「「「はい喜んでぇぇぇ!!」」」

 厨房の中は女性ばっかなのに声でかすぎだろ。居酒屋じゃないんだから。

「アキト殿、ライスとは何だ?」

「ん? あぁ、ライスってのは米のことだよ。稲籾から外皮を取った粒状の穀物…って言っても分からんか。俺の故郷で主食だった食べ物のことだ。小さな白い粒で、それを水に入れて火に掛けて炊くと柔らかくなって食べられるようになるんだ。アサヒはそんな食べ物知らないか?」
 
「小さな白い粒の穀物か…。確か、南西にあるケースドパレス王国にそのような食べ物があると聞いたことがあるが…詳しいことは分からないな。申し訳ない」

「いやいや、情報だけでもありがたいよ。もしその国に行く事があれば探してみるわ」

 メニューの地図機能で検索すると、ケースドパレス王国ってのは函館の位置に王都がある国らしい。函館で米の生産なんてしてたんだなーとか考えていると、さっきの店員がやってきて目の前に注文した品々が置かれていく。まだ注文してから5分も経ってないんだが…まぁいいか。提供の早いラーメン屋は素敵だと思います。

「おまたせしましたっすー! こちら焦がし味噌チャーシュー2つと焦がし味噌チャーシュー大盛り味玉付き。あと餃子っす! 熱いので気をつけて欲しいっすよ。こちらのフォークでお召し上り下さいっす」

「なっ!? フォークって…欧米か!! 子供ならいざ知らず、生粋の日本人であるこの俺がフォークを使ってラーメンを食べるなんて…そんなのは邪道以外の何者でもないだろう!! すまないが箸はないのか?」

「いや、あるっすけど…お客さんお箸使えるんすか? 今までうちの店長しか使ってるところ見たことないっすよ? あたしも前にチャレンジしたけど全然使えなかったっすのに…」

「俺は普通に使えるぞ。だから持ってきて欲しい。大至急だ!」

「か、畏まりましたっすー!」

 店員が厨房からダッシュで持ってきた手作りっぽい茶色の箸を受け取り、手を合わせてから目の前に置かれた焦がし味噌チャーシュー大盛り味玉付きに手を付ける。まずはスープからだ。レンゲでスープを掬い、ゆっくりと口を付ける。

「ッッ!? こ、これは………このコッテリとした重厚なコクは……そうか! 数種類の鶏がらから取ったスープと香味野菜の風味、そこに数種類の味噌を焦がしてから混ぜることで美しくも繊細なハーモニーを奏でている。濃厚なのに決してくどくなく、それでいてガツンとくる旨味が凄い。さらに麺にも一工夫しているな。典型的なちぢれ麺だがその中に別の小麦粉を混ぜることでコシを強化し、スープに絡みやすくしている! ……美味い。これは今までに食べたラーメンの中でもトップ3に入るぞぉぉ!!」

 いや、マジで美味いわこれ。結構濃厚なのにズルズルっとイケちゃう。自家製っぽいメンマもいい仕事をしているな。そして極付きがこのチャーシュー。とろとろになるまで煮込んだぷるぷる感が角煮のような悩ましい魅力を放っている。切実にご飯が欲しいぃぃぃ!!

「だ、大丈夫かアキト殿? それによくそんな2本の棒で食べられるな」

「ズゾゾゾ……ふぅ。これは箸っていう俺の故郷の食事道具で、慣れればフォークとかより使いやすいんだ。ほら、お前達も見てないで早く食べろよ。麺が伸びちまうぞ?」

「あ、あぁ。分かっている」

 アサヒとミコトがフォークを使ってラーメンを食べた瞬間、めっちゃ驚いたような顔をしている。

「美味い! 美味いぞアキト殿! こんなに美味い料理は初めてだ!!」

「はふはふ、ちゅるるるる。おいしいー」

「うんうん。ミコト、熱いからゆっくり食えよ? ほら汁が跳ねてるから口拭いて」

「んにゅ、ありがとお兄ちゃん。ちゅるるるる」

 正直中世文化しか浸透していない異世界ラーメンなんて食えたモンじゃないだろうと思っていたが、この店は間違いなく大当たりだ。俺の脳内食べログランキングラーメン部門1位の座を進呈しよう。間違いなく☆☆☆☆☆だ!

 あっという間に中身と共にスープも完飲した俺は、まだ食べ足りなかったので再び焦がし味噌の大盛りを注文した。店員に他の味も勧められたが、俺はラーメンは味噌しか食べない派だからな。次いつ来れるか分からんし、今のうちに食い貯めしておこう。






 数分後、俺達のテーブルにおかわりを持ってきたのはさっきの女性店員ではなく、赤い髪を角刈りにしてタンクトップにエプロンという装いをした筋肉質の男だった。その男は何故か俺を見てニヤついている。注文したおかわりのラーメンをテーブルに置いてから、そのまま俺の耳元に口を寄せてきた。

「ふふっ、見ていたぜその箸捌き。あんた、もしかしなくてもプレイヤーだな?」

「…そういうあんたもプレイヤーっぽいな。ここの店長か?」

「その通りだ。俺の名はアーノルド。このラーメン屋『岩窟覇王~ユヴァリー本店~』の店主にして、日本では『ラーメン界の守護神』なんて呼ばれていた者だ。いずれこの世界中にうちの支店を広げる予定だからよろしくな」

 チェーン展開する気満々かよ。…ん?

「ラーメン界の守護神って……まさか、久住隼人!?」

 知る人ぞ知る『ラーメン界の守護神』こと久住隼人。審査員を圧倒する様々な技巧を凝らしたラーメンで、全日本ラーメンマスター選手権5連覇という偉業を成し遂げて一部の世間を騒がせた伝説のラーメン職人だ。

「なんでそんな大物がこんな所に…って、HMOを手に入れたからか」

 ということは、彼も現世に絶望していたエロゲ好きということだ。ラーメン界の重鎮が人生に絶望するって…何があったんだろう?

「ふっ、俺がこの世界に来た理由を聞きたそうな顔をしてるな。だが、ここは楽しくラーメンを啜る場所であって暗い話をする場所じゃあない。いずれ機会があったら語ることもあるだろうぜ。それで、お前さんの名を聞いてもいいかい?」

「あ、申し訳ない、俺の名はアキト…窪塚陽斗だ。今日この世界に来たピッカピカの新人だ。よろしくな久住さん」

「…アキトよ、久住隼人という人間はもう死んだんだ。今ここにいる俺は生粋のラーメン職人アーノルド! この異世界にラーメン旋風を巻き起こし、この地に住まう全ての種族にラーメンの美味さを叩きこむことが野望のただの男さ。俺を呼ぶならアーノルドと呼んでくれ」

「わ、分かった。改めて、これからよろしくなアーノルド」

「おうよ! こっちこそよろしくな!」

 俺とアーノルドはガシッと握手を交わす。確かに、この世界に来た理由なんてのは営業中のラーメン屋でする話じゃないな。いずれはこのラーメン屋の常連になるつもりだし、タイミングがあればその時に話を聞かせてもらおう。




「それにしても、よくこの世界でラーメン屋なんて開けたな。俺なんてこっちに来たばっかで何も分からん状態なのに」

「ははは、まぁそうだろうな。俺だって半年前にこっちに来た時は右も左も分からなかったさ。でもな、無一文の俺がこの街で生活するためには一刻も早く金を稼がなきゃいけなかった。だが、料理をしようにも道具も材料も無い。そんな困り果てた俺を拾ってくれたのがこの街の冒険者ギルドだったんだ」

 その冒険者ギルドで冒険者になり、魔物を倒して稼いだ金とアーノルドの料理の腕を認めた冒険者ギルドの援助。そして出会った冒険者仲間達に協力してもらって、なんとかこの店を開業することが出来たんだそうな。やっぱりこういう異世界で最初に世話になるのって冒険者ギルドだよねぇ。身分証もくれるみたいだし。

 俺がこの世界に飛ばされる前にネフィが”プレイヤーの転送される時間もランダム”とか言ってたけど、アーノルドは半年前。もしかしたらもっと前の時間か未来に転送された奴もいるのかも知れんね。

「って言ってももう冒険者稼業からは足を洗ってるけどな。今の俺はラーメン屋やりながら嫁達と幸せな毎日を送るただの料理人でしかない。そして、この幸せを与えてくれた冒険者ギルドとこの街の住人達。何よりも俺の愛する嫁達に恩返しとして最高のラーメンを作り続けるのが俺の義務であり責務だ」

 …そっかぁ。ラーメン界の守護者にも色々あったんだなぁ―――ん? 嫁達?

「アーノルド、あんたもしかして既にハーレム形成してるのか? こっちに来たの半年前なのに!?」 

「まぁな。この世界の女性陣は予想以上に大胆でな。冒険者時代にパーティ組んでた奴らに飯作ってやったら、夜営中に全員一斉に俺のテントに来て惚れたって告って来たんだよ。みんなハーレムなんて普通だって言うし、俺自身彼女達に惹かれていたから速攻でOKしたんだ」

 胃袋掴んで惚れさせるとか…さすが守護神。ネフィから説明は受けてたけど、貴族とかじゃなくてもハーレムが普通って価値観が凄いな。

「なるほどね。んで、アーノルドの嫁さんは何処にいるんだ?」

「ん? さっきからそこにいるだろう。この店の従業員やってる女達は全員俺の嫁だ」

「マジか!?」

 厨房にいるエプロン姿で働く威勢のいい美女が3人。そしてさっき俺達の注文を取ってくれたウェイトレスの女性は全員彼の嫁らしい。人間だけでなく獣人やドワーフもいるようだが、共通点として全員もれなく可愛いって言うね。さすが守護神、いい趣味をしてらっしゃる。

「4人か…凄ぇな。美人が多くて羨ましいわ」

「ふっ、お前のツレもかなりの美人じゃねぇか。それにもう子供作ったのか? いくらなんでも早すぎだろw」

「んなわけあるか! まだ結婚はしてないが2人とも俺のハーレムメンバーだ」

「なん……だと!? お前…こんな小さい子供に手を出したのか!? いくら異世界でもそれはヤバイだろ倫理的に」

「俺にそんな趣味ねーよ!? もうちょい大きくなるまで育ててから頂く予定だ」

「ぶほっ、光源氏計画かよww」

 うーん、同郷の人間だからかは分からんけどアーノルドには余計な事まで話してしまうな。まぁ悪い奴じゃないっぽいから問題ないだろう。おかわりを食べながらしばらくそんな調子で話し込んでいると、また店が混んできたので厨房からアーノルドにお呼びが掛かった。いいなー獣人の奥さん。

「あんたー、そろそろ戻ってきてー」

「あいよ! それじゃ俺はもう行くぜ。よかったらまたラーメン食べに来いよ。その時はサービスするぜ」

「勿論だ。こんな美味い店ならぜひまた寄らせてもらう。仕事頑張れな」

「おうよ!」

 アーノルドは右手を振りながら颯爽と去って行き、厨房に入った途端、彼を呼んでいた獣人の嫁を抱きしめてチュッチュしていた。うーん、未婚っぽい男性客の目の前で見せつける様にイチャつくとか…すごい漢だ。正直羨ましい。

「アキト殿、随分と話が弾んでいたようだが知り合いだったのか?」

「知り合いって言うか…あいつも俺と同じなんだよ。こっち風に言えば天聖者か」

「そ、そうなのか!? なるほど…天聖者殿が作ったからこんなに美味しかったのか。納得だ」

「まぁアーノルドの場合、こっちの世界に来る前から凄腕の料理人だったからな」

 予想外だったがスタートの街でアーノルドというラーメン職人に出会えたのは運がいい。料理好きとして、最終的にはこの店のスープの作り方を解析して自分で作れるようになりたい。




 その後、ミコトが食べ終るのを待ってから会計をして店を出た。あの極上のラーメン4杯に餃子込みで300コルは安すぎる気がする上に、さらに次回トッピング一品無料チケットまで貰ってしまった。さすが守護神、サービス精神が素晴らしい。

「ミコト、ラーメン美味しかったか?」

「うん。すっごく美味しかったの。絶対また来るの!」

「そうだな。絶対また来ような」

 満足のいく食事を終えた俺達は、予定通りユヴァリー領主の家へと向かう。貴族なんてクソみたいな奴しかいないイメージだけど、どんな奴が出てくるかな?


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