太陽と月に抱かれて ~異世界で王子を産みなさい!?~

伊東悠香

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10話 月に抱かれる(4)改(2/3)

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「止めて……お願い」
 懇願するけれど、リュカには止めるという選択肢は無いようだった。
「このまま俺の思うままにするか、ジュリがもっといいと思う方法にするか。それくらいの選択肢はくれてやる」
(どっちにしろ体は奪われるんだ……リュカがそのつもりなら、もうどうしようもないね。力では抵抗できないもの)
 私はリュカから腕を離し、諦めたように横を向いた。
「乱暴なのは嫌……あなたを嫌いになってしまう」
「具体的に言え。どういうのがいいんだ」
「わからないけど……もう少し優しくしてほしい」
(それしか選択肢かがないんでしょう)
 体の力を抜いてぐったりしている私を見て、リュカも少し冷静さを戻したようだ。
「わかった……それがあんたの注文ならその通りにしてやる」
 一つ頷くと、さっきとは違う緩やかな動きで、そっと腰を押し当てた。じわりと響く中の刺激で快感が身体中に広がった。
「……っ、中がきつい」
 リュカが余裕のない表情をする。
 私も自分の体が勝手に反応することに驚き、何も言えない。
 リュカは私の顔の両側に腕をつくと、ゆっくりと腰を動かし、どう変化してくのか探るように私を見つめた。
「気持ちいいか」
「……」
 恥ずかしさで首を振ったが、実際のところ快感が体に巡っていて声にならない。
(なんで……こんな感覚になってるの)
 さっきよりずっと優しい眼差しで私を見つめるリュカの視線に胸がキュッとなり、中がまた締まるのが自分でもわかった。
「…っ、どうしてだ。突いてないのに、こんなに締めて……」
「私にだって……わからないよ……っ」
 言いながら、自分は本当に淫らなんだと思わされる。
(アンリに抱かれたばかりなのに。リュカとの行為も受け入れてる。しかも、両方に同じくらいの愛を感じるなんて……どうして?)
 リュカの心を受け止めたい気持ちになっていき、体の奥が彼を受け入れようとどんどん締まっていく。
「ジュリ……もう限界だ。早くしていいか」
「……ん」
 私は恥じらいながらも、こくりと頷く。
(もう体は受け入れてる……自分でも求めてるのが分かるくらい)
 私の言葉を合図に、リュカは無言で中を突き上げた。
「あ…っ、あっんっ」
 さっきより明らかに乱暴な動きだけれど、私は迫り来る絶頂の波を感じていた。
 汗を滲ませるリュカの表情が妖しいほどに美しくて、視線が離せなくなる。
(あ…っ、くる)
 リュカの腕にぎゅっとしがみ付き、私は背をのけぞらせた。
「い…きそう」
「……っ、俺もだ……ジュリ……っ」
 背中に汗が滲み、呼吸が乱れる。リュカは私を背中から抱きしめると、体を幾度か痙攣させながら達した。
 私もその熱に誘導されるように、ふわりと体が浮き上がる感覚に目を閉じる。
(アンリ……ごめんなさい)
 ずっと潤みっぱなしだった目から涙が頬を伝ってシーツに落ちた。

 部屋に置かれた古い時計の音がコチコチと音を鳴らしている。
 その中で私たちは荒い呼吸をしながら互いを抱きしめ合っていた。
「なんて女なんだ……あんたは」
 リュカは呼吸を整えながら耳元で低く囁く。その声は少し苦しそうでもあり、今までとは違う雰囲気を感じた。
「俺とアンリを懐柔してみろとは言ったが、本当にやるとはな」
「懐柔だなんて……」

(私だって同時に二人の男性に抱かれるなんて、今までの自分ではあり得ないって驚いてるのに)

 それでも不思議とリュカに触れた後の感覚は嫌なものではなかった。

 触れている肌が心地よくて、そっと肩に頬ずりする。
 するとふわりといい香りが鼻腔をくすぐった。
(この、香水とも違う独特の花のような香り。これは……どこかで香ったことがあるような……)
「やはり好きだとか愛とかはわからないが、あんたに触れていると俺の何かが確実に変わっていくのがわかる」
 リュカは私から離れてどさりと隣に寝そべった。
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