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異世界で定住しよう
死闘の成果
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目を開くと、そこは知らない天井……ってことはないな。何度かお世話になったギルドの医務室の天井だ。
「あぁ……起きたぁ……?」
筋肉痛のような全身の痛みに悶えながらゆっくり起き上がると、横で座っていたダルナが声をかけてきた。
「はい……えっと、すいません。ちょっと記憶が曖昧で……確かオーガと戦って……」
「そうそう……君あれから四日も寝てたんだよぉ……」
「四日!?」
それからダルナは順を追って説明してくれた。
オーガの最初の衝撃波はアルガーンに魔力をともなった突風として届いたらしく、ダルナを含んだギルドの精鋭が調査に来ていたらしい。そして到着した場所には、薙ぎ倒された森の木々と倒れたロイとダイモと俺、そしてふらふらになりながらも治癒魔法と浮遊魔法を同時に使いながら歩くケーデの姿だった。
「彼女に感謝しなきゃねぇ……完治こそせずとも左腕が綺麗に治ったのと全身疲労程度で済んだのは彼女の魔法のおかげなんだからぁ……。あとの二人なんて結構ぎりぎりだったよぉ……」
彼女にはこの世界に来てからお世話になりっぱなしな気がする。今度ほんとにお礼しないとな……。
「だよねぇ……ねぇ……聞いてるぅ……?」
「いだぁ!」
ケーデさんにどうお礼しようか考えていると、ダルナが頭を鷲掴みにして無理矢理向き直させた。
「す、すいません……」
「もぉ……だからぁ……無茶しすぎだってぇ……魔法糸を体に巻いて筋線維のアイデアはなかなかだけどさぁ……更に色々魔法同時使用してたんでしょお……? ちょっとでも扱い間違えたら自分の糸に千切られちゃうのにぃ……」
「え、なんでわかるんでぃたたたたたたた!」
ダルナは見た目はほんの少し、けれど実際はかなり怒っているのだろう。俺の頭を鷲掴みにしている手にかなりの力を加えてきた。
「魔法糸は僕の専門だしぃ……そんな状態になってたら嫌でもわかるよぉ……」
「分りました! 分かりましたから!」
ダルナは大きなため息を吐きながらようやく手を放し、俺は涙目になりながら頭を撫でた。
「まあ相手はあのオーガだからねぇ……下手に離れるよりいっそ接近戦に踏み込むのは得策といえば得策なんだけどぉ……だからって無茶ってのはあるよねぇ……」
「すいません……」
この年になって呆れられながら怒られるのは正直キツイな……。
「ほんとにもぉ……武器もない状態でぇ……結果的にとはいえ全員無事でぇ……あのオーガと引き分けなんてぇ……合格点上げないといけないじゃんかぁ……」
「……え?」
ダルナさん、今なんて言った?
「だからぁ……合格点だよぉ……あの歩く暴力とまともにやり合って死なないだけで拍手喝采なのにぃ……引き分けまでもっていったんでしょぉ……? ここの冒険者の誰よりも強いってことだからねぇ……」
「合格って……」
「今日をもって僕の訓練は終わりぃ……明日から正式に冒険者だよぉ……ちぇっ……二人きりの役得の日々が終わっちゃったぁ……言ってくれればいつでも訓練つけてあげるからねぇ……?」
「本当……ですか……?」
「うん……よく頑張ったねぇ……」
そういってダルナは優しく笑って頭を撫でてくれた。
その優しさと温もりに、どうしても涙が溢れてしまう。
ダルナは俺が泣いてる間もずっと撫でてくれて、やがて泣き疲れて俺は再び眠ってしまった。
***
「落ち着いたか」
ダルナが医務室から出ると、そうかで待っていたラウドが声をかけてきた。
「えぇ……合格って伝えたら泣いちゃって……そのまま寝ちゃいましたぁ……」
「そうか。それでどうだった?」
「どうって……何がですかぁ……?」
「とぼけんでいい。既に現場に向かっていた者から貴様が一人先行していたことは聞いている。どうせ陰で見ていたのだろう?」
「ひどい言いがかりですよぉ……まぁ見てましたけどねぇ……」
悪びれもせず言うダルナに、ラウドは大きく溜息をついた。
「全く……まあよい。して、どうだった?」
「まああの様子じゃオーガはまだ本気ではなかったですねぇ……それにアリアがまだ強くなるって思ったから見逃したみたいですしぃ……まあそれを踏まえてもぉ……彼女の強さはちょっと異常ですねぇ……」
「だな。しかし幸いなことに、その源である憑依体は体を乗っ取れるほどの意識を残しておるのに関わらず、敵意を持った者ではないということだな」
「彼女自身も普通のいい子っぽいですしねぇ……うまくいけば……見込みはありますよねぇ……」
「ああ。最も良いのは備えが無駄になることだがな」
「まあ期待薄でしょうねぇ……」
「ギルドマスター! ダルナさん! アリアちゃんが起きたって聞いたんですけど!」
二人の独り言のような小声での会話は、廊下を全速力で走ってくるケーデによってかき消された。
「どこから聞いたのほんと……さっき起きたけど……」
「ありがとうございます!」
ケーデはそのまま医務室に入り、やがて悲痛な声が響いた。
「……また寝たから静かにねって言おうとしたのにぃ……」
「貴様はもっとハキハキと喋れるようになれ」
「最後にちゃんと寝たのがぁ……二十日前なものでぇ……」
「俺が非難されるからほんと休め」
「あぁ……起きたぁ……?」
筋肉痛のような全身の痛みに悶えながらゆっくり起き上がると、横で座っていたダルナが声をかけてきた。
「はい……えっと、すいません。ちょっと記憶が曖昧で……確かオーガと戦って……」
「そうそう……君あれから四日も寝てたんだよぉ……」
「四日!?」
それからダルナは順を追って説明してくれた。
オーガの最初の衝撃波はアルガーンに魔力をともなった突風として届いたらしく、ダルナを含んだギルドの精鋭が調査に来ていたらしい。そして到着した場所には、薙ぎ倒された森の木々と倒れたロイとダイモと俺、そしてふらふらになりながらも治癒魔法と浮遊魔法を同時に使いながら歩くケーデの姿だった。
「彼女に感謝しなきゃねぇ……完治こそせずとも左腕が綺麗に治ったのと全身疲労程度で済んだのは彼女の魔法のおかげなんだからぁ……。あとの二人なんて結構ぎりぎりだったよぉ……」
彼女にはこの世界に来てからお世話になりっぱなしな気がする。今度ほんとにお礼しないとな……。
「だよねぇ……ねぇ……聞いてるぅ……?」
「いだぁ!」
ケーデさんにどうお礼しようか考えていると、ダルナが頭を鷲掴みにして無理矢理向き直させた。
「す、すいません……」
「もぉ……だからぁ……無茶しすぎだってぇ……魔法糸を体に巻いて筋線維のアイデアはなかなかだけどさぁ……更に色々魔法同時使用してたんでしょお……? ちょっとでも扱い間違えたら自分の糸に千切られちゃうのにぃ……」
「え、なんでわかるんでぃたたたたたたた!」
ダルナは見た目はほんの少し、けれど実際はかなり怒っているのだろう。俺の頭を鷲掴みにしている手にかなりの力を加えてきた。
「魔法糸は僕の専門だしぃ……そんな状態になってたら嫌でもわかるよぉ……」
「分りました! 分かりましたから!」
ダルナは大きなため息を吐きながらようやく手を放し、俺は涙目になりながら頭を撫でた。
「まあ相手はあのオーガだからねぇ……下手に離れるよりいっそ接近戦に踏み込むのは得策といえば得策なんだけどぉ……だからって無茶ってのはあるよねぇ……」
「すいません……」
この年になって呆れられながら怒られるのは正直キツイな……。
「ほんとにもぉ……武器もない状態でぇ……結果的にとはいえ全員無事でぇ……あのオーガと引き分けなんてぇ……合格点上げないといけないじゃんかぁ……」
「……え?」
ダルナさん、今なんて言った?
「だからぁ……合格点だよぉ……あの歩く暴力とまともにやり合って死なないだけで拍手喝采なのにぃ……引き分けまでもっていったんでしょぉ……? ここの冒険者の誰よりも強いってことだからねぇ……」
「合格って……」
「今日をもって僕の訓練は終わりぃ……明日から正式に冒険者だよぉ……ちぇっ……二人きりの役得の日々が終わっちゃったぁ……言ってくれればいつでも訓練つけてあげるからねぇ……?」
「本当……ですか……?」
「うん……よく頑張ったねぇ……」
そういってダルナは優しく笑って頭を撫でてくれた。
その優しさと温もりに、どうしても涙が溢れてしまう。
ダルナは俺が泣いてる間もずっと撫でてくれて、やがて泣き疲れて俺は再び眠ってしまった。
***
「落ち着いたか」
ダルナが医務室から出ると、そうかで待っていたラウドが声をかけてきた。
「えぇ……合格って伝えたら泣いちゃって……そのまま寝ちゃいましたぁ……」
「そうか。それでどうだった?」
「どうって……何がですかぁ……?」
「とぼけんでいい。既に現場に向かっていた者から貴様が一人先行していたことは聞いている。どうせ陰で見ていたのだろう?」
「ひどい言いがかりですよぉ……まぁ見てましたけどねぇ……」
悪びれもせず言うダルナに、ラウドは大きく溜息をついた。
「全く……まあよい。して、どうだった?」
「まああの様子じゃオーガはまだ本気ではなかったですねぇ……それにアリアがまだ強くなるって思ったから見逃したみたいですしぃ……まあそれを踏まえてもぉ……彼女の強さはちょっと異常ですねぇ……」
「だな。しかし幸いなことに、その源である憑依体は体を乗っ取れるほどの意識を残しておるのに関わらず、敵意を持った者ではないということだな」
「彼女自身も普通のいい子っぽいですしねぇ……うまくいけば……見込みはありますよねぇ……」
「ああ。最も良いのは備えが無駄になることだがな」
「まあ期待薄でしょうねぇ……」
「ギルドマスター! ダルナさん! アリアちゃんが起きたって聞いたんですけど!」
二人の独り言のような小声での会話は、廊下を全速力で走ってくるケーデによってかき消された。
「どこから聞いたのほんと……さっき起きたけど……」
「ありがとうございます!」
ケーデはそのまま医務室に入り、やがて悲痛な声が響いた。
「……また寝たから静かにねって言おうとしたのにぃ……」
「貴様はもっとハキハキと喋れるようになれ」
「最後にちゃんと寝たのがぁ……二十日前なものでぇ……」
「俺が非難されるからほんと休め」
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