二人姉妹の恋愛事情〜騎士とおくる恋の物語〜

みぃ

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第10話

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洋服を購入し店を出た二人は街を歩く、すると新しく出来た武器屋にレティシアの目線が奪われた。



「どうかした?」



「ううん!何でもないよ」



新しい武器屋に気を取られるが今は姉と出掛けているからまた今度一人の時に来ようと思い返事をした。

だけどそんな妹の心の中など分かりきっているとばかりに姉は言う。



「あら、新しい武器屋さんが出来てたのね…レティ気になるんでしょう?私は広場の噴水前で休憩して待ってるから見に行ってらっしゃい」



「え、でも」



「ほら、荷物も持っとくからね」



「ありがとう!お姉ちゃん、ちょっと行ってくるね」



「ゆっくりで良いわよ」







レティシアの持っていた荷物も持ちソフィアは近くの広場にある噴水の前まで歩きベンチへと腰掛けた。



「ふう…良い天気ねぇ」



冬だが風もそんなに無く日差しが温かく心地よい。



レティシアを待つ間時間を潰そうと鞄から取り出す様に、こっそりインベントリの中から本を取り出した。

ガルシア王国の南隣の国である大国フェニーチェ帝国から入ってきた冒険小説が最近のソフィアのお気に入り。



「さて、続きを読みましょう」



ペラペラと小説を読みすすめていると、ふと目の前に影が落ちたのに気がついた。

レティシアが戻ってきたのかと思い顔を上げるとそこにいたのはガラの悪い男達だった。

冒険者らしき風体だが、見る目がニヤニヤしていてソフィアは身体を強張らせた。





「姉ちゃんさっきから一人だな、今から俺達と遊ぼうよ」





「えっと…人を待ってるので」





知りもしない相手と一緒に遊ぶはずも無いソフィアは人が待っているからと断るのだが…





「待ってるのって女の子?ならその子も一緒に行こうよ、ってかその子今から迎えに行こうよ」



「お前いい事考えるな、そうだ!そうしようよ」





こちらの都合など一切気にしない男達





「キャッ!!は、離して下さい」





「そんな事言ってないで、ほら行くぞ」





無理やり腕を捕まれ立たされる、ソフィアが持っていた本はバサリッと地面へ落ちた。



抵抗しようにも街中で魔法を使うわけにはいかない。

ソフィアは捕まれた腕を引っ張られ連れて行かれそうになる。



街の広場の真ん中で起きた余りにも強引なナンパに

周りの人達はガラの悪い男達から絡まれているソフィアを助けたいが、強そうな見た目の男達に恐れてただ見守る事しか出来ない。



腕を捕まれ引っ張られる、足で踏ん張るが細く力の弱いソフィアが男の力に敵うわけなく、ズルズルと広場から連れ出されてしまった。





どうすれば良いのか分からない恐怖で声も出ないソフィアはギュッと目を閉じ誰か助けてと心の中で叫ぶ。









すると聞き慣れた勇ましい声が聞こえてきた。











「何をしている!」


瞼を開け声の聞こえる方に目を向けるとそこには、数人の警邏隊と騎士の服を身に纏ったルイスの姿が見えた。





「騒ぎを聞きつけて来てみればお前達、嫌がる婦女子を無理やり連れ出そうとするとは言語道断!」





「チッ!クソッ警邏隊だ、お前達逃げるぞ!」





「逃すか!拘束しろ!」





走り逃げ出そうとする男達を次々に警邏隊が捕まえて、抵抗する腕に縄を巻き付けて拘束していく。



助かった事にソフィアは身体の力が抜け地面へ座り込んでしまった。

そんなソフィアにルイスは慌てて駆けつける。



「大丈夫か!?」



ソフィアを心配する様にルイスも目線を合わすようにしゃがみこむ。

走って来てくれたのであろう、少し息が上がり額に汗が滲んでいる。





「は、い」





「それは良かった…広場で女性が質の悪い輩に絡まれていると通報があって駆けつけたのだが、まさか貴方だったとは…」





「助けて頂きありがとうございます…」





「はぁ…貴方が無事で本当に良かった、怪我はないか?」





ルイスは安堵の息を吐き怪我が無い事を確認する。





「はい、大丈夫です」





「そうか、今日は買い物だったのか?荷物は」





「あ、荷物は広場に置き去りで」





「そうか…なら俺が…」







「お姉ちゃん!!!!」







ソフィアの代わりに荷物を取りに行こうと言おうとしたルイスの声を遮るように大きな声が聞こえた。



目を向けるとそこにはレティシアがソフィアの荷物を持って駆けてくる姿が写った。



レティシアが泣きそうになりながら走ってきたのだ。

姉と待ち合わせしていた場所に行ってみたら、そこには姉の荷物が落ちており、周りにいた人達に聞いたら姉が質の悪いゴロツキに連れて行かれたと言われ
警邏隊が来たのでもう捕まったとも言われたが気が気ではなく走ってきたのだ。




「おねえ゛ち゛ゃんー!一人にしてごめんなさい」





地面に座り込んでいる姉の身体に泣きながら抱きつき一人にした事を謝るレティシアの頭を撫でるソフィア。





「レティは何1つ悪くないわ…悪いのはあの男の人達でしょ?レティが謝る事なんてないわよ」





「でも…私が」





「それに、団長さん達が駆け付けてくれて助かったのよ」





「そ、うなんだ………ありがとうございます団長さん」





「いや、職務を全うしたまでだ…それより姉君が無事で良かった」



「うん…」





グズグズと泣きながらも礼をするレティシアに表情を和らげルイスは話しかける。





「今日はもう帰った方が良い。姉君も疲れきっているだろう、今馬車を手配するから一緒にここで待っていてくれ」



「はい、ありがとうございます」





そう言ってルイスは馬車を手配しに走っていった。





「お姉ちゃん…本当に良かった」



「心配かけてごめんなさい」



「うん…団長さんには感謝しないと」



その後、用意してくれた馬車に乗り込み二人は無事に家へ帰ることが出来た。













※※※※※※※※※※※※※※※※※※※









馬車に乗った姉妹を見送ったルイスは警邏隊と共に男達を牢屋へとぶち込む為に詰め所へ連行したが

調査の結果今回の事件は強引過ぎるナンパという事で国としては男達に厳重注意だけという軽い罰則しか与えられなかった。





しかし後日聞いた話では、奴らはDランクの冒険者だったらしく冒険者ギルドは奴らの冒険者の称号を剥奪し脱退させたそうだ。

ギルドとは世界共通の独立した組織なので、余程のことがない限り国がどうこう口出す事は出来ない機関である。

余程の事とは、奴隷落ちになる程の罪を犯した時などの事であり、その場合は国の要請に従い冒険者のランクの称号を剥奪する事がある。

そんなギルドが今回国の要請も無く、罪にも問われなかった冒険者のランクの称号剥奪という重い処罰を出した事に大分驚いたルイスだった。



そして職を失った男達は住居からを追い出され、持ってる金も底をつき借金するにも銀行が貸さず、冒険者の頃に知り合いだった人間にも白い目で見られ、気がつけば王都から姿を消していた。

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