二人姉妹の恋愛事情〜騎士とおくる恋の物語〜

みぃ

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第60話

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ライムンドから借りた馬を走らせ【まんぷく亭】に辿り着いたロベルトは、意を決する思いで扉をノックした。



「はーい」



聞こえてきたのは愛しい人の声だった。

レティシアの声を聞いたロベルトの心臓がおかしいくらい脈打つ。



ロベルトは深く深呼吸して、扉が開くのを待つ。



「どちら様…で…」



笑顔で扉を開けたレティシアは、ノックしたのがロベルトだと気が付き固まった。



「ロベルトさん…」



「レティシアさん、おはようございます」



「…おはようございます」



レティシアもロベルトも平穏を装いながら挨拶を交わすが、どちらの心臓もバクバクと破裂しそうになっていた。



ロベルトは1回深呼吸してから、言おうと考えていた言葉を話す。



「レティシアさん…今からお時間を頂けませんか?」



「え……でも、お店の営業が…」



レティシアは時間がないので断ろうとした、だがその言葉をソフィアがぶった切る。



「レティ、行ってきて良いわよ。今日は臨時休業にしといたからね」



後ろから聞こえてきたソフィアの声にレティシアはびっくりする。

そしてソフィアが指差す方を見ると扉には1枚の紙が貼られており、本日は臨時休業と書いてある文字が目に入った。



「いつの間に!?」



「良いから良いから!ロベルトさん、レティの事をお願いしますね」



「ありがとうございます」



ロベルトはソフィアに一礼して、レティシアに手を差し出した。



「レティシアさん…お願いします」



「……はい」



レティシアはおずおずとロベルトの手をとった。

そしてロベルトに手を引かれて家の外に出るとそこには、一頭の馬がいた。



「馬だ…」



「レティシアさんは、乗馬の経験はございますか?」



「うん、何度か」



「そうですか、では失礼して…」



「え!?キャッ!」





ロベルトは軽々とレティシアを持ち上げ馬に乗せると、その後ろにロベルトは跨り、レティシアを後ろから抱きしめた形で手綱を引いた。



ロベルトは南門へと馬を走らせる。

レティシアは何を話せばいいのか分からず、普段おしゃべりな彼女とは思えないぐらい口を噤んでいる。



話さない二人の耳には周りの人々の声と馬の走る音しか聞こえない。

それも、南門を出て街道を走ると、人々の声は聞こえなくなり、ただ馬の走る音だけしか聞こえない。



南門を出てから街道を少し走ると、今度は林の中の小道へ入り走る。



木と木の間の細い道を走っていくと、急に開けた場所に辿り着いた。





「綺麗……」





レティシアの目の前に広がったのは1面に広がるコスモスの花畑だった。



先に馬から降りたロベルトはレティシアに手を差し出し、レティシアはロベルトの手を取り降りるレティシアを抱きよせ、馬から下ろす。





「ここは大切な思い出の場所なんです…」





子どもの頃から良く家族と見に来た特別な場所だとロベルトは語った。

そんな家族は流行り病で皆亡くなってしまったけど、とロベルトは話した。



「…どうしてそんな大切な場所に連れてきてくれたんですか?」



こんな事されたら期待してしまいそうになるとレティシアの声は震えた。



ロベルトはそんなレティシアに向かい合い、そして自分より小さく華奢な手を優しく包み込むように握り、揺れる金の瞳を見つめて言葉を紡いだ。



「ここはいつか大切な人が出来たら二人で来ようと思っていたのです。

この場所を大切な人に見て欲しかった。



…私の大切な人、それは貴女です。

レティシアさん…私は貴女の事を愛しています」





ロベルトの言葉にレティシアは驚いた。







「え……だって、婚約者が…」







レティシアは頭の中で、昨日の女性を思い出した。



ロベルトはレティシアの言葉に首を降ってレティシアの誤解を解くべく言葉を続けた。



「それは嘘です、誰とも婚約など結んではいない。私が愛しているのはレティシアさん、貴女だけです」



「うそぉ………」



レティシアはロベルトの言葉にポロポロと涙を零す。



「レティシアさん、私と結婚を前提にお付き合い頂けませんか。

重いと思われるかもしれませんが…この、先貴女以外の女性と結婚なんて考えてられません。

生涯愛するのは貴女一人なのです」



そして1輪摘んだコスモスを輪っかにして、レティシアの左の薬指につけた。



「……私なんかで良いんですか?」



「貴女が良いんです…貴女でなければ駄目なんです」



「私…私もロベルトさんの、事が…好きです」



涙を流すレティシアをロベルトは優しく抱きしめる。

すっぽりと包み込まれるレティシアは腕の中でロベルトの暖かさを感じた。



「レティシアさん…好きだ…愛してる」



ロベルトはレティシアの頬に手を添えて顔を上げさせ、目の縁から溢れる涙を掬う様に口付けを落とす。



「レティシア…」



口付けは目元から頬へと徐々に下がり、そしてレティシアの柔らかな唇に自分の唇を重ねた。



「んっ…」



重ねるだけの口付けは、啄むような口付けに変わっていきロベルトは柔らかいレティシアの唇を堪能する様に喰む。



レティシアは初めてなのに、長く深い口付けに力が抜けていく。



「ふっ…んんっ…」



「はぁ…レティ…」



やっと唇が離れたと思うと、今度はロベルトの唇はレティシアの耳に口付けを落とし、レティシアの愛称を甘く呼んだ。





「キュウ……」





恋愛初心者には刺激が強かったのか、顔を真っ赤に染めて腰が砕けてしまったレティシアの身体をロベルトは慌てて支えた。



「すみません…つい」



「ううっ…初めてなので手加減してくださいぃ…」



レティシアは目に涙を貯めてロベルトを見上げる、すると今度はロベルトが顔を赤く染めて、レティシアを支えていない片方の手で顔を覆った。



「うっ…可愛すぎる」



理性がない獣だったら、こんな可愛い兎など一瞬でペロッと頂いてしまうだろうと、ロベルトは思った。



その後もロベルトに何度も軽い口付けを落とされたレティシアの身体は力が入らなくなり、帰りの馬はロベルトの上に横抱きされて乗ることになった。



帰りは行きと違い、やっと心が通じ合った二人は離れる事が寂しくて二人きりの時間を大切するかの様にゆっくりと帰路についた。



ロベルトは店の前までレティシアを送り、ライムンドに借りた馬を城に返しに行った。



「ただいまー」



「おかえりなさい



で?どうなったの?」



ソフィアはレティシアが帰ってくるのをソワソワしながら待っていた。

そんな姉にレティシアは顔を真っ赤にしながらロベルトとの事を伝える。



「お、お付き合い…する事になった」



「キャアー!!おめでとう!!!レティ良かったわね!」



レティシアにも春が来たわね!とソフィアは嬉しそうにレティシアに抱きついた。



「ふふっ!だから、そんなに顔を赤くしてたのねぇ!」



「うぅぅ…それもあるけど」



「けど?どうしたの」



「チューしちゃったの…」



ロベルトとしたキスを思い出してレティシアはたま顔を真っ赤に染めた。



「チュー!?チューって……キ、キスの事よね…?」



そんなレティシアにソフィアは驚いて声をあげた。



「うん…」



「えぇ…私だってまだなのに」



姉である自分より先を進んでいるレティシアにソフィアは頬を膨らました。



そんなソフィアの発した言葉にレティシアは驚愕した。



「えええぇぇぇ!!!?まだなの!?お姉ちゃん!団長さんと付き合って半年以上経つよね?それなのにまだ…なの?」



とっくに成人超えた二人が付き合って半年、キスすらまだだった事にレティシアは驚きそして、団長さん奥手過ぎでしょうとレティシアは少し呆れた。



「まだなのよ……」



元々ルイスは多忙だし、竜騎士になってからは殆ど二人っきりの時間を取れていない、それにソフィアはお店を経営しているので休みが合って出かけることも少ない。

それでもルイスは時間があれば、まんぷく亭に来てくれるが食事している時間が殆どだ。

なので甘い雰囲気などにはならないのでキスはまだだったのだ。



「今度の領地行く時にでも団長さんにお姉ちゃんの方から迫ってみたら?」



「迫るって!?」



「団長さんならお姉ちゃんがチューして?っておねだりするだけでイチコロだと思うよ」



ある意味本当に心の臓を止めかねないけど、とレティシアは小さく呟いた。



「私からって…はしたなくないかしら?」



「んー……団長さんならお姉ちゃんが何しても喜ぶと思うよ」



例え尻に敷いたとしても本当に喜びそうである。



「そうね………少し頑張ってみようかしら」



「うん!お姉ちゃんファイト」




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