47 / 49
第47話
しおりを挟む
エレベーターは使わず階段を駆け下りる。二階の廊下を走り抜け、渡り廊下からゼナス製薬側へと移った。
オートドアを開け飛び込んだミカエルティアーズ工場は吹き抜けから覗き込むと停止中、館内放送が喧しく鳴り響いている。
《直ちにこの建物から退去せよ、直ちにこの建物から退去せよ――》
「誰もいないみてぇだな。ゼナス側に出ようぜ」
「早くしないと、残り四分だよ」
また渡り廊下を抜けて出たゼナス製薬の建物にも館内放送が流れていた。周囲も安全のために総員退去命令が出たらしい。窓外を見れば空はなく、いつの間にかドームが閉じていた。
一階に降りた二人は人の気配のない休憩室へと入った。シドが煙草を咥える。
遠雷のような音が響き、床が沈み込むような振動が襲った。ピンポイント爆撃が始まったようだ。激しい揺れが三度、四度と続いた。
「ここは大丈夫なんだろうな?」
「平気だって。……ごめんね」
「いきなり何なんだよ?」
「今回の任務……こんなことになるなんて、思わなくて」
「お前が謝るようなことじゃねぇだろ。ただ――」
「ただ?」
「謝るんじゃなくて覚悟しろ。俺はこの先、一生お前を離さねぇぞ」
「ふふん、望むところだよ。紫苑母さんにも頼まれちゃったしね」
殊更に明るく応えながらシドにとっての赦しになりたいとハイファは強く願う。
とうとうシドに言わせてしまったあの科白、それを聞いた紫苑の魂が『劣化した亡霊』で『魂の傷ついたデッドコピー』だとはとても思えなかった。シド自身も同じ思いをしたことは容易に知れた。紫苑はシドの母らしく高潔ですらあった。
だがシドは言い訳をしない。立ち止まらない。この先へ、未来へと向かっている。
様々に渦巻く想いをねじ伏せる精神力はハイファにとっても誇りだった。
だからこそこの男にとっての赦しになりたいと思う。強すぎるが故に限界を超える負荷を掛けられても顔色ひとつ変えずに平然と立つ、可哀相なこの男の赦しに――。
シドが二本煙草を灰にすると腰を上げる。
エントランスから出ると閉ざされたドームの出入り口でリモータチェッカをクリアし、足を踏み出して薄暗さに一瞬シドは戸惑った。
そこは金属に囲まれたトンネル状の細い通路になっていたのだ。居住区へと向かうための広い道路に出るにはトーチカの如きそこを通り抜けなければ出られない仕組みらしい。
当然ながらそんな所に留まりたがる人間もいないので人影も皆無、二人はライトパネルも間遠なそこを辿り出す。
と、背後の出入り口が爆発的な音響で以て吹き飛んだ。何事かと振り向いた刹那、シドの目に映ったのは十八年前のスザク号での、あの光景だった。
ダキノカが唸りを上げて通路に溢れ出ていた。
ガチガチと幾千の牙を鳴らして巨大な花が人の気配に迫り来る。スチルワイアよりも丈夫な蔓が複数の大蛇の如くうねくり、二人に這い寄った。
「温室が爆撃で破れて……わあっ、嘘っ、そんなっ!」
「だめだ、ハイファ、逃げろっ!」
抜き身の銃を片手に二人は走った。後ろからはシュウシュウと忌まわしい音を立てて花のついた蔓が追ってくる。その花の生臭い吐息さえハイファは嗅いだ気がした。
「どうするの、これっ!?」
「この通路に閉じ込めて爆撃依頼だ!」
「それしかないよね……うわあ、きたっ!」
通路は意外に長く、ダキノカは予想通りに速かった。だが死にものぐるいで走りに走り、ようやく出口の扉が見える。
しかし息を切らし固唾をのみながら辿り着かんとしたとき、十メートルほど先のオートドアが開いて誰かが入ってくるのが見えた。
「入るな、出ろ、出るんだ!」
叫んだシドの声が聞こえたか人影は数メートル歩いてから立ち竦む。事態を飲み込めないのは当然のことながらダキノカを目にして腰を抜かしたらしい。人影はしゃがみ込んだ。
「ヤバい、食われるぞ!」
「ってゆうか、ユーフェ、ユーフェミアだよっ!」
シドが走りながら片腕ですくい上げたのは紛れもなくユーフェ、白衣姿で真っ青な顔をしたユーフェは恐怖に瞳孔を縮めて呟いた。
「生きてた……あたし、貴方たちが心配で……」
「出迎え、ご苦労! くそう……食われて堪るか!」
出口に辿り着く。だがハイファがリモータチェッカに何度リモータを翳してクリアしようとするも認識しない。
「何これ、コードが!」
「感染スキャニングを受けないと、外には出られないのよ!」
「ンなことやってる場合か! くるぞ!」
リモータチェッカにハイファがリードを繋ぎコマンドを打ち込む。ダキノカが襲いかかった。シド、ユーフェをハイファの足許に放り出してレールガンをマックスパワーで連射。強くダキノカの花粉が匂った。
くらくらするような香りは肉食花が獲物を誘い出す成分を含んだものか、ユーフェがふらりと立ち上がる。
躰を揺らめかせながらダキノカの方へ、一歩、二歩と前に出た――。
「二度と……二度と、させるか!」
ユーフェの左腕をシドは強く引く。あのときよりも力強く成長した腕で、ユーフェを抱き込んだ。その間も連射する手は止めない。肉食花を、牙を、撃ち砕く。襲いきた太い蔓を五射で吹き飛ばし、花の牙、その喉に向けてフレシェット弾を叩き込む。
「開いた、シド、掩護するから早く!」
「頼む――」
ハイファが連射。九ミリパラのストッピング・パワーに一瞬を任せてシドはユーフェを出口から押し出した。シドは出ない。背後に向かう。再び撃った。
とっくにレールガンはマックスパワー・フルオートモードをセレクト、強烈な反動を押さえ込んでトリガを引き続ける。残弾ゲージが飛ぶように減る。
「ハイファ、行け!」
「貴方も一緒だよっ!」
オートドアのセンサは感知したまま、しかしハイファも踏み留まっている。並んで撃った。シドは子実体ふたつを吹き飛ばし、家族を食ったダキノカにありったけ全弾を叩き込んだ。
気付くとハイファのテミスコピーもチャンバまで空、ホールドオープンしていた。
「やった……か?」
ふいにやってきた静けさの中、硝煙が濃く漂う通路内にシドとハイファは二人とも腰を落として座り込んでしまっていた。肩で息をしながら互いの無事を確認する。
二人の前にはズタズタになったダキノカがぐんにゃりと身を横たわらせていた。僅かに蔓は蠢いているが人を巻き取り絞め上げる力は残ってはいないようだった。
手を貸し合って二人は立ち上がるとオートドアを出る。ハイファがロックした。
外は昨夜に引き続き雨が降っていてたちまち二人はびしょ濡れになる。ハイファが手を伸ばしてシドの長めの前髪をかき分けた。白い手を額に当てて柳眉をひそめる。
そんな二人の間に割って入ったユーフェがハイファだけに傘を差し掛けた。驚きの図太さでもう復活したらしい。
それを横目で見ながらシドはハイファから受け取ったフレシェット弾の予備をレールガンに装填し、フルロードしてから右腰のヒップホルスタに仕舞う。
ハイファも傘の下、マガジンチェンジをしてスライドを引き、チャンバにまで装填した。更に一発を足してフルロード。
黒髪から雫を滴らせながらシドが何の外連味もない声で言った。
「ハイファ、帰ろうぜ」
「そうだね。でもどうやって帰ろっか?」
「ドン・レクター=ブラッドレイのバイヤー便かテラ連邦軍かだな」
「どっちもどっちだなあ。まあ、いいか。まずは宙港に行ってみようよ」
「そうだな――」
シドは背後の銀のドームを振り仰ぐ。そこから左に目を移すと巨大な瓦礫の山がふたつあった。上空には爆撃BELがまだ滞空している。激しい雨で全てが鈍色に洗われ、埃も抑えられているようだ。
溜息をひとつ、シドは頭を振ってそれらに背を向け歩き始めた。
ハイファと共に。
オートドアを開け飛び込んだミカエルティアーズ工場は吹き抜けから覗き込むと停止中、館内放送が喧しく鳴り響いている。
《直ちにこの建物から退去せよ、直ちにこの建物から退去せよ――》
「誰もいないみてぇだな。ゼナス側に出ようぜ」
「早くしないと、残り四分だよ」
また渡り廊下を抜けて出たゼナス製薬の建物にも館内放送が流れていた。周囲も安全のために総員退去命令が出たらしい。窓外を見れば空はなく、いつの間にかドームが閉じていた。
一階に降りた二人は人の気配のない休憩室へと入った。シドが煙草を咥える。
遠雷のような音が響き、床が沈み込むような振動が襲った。ピンポイント爆撃が始まったようだ。激しい揺れが三度、四度と続いた。
「ここは大丈夫なんだろうな?」
「平気だって。……ごめんね」
「いきなり何なんだよ?」
「今回の任務……こんなことになるなんて、思わなくて」
「お前が謝るようなことじゃねぇだろ。ただ――」
「ただ?」
「謝るんじゃなくて覚悟しろ。俺はこの先、一生お前を離さねぇぞ」
「ふふん、望むところだよ。紫苑母さんにも頼まれちゃったしね」
殊更に明るく応えながらシドにとっての赦しになりたいとハイファは強く願う。
とうとうシドに言わせてしまったあの科白、それを聞いた紫苑の魂が『劣化した亡霊』で『魂の傷ついたデッドコピー』だとはとても思えなかった。シド自身も同じ思いをしたことは容易に知れた。紫苑はシドの母らしく高潔ですらあった。
だがシドは言い訳をしない。立ち止まらない。この先へ、未来へと向かっている。
様々に渦巻く想いをねじ伏せる精神力はハイファにとっても誇りだった。
だからこそこの男にとっての赦しになりたいと思う。強すぎるが故に限界を超える負荷を掛けられても顔色ひとつ変えずに平然と立つ、可哀相なこの男の赦しに――。
シドが二本煙草を灰にすると腰を上げる。
エントランスから出ると閉ざされたドームの出入り口でリモータチェッカをクリアし、足を踏み出して薄暗さに一瞬シドは戸惑った。
そこは金属に囲まれたトンネル状の細い通路になっていたのだ。居住区へと向かうための広い道路に出るにはトーチカの如きそこを通り抜けなければ出られない仕組みらしい。
当然ながらそんな所に留まりたがる人間もいないので人影も皆無、二人はライトパネルも間遠なそこを辿り出す。
と、背後の出入り口が爆発的な音響で以て吹き飛んだ。何事かと振り向いた刹那、シドの目に映ったのは十八年前のスザク号での、あの光景だった。
ダキノカが唸りを上げて通路に溢れ出ていた。
ガチガチと幾千の牙を鳴らして巨大な花が人の気配に迫り来る。スチルワイアよりも丈夫な蔓が複数の大蛇の如くうねくり、二人に這い寄った。
「温室が爆撃で破れて……わあっ、嘘っ、そんなっ!」
「だめだ、ハイファ、逃げろっ!」
抜き身の銃を片手に二人は走った。後ろからはシュウシュウと忌まわしい音を立てて花のついた蔓が追ってくる。その花の生臭い吐息さえハイファは嗅いだ気がした。
「どうするの、これっ!?」
「この通路に閉じ込めて爆撃依頼だ!」
「それしかないよね……うわあ、きたっ!」
通路は意外に長く、ダキノカは予想通りに速かった。だが死にものぐるいで走りに走り、ようやく出口の扉が見える。
しかし息を切らし固唾をのみながら辿り着かんとしたとき、十メートルほど先のオートドアが開いて誰かが入ってくるのが見えた。
「入るな、出ろ、出るんだ!」
叫んだシドの声が聞こえたか人影は数メートル歩いてから立ち竦む。事態を飲み込めないのは当然のことながらダキノカを目にして腰を抜かしたらしい。人影はしゃがみ込んだ。
「ヤバい、食われるぞ!」
「ってゆうか、ユーフェ、ユーフェミアだよっ!」
シドが走りながら片腕ですくい上げたのは紛れもなくユーフェ、白衣姿で真っ青な顔をしたユーフェは恐怖に瞳孔を縮めて呟いた。
「生きてた……あたし、貴方たちが心配で……」
「出迎え、ご苦労! くそう……食われて堪るか!」
出口に辿り着く。だがハイファがリモータチェッカに何度リモータを翳してクリアしようとするも認識しない。
「何これ、コードが!」
「感染スキャニングを受けないと、外には出られないのよ!」
「ンなことやってる場合か! くるぞ!」
リモータチェッカにハイファがリードを繋ぎコマンドを打ち込む。ダキノカが襲いかかった。シド、ユーフェをハイファの足許に放り出してレールガンをマックスパワーで連射。強くダキノカの花粉が匂った。
くらくらするような香りは肉食花が獲物を誘い出す成分を含んだものか、ユーフェがふらりと立ち上がる。
躰を揺らめかせながらダキノカの方へ、一歩、二歩と前に出た――。
「二度と……二度と、させるか!」
ユーフェの左腕をシドは強く引く。あのときよりも力強く成長した腕で、ユーフェを抱き込んだ。その間も連射する手は止めない。肉食花を、牙を、撃ち砕く。襲いきた太い蔓を五射で吹き飛ばし、花の牙、その喉に向けてフレシェット弾を叩き込む。
「開いた、シド、掩護するから早く!」
「頼む――」
ハイファが連射。九ミリパラのストッピング・パワーに一瞬を任せてシドはユーフェを出口から押し出した。シドは出ない。背後に向かう。再び撃った。
とっくにレールガンはマックスパワー・フルオートモードをセレクト、強烈な反動を押さえ込んでトリガを引き続ける。残弾ゲージが飛ぶように減る。
「ハイファ、行け!」
「貴方も一緒だよっ!」
オートドアのセンサは感知したまま、しかしハイファも踏み留まっている。並んで撃った。シドは子実体ふたつを吹き飛ばし、家族を食ったダキノカにありったけ全弾を叩き込んだ。
気付くとハイファのテミスコピーもチャンバまで空、ホールドオープンしていた。
「やった……か?」
ふいにやってきた静けさの中、硝煙が濃く漂う通路内にシドとハイファは二人とも腰を落として座り込んでしまっていた。肩で息をしながら互いの無事を確認する。
二人の前にはズタズタになったダキノカがぐんにゃりと身を横たわらせていた。僅かに蔓は蠢いているが人を巻き取り絞め上げる力は残ってはいないようだった。
手を貸し合って二人は立ち上がるとオートドアを出る。ハイファがロックした。
外は昨夜に引き続き雨が降っていてたちまち二人はびしょ濡れになる。ハイファが手を伸ばしてシドの長めの前髪をかき分けた。白い手を額に当てて柳眉をひそめる。
そんな二人の間に割って入ったユーフェがハイファだけに傘を差し掛けた。驚きの図太さでもう復活したらしい。
それを横目で見ながらシドはハイファから受け取ったフレシェット弾の予備をレールガンに装填し、フルロードしてから右腰のヒップホルスタに仕舞う。
ハイファも傘の下、マガジンチェンジをしてスライドを引き、チャンバにまで装填した。更に一発を足してフルロード。
黒髪から雫を滴らせながらシドが何の外連味もない声で言った。
「ハイファ、帰ろうぜ」
「そうだね。でもどうやって帰ろっか?」
「ドン・レクター=ブラッドレイのバイヤー便かテラ連邦軍かだな」
「どっちもどっちだなあ。まあ、いいか。まずは宙港に行ってみようよ」
「そうだな――」
シドは背後の銀のドームを振り仰ぐ。そこから左に目を移すと巨大な瓦礫の山がふたつあった。上空には爆撃BELがまだ滞空している。激しい雨で全てが鈍色に洗われ、埃も抑えられているようだ。
溜息をひとつ、シドは頭を振ってそれらに背を向け歩き始めた。
ハイファと共に。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
日本新世紀ー日本の変革から星間連合の中の地球へー
黄昏人
SF
現在の日本、ある地方大学の大学院生のPCが化けた!
あらゆる質問に出してくるとんでもなくスマートで完璧な答え。この化けたPC“マドンナ”を使って、彼、誠司は核融合発電、超バッテリーとモーターによるあらゆるエンジンの電動化への変換、重力エンジン・レールガンの開発・実用化などを通じて日本の経済・政治状況及び国際的な立場を変革していく。
さらに、こうしたさまざまな変革を通じて、日本が主導する地球防衛軍は、巨大な星間帝国の侵略を跳ね返すことに成功する。その結果、地球人類はその星間帝国の圧政にあえいでいた多数の歴史ある星間国家の指導的立場になっていくことになる。
この中で、自らの進化の必要性を悟った人類は、地球連邦を成立させ、知能の向上、他星系への植民を含む地球人類全体の経済の底上げと格差の是正を進める。
さらには、マドンナと誠司を擁する地球連邦は、銀河全体の生物に迫る危機の解明、撃退法の構築、撃退を主導し、銀河のなかに確固たる地位を築いていくことになる。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
サイレント・サブマリン ―虚構の海―
来栖とむ
SF
彼女が追った真実は、国家が仕組んだ最大の嘘だった。
科学技術雑誌の記者・前田香里奈は、謎の科学者失踪事件を追っていた。
電磁推進システムの研究者・水嶋総。彼の技術は、完全無音で航行できる革命的な潜水艦を可能にする。
小与島の秘密施設、広島の地下工事、呉の巨大な格納庫—— 断片的な情報を繋ぎ合わせ、前田は確信する。
「日本政府は、秘密裏に新型潜水艦を開発している」
しかし、その真実を暴こうとする前田に、次々と圧力がかかる。
謎の男・安藤。突然現れた協力者・森川。 彼らは敵か、味方か——
そして8月の夜、前田は目撃する。 海に下ろされる巨大な「何か」を。
記者が追った真実は、国家が仕組んだ壮大な虚構だった。 疑念こそが武器となり、嘘が現実を変える——
これは、情報戦の時代に問う、現代SF政治サスペンス。
【全17話完結】
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる