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第1話
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冷たく乾いたビル風の中、シドはハイファのソフトスーツ姿を追って歩いた。
地球本星セントラルエリアの官庁街、今は朝の通勤ラッシュである。ファイバブロックの歩道ではスーツにコートを羽織った男女が慌ただしく先を急ぎ、併設されたスライドロードに乗っかって手首に嵌めたマルチコミュニケータのリモータを操作している者もいた。
そんな人混みを透かし見てシドはハイファを失探しないよう気を付けつつ、しなやかな足取りで人々を縫い歩く。
右側の大通りを僅かに浮いて走るコイル群をチラリと眺め、上空に気配を感じて仰ぎ見れば、三角翼の垂直離着陸機BELが二機連なって低空を掠めてゆく。
BELもコイルも反重力装置駆動で騒音も排気もなく、辺りの空気はクリーンだ。
視線を戻してハイファの背を見つめる。こちらが追っていることに気付いている筈だが、ハイファは振り向きもしない。昨夜から沸騰した頭はまだ冷めないようだ。
出てきたのも同じく単身者用官舎ビルなら、行き先も同じく太陽系広域惑星警察セントラル地方七分署なのだが、いつも仲良く肩を並べて出勤する二人も今日に限っては別出勤、何故かと云えば昨夜から喧嘩中なのである。
喧嘩の理由はシドの過去の女性関係で、先日元カノである五分署のコーツ警部に対し、ハイファの目前でシドが『スージー』と呼び掛けてしまい、それをハイファが蒸し返して騒いだという、まさに犬も食わないことが原因だった。
ともあれ今朝はひとことも口を利かないまま朝食を摂り、さっさと着替えて出勤したハイファをこうしてシドは追っているのである。何も迷子になる訳でもないのだが、そこは惚れた弱みというヤツだ。
捜査以外の大概のことに淡泊なたちのシドではあるが、ハイファに関しては一時たりとも独りにさせたくない、つまりは独占欲が取らせる行動だった。
そうしてハイファを追いつつ官舎から七分署までの七、八百メートル、その約半分を消化したときだった。左側のダイナ銀行内で異質な動きがあるのをシドは視認する。
作業服を着た男らが何事か喚いていた。男らの手に銃らしきものが握られているのを見てシドは歩調を上げる。ぐいぐい歩いてハイファに追いついた。
「何、今更謝ったって簡単に許すとでも――」
不機嫌ながら喋っただけでも上等かと思い、ハイファの横顔を見る。
ハイファ、本名をハイファス=ファサルートという。職業は惑星警察の刑事だ。
ごく細く薄い躰を上品なドレスシャツとソフトスーツに包んでいる。明るい金髪にシャギーを入れ、後ろ髪だけ長く伸ばしてうなじで銀の留め金を使いしっぽにしていた。さらさらのしっぽの先は腰まで流れている。瞳は柔らかな若草色で、ノーブルな顔立ちは誰が見ても文句なく美人だった。
「違うって、あれ見ろ、あれ」
「あれ……?」
ダイナ銀行内では行員たちがバンザイをしている。新しい体操にいそしんでいるのでもなければ、こんな時間から巨額の契約が取れて喜びを表しているのでもない。男二人に銃で脅されてホールドアップしているのである。
「わあ、朝っぱらから強盗なんて、さすがはイヴェントストライカ」
「その仇名を出すな。俺のせいじゃねぇだろ!」
自分以上に相棒が不機嫌になったのを察知し、ハイファは暫し黙ってシドを見返した。
シド、フルネームを若宮志度という。こちらも職業は勿論惑星警察の刑事だ。
三千年前の大陸大改造計画以前に存在した、旧東洋の島国出身者の末裔らしく、艶やかで前髪が長めの髪も、切れ長の眼も黒い。象牙色の滑らかな肌を持ち、造作は非常に端正だった。着ている綿のシャツとコットンパンツがラフ過ぎて勿体ないようだが、羽織ったチャコールグレイの上着は六十万クレジットという高級品である。
これは特殊アイテムで挟まれたゲルにより、余程の至近距離でもなければ四十五口径弾を食らっても打撲程度で済ませ、生地はレーザーもある程度弾くシールドファイバというシロモノだった。夏は涼しく冬は暖かいという本人の自慢はともかく。
自腹を切ってまでそんなものを買い込み着て歩かなければならないほど、シドはクリティカルな日々を送っているのである。
「だって道を歩けば、ううん、表に立ってるだけで事件・事故が寄ってくるナゾな特異体質のイヴェントストライカっていうのは本当のことじゃない」
「イヴェントストライカなんてナンセンスだ」
「誰より自分が承知してるクセに。ポリアカだって四年いれば箔と階級がついてくるのを蹴飛ばして二年で任官した理由が『警察呼ぶより自分が警官になった方が早い』。おまけに周りからは『シド=ワカミヤの通った跡は事件・事故で屍累々ぺんぺん草が良く育つ~♪』とまで歌われてるほどじゃないのサ」
ポリアカとはポリスアカデミー、広域惑星警察大学校のことだが、それはさておき昨日からの不機嫌に任せて滔々とまくし立てられ、シドはポーカーフェイスの眉間にシワを刻んだ。
自分の与り知らぬ体質について言及されるのは、何より癪に障るのである。それを知っていて涼しい顔で言ってのけたハイファを睨みつけながら、シドも腹立ち紛れに吐き捨てた。
「ふん、スパイ野郎なんかに言われたくねぇな!」
「そこでスパイは関係ないでしょ。それにスパイは辞めたもん」
「スパイを辞めただと? 現役軍人で別室エージェントが何、言ってやがる」
そう、ハイファは刑事でありながらテラ連邦軍人でもあった。テラ連邦軍での所属は中央情報局第二部別室という一般人には聞き慣れない部署で、そこから惑星警察に出向中の身なのである。そして第二部別室というのが問題のスパイ組織なのであった。
中央情報局第二部別室、その存在を知る者は単に別室と呼ぶ。
AD世紀から三千年、現代ではあまたのテラ人が宇宙全域で暮らしていた。それらテラ系星系を統べるのがテラ連邦議会、別室はテラ連邦議会を裏から支える組織である。
曰く、『巨大テラ連邦の利のために』をスローガンに、目的を達するためなら喩え非合法な手段であってもためらいなく執る超法規的スパイの実働部隊、それが別室なのだ。
そこでは汎銀河で予測存在数がたったの五桁というサイキ持ち、いわゆる超能力者までをも擁し、日々熾烈な諜報と謀略の情報戦を繰り広げているらしい。
そんな所でハイファが何をしていたのかと云えばやはりスパイだった。バイである身とミテクレを利用し尽くし、敵をタラしては情報を盗み取るという、非常にえげつない手法で任務に邁進していたのである。
「でも本当にスパイは辞めたもん。誰のせいだか分かってるの?」
「俺のせいだって言いたいのか?」
「他の誰のせいでもないと思いますが、いかがですか?」
「まあなあ――」
元々二人はシドがスキップして十六歳でポリアカに入校し、ハイファが軍の少年工科学校をこれもスキップして十六歳で部内幹部候補生課程に入校した頃からの友人だった。
だがハイファの側の感情は友人以上だったのだ。初めて会ったその日に惚れて告白、しかし文字通り蹴り飛ばされて敢えなく一旦玉砕。けれど事ある毎に果敢にアタックを繰り返し、何と七年もの月日が経過していたのである。
そんなさなかに別室任務でとある事件を捜査するため、刑事のフリをしたハイファが七分署にやってきて初めてシドと組んだ。二人の捜査の甲斐もあって事件のホシは当局に拘束された。だがそれで終わりにはならなかった。ホシの雇った暗殺者に二人は襲われたのだ。
敵の手にしたビームライフルの照準はシドに合わされていた。しかしビームの一撃を食らったのはハイファだった。シドを庇ったのだ。
お蔭でハイファの上半身は半分以上が培養移植ものである。
ともあれ奇跡的に病院で目覚めたハイファを待っていたのは、シドの一世一代の告白というサプライズだった。一度失いかけてみて、シドは失くしたくないものに気付いたのである。
そしてハイファに告げたのだ、『この俺をやる』と。
地球本星セントラルエリアの官庁街、今は朝の通勤ラッシュである。ファイバブロックの歩道ではスーツにコートを羽織った男女が慌ただしく先を急ぎ、併設されたスライドロードに乗っかって手首に嵌めたマルチコミュニケータのリモータを操作している者もいた。
そんな人混みを透かし見てシドはハイファを失探しないよう気を付けつつ、しなやかな足取りで人々を縫い歩く。
右側の大通りを僅かに浮いて走るコイル群をチラリと眺め、上空に気配を感じて仰ぎ見れば、三角翼の垂直離着陸機BELが二機連なって低空を掠めてゆく。
BELもコイルも反重力装置駆動で騒音も排気もなく、辺りの空気はクリーンだ。
視線を戻してハイファの背を見つめる。こちらが追っていることに気付いている筈だが、ハイファは振り向きもしない。昨夜から沸騰した頭はまだ冷めないようだ。
出てきたのも同じく単身者用官舎ビルなら、行き先も同じく太陽系広域惑星警察セントラル地方七分署なのだが、いつも仲良く肩を並べて出勤する二人も今日に限っては別出勤、何故かと云えば昨夜から喧嘩中なのである。
喧嘩の理由はシドの過去の女性関係で、先日元カノである五分署のコーツ警部に対し、ハイファの目前でシドが『スージー』と呼び掛けてしまい、それをハイファが蒸し返して騒いだという、まさに犬も食わないことが原因だった。
ともあれ今朝はひとことも口を利かないまま朝食を摂り、さっさと着替えて出勤したハイファをこうしてシドは追っているのである。何も迷子になる訳でもないのだが、そこは惚れた弱みというヤツだ。
捜査以外の大概のことに淡泊なたちのシドではあるが、ハイファに関しては一時たりとも独りにさせたくない、つまりは独占欲が取らせる行動だった。
そうしてハイファを追いつつ官舎から七分署までの七、八百メートル、その約半分を消化したときだった。左側のダイナ銀行内で異質な動きがあるのをシドは視認する。
作業服を着た男らが何事か喚いていた。男らの手に銃らしきものが握られているのを見てシドは歩調を上げる。ぐいぐい歩いてハイファに追いついた。
「何、今更謝ったって簡単に許すとでも――」
不機嫌ながら喋っただけでも上等かと思い、ハイファの横顔を見る。
ハイファ、本名をハイファス=ファサルートという。職業は惑星警察の刑事だ。
ごく細く薄い躰を上品なドレスシャツとソフトスーツに包んでいる。明るい金髪にシャギーを入れ、後ろ髪だけ長く伸ばしてうなじで銀の留め金を使いしっぽにしていた。さらさらのしっぽの先は腰まで流れている。瞳は柔らかな若草色で、ノーブルな顔立ちは誰が見ても文句なく美人だった。
「違うって、あれ見ろ、あれ」
「あれ……?」
ダイナ銀行内では行員たちがバンザイをしている。新しい体操にいそしんでいるのでもなければ、こんな時間から巨額の契約が取れて喜びを表しているのでもない。男二人に銃で脅されてホールドアップしているのである。
「わあ、朝っぱらから強盗なんて、さすがはイヴェントストライカ」
「その仇名を出すな。俺のせいじゃねぇだろ!」
自分以上に相棒が不機嫌になったのを察知し、ハイファは暫し黙ってシドを見返した。
シド、フルネームを若宮志度という。こちらも職業は勿論惑星警察の刑事だ。
三千年前の大陸大改造計画以前に存在した、旧東洋の島国出身者の末裔らしく、艶やかで前髪が長めの髪も、切れ長の眼も黒い。象牙色の滑らかな肌を持ち、造作は非常に端正だった。着ている綿のシャツとコットンパンツがラフ過ぎて勿体ないようだが、羽織ったチャコールグレイの上着は六十万クレジットという高級品である。
これは特殊アイテムで挟まれたゲルにより、余程の至近距離でもなければ四十五口径弾を食らっても打撲程度で済ませ、生地はレーザーもある程度弾くシールドファイバというシロモノだった。夏は涼しく冬は暖かいという本人の自慢はともかく。
自腹を切ってまでそんなものを買い込み着て歩かなければならないほど、シドはクリティカルな日々を送っているのである。
「だって道を歩けば、ううん、表に立ってるだけで事件・事故が寄ってくるナゾな特異体質のイヴェントストライカっていうのは本当のことじゃない」
「イヴェントストライカなんてナンセンスだ」
「誰より自分が承知してるクセに。ポリアカだって四年いれば箔と階級がついてくるのを蹴飛ばして二年で任官した理由が『警察呼ぶより自分が警官になった方が早い』。おまけに周りからは『シド=ワカミヤの通った跡は事件・事故で屍累々ぺんぺん草が良く育つ~♪』とまで歌われてるほどじゃないのサ」
ポリアカとはポリスアカデミー、広域惑星警察大学校のことだが、それはさておき昨日からの不機嫌に任せて滔々とまくし立てられ、シドはポーカーフェイスの眉間にシワを刻んだ。
自分の与り知らぬ体質について言及されるのは、何より癪に障るのである。それを知っていて涼しい顔で言ってのけたハイファを睨みつけながら、シドも腹立ち紛れに吐き捨てた。
「ふん、スパイ野郎なんかに言われたくねぇな!」
「そこでスパイは関係ないでしょ。それにスパイは辞めたもん」
「スパイを辞めただと? 現役軍人で別室エージェントが何、言ってやがる」
そう、ハイファは刑事でありながらテラ連邦軍人でもあった。テラ連邦軍での所属は中央情報局第二部別室という一般人には聞き慣れない部署で、そこから惑星警察に出向中の身なのである。そして第二部別室というのが問題のスパイ組織なのであった。
中央情報局第二部別室、その存在を知る者は単に別室と呼ぶ。
AD世紀から三千年、現代ではあまたのテラ人が宇宙全域で暮らしていた。それらテラ系星系を統べるのがテラ連邦議会、別室はテラ連邦議会を裏から支える組織である。
曰く、『巨大テラ連邦の利のために』をスローガンに、目的を達するためなら喩え非合法な手段であってもためらいなく執る超法規的スパイの実働部隊、それが別室なのだ。
そこでは汎銀河で予測存在数がたったの五桁というサイキ持ち、いわゆる超能力者までをも擁し、日々熾烈な諜報と謀略の情報戦を繰り広げているらしい。
そんな所でハイファが何をしていたのかと云えばやはりスパイだった。バイである身とミテクレを利用し尽くし、敵をタラしては情報を盗み取るという、非常にえげつない手法で任務に邁進していたのである。
「でも本当にスパイは辞めたもん。誰のせいだか分かってるの?」
「俺のせいだって言いたいのか?」
「他の誰のせいでもないと思いますが、いかがですか?」
「まあなあ――」
元々二人はシドがスキップして十六歳でポリアカに入校し、ハイファが軍の少年工科学校をこれもスキップして十六歳で部内幹部候補生課程に入校した頃からの友人だった。
だがハイファの側の感情は友人以上だったのだ。初めて会ったその日に惚れて告白、しかし文字通り蹴り飛ばされて敢えなく一旦玉砕。けれど事ある毎に果敢にアタックを繰り返し、何と七年もの月日が経過していたのである。
そんなさなかに別室任務でとある事件を捜査するため、刑事のフリをしたハイファが七分署にやってきて初めてシドと組んだ。二人の捜査の甲斐もあって事件のホシは当局に拘束された。だがそれで終わりにはならなかった。ホシの雇った暗殺者に二人は襲われたのだ。
敵の手にしたビームライフルの照準はシドに合わされていた。しかしビームの一撃を食らったのはハイファだった。シドを庇ったのだ。
お蔭でハイファの上半身は半分以上が培養移植ものである。
ともあれ奇跡的に病院で目覚めたハイファを待っていたのは、シドの一世一代の告白というサプライズだった。一度失いかけてみて、シドは失くしたくないものに気付いたのである。
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