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第37話
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サンドウィッチとコーヒーの軽食を摂ってから、シドとハイファにイリヤの三人は二十時過ぎになってタクシーに乗り込み、バシリーファミリーの事務所に向かった。
事務所では苦い顔をしたスティーブと綺麗に化粧をした女が待ち受けていた。
「で、商談は成立か?」
「そうね、武器庫の入り口は教えるわ」
スティーブはキッチリ仕事をしたようである。同じ男としてシドたちは誰もスティーブを馬鹿にしたりはしない。皆が目で称賛している間に女はリモータ発振で二人の手下を呼んだ。
カジノから上がってきた手下二人は幹部なのだろう、仕立てのいいスーツを着た彼らが目的地まで案内してくれるらしい。彼らが防寒着を着るのを待って出発した。
乗り込んだのはタクシーではなくファミリーの自家用コイルである。黒塗りのそれは三列シートで六人が乗っても余裕があった。吹雪の中を黒塗りはゆったりと走ってゆく。
「マップ上では北、山の方に向かってるみたいだね」
「離宮の方か?」
「ううん。離宮やユンカース邸よりずっと東寄り、医薬品工場がある辺りだと思う」
「医薬品工場か。街の人間は殆どそこに働きに行ってるんだよな?」
「そうなんじゃないかな。この時間に稼働してるかどうかは知らないけど」
そこで最前列に腰掛けた幹部の一人が振り返った。
「昼のフェイズは終日稼働だが、夜のフェイズの今はラインを止めていて無人だ」
「ふうん、そうなんだ。だから通行人もいないんだね」
「遭難しかねないからな。みんな家にこもってるのさ。何年か前までは夜のフェイズも工場は動いていたんだが、景気が悪くなってこのざまだ。ウチも実入りが悪いったらねぇや」
マフィアの愚痴を聞かされているとハイファに発振が入る。パターンはセンリーで、皆がハイファのリモータ操作を注視した。小さな画面を見てハイファは柳眉をひそめる。
「たった今、ラーリア第一宙港でチェンバーズ会長が無事に解放されたよ」
「えっ、マジかよ?」
「敵の対応は早かったみたいだね。僕らが嗅ぎ回っているのを知って、早々に厄介払いしたってとこじゃないかな。ヨアヒム=ユンカースが余裕だった訳だよ」
「そうか。まあ、親父さんが無事なら良かったぜ。で、カネはどうしたってか?」
「身代金は値切って十億だけロニアの銀行口座に振り込んだってサ」
「くそう、そうきたか……」
人質が無事だった安堵と、身代金を取られた時点でこちらの失点1、更に今現在の行動に意味があるのか否かすら判断がつかなくなった徒労感で、四人は気抜けし溜息をついた。一番の徒労感を味わったスティーブが赤毛の頭を振って文句を垂れる。
「俺様の努力は水の泡か? 勘弁してくれよ、おい」
どうするか決めかねているうちに黒塗りは真っ暗な医薬品工場の敷地を迂回して、裏山のふもとに辿り着いていた。減速して停止したのは外灯がひとつポツリと照らす、小さなユニット建築の前である。物置小屋のようなその周りは融雪ファイバで雪が融かされていた。
「さて、降りてくれ」
幹部二人に促されて四人は吹雪の中に降り立つ。芯まで凍り付く前にリモータチェッカをクリアして開けられた小屋に全員が滑り込んだ。
オートドアが閉まると同時に人の動きを感知して天井のライトパネルが灯る。内部は本当に物置のようで、木切れやファイバの箱、旧いオートクリーナーなどが積み上げられていた。
「武器庫といっても今は殆ど使っていないからな、あんたらも手伝ってくれ」
小屋の隅にあった箱類を幹部たちは除け始める。四人も参加して不燃ゴミのようなモノを除ける作業にいそしんだ。
やがて露わとなった床板をずらすと、地下へと降りて行く階段が現れる。シドが中を覗くと意外にも地下は明るかった。発電衛星からアンテナで取り放題の電力が引き込まれているらしく、ライトパネルが煌々と点いている。
「俺たちの仕事はここまでだ」
「案内までしろとは言われていないからな」
さあ行けと言わんばかりの幹部二人を前にシドたち四人は相談を始めた。
「今更見に行っても、得るものは何もないんじゃないか?」
努力が無になったスティーブが不貞腐れて言う。シドが反論した。
「いや、何が転がってるか分からねぇからな。ユンカース邸と離宮の繋がりが確認できれば、あとでチェンバーズ会長の話とすり合わせることもできるだろ」
「貴方『面倒』って言ってたじゃないのサ?」
「面倒なのは『王の心の入れ替え』だ。マフィアの貸しは三倍返しっつー基本から教えてられるかよ。俺は誘拐ビジネスで荒稼ぎしたホシの逮捕なら、やぶさかじゃねぇって言ってんだ」
「うーわー、王を逮捕なんて本気……だから怖いよー」
「だがここまでスムーズすぎる気がしないか? 罠という可能性も考えられる」
イリヤの意見も尤もで、しかしハイファが同意しつつも明るい声を出す。
「罠かどうかはともかくとして、イヴェントストライカが行けばきっと何かは転がってると思うけど」
「お前ハイファ、ここでそいつを言うか?」
「だって本当のことだもん。そろそろ何かにストライクしてもいい頃だし、逮捕は置いといて司令塔に近づかなきゃ確定も出来ないからね。それじゃあ任務が終わらないのも確かだし。虎穴に入らずんばって言うじゃない」
頷いたイリヤが決断を下した。
「よし、行こう。何もなければ戻ってくるだけのことだ」
待たされていた幹部二人がヒラヒラと手を振って、さっさと行けと追い立てる。細い階段をイリヤ、スティーブ、ハイファ、シドの順で降りた。シドが背後に声を掛ける。
「上からガラクタを載せてくれるなよ」
「分かっているが、多少の偽装はさせて貰うぞ」
そう言って幹部が床板で階段にフタをした。偽装しているらしい音を聞き、静かになるのを待って四人は残りの階段を降りる。切り出した石を組んだ階段は急な上にかなりの長さがあった。折り返すこともなく延々と一方向に下る。壁のライトパネルで見通しはいい。
百段ほども下っただろうか、ようやく平らな地面をシドは踏んだ。背後は階段と壁、行くべき道は一本なので迷いはしない。四人は先を辿り始める。
「雪もねぇし、割とあったかいよな」
「歩きやすくていいけど、この辺りから離宮まではかなり距離がありそうだよね」
「シド、あんたは歩き回って大丈夫なのか?」
「何てことねぇよ。イリヤ、あんたに担いで貰おうとは思ってねぇから心配するな」
「疲れたらいつでも言えよ、ハイファス。俺が担いでやるからな」
ぼそぼそと喋りながら五分も歩くと、棺桶くらいのスチルロッカーが壁沿いに五つ並んでいるのに出くわした。マフィアの武器庫らしいそれはロックも掛かっていなかった。一応開けて検分する。だが古いショットガンや壊れかけたサブマシンガンが入っていただけだ。
「本当に使ってねぇらしいな。シケてやがるぜ」
「シケてて結構なことだよ。行こ」
石を組んで造られたトンネルのような地下は明るくとも、何となく圧迫感がある。四人の歩調は徐々に上がった。一時間近くも歩いていると僅かに不安も湧いてくる。
ネズミ一匹いないここに閉じ込められたことが罠だったのではないかと誰もが思い始めたとき、道が左右に分かれた。
皆、方向感覚は悪くない。右がユンカース邸で左が離宮である。
「先にユンカース邸側を偵察する」
迷いのないイリヤの指示に皆が従った。道は緩い上り坂になる。シドは足許を注視したが、石の床は綺麗なものだった。最近誰かが通ったかどうかなど分からない。
勾配はだんだん急になる。分かれ道から二百メートルも歩くと唐突にゴールとなった。
「階段もなしで扉が一枚か。どうする、開けてみるか?」
「誰かと出遭ったら、言い訳が苦しそうだよね」
離宮側を確かめる前に騒動は拙いとイリヤが判断し、四人は来た道を戻り出す。どんどん下って分かれ道を離宮方向へと向かった。
百メートルほども歩くと、こちらは下り階段になっている。レナード=ブラントの話では、地下そのものにチェンバーズ会長は隠されていたようなニュアンスだった。この先には何かがあるだろうと、皆が黙して階段を下る。
下りきると勾配のない平らな地面となった。足音を忍ばせて四人は進む。
やがて天井が高く広い空間に出た。左右を見渡してシドが呟く。
「おあつらえ向きに地下牢ってか」
前面に鉄格子の嵌った牢が左右にふたつずつ、四部屋あった。傍の右側を覗き込む。十五センチほどの間隔で鋼鉄製の太い鉄格子が並んでいる。これも鋼鉄製の扉は下部に食事を出し入れするためらしい隙間が空いていた。
内部にはベッドがあり、個室のトイレと思しきドアがひとつある。他は綺麗さっぱり何もない。床も石材が剥き出しだ。
「こんな所で丁重なもてなしとは笑えるぜ」
ふいにイリヤがハンドサインで「静かにしろ」と告げる。あまりに気配がないのでシドも気付かなかったが、左奥の牢に誰かがいた。
その入居者は音もなく鉄格子に近づいてきたかと思うと、弛緩した顔つきで四人の方を向いて緑の目でじっと見る。
「まさか、現フェイダル王?」
呟いたハイファを思わず残り三人は振り返った。ハイファは硬い顔で頷く。フェイダル王だという壮年の男をシドは見つめた。
金髪が蓬髪となって肩に掛かっている。白っぽい衣服は薄汚れてグレイになりかけていた。
かなり長い期間、閉じ込められているように見受けられる。
事務所では苦い顔をしたスティーブと綺麗に化粧をした女が待ち受けていた。
「で、商談は成立か?」
「そうね、武器庫の入り口は教えるわ」
スティーブはキッチリ仕事をしたようである。同じ男としてシドたちは誰もスティーブを馬鹿にしたりはしない。皆が目で称賛している間に女はリモータ発振で二人の手下を呼んだ。
カジノから上がってきた手下二人は幹部なのだろう、仕立てのいいスーツを着た彼らが目的地まで案内してくれるらしい。彼らが防寒着を着るのを待って出発した。
乗り込んだのはタクシーではなくファミリーの自家用コイルである。黒塗りのそれは三列シートで六人が乗っても余裕があった。吹雪の中を黒塗りはゆったりと走ってゆく。
「マップ上では北、山の方に向かってるみたいだね」
「離宮の方か?」
「ううん。離宮やユンカース邸よりずっと東寄り、医薬品工場がある辺りだと思う」
「医薬品工場か。街の人間は殆どそこに働きに行ってるんだよな?」
「そうなんじゃないかな。この時間に稼働してるかどうかは知らないけど」
そこで最前列に腰掛けた幹部の一人が振り返った。
「昼のフェイズは終日稼働だが、夜のフェイズの今はラインを止めていて無人だ」
「ふうん、そうなんだ。だから通行人もいないんだね」
「遭難しかねないからな。みんな家にこもってるのさ。何年か前までは夜のフェイズも工場は動いていたんだが、景気が悪くなってこのざまだ。ウチも実入りが悪いったらねぇや」
マフィアの愚痴を聞かされているとハイファに発振が入る。パターンはセンリーで、皆がハイファのリモータ操作を注視した。小さな画面を見てハイファは柳眉をひそめる。
「たった今、ラーリア第一宙港でチェンバーズ会長が無事に解放されたよ」
「えっ、マジかよ?」
「敵の対応は早かったみたいだね。僕らが嗅ぎ回っているのを知って、早々に厄介払いしたってとこじゃないかな。ヨアヒム=ユンカースが余裕だった訳だよ」
「そうか。まあ、親父さんが無事なら良かったぜ。で、カネはどうしたってか?」
「身代金は値切って十億だけロニアの銀行口座に振り込んだってサ」
「くそう、そうきたか……」
人質が無事だった安堵と、身代金を取られた時点でこちらの失点1、更に今現在の行動に意味があるのか否かすら判断がつかなくなった徒労感で、四人は気抜けし溜息をついた。一番の徒労感を味わったスティーブが赤毛の頭を振って文句を垂れる。
「俺様の努力は水の泡か? 勘弁してくれよ、おい」
どうするか決めかねているうちに黒塗りは真っ暗な医薬品工場の敷地を迂回して、裏山のふもとに辿り着いていた。減速して停止したのは外灯がひとつポツリと照らす、小さなユニット建築の前である。物置小屋のようなその周りは融雪ファイバで雪が融かされていた。
「さて、降りてくれ」
幹部二人に促されて四人は吹雪の中に降り立つ。芯まで凍り付く前にリモータチェッカをクリアして開けられた小屋に全員が滑り込んだ。
オートドアが閉まると同時に人の動きを感知して天井のライトパネルが灯る。内部は本当に物置のようで、木切れやファイバの箱、旧いオートクリーナーなどが積み上げられていた。
「武器庫といっても今は殆ど使っていないからな、あんたらも手伝ってくれ」
小屋の隅にあった箱類を幹部たちは除け始める。四人も参加して不燃ゴミのようなモノを除ける作業にいそしんだ。
やがて露わとなった床板をずらすと、地下へと降りて行く階段が現れる。シドが中を覗くと意外にも地下は明るかった。発電衛星からアンテナで取り放題の電力が引き込まれているらしく、ライトパネルが煌々と点いている。
「俺たちの仕事はここまでだ」
「案内までしろとは言われていないからな」
さあ行けと言わんばかりの幹部二人を前にシドたち四人は相談を始めた。
「今更見に行っても、得るものは何もないんじゃないか?」
努力が無になったスティーブが不貞腐れて言う。シドが反論した。
「いや、何が転がってるか分からねぇからな。ユンカース邸と離宮の繋がりが確認できれば、あとでチェンバーズ会長の話とすり合わせることもできるだろ」
「貴方『面倒』って言ってたじゃないのサ?」
「面倒なのは『王の心の入れ替え』だ。マフィアの貸しは三倍返しっつー基本から教えてられるかよ。俺は誘拐ビジネスで荒稼ぎしたホシの逮捕なら、やぶさかじゃねぇって言ってんだ」
「うーわー、王を逮捕なんて本気……だから怖いよー」
「だがここまでスムーズすぎる気がしないか? 罠という可能性も考えられる」
イリヤの意見も尤もで、しかしハイファが同意しつつも明るい声を出す。
「罠かどうかはともかくとして、イヴェントストライカが行けばきっと何かは転がってると思うけど」
「お前ハイファ、ここでそいつを言うか?」
「だって本当のことだもん。そろそろ何かにストライクしてもいい頃だし、逮捕は置いといて司令塔に近づかなきゃ確定も出来ないからね。それじゃあ任務が終わらないのも確かだし。虎穴に入らずんばって言うじゃない」
頷いたイリヤが決断を下した。
「よし、行こう。何もなければ戻ってくるだけのことだ」
待たされていた幹部二人がヒラヒラと手を振って、さっさと行けと追い立てる。細い階段をイリヤ、スティーブ、ハイファ、シドの順で降りた。シドが背後に声を掛ける。
「上からガラクタを載せてくれるなよ」
「分かっているが、多少の偽装はさせて貰うぞ」
そう言って幹部が床板で階段にフタをした。偽装しているらしい音を聞き、静かになるのを待って四人は残りの階段を降りる。切り出した石を組んだ階段は急な上にかなりの長さがあった。折り返すこともなく延々と一方向に下る。壁のライトパネルで見通しはいい。
百段ほども下っただろうか、ようやく平らな地面をシドは踏んだ。背後は階段と壁、行くべき道は一本なので迷いはしない。四人は先を辿り始める。
「雪もねぇし、割とあったかいよな」
「歩きやすくていいけど、この辺りから離宮まではかなり距離がありそうだよね」
「シド、あんたは歩き回って大丈夫なのか?」
「何てことねぇよ。イリヤ、あんたに担いで貰おうとは思ってねぇから心配するな」
「疲れたらいつでも言えよ、ハイファス。俺が担いでやるからな」
ぼそぼそと喋りながら五分も歩くと、棺桶くらいのスチルロッカーが壁沿いに五つ並んでいるのに出くわした。マフィアの武器庫らしいそれはロックも掛かっていなかった。一応開けて検分する。だが古いショットガンや壊れかけたサブマシンガンが入っていただけだ。
「本当に使ってねぇらしいな。シケてやがるぜ」
「シケてて結構なことだよ。行こ」
石を組んで造られたトンネルのような地下は明るくとも、何となく圧迫感がある。四人の歩調は徐々に上がった。一時間近くも歩いていると僅かに不安も湧いてくる。
ネズミ一匹いないここに閉じ込められたことが罠だったのではないかと誰もが思い始めたとき、道が左右に分かれた。
皆、方向感覚は悪くない。右がユンカース邸で左が離宮である。
「先にユンカース邸側を偵察する」
迷いのないイリヤの指示に皆が従った。道は緩い上り坂になる。シドは足許を注視したが、石の床は綺麗なものだった。最近誰かが通ったかどうかなど分からない。
勾配はだんだん急になる。分かれ道から二百メートルも歩くと唐突にゴールとなった。
「階段もなしで扉が一枚か。どうする、開けてみるか?」
「誰かと出遭ったら、言い訳が苦しそうだよね」
離宮側を確かめる前に騒動は拙いとイリヤが判断し、四人は来た道を戻り出す。どんどん下って分かれ道を離宮方向へと向かった。
百メートルほども歩くと、こちらは下り階段になっている。レナード=ブラントの話では、地下そのものにチェンバーズ会長は隠されていたようなニュアンスだった。この先には何かがあるだろうと、皆が黙して階段を下る。
下りきると勾配のない平らな地面となった。足音を忍ばせて四人は進む。
やがて天井が高く広い空間に出た。左右を見渡してシドが呟く。
「おあつらえ向きに地下牢ってか」
前面に鉄格子の嵌った牢が左右にふたつずつ、四部屋あった。傍の右側を覗き込む。十五センチほどの間隔で鋼鉄製の太い鉄格子が並んでいる。これも鋼鉄製の扉は下部に食事を出し入れするためらしい隙間が空いていた。
内部にはベッドがあり、個室のトイレと思しきドアがひとつある。他は綺麗さっぱり何もない。床も石材が剥き出しだ。
「こんな所で丁重なもてなしとは笑えるぜ」
ふいにイリヤがハンドサインで「静かにしろ」と告げる。あまりに気配がないのでシドも気付かなかったが、左奥の牢に誰かがいた。
その入居者は音もなく鉄格子に近づいてきたかと思うと、弛緩した顔つきで四人の方を向いて緑の目でじっと見る。
「まさか、現フェイダル王?」
呟いたハイファを思わず残り三人は振り返った。ハイファは硬い顔で頷く。フェイダル王だという壮年の男をシドは見つめた。
金髪が蓬髪となって肩に掛かっている。白っぽい衣服は薄汚れてグレイになりかけていた。
かなり長い期間、閉じ込められているように見受けられる。
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