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第13話
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医師から診断書を貰い、すぐに迎えのパトカーに乗り込んだ。
だが実況見分のため現場に戻ってみると、たまたま近くを警邏中だったため真っ先に臨場した県警機捜は真城署刑事課に案件を申し送って引き上げており、霧島の姿も見当たらなかった。
機捜の職務である初動捜査を終えたのだから当然だ。
またこれだ。いったい自分は何を期待していたのだろうと、京哉はもう自嘲すらせず考え込みながら実況見分を終わらせて署に戻る。
デカ部屋で江波課長に事件と受傷の報告をすると労われてから訊かれた。
「金星のご褒美はどうするかね?」
「いえ、要りません」
ご褒美とは取り調べする権利のことだ。供述で余罪が出たら大金星になり得るからである。だが事実として殆ど何もできなかった京哉は遠慮し手錠を返却された。
自分のデスクに戻るとノートパソコンのファイルから報告書類を探し出してプリンタで打ち出した。手書き部分を埋めて数枚の報告書を仕上げると、ついでに明日から三日間の有休申請書も記入し課長に提出する。
逮捕から検察送致まで最長で四十八時間続くマル被の取り調べに参加しない意思を示すためでもあった。
負傷した京哉の有休申請はすんなりと受理される。
何となくデスクを片付け腕時計を見ると定時の十七時半だ。真っ白の三角巾で吊った腕はデカ部屋でも目立つので、今日は電話番せず官舎に帰ろうと決めた。事件を嗅ぎつけたメディアのカメラが数台、署のエントランスに張り付いていたので回れ右して裏口から出る。
面倒なのでコンビニにも寄らず官舎まで歩いた。
すると未だ薄明るい官舎前の公園に長身のスーツ姿が佇んでいる。
まさかという思いで足を速めた。やがては駆け出した京哉だったが、左腕を吊ったままでバランスを崩し、砂場のふちにつま先を引っかけて転びそうになる。
すかさず力強い腕が差し出され、砂の中に突っ込むのは避けられた。
「危ないから走るな」
「すみません。それより霧島警視、どうしてこんな所に?」
「きみの住所は江波警部に訊いた。すまんが部屋に招待して貰えないだろうか?」
「構いませんが、散らかってますよ」
ゆっくり歩いて官舎二階の部屋に霧島を案内した。靴を脱いで上がるなり招き入れられた六畳のフローリングを霧島は物珍しそうに見回す。それこそウィークリーマンションより狭い部屋が珍しいのかも知れない。
「散らかってなどいない、綺麗に片付いているな」
「そうですか? まあ、あんまり物は増やさないたちなんで」
いつ逮捕されてもいいように、などという余計な言葉を呑み込んで、小さな冷蔵庫から出した缶コーヒー二本をロウテーブルに置いた。
そうして京哉は血のついたまま着替えていない衣服を霧島に見せないよう、敢えてダッフルコートを脱がずフローリングに直接腰を下ろす。霧島も倣ってあぐらをかいた。
「座布団もなくて、申し訳ないです」
「いや、慣れているから構わん。武道場と同じだ」
「喩えが霧島警視らしいですね。あっ、お借りしたハンカチは血が付いちゃったんで洗濯してからお返しします。でも血だから落ちないかも……」
「ハンカチ一枚くらいで気を遣うな。洗って血が落ちたらきみが使え」
「はあ。で、もしかしてスーツの件ですか?」
「スーツ?」
と、霧島は怪訝な顔をしたのち、
「ああ、残りが一着とか言っていたな」
すっかり忘れていたらしい男に、京哉は殊更朗らかに言ってみる。
「『幾らでも買ってやる』、そう仰いましたよね。詐欺で捜二の世話になりたくないなら――」
「分かった分かった。このあと買いに行くからいいだろう?」
「約束ですからね。それで本当は何の用だったんですか?」
その顔つきから、ただ自分に会いに来たなどと甘いことは考えていなかった。予想通り霧島はシャープなラインを描く頬を引き締めて話を切り出す。
「じつは警察庁と県警本部の広報宛に捨て置けない投書がメールでなされた。本来なら私の耳には聞こえてこない話だが、キャリアの同期が教えてくれた」
「それって僕の父が強殺犯というのは冤罪だって内容じゃないですか?」
「知っていたのか?」
「先日、署に外線でタレコミされました」
「なるほど。だが事実としてきみの父親が強殺したという証拠は隠滅されている」
京哉も頷いた。今では照会センターの記録まで抹消されて証拠を握っているのはサッチョウ上層の一部のみ、あとは霧島カンパニーの暗殺実行本部で桜木辺りが知っているだけだ。
サッチョウ上層部に至っては誰が知っているのか京哉にも不明である。
「そんな『存在しない筈の罪』を冤罪だと差出人不明のメールは淡々と告げた上に、告発するとも取れる脅し方をしていた」
「で、その怪文書みたいな投書の犯人は僕。そう疑われているんですね?」
「京哉、きみは勘が良すぎるぞ」
苦笑されて霧島が自分を疑っていないのも理解する。安堵した京哉はポケットから煙草を取り出して霧島に目で了解を取り、一本咥えて使い捨てライターで火を点けた。吸わないらしい霧島を避けて紫煙を吐き出す。
「けど関係者が僕しかいないから僕に嫌疑をかけるって、単純すぎませんか?」
「確かにそうなんだが、これに関して私は陰でサッチョウ上層部を罵るくらいしかできん。全ては上の判断、しかし事が事だけに早急に対策を打つだろうと予測できる」
「上が対策って……まさか僕に行確でも就くとか?」
行確とは行動確認、つまりは常時尾行することだ。
「やはりきみは勘がいいな。おそらく保秘の観点から公安が動くだろう」
「公安ですか」
途端に煙草を苦く感じた。警備部公安課は主に思想犯のテロリストが取り締まり対象である。アジトに潜伏し変装を施した対象を追う公安は尾行のスペシャリストだ。
そんな彼らに張り付かれ行確されたら、もうひとつの仕事だってままならない。これは早々に桜木を通し、暗殺に関わっているサッチョウ上層部の人間から手を回して貰って……。
瞬時にそんなことを考えたが我に返り、さりげなく霧島を見ると灰色の目がじっと見返している。何もかも見透かされたように感じて身構えたが、霧島は『もうスナイプを止めろ』とは口にしなかった。
代わりにコーヒーを振って開封し一気飲みする。
かつんとロウテーブルに空き缶を置く音で、京哉は目が覚めたような気がした。
「教えて下さって感謝します。もう帰られますか?」
「スーツを買いに行くのだろう?」
「たまには冗談を言ってみたかっただけです。真に受けないで下さい」
「だが約束は約束だ。怪我の具合が悪くなければ出掛けよう」
「具合は悪くありませんが……なら本当に甘えちゃいますよ?」
「ああ。車を回してくるから着替えて出てきてくれ」
自家用車で来たらしい霧島は軽快な足取りで部屋を出て行った。その鍛えられた背を見送った京哉は再び心地良い夢でも見ているように気分が昂揚するのを感じる。
この辺りは駐車禁止だと思い出し急いで着替えた。仕事中は署に置きっ放しだったために難を逃れたダッフルコートから破れて汚れたスーツ以下を脱ぎ捨て、もし出血しても目立たない臙脂のシャツを着る。黒いセーターとジーンズも身に着けた。
白い三角巾はやはり仰々しいので使わず、医者から『痛みがなくなったら』と渡されていたアームホルダーで腕を吊り、ダッフルコートに右袖だけ通して羽織る。
煙草とライターに手帳や財布、携帯をポケットに入れて部屋を出るとロックした。
だが実況見分のため現場に戻ってみると、たまたま近くを警邏中だったため真っ先に臨場した県警機捜は真城署刑事課に案件を申し送って引き上げており、霧島の姿も見当たらなかった。
機捜の職務である初動捜査を終えたのだから当然だ。
またこれだ。いったい自分は何を期待していたのだろうと、京哉はもう自嘲すらせず考え込みながら実況見分を終わらせて署に戻る。
デカ部屋で江波課長に事件と受傷の報告をすると労われてから訊かれた。
「金星のご褒美はどうするかね?」
「いえ、要りません」
ご褒美とは取り調べする権利のことだ。供述で余罪が出たら大金星になり得るからである。だが事実として殆ど何もできなかった京哉は遠慮し手錠を返却された。
自分のデスクに戻るとノートパソコンのファイルから報告書類を探し出してプリンタで打ち出した。手書き部分を埋めて数枚の報告書を仕上げると、ついでに明日から三日間の有休申請書も記入し課長に提出する。
逮捕から検察送致まで最長で四十八時間続くマル被の取り調べに参加しない意思を示すためでもあった。
負傷した京哉の有休申請はすんなりと受理される。
何となくデスクを片付け腕時計を見ると定時の十七時半だ。真っ白の三角巾で吊った腕はデカ部屋でも目立つので、今日は電話番せず官舎に帰ろうと決めた。事件を嗅ぎつけたメディアのカメラが数台、署のエントランスに張り付いていたので回れ右して裏口から出る。
面倒なのでコンビニにも寄らず官舎まで歩いた。
すると未だ薄明るい官舎前の公園に長身のスーツ姿が佇んでいる。
まさかという思いで足を速めた。やがては駆け出した京哉だったが、左腕を吊ったままでバランスを崩し、砂場のふちにつま先を引っかけて転びそうになる。
すかさず力強い腕が差し出され、砂の中に突っ込むのは避けられた。
「危ないから走るな」
「すみません。それより霧島警視、どうしてこんな所に?」
「きみの住所は江波警部に訊いた。すまんが部屋に招待して貰えないだろうか?」
「構いませんが、散らかってますよ」
ゆっくり歩いて官舎二階の部屋に霧島を案内した。靴を脱いで上がるなり招き入れられた六畳のフローリングを霧島は物珍しそうに見回す。それこそウィークリーマンションより狭い部屋が珍しいのかも知れない。
「散らかってなどいない、綺麗に片付いているな」
「そうですか? まあ、あんまり物は増やさないたちなんで」
いつ逮捕されてもいいように、などという余計な言葉を呑み込んで、小さな冷蔵庫から出した缶コーヒー二本をロウテーブルに置いた。
そうして京哉は血のついたまま着替えていない衣服を霧島に見せないよう、敢えてダッフルコートを脱がずフローリングに直接腰を下ろす。霧島も倣ってあぐらをかいた。
「座布団もなくて、申し訳ないです」
「いや、慣れているから構わん。武道場と同じだ」
「喩えが霧島警視らしいですね。あっ、お借りしたハンカチは血が付いちゃったんで洗濯してからお返しします。でも血だから落ちないかも……」
「ハンカチ一枚くらいで気を遣うな。洗って血が落ちたらきみが使え」
「はあ。で、もしかしてスーツの件ですか?」
「スーツ?」
と、霧島は怪訝な顔をしたのち、
「ああ、残りが一着とか言っていたな」
すっかり忘れていたらしい男に、京哉は殊更朗らかに言ってみる。
「『幾らでも買ってやる』、そう仰いましたよね。詐欺で捜二の世話になりたくないなら――」
「分かった分かった。このあと買いに行くからいいだろう?」
「約束ですからね。それで本当は何の用だったんですか?」
その顔つきから、ただ自分に会いに来たなどと甘いことは考えていなかった。予想通り霧島はシャープなラインを描く頬を引き締めて話を切り出す。
「じつは警察庁と県警本部の広報宛に捨て置けない投書がメールでなされた。本来なら私の耳には聞こえてこない話だが、キャリアの同期が教えてくれた」
「それって僕の父が強殺犯というのは冤罪だって内容じゃないですか?」
「知っていたのか?」
「先日、署に外線でタレコミされました」
「なるほど。だが事実としてきみの父親が強殺したという証拠は隠滅されている」
京哉も頷いた。今では照会センターの記録まで抹消されて証拠を握っているのはサッチョウ上層の一部のみ、あとは霧島カンパニーの暗殺実行本部で桜木辺りが知っているだけだ。
サッチョウ上層部に至っては誰が知っているのか京哉にも不明である。
「そんな『存在しない筈の罪』を冤罪だと差出人不明のメールは淡々と告げた上に、告発するとも取れる脅し方をしていた」
「で、その怪文書みたいな投書の犯人は僕。そう疑われているんですね?」
「京哉、きみは勘が良すぎるぞ」
苦笑されて霧島が自分を疑っていないのも理解する。安堵した京哉はポケットから煙草を取り出して霧島に目で了解を取り、一本咥えて使い捨てライターで火を点けた。吸わないらしい霧島を避けて紫煙を吐き出す。
「けど関係者が僕しかいないから僕に嫌疑をかけるって、単純すぎませんか?」
「確かにそうなんだが、これに関して私は陰でサッチョウ上層部を罵るくらいしかできん。全ては上の判断、しかし事が事だけに早急に対策を打つだろうと予測できる」
「上が対策って……まさか僕に行確でも就くとか?」
行確とは行動確認、つまりは常時尾行することだ。
「やはりきみは勘がいいな。おそらく保秘の観点から公安が動くだろう」
「公安ですか」
途端に煙草を苦く感じた。警備部公安課は主に思想犯のテロリストが取り締まり対象である。アジトに潜伏し変装を施した対象を追う公安は尾行のスペシャリストだ。
そんな彼らに張り付かれ行確されたら、もうひとつの仕事だってままならない。これは早々に桜木を通し、暗殺に関わっているサッチョウ上層部の人間から手を回して貰って……。
瞬時にそんなことを考えたが我に返り、さりげなく霧島を見ると灰色の目がじっと見返している。何もかも見透かされたように感じて身構えたが、霧島は『もうスナイプを止めろ』とは口にしなかった。
代わりにコーヒーを振って開封し一気飲みする。
かつんとロウテーブルに空き缶を置く音で、京哉は目が覚めたような気がした。
「教えて下さって感謝します。もう帰られますか?」
「スーツを買いに行くのだろう?」
「たまには冗談を言ってみたかっただけです。真に受けないで下さい」
「だが約束は約束だ。怪我の具合が悪くなければ出掛けよう」
「具合は悪くありませんが……なら本当に甘えちゃいますよ?」
「ああ。車を回してくるから着替えて出てきてくれ」
自家用車で来たらしい霧島は軽快な足取りで部屋を出て行った。その鍛えられた背を見送った京哉は再び心地良い夢でも見ているように気分が昂揚するのを感じる。
この辺りは駐車禁止だと思い出し急いで着替えた。仕事中は署に置きっ放しだったために難を逃れたダッフルコートから破れて汚れたスーツ以下を脱ぎ捨て、もし出血しても目立たない臙脂のシャツを着る。黒いセーターとジーンズも身に着けた。
白い三角巾はやはり仰々しいので使わず、医者から『痛みがなくなったら』と渡されていたアームホルダーで腕を吊り、ダッフルコートに右袖だけ通して羽織る。
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