3 / 41
第3話
しおりを挟む
やがて緊急音が響いて足音が近づいた。最初の一団にいた男が京哉の肩を小突く。
「京哉、何でお前がこんな所で死体なんか作ってんだ!」
「僕が作った訳じゃないって、信輔」
それは京哉の真城署時代のバディだった。どうやら信輔は今夜の当直だったらしく非常に不機嫌で、だが霧島警視を前にしてそれ以上は当たり散らす訳にもいかず、ムッとしている。深夜番は連絡員というだけでなく案件が起これば大量の書類も待っているのだ。
そのまま鑑識が仕事を始め、暫く経って刑事たちにも入室許可が下りる。皆がどやどやと入って行った。その頃には県警捜査一課も現着しており、京哉と霧島もお馴染みの顔が臨場する。
当然ながら機捜も現着したが単なる事実確認程度だ。マル害が死んで半日以上も経過した案件には首を突っ込まない。機捜はあくまで初動捜査において覆面パトカーでの機動力を求められるだけだ。
それでも起こった案件の概要を知っておくのは霧島隊長の方針である。状況を所轄署員から聞き、居合わせた霧島と少々話をしてから機捜隊員らはまた警邏に戻って行った。
そのうち人の輪から出てきた信輔が再び京哉の肩を小突いて吐き捨てる。
「間違いねぇな、一連の件とホシは同じだ……くそっ!」
「同じって、もしかして先週から白藤市内で二件起こってる強殺のことか?」
「ああ。得物が果物ナイフ三丁ってのも、ごっそりカネを盗られてるのも一緒だ。三丁の果物ナイフについては報道規制をかけてる。これでホシが別なら俺は捜一に異動してもいい」
「失敗しといて勝手に昇格するなよ」
元バディと馬鹿を言いつつも、つい最近二件連続で発生した強盗殺人を思い出し、京哉と霧島は顔を見合わせた。そこに所轄の他の刑事課員がやって来て申し訳なさそうに霧島と京哉に署への同行を促す。
パトカーで運ばれた真城署で簡単な事情聴取をされ、面倒を省略するため探せば見つかる指紋を取って渡すと二人はもう釈放だった。ついでと言っては何だが住処のマンション近くのコンビニまでパトカーで送って貰う。
コンビニで京哉は煙草を買い求め、顔見知りとなった男性店長に肉まんを二個サーヴィスして貰い、霧島と一緒に食べながら雪の中をマンションまで歩いた。
部屋に帰り着くとコートを脱いでマフラーを外し、吊った銃もショルダーホルスタごと外して、まずは風邪予防に手洗いとうがいをする。そうして霧島は黒いエプロンをしてキッチンに立ち、京哉は換気扇の下で数時間ぶりの煙草を吸った。
「時間も遅い上にローズマリーの入手不成功に終わったからな、メニュー変更だ。ポットローストではなく簡単に焼くだけ、ソテーにするがいいか?」
「いいですよ。何か手伝えることがあったら言って下さい」
「ではTVを点けてニュースに合わせてくれ。お前は風呂に入ってきていいぞ」
「了解、お先に頂きます」
そう言いながらも京哉はTVニュースを眺め始める。全国版のトップニュースで白藤市内での強殺二件が報じられた。首都圏下でも特筆すべき大都市の白藤市での強殺案件である。未だ何の手掛かりも掴んでいない警察はボコボコに貶されていた。
事件があったのは知っていたが京哉は機捜でも秘書で内勤だ。詳しい内容は知らなかったため真剣に見入る。
だが今日と似たようなマンションで一件では老婦人、一件では十二歳の少女を含む一家三人が刺殺され、かなりの額のカネを盗られたという報道だけで拍子抜けするほどあっさりニュースは終わってしまった。
「――京哉? 京哉!」
「あ、はい。何ですか、忍さん?」
「先に風呂に入れと言っただろう。薄っぺらい躰が冷え切っている筈だぞ」
「そうでした、すみません。入ってきます」
寝室でセーターを脱いで洗面所に向かい、衣服を脱ぐ片端から洗濯乾燥機に放り込む。バスルームに入ってみると、いつの間にかバスタブに湯が湛えられていた。霧島の気遣いを有難く思いながらシャンプーとボディソープで全身泡だらけにして薄いヒゲも剃る。
一気に泡を流してバスタブの湯に浸かると心地良さに溜息が洩れた。
しっかり温まってから上がりバスタオルで躰を拭うと警察官にしては少々長めの髪もドライヤーで乾かす。寝室で下着と黒いシルクサテンのパジャマを身に着け、少し考えてからクローゼットの引き出しを開けて霧島のカーディガンを拝借し羽織った。
かなりオーバーサイズのカーディガンを羽織ってキッチンに出て行くと、京哉が出てくる時間を見計らっていたらしく、丁度コールスローサラダの載ったプレートに霧島が出来上がった豚肉のソテー・香味ソースがけを盛り付けていた。
電気ポットの湯で京哉がインスタント味噌汁を作っている間に、ホカホカのご飯も茶碗に盛られる。
「わあ、美味しそう。でも夜中になっちゃいましたね」
「真夜中に食ったからといって、へこたれる胃袋ではあるまい」
「へこたれるどころかお腹が空いて胃袋が逃げ出しそうですよ。頂きまーす」
「頂きます。こら、そんなに慌てて食うと喉に詰まるぞ」
笑いながら霧島はおかずを肴にしてカットグラスのウィスキーを飲んでいた。ストレートでごくごく飲む男を数秒間だけ目で咎めたが、アルコールに非常に強い霧島は何処吹く風だ。そうして飲みながら京哉をじっと見つめている。
だが京哉は食べるのと背後のリビングにあるTVから流れてくる深夜ニュースを聞き取るのとで忙しい。
お蔭で年上の愛し人の視線にまるで気付かずにいた。
「今日の二人殺害で都合六人も殺されたなんて、所轄も捜一も大変そうですねえ」
「京哉、食っている間くらいは仕事から離れたらどうだ?」
「十二歳の女の子まで殺すなんて酷いなあ。まともじゃないですよね」
「京哉。いいから食うなら集中して食え」
「前の二件とも数千万円も盗られたなんて、そんなお金の所在を知ってたとは知り合いの線でしょうか? ということは今日の殺しの現場にも大金があったのかなあ?」
「おい……京哉」
溜息を洩らした霧島は、ふいにテーブルに身を乗り出して京哉の鼻を摘んだ。
「んっ! 痛たた、何するんですか、忍さん!」
「死体のことばかり考えていないで、生きている人間を考えてくれたらどうだ?」
「別にご飯中にオロクのことを考えるほど、僕だって悪趣味じゃありません……って、もしかして忍さんって案件に嫉妬してるんですか?」
「嫉妬したら悪いのか? どうせ明日から考えるヒマはあるんだ。せっかくの連休最終日くらい私のことを考えてくれ。だから……なあ、今晩、いいだろう?」
切れ長の目が婀娜っぽいような色を帯び、京哉は頬に血を上らせる。低く甘い声に弱いのを知った上でのストレートな求めに、だが事実を突きつけ反論した。
「昨日だってあんなに。お蔭で今日は昼まで立てなかったのもご存じの筈ですが」
「昨日は昨日だ。だが明日は仕事だからな、優しくすると約束しよう」
「誰かさんの『優しく』ほどアテにならないものはないんですけどね」
「本当に優しくする。来週の食事当番を賭けてもいい」
「本当ですね? 後悔しても知りませんよ?」
もうこの段階で乗せられてしまったのにも気付かず、京哉も挑戦的に身を乗り出してしまっていた。年上の愛し人が頷くのを見てさっさと目前のものを平らげ、後片付けまで請け負って霧島をバスルームへと追いやる。
換気扇の下で食後の煙草を二本吸うと、食器を洗浄機に入れてスイッチを回し、また煙草を咥えてオイルライターで火を点けた。
やがて霧島がバスローブ姿で出てくる。そうして未だ挑戦的な目をした京哉が寝室に向かおうとするのを腕を掴んで留めた。怪訝な思いで京哉は灰色の目を見上げる。
「せっかく賭けたんです。しましょう!」
「お前は本当に色気がないな。そういう奴にはこうしてやる」
強く腕を引かれ、京哉は霧島の分厚い胸板にぶつかるようにして抱き竦められた。その胸から霧島が愛用していて京哉も大好きなオード・トワレ、ペンハリガンのブレナムブーケが香る。
普段は現場に匂いを残せないからと言ってつけてくれないが、行為の時だけはこうして香らせてくれるのだ。やや苦み走った柑橘系の匂いが香る。
「京哉、何でお前がこんな所で死体なんか作ってんだ!」
「僕が作った訳じゃないって、信輔」
それは京哉の真城署時代のバディだった。どうやら信輔は今夜の当直だったらしく非常に不機嫌で、だが霧島警視を前にしてそれ以上は当たり散らす訳にもいかず、ムッとしている。深夜番は連絡員というだけでなく案件が起これば大量の書類も待っているのだ。
そのまま鑑識が仕事を始め、暫く経って刑事たちにも入室許可が下りる。皆がどやどやと入って行った。その頃には県警捜査一課も現着しており、京哉と霧島もお馴染みの顔が臨場する。
当然ながら機捜も現着したが単なる事実確認程度だ。マル害が死んで半日以上も経過した案件には首を突っ込まない。機捜はあくまで初動捜査において覆面パトカーでの機動力を求められるだけだ。
それでも起こった案件の概要を知っておくのは霧島隊長の方針である。状況を所轄署員から聞き、居合わせた霧島と少々話をしてから機捜隊員らはまた警邏に戻って行った。
そのうち人の輪から出てきた信輔が再び京哉の肩を小突いて吐き捨てる。
「間違いねぇな、一連の件とホシは同じだ……くそっ!」
「同じって、もしかして先週から白藤市内で二件起こってる強殺のことか?」
「ああ。得物が果物ナイフ三丁ってのも、ごっそりカネを盗られてるのも一緒だ。三丁の果物ナイフについては報道規制をかけてる。これでホシが別なら俺は捜一に異動してもいい」
「失敗しといて勝手に昇格するなよ」
元バディと馬鹿を言いつつも、つい最近二件連続で発生した強盗殺人を思い出し、京哉と霧島は顔を見合わせた。そこに所轄の他の刑事課員がやって来て申し訳なさそうに霧島と京哉に署への同行を促す。
パトカーで運ばれた真城署で簡単な事情聴取をされ、面倒を省略するため探せば見つかる指紋を取って渡すと二人はもう釈放だった。ついでと言っては何だが住処のマンション近くのコンビニまでパトカーで送って貰う。
コンビニで京哉は煙草を買い求め、顔見知りとなった男性店長に肉まんを二個サーヴィスして貰い、霧島と一緒に食べながら雪の中をマンションまで歩いた。
部屋に帰り着くとコートを脱いでマフラーを外し、吊った銃もショルダーホルスタごと外して、まずは風邪予防に手洗いとうがいをする。そうして霧島は黒いエプロンをしてキッチンに立ち、京哉は換気扇の下で数時間ぶりの煙草を吸った。
「時間も遅い上にローズマリーの入手不成功に終わったからな、メニュー変更だ。ポットローストではなく簡単に焼くだけ、ソテーにするがいいか?」
「いいですよ。何か手伝えることがあったら言って下さい」
「ではTVを点けてニュースに合わせてくれ。お前は風呂に入ってきていいぞ」
「了解、お先に頂きます」
そう言いながらも京哉はTVニュースを眺め始める。全国版のトップニュースで白藤市内での強殺二件が報じられた。首都圏下でも特筆すべき大都市の白藤市での強殺案件である。未だ何の手掛かりも掴んでいない警察はボコボコに貶されていた。
事件があったのは知っていたが京哉は機捜でも秘書で内勤だ。詳しい内容は知らなかったため真剣に見入る。
だが今日と似たようなマンションで一件では老婦人、一件では十二歳の少女を含む一家三人が刺殺され、かなりの額のカネを盗られたという報道だけで拍子抜けするほどあっさりニュースは終わってしまった。
「――京哉? 京哉!」
「あ、はい。何ですか、忍さん?」
「先に風呂に入れと言っただろう。薄っぺらい躰が冷え切っている筈だぞ」
「そうでした、すみません。入ってきます」
寝室でセーターを脱いで洗面所に向かい、衣服を脱ぐ片端から洗濯乾燥機に放り込む。バスルームに入ってみると、いつの間にかバスタブに湯が湛えられていた。霧島の気遣いを有難く思いながらシャンプーとボディソープで全身泡だらけにして薄いヒゲも剃る。
一気に泡を流してバスタブの湯に浸かると心地良さに溜息が洩れた。
しっかり温まってから上がりバスタオルで躰を拭うと警察官にしては少々長めの髪もドライヤーで乾かす。寝室で下着と黒いシルクサテンのパジャマを身に着け、少し考えてからクローゼットの引き出しを開けて霧島のカーディガンを拝借し羽織った。
かなりオーバーサイズのカーディガンを羽織ってキッチンに出て行くと、京哉が出てくる時間を見計らっていたらしく、丁度コールスローサラダの載ったプレートに霧島が出来上がった豚肉のソテー・香味ソースがけを盛り付けていた。
電気ポットの湯で京哉がインスタント味噌汁を作っている間に、ホカホカのご飯も茶碗に盛られる。
「わあ、美味しそう。でも夜中になっちゃいましたね」
「真夜中に食ったからといって、へこたれる胃袋ではあるまい」
「へこたれるどころかお腹が空いて胃袋が逃げ出しそうですよ。頂きまーす」
「頂きます。こら、そんなに慌てて食うと喉に詰まるぞ」
笑いながら霧島はおかずを肴にしてカットグラスのウィスキーを飲んでいた。ストレートでごくごく飲む男を数秒間だけ目で咎めたが、アルコールに非常に強い霧島は何処吹く風だ。そうして飲みながら京哉をじっと見つめている。
だが京哉は食べるのと背後のリビングにあるTVから流れてくる深夜ニュースを聞き取るのとで忙しい。
お蔭で年上の愛し人の視線にまるで気付かずにいた。
「今日の二人殺害で都合六人も殺されたなんて、所轄も捜一も大変そうですねえ」
「京哉、食っている間くらいは仕事から離れたらどうだ?」
「十二歳の女の子まで殺すなんて酷いなあ。まともじゃないですよね」
「京哉。いいから食うなら集中して食え」
「前の二件とも数千万円も盗られたなんて、そんなお金の所在を知ってたとは知り合いの線でしょうか? ということは今日の殺しの現場にも大金があったのかなあ?」
「おい……京哉」
溜息を洩らした霧島は、ふいにテーブルに身を乗り出して京哉の鼻を摘んだ。
「んっ! 痛たた、何するんですか、忍さん!」
「死体のことばかり考えていないで、生きている人間を考えてくれたらどうだ?」
「別にご飯中にオロクのことを考えるほど、僕だって悪趣味じゃありません……って、もしかして忍さんって案件に嫉妬してるんですか?」
「嫉妬したら悪いのか? どうせ明日から考えるヒマはあるんだ。せっかくの連休最終日くらい私のことを考えてくれ。だから……なあ、今晩、いいだろう?」
切れ長の目が婀娜っぽいような色を帯び、京哉は頬に血を上らせる。低く甘い声に弱いのを知った上でのストレートな求めに、だが事実を突きつけ反論した。
「昨日だってあんなに。お蔭で今日は昼まで立てなかったのもご存じの筈ですが」
「昨日は昨日だ。だが明日は仕事だからな、優しくすると約束しよう」
「誰かさんの『優しく』ほどアテにならないものはないんですけどね」
「本当に優しくする。来週の食事当番を賭けてもいい」
「本当ですね? 後悔しても知りませんよ?」
もうこの段階で乗せられてしまったのにも気付かず、京哉も挑戦的に身を乗り出してしまっていた。年上の愛し人が頷くのを見てさっさと目前のものを平らげ、後片付けまで請け負って霧島をバスルームへと追いやる。
換気扇の下で食後の煙草を二本吸うと、食器を洗浄機に入れてスイッチを回し、また煙草を咥えてオイルライターで火を点けた。
やがて霧島がバスローブ姿で出てくる。そうして未だ挑戦的な目をした京哉が寝室に向かおうとするのを腕を掴んで留めた。怪訝な思いで京哉は灰色の目を見上げる。
「せっかく賭けたんです。しましょう!」
「お前は本当に色気がないな。そういう奴にはこうしてやる」
強く腕を引かれ、京哉は霧島の分厚い胸板にぶつかるようにして抱き竦められた。その胸から霧島が愛用していて京哉も大好きなオード・トワレ、ペンハリガンのブレナムブーケが香る。
普段は現場に匂いを残せないからと言ってつけてくれないが、行為の時だけはこうして香らせてくれるのだ。やや苦み走った柑橘系の匂いが香る。
0
あなたにおすすめの小説
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
明治かんなぎ少女の冥契 五百年の時を超えて、あなたに愛を
花籠しずく
キャラ文芸
――ですが、わたくしは生まれました。あなたに会うために。
月のものが来るようになってから、琥珀は不思議な夢を見る。誰かに探されている夢。きっと大切な人だったことは分かるのに、目が覚めると朧気で何も思い出せない。婚約者である志貴の言いなりの人形になる生活をし、生家とは会うと脅され、心が疲弊していたある日、家からひとり抜け出すと、妖魔のようなものに出会う。呪術師である志貴に、一時祓ってもらいはしたが、不思議と心が痛む。夢に美しい男が現れ、声に導かれるようにして、ある山のふもとの、廃れた神社の中に入ると、そこには苦しそうに蹲るあの妖魔がいた。琥珀はそれが夢に現れた、蘿月という男だと直感する。全身が黒い靄で包まれた彼の、靄を払う方法を、どうしてか琥珀は知っていた。口づけをし、息を吹き込むように、生きて、と願った。
帰ってすぐに志貴に殴られ、月のものがはじまっていたことが志貴にばれる。琥珀を穢そうとする志貴の様子に恐ろしさを覚えて、助けてと叫んだその瞬間、闇を裂くようにして、蘿月が現れた。
「琥珀は、俺が五百年待ち望んだ花嫁だ」
これは、時を超えて紡がれる愛の物語。そして虐げられた少女が、愛を知り、愛のために生きる自由を選ぶ物語。
※R-15っぽいゆるい性描写があります。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
愛人を選んだ夫を捨てたら、元婚約者の公爵に捕まりました
由香
恋愛
伯爵夫人リュシエンヌは、夫が公然と愛人を囲う結婚生活を送っていた。
尽くしても感謝されず、妻としての役割だけを求められる日々。
けれど彼女は、泣きわめくことも縋ることもなく、静かに離婚を選ぶ。
そうして“捨てられた妻”になったはずの彼女の前に現れたのは、かつて婚約していた元婚約者――冷静沈着で有能な公爵セドリックだった。
再会とともに始まるのは、彼女の価値を正しく理解し、決して手放さない男による溺愛の日々。
一方、彼女を失った元夫は、妻が担っていたすべてを失い、社会的にも転落していく。
“尽くすだけの妻”から、“選ばれ、守られる女性”へ。
静かに離婚しただけなのに、
なぜか元婚約者の公爵に捕まりました。
短編【シークレットベビー】契約結婚の初夜の後でいきなり離縁されたのでお腹の子はひとりで立派に育てます 〜銀の仮面の侯爵と秘密の愛し子〜
美咲アリス
恋愛
レティシアは義母と妹からのいじめから逃げるために契約結婚をする。結婚相手は醜い傷跡を銀の仮面で隠した侯爵のクラウスだ。「どんなに恐ろしいお方かしら⋯⋯」震えながら初夜をむかえるがクラウスは想像以上に甘い初体験を与えてくれた。「私たち、うまくやっていけるかもしれないわ」小さな希望を持つレティシア。だけどなぜかいきなり離縁をされてしまって⋯⋯?
あやかし帝都の婚姻譚 〜浄癒の花嫁が祓魔の軍人に溺愛されるまで〜
鳴猫ツミキ
キャラ文芸
【完結】【第一章までで一区切り】時は大正。天羽家に生まれた桜子は、特異な体質から、家族に虐げられた生活を送っていた。すると女学院から帰ったある日、見合いをするよう命じられる。相手は冷酷だと評判の帝国陸軍あやかし対策部隊の四峰礼人だった。※和風シンデレラ風のお話です。恋愛要素が多いですが、あやかし要素が主体です。第9回キャラ文芸大賞に応募しているので、応援して頂けましたら嬉しいです。【第一章で一区切りで単体で読めますので、そこまででもご覧頂けると嬉しいです】。
【完結】冷酷伯爵ディートリヒは、去った妻を取り戻せない
くろねこ
恋愛
名門伯爵家に政略結婚で嫁いだ、正妻エレノア・リーヴェルト。夫である伯爵ディートリヒ・フォン・アイゼンヴァルトは、
軍務と義務を最優先し、彼女に関心を向けることはなかった。
言葉も、視線も、愛情も与えられない日々。それでも伯爵夫人として尽くし続けたエレノアは、ある一言をきっかけに、静かに伯爵家を去る決意をする。
――そして初めて、夫は気づく。
自分がどれほど多くのものを、彼女から与えられていたのかを。
一方、エレノアは新たな地でその才覚と人柄を評価され、
「必要とされる存在」として歩き始めていた。
去った妻を想い、今さら後悔する冷酷伯爵。前を向いて生きる正妻令嬢。
これは、失ってから愛に気づいた男と、
二度と戻らないかもしれない夫婦の物語。
――今さら、遅いのです。
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる