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第6話
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がらんとした詰め所内には情報収集用に点けっ放しにしてあるTV音声と、本日上番の三班の佐々木班長が機捜本部の指令台で発する声だけが響いていた。
県警本部内の総合指令室要員が入電した、山ほどある案件から機捜案件と思料されるものを振り分け、密行警邏中の覆面の中でもカーロケータで最も近辺に表示されている覆面を向かわせているのだ。
警察無線は大きく分けて基幹系と署活系がある。大雑把だがパトカーの通信や県内全域をカバーする重要な基幹系と、署外で活動するお巡りさんと所轄署の通信に利用する署活系だ。
そして機捜の場合は基幹系無線の車載通信でも特別に本部執行隊に割り当てられた捜査専務系という無線チャンネルを使用し交信していた。
チャンネル、つまり周波数帯を分けているのは、全ての案件を一定周波数帯で受信していたら何が何やら分からないからだ。その捜査専務系に注意を払い、指示を出したり応援を向かわせたりするのがここでの班長の職務である。
警邏の人員を一人減らしてまで調整役を設置し、班長を充てたのは霧島の方針だった。
大きな案件にぶつかった際に総合指令室からの情報を全て把握している人間が現場に出て行けたら、隊員たちは単なる『余所の手足』ではなく班長の下で捜査らしい捜査が可能だという発想から、各班長と協議して賛成を得たのである。
但し大事件が起こるとこれらも全て封鎖され、共通系一本に絞られる場合もあった。
ともかく京哉はTVニュースで霧島と自分が第一発見者になった連続強盗殺人の三件目を報道しているのを耳にして、その被害額が推定数千万円というのに仰け反る。振り向くと同じくニュースを聞いていた霧島も目を眇め眉間にシワを寄せていた。
「鳴海巡査部長。これらの強殺の詳細を捜一に請求してくれるか?」
「分かりました。庶務係に問い合わせます」
即時メールを送る。すると暫くしてメールではなく捜一の三係長が直々に姿を見せた。すかさず京哉が濃い目の茶を淹れて手渡すと、ファイルケースを手にした三係長は隊長のデスク前にパイプ椅子を置いて座り、深々と溜息を洩らして熱い茶を啜った。
「はあーっ。参った参った。都合六人も殺られて帳場の皆は血まなこですわ」
帳場とは凶悪事件が起こった際に立てられる捜査本部のことである。
「おまけに昨日はもう一件騒ぎがありましてな。夜中の二時に、とあるマンションで悲鳴と廊下に血痕アリの一一〇番通報。すわ、三件連続の強殺の流れかと思って駆けつけたらタダの夫婦喧嘩で旦那が鼻血。これもムゴいでしょうが」
「わあ、ご苦労さまです」
「そういや隊長殿と秘書殿は昨日の真城署管内の件で第一発見者だそうですなあ」
「何処かの隊長・副隊長と違って早いですね、調書が上がってきたなんて」
「ああ、白藤署で合同捜査本部っちゅうことになりましてな、一発目の捜査会議が終わったとこですわ。で、詳細を知りたいそうですな。ええと……これだこれ」
と、三係長は手帳を取り出してページを捲り、自身も頷きながら語り始めた。
「さて、ここからだ。一件目は十日前、マンション九階のドアの前に血のついたナイフが三丁も落ちているのを宅配業者が発見・通報したのが始まりだ」
「ここでも三丁って、メディアには流れてない事実ですよね。複数犯でしょうか?」
昨夜玄関マットに落ちていた果物ナイフ三丁と信輔が果物ナイフ三丁について『報道規制をかけてる』と言っていたのを思い出した京哉の疑問には霧島が応える。
「さあな。トリガーハッピーならぬブレードハッピーかも知れん」
「まさかそんな。でも三丁の刃物から指紋は?」
「残念ながら磨き上げたように、なあんも」
「そうですか。それで?」
「宅配業者の通報でマンション管理会社社員と白藤署員が踏み込み、リビングに倒れているIT関連事務所経営の松方忠夫と妻の早苗、十二歳の娘の由衣を発見。発見時には死後二十四時間経過っちゅうことで、事件は遡って今日から十一日前に起こった訳ですな」
そこで三係長は持参していたファイルケースから資料と写真を出した。霧島に手渡されたそれを見ようと、京哉も立って行って覗き込む。
「マル害は両手に防御創アリ、それにしてはマル被は綺麗に胸をやってるな」
「はあ。確かに綺麗にやってますが偶然かも知れませんしなあ。で、マル害の自宅金庫と財布の中身が、両方足してもたったの三桁になってたんですわ」
「推定被害額は一千万円以上か。おまけにマンションはオートロックも監視カメラもなかったと。その程度のマンションに金持ちがいることをどうやって嗅ぎつけたのかだな」
「だから白藤署の帳場は最初、知り合いの線を疑ったんですね」
「けど容疑者の手掛かりもなく、第二の強殺が違うマンションの二階で起こった。これが一週間前でして。マル害は独り住まいの婆さん。推定数千万円をごっそり持ってかれた」
また現場写真が提示され、同じく防御創のある老婦人の無残な姿を京哉は眺めた。
「そして更に第三の犯行がまた違うマンションで起こり、昨日あんた方が発見したんですな。殺されたのは夫婦で税理士の西田弘司と妻で薬剤師の幸子。二人とも三十四歳。そして金庫に入っていた筈の大金は行方知れずですわ」
溜息をつく三係長に写真を返し、捜査資料に目を通しながら霧島が呟く。
「現場に得物が放置されていたのも同じなら、住処に監視カメラがないのも同じか」
「おまけにオートロックもないから誰でも入り放題なんですよね」
「それは困ったな……」
凶器の刃物はどれも量産品の果物ナイフで足はつかず、マル被の毛髪一本・血痕一滴、指紋のひとつも残っていないという、犯罪の手本のような凶行らしかった。
「やっぱり霧島警視の仰る通り、みんな住んでたマンションのグレードの割には、かなりの資産家だった。マル被は何処でそんなお金持ちの存在を掴んだのか、その辺ですね」
「それで帳場も血まなこということだろう」
「その通りなんですが、あたしらもいい加減に煮詰まって……っと、呼び出しだ」
三係長のポケットで携帯が震えていた。だが三係長は携帯を見ることもせずにポケットの中に手を入れて振動を止める。そんな三係長に霧島が訊いた。
「後学のために現場、自分もいいだろうか?」
「そりゃあ機捜隊長殿なら構いませんがね。昨日の第一発見者ですし、気にならん方が嘘でしょうが。何ならうちの課長には仁義を切っておきますよ」
「有難い。ならばこのあと動くのでお願いしよう」
この業界で管轄破りは御法度なのだ。だがここで京哉が表情を険しくする。
そんな京哉と涼しい顔の霧島とを見比べた三係長は、再びのポケットの振動でまたも溜息を洩らしつつ、茶を飲み干して詰め所を出て行った。
「霧島警視、暢気に余所のヤマに首を突っ込んでいる場合じゃないんですけど」
「そうカリカリするな。最近は本部長から下される特別任務ばかりだろう?」
「だから、それがどうかしたんですか?」
「南米だの欧州だのアフリカだのに飛ばされて国連だ某大国だと、それこそ本業と関係のない任務に就いていると捜査員としての勘も鈍る。たまには県警刑事部所属の捜査員として現場で犯罪被害者の悔しさに肌で触れ、本来の警察官に立ち戻るべきだ。そう思わんか?」
それを聞いて京哉は霧島が人命を護ることを至上とし、警察官としてあるべき姿を体現していた頃を思い出していた。
京哉と関わったばかりに特別任務と称しては敵の命を奪わなければ自分たち二人が生き延びられないようなシチュエーションに何度も放り込まれ、霧島はどれだけ重たいものを背負い、胸を痛めてきただろうか。
ここで現場を見たからといって何が変わる訳でもないだろう。だが現場のノンキャリア組を背負っていきたい、自身も現場捜査員でありたいという霧島の願いは、京哉が一蹴できるほど軽いものではなかった。眺めて気が済むなら幾らでも眺めさせてやればいい。
「じゃあバディの僕も一緒に行きますが、いいでしょうか?」
「当たり前だ。では小田切、あとを頼んだぞ」
「ちょっと待ってくれ、俺も一緒に……ミケ、こらっ!」
やってきたミケがおもむろに小田切の膝に飛び乗って丸くなる。副隊長が引き攣り硬直している間に霧島と京哉はコートを手にしてすたすたと詰め所を出た。階段で一階に降りると裏口から出てメタリックグリーンの覆面パトカーに乗り込む。
ステアリングを握るのは霧島、助手席のサイドウィンドウから京哉は融け残った雪の眩しさを目にした。
県警本部内の総合指令室要員が入電した、山ほどある案件から機捜案件と思料されるものを振り分け、密行警邏中の覆面の中でもカーロケータで最も近辺に表示されている覆面を向かわせているのだ。
警察無線は大きく分けて基幹系と署活系がある。大雑把だがパトカーの通信や県内全域をカバーする重要な基幹系と、署外で活動するお巡りさんと所轄署の通信に利用する署活系だ。
そして機捜の場合は基幹系無線の車載通信でも特別に本部執行隊に割り当てられた捜査専務系という無線チャンネルを使用し交信していた。
チャンネル、つまり周波数帯を分けているのは、全ての案件を一定周波数帯で受信していたら何が何やら分からないからだ。その捜査専務系に注意を払い、指示を出したり応援を向かわせたりするのがここでの班長の職務である。
警邏の人員を一人減らしてまで調整役を設置し、班長を充てたのは霧島の方針だった。
大きな案件にぶつかった際に総合指令室からの情報を全て把握している人間が現場に出て行けたら、隊員たちは単なる『余所の手足』ではなく班長の下で捜査らしい捜査が可能だという発想から、各班長と協議して賛成を得たのである。
但し大事件が起こるとこれらも全て封鎖され、共通系一本に絞られる場合もあった。
ともかく京哉はTVニュースで霧島と自分が第一発見者になった連続強盗殺人の三件目を報道しているのを耳にして、その被害額が推定数千万円というのに仰け反る。振り向くと同じくニュースを聞いていた霧島も目を眇め眉間にシワを寄せていた。
「鳴海巡査部長。これらの強殺の詳細を捜一に請求してくれるか?」
「分かりました。庶務係に問い合わせます」
即時メールを送る。すると暫くしてメールではなく捜一の三係長が直々に姿を見せた。すかさず京哉が濃い目の茶を淹れて手渡すと、ファイルケースを手にした三係長は隊長のデスク前にパイプ椅子を置いて座り、深々と溜息を洩らして熱い茶を啜った。
「はあーっ。参った参った。都合六人も殺られて帳場の皆は血まなこですわ」
帳場とは凶悪事件が起こった際に立てられる捜査本部のことである。
「おまけに昨日はもう一件騒ぎがありましてな。夜中の二時に、とあるマンションで悲鳴と廊下に血痕アリの一一〇番通報。すわ、三件連続の強殺の流れかと思って駆けつけたらタダの夫婦喧嘩で旦那が鼻血。これもムゴいでしょうが」
「わあ、ご苦労さまです」
「そういや隊長殿と秘書殿は昨日の真城署管内の件で第一発見者だそうですなあ」
「何処かの隊長・副隊長と違って早いですね、調書が上がってきたなんて」
「ああ、白藤署で合同捜査本部っちゅうことになりましてな、一発目の捜査会議が終わったとこですわ。で、詳細を知りたいそうですな。ええと……これだこれ」
と、三係長は手帳を取り出してページを捲り、自身も頷きながら語り始めた。
「さて、ここからだ。一件目は十日前、マンション九階のドアの前に血のついたナイフが三丁も落ちているのを宅配業者が発見・通報したのが始まりだ」
「ここでも三丁って、メディアには流れてない事実ですよね。複数犯でしょうか?」
昨夜玄関マットに落ちていた果物ナイフ三丁と信輔が果物ナイフ三丁について『報道規制をかけてる』と言っていたのを思い出した京哉の疑問には霧島が応える。
「さあな。トリガーハッピーならぬブレードハッピーかも知れん」
「まさかそんな。でも三丁の刃物から指紋は?」
「残念ながら磨き上げたように、なあんも」
「そうですか。それで?」
「宅配業者の通報でマンション管理会社社員と白藤署員が踏み込み、リビングに倒れているIT関連事務所経営の松方忠夫と妻の早苗、十二歳の娘の由衣を発見。発見時には死後二十四時間経過っちゅうことで、事件は遡って今日から十一日前に起こった訳ですな」
そこで三係長は持参していたファイルケースから資料と写真を出した。霧島に手渡されたそれを見ようと、京哉も立って行って覗き込む。
「マル害は両手に防御創アリ、それにしてはマル被は綺麗に胸をやってるな」
「はあ。確かに綺麗にやってますが偶然かも知れませんしなあ。で、マル害の自宅金庫と財布の中身が、両方足してもたったの三桁になってたんですわ」
「推定被害額は一千万円以上か。おまけにマンションはオートロックも監視カメラもなかったと。その程度のマンションに金持ちがいることをどうやって嗅ぎつけたのかだな」
「だから白藤署の帳場は最初、知り合いの線を疑ったんですね」
「けど容疑者の手掛かりもなく、第二の強殺が違うマンションの二階で起こった。これが一週間前でして。マル害は独り住まいの婆さん。推定数千万円をごっそり持ってかれた」
また現場写真が提示され、同じく防御創のある老婦人の無残な姿を京哉は眺めた。
「そして更に第三の犯行がまた違うマンションで起こり、昨日あんた方が発見したんですな。殺されたのは夫婦で税理士の西田弘司と妻で薬剤師の幸子。二人とも三十四歳。そして金庫に入っていた筈の大金は行方知れずですわ」
溜息をつく三係長に写真を返し、捜査資料に目を通しながら霧島が呟く。
「現場に得物が放置されていたのも同じなら、住処に監視カメラがないのも同じか」
「おまけにオートロックもないから誰でも入り放題なんですよね」
「それは困ったな……」
凶器の刃物はどれも量産品の果物ナイフで足はつかず、マル被の毛髪一本・血痕一滴、指紋のひとつも残っていないという、犯罪の手本のような凶行らしかった。
「やっぱり霧島警視の仰る通り、みんな住んでたマンションのグレードの割には、かなりの資産家だった。マル被は何処でそんなお金持ちの存在を掴んだのか、その辺ですね」
「それで帳場も血まなこということだろう」
「その通りなんですが、あたしらもいい加減に煮詰まって……っと、呼び出しだ」
三係長のポケットで携帯が震えていた。だが三係長は携帯を見ることもせずにポケットの中に手を入れて振動を止める。そんな三係長に霧島が訊いた。
「後学のために現場、自分もいいだろうか?」
「そりゃあ機捜隊長殿なら構いませんがね。昨日の第一発見者ですし、気にならん方が嘘でしょうが。何ならうちの課長には仁義を切っておきますよ」
「有難い。ならばこのあと動くのでお願いしよう」
この業界で管轄破りは御法度なのだ。だがここで京哉が表情を険しくする。
そんな京哉と涼しい顔の霧島とを見比べた三係長は、再びのポケットの振動でまたも溜息を洩らしつつ、茶を飲み干して詰め所を出て行った。
「霧島警視、暢気に余所のヤマに首を突っ込んでいる場合じゃないんですけど」
「そうカリカリするな。最近は本部長から下される特別任務ばかりだろう?」
「だから、それがどうかしたんですか?」
「南米だの欧州だのアフリカだのに飛ばされて国連だ某大国だと、それこそ本業と関係のない任務に就いていると捜査員としての勘も鈍る。たまには県警刑事部所属の捜査員として現場で犯罪被害者の悔しさに肌で触れ、本来の警察官に立ち戻るべきだ。そう思わんか?」
それを聞いて京哉は霧島が人命を護ることを至上とし、警察官としてあるべき姿を体現していた頃を思い出していた。
京哉と関わったばかりに特別任務と称しては敵の命を奪わなければ自分たち二人が生き延びられないようなシチュエーションに何度も放り込まれ、霧島はどれだけ重たいものを背負い、胸を痛めてきただろうか。
ここで現場を見たからといって何が変わる訳でもないだろう。だが現場のノンキャリア組を背負っていきたい、自身も現場捜査員でありたいという霧島の願いは、京哉が一蹴できるほど軽いものではなかった。眺めて気が済むなら幾らでも眺めさせてやればいい。
「じゃあバディの僕も一緒に行きますが、いいでしょうか?」
「当たり前だ。では小田切、あとを頼んだぞ」
「ちょっと待ってくれ、俺も一緒に……ミケ、こらっ!」
やってきたミケがおもむろに小田切の膝に飛び乗って丸くなる。副隊長が引き攣り硬直している間に霧島と京哉はコートを手にしてすたすたと詰め所を出た。階段で一階に降りると裏口から出てメタリックグリーンの覆面パトカーに乗り込む。
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