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第24話
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京哉がバスルームに入るのを見届け、霧島は寝室でショルダーホルスタに入った銃を吊ってジャケットを着た。既に邪魔なアームホルダーは外している。コートと車のキィを手にして、ためらいなく部屋を出た。
ドアロックしてエレベーターで一階に降りる。
エントランスを抜けるとあちこちの痛みを他人事のように無視して月極駐車場まで軽く走った。一度足を止めて京哉にプリントアウトして貰ったマップを外灯の光で見る。
それを頭に叩き込んでおいて一旦ポケットにしまった。
再び走り辿り着いた駐車場で冷え切った白いセダンに乗り込みエンジンをかける。そこでまたマップを見て行き先を決めた。煙草を咥えて火を点けてから発車させる。まずは青峰大学方面に向かった。
青峰大学から貝崎市方面に向かえば郊外河沿いの高級住宅地は遠くない。
そうしてバイパスに乗るべく白いセダンを走らせたが、尾行に気付いたのはバイパスに乗る前、まだ街道を走っている時だった。異様に車間距離を詰めてくるそれを確かめるのに真城市と白藤市の境まで待った。
確信を持ってから更に五分ほど走らせ、行き先を変更して一本手前のバイパスに乗る。そのまま白藤市を掠めて高速道に乗った。
貝崎市に入って約二十分で高速を降りる。今度は海岸側に出るバイパスに乗った。ルームミラーには尾行車であるブラウンのステーションワゴンがまだ映っている。
素早い立ち上がりだった。却下された囮を図らずして演じることになりそうだ。
昨日に続いて眠れる気がしなかったので出てきたが、あの男は心配しているだろうか。この私のことを……そう思うと背筋をぞくりと疼きが駆け下りる。
一緒にいるのが心地良いのを通り越して苦痛になりかけていた。
たった数時間で急激に情欲が成長してしまい、腹の底に重たく巣食っていた。あの長めの髪を指で梳きたい。もっと近くで吐息を感じたい。一瞬だけ腕に甦った肌の感触を今度は全身で得て、白い躰に思い切り擦りつけて受け入れさせ、包まれたい。
狂おしいまでに切望する自分を持て余し、いたたまれなかった。
同じ空気を吸っていると、どれだけ自分が渇き求めているのか思い知らされる。それこそ内心どんなに切望しようが隠し通せば、これまでと変わらず傍にいられるだろう。
だが既にあの細い躰をその場で押し倒し、服を引き剥がして晒させ貫いてしまいたいほど霧島の内圧は高まっていた。
きっと一度スイッチが入ったら拒否されても止められない。おそらく拒否されればされるほど目茶苦茶に引き裂いてしまう。そこまで欲し、苦しさを抑えつけていた。
そんな凶暴極まりない自分が記憶の有った頃からいたのかどうかは知らない。だがペアリングまで嵌めるような仲である、あの男と自分はどのようにして折り合いをつけていたのかまるで分らなかった。
そして自分は『抱かせてくれ』と言ったが、京哉から拒否されてしまっている。
一緒にいたら時間の問題だ。だが拒否する者を傷つければ去ってしまうだろう。
全く以てどうしたらいいのか分からない。おまけに自分にあの男を切望させる激しくも熱いこの感情をどう分類していいのか自分でもよく分からないときているのだ。あの男のことを何ひとつ知らないのに、これが愛だ恋だというのは笑止だろう。
次々と秘密の断片を垣間見せ、断片の背後には更なる巨大な秘密があることを予感させるあの男はいったい何者なのか。記憶のある自分はそれを全て知っていたのだろうか。分かりたいと振り絞るように想う。
窓外を見知らぬ都市が超高速で流れてゆく。
確かなものが何もない。握った手から砂粒が零れ落ちる感覚。
自然と傍に存在してくれた男は結局のところ最大の謎だ。全ては下らない虚構なのかも知れないと投げやりな気分にすらなる。
いや。喩え虚構世界であっても自分を殺そうと狙う者がいる。犯罪がそこにある。
警察官という存在意義か、私怨か。分からないがどうでもいい。
我ながらよく交通機動隊に捕まらないなと思うスピードでバイパスをとばし、海の近くにまでやってきていた。バイパスから海岸通りに降り漁港を通り過ぎてカーナビを見ると、この先に倉庫街がある。この時間そこなら誰もいないだろう。
徐々に辺りは淋しくなり、いつしか車列も途切れていた。尾行車もこちらを見失う恐れがなくなったためか車間距離を取っている。
通りは左へと大きくカーブしていたが、白いセダンをそのまま直進させた。暫く行くと左側にポツリとコンビニが建っている。そこだけ煌々と明るいコンビニの五百メートルほど先が倉庫街になっている筈だった。
大小数十もの海運業者の倉庫が建ち並ぶエリアで、そこそこの明かりがある。
そうして霧島は倉庫街の中にまで白いセダンを進入させると、大型貨物トラックなどが入れる広い通りで駐めてエンジンを切り車外に出た。
海がすぐ傍で潮の香りがする。低速で走る尾行車はまだ遠い。
駐めた白いセダンに凭れて待つ。背後の大型倉庫の軒に常夜灯が薄明るく灯り視界に不自由はない。夜気を吸い込むと僅かに胸が痛んだが特に影響はないと判断する。
尾行車が近づいた。得物によっては充分に有効射程内、だがまだ仕掛けてこない。
彼我の距離十五メートルで前後のサイドウィンドウが下がる。夜より黒い銃口が二つ。こちらも銃を抜く。白いセダンと尾行車がすれ違う瞬間、互いに発砲。
二つの銃口が吐いたオレンジ色の火炎、そのマズルフラッシュを狙い、霧島は白いセダンを掩蔽物にしつつ二丁の銃を速射で撃ち飛ばす。
だが直後に三射目が後席のサイドウィンドウから発射され、白いセダンの屋根で跳弾して耳元を掠めた。咄嗟に身を低くしたところで更に撃ち込まれ、白いセダンのウィンドウが一枚、派手に叩き割られる。
通り過ぎたステーションワゴンは約二十メートル先でUターンし、ふいに速度を落とすと人影を三つ吐き出した。ステーションワゴンはそのまま唸りを上げる勢いでこちらに向かってくる。ドライバー含めて敵は最低四名。降り立った人影が発砲する。
タタタ……と、場違いなまでに軽快な音を立てて連射されるそれは発射速度の速いサブマシンガンが三丁。思ってもみない敵の装備だった。あまりの火力の違いに霧島は反撃できず、大型倉庫の間に飛び込んで転がる。すぐに跳ね起き走り出した。
背後に一射を放っておいて倉庫の隙間を駆け抜け、やや細い通りを右へ。小型倉庫が並んだ辺りに走り込む。十秒ほど全速で走って十字路の角にある倉庫を掩蔽にし、呼吸を整えようとするが上手くいかない。思ったより躰にガタがきているようで肩で息をする。
そうしているうちにも気配が近づいてきた。辺りの倉庫に火線が注がれる、そこから敵の位置を予測し狙い撃つ。九ミリパラが二発減る。更に二発。
だがマズルフラッシュで悟られたか、集中火線を浴び一射で引っ込まざるを得なくなった。的確にこちらを追い詰めてゆくやり方は敵もプロのようだ。プロを三人も向こうに回して殺さず手中に収めようなどとは甘かったかと、霧島は内心臍を噛む。
そのとき背後から気配がした。約十五メートル後方、さっきのステーションワゴンが近づいてくる。しまった、挟撃されたと思った途端、左腕のギプスを弾が掠める。角材でぶん殴られたような衝撃に躰ごと振り回され、倉庫の角から弾き出された。
息を詰まらせて転がりつつ、両手保持したシグでダブルタップ。サブマシンガンの一人を撃ち倒す。精一杯の反撃。
唸る二丁のサブマシンガン。最低でも毎分四百発、速ければ毎分千五百発という発射速度で地面のコンクリートが砕かれ散る。破片が耳朶を裂いて飛んだ。
転がり避ける。頭と顔を庇った左腕をまた弾が掠めた。これも殴られたような衝撃。ギプスが割れたか。しかし本気で拙い。時間の問題だと思った刹那、違う撃発音を耳にした。
呻き声が聞こえ、サブマシンガンの火線が止む。霧島は這った姿勢から身を捻り、背後のステーションワゴンに向けて二射を放つ。だが敵は既にUターンし遠ざかっていた。
酸欠か過呼吸か分からない眩暈ですぐには起き上がれなかった。腕の痛みに耐えつつ、ただ喘ぎながら前方を注視する。倒れた三人の向こうから抜き身の銃を手に人影が駆け寄ってきた。
霧島は這ったままでシグを構えるがすぐに手を下ろす。自分の名を呼ぶ声。
ドアロックしてエレベーターで一階に降りる。
エントランスを抜けるとあちこちの痛みを他人事のように無視して月極駐車場まで軽く走った。一度足を止めて京哉にプリントアウトして貰ったマップを外灯の光で見る。
それを頭に叩き込んでおいて一旦ポケットにしまった。
再び走り辿り着いた駐車場で冷え切った白いセダンに乗り込みエンジンをかける。そこでまたマップを見て行き先を決めた。煙草を咥えて火を点けてから発車させる。まずは青峰大学方面に向かった。
青峰大学から貝崎市方面に向かえば郊外河沿いの高級住宅地は遠くない。
そうしてバイパスに乗るべく白いセダンを走らせたが、尾行に気付いたのはバイパスに乗る前、まだ街道を走っている時だった。異様に車間距離を詰めてくるそれを確かめるのに真城市と白藤市の境まで待った。
確信を持ってから更に五分ほど走らせ、行き先を変更して一本手前のバイパスに乗る。そのまま白藤市を掠めて高速道に乗った。
貝崎市に入って約二十分で高速を降りる。今度は海岸側に出るバイパスに乗った。ルームミラーには尾行車であるブラウンのステーションワゴンがまだ映っている。
素早い立ち上がりだった。却下された囮を図らずして演じることになりそうだ。
昨日に続いて眠れる気がしなかったので出てきたが、あの男は心配しているだろうか。この私のことを……そう思うと背筋をぞくりと疼きが駆け下りる。
一緒にいるのが心地良いのを通り越して苦痛になりかけていた。
たった数時間で急激に情欲が成長してしまい、腹の底に重たく巣食っていた。あの長めの髪を指で梳きたい。もっと近くで吐息を感じたい。一瞬だけ腕に甦った肌の感触を今度は全身で得て、白い躰に思い切り擦りつけて受け入れさせ、包まれたい。
狂おしいまでに切望する自分を持て余し、いたたまれなかった。
同じ空気を吸っていると、どれだけ自分が渇き求めているのか思い知らされる。それこそ内心どんなに切望しようが隠し通せば、これまでと変わらず傍にいられるだろう。
だが既にあの細い躰をその場で押し倒し、服を引き剥がして晒させ貫いてしまいたいほど霧島の内圧は高まっていた。
きっと一度スイッチが入ったら拒否されても止められない。おそらく拒否されればされるほど目茶苦茶に引き裂いてしまう。そこまで欲し、苦しさを抑えつけていた。
そんな凶暴極まりない自分が記憶の有った頃からいたのかどうかは知らない。だがペアリングまで嵌めるような仲である、あの男と自分はどのようにして折り合いをつけていたのかまるで分らなかった。
そして自分は『抱かせてくれ』と言ったが、京哉から拒否されてしまっている。
一緒にいたら時間の問題だ。だが拒否する者を傷つければ去ってしまうだろう。
全く以てどうしたらいいのか分からない。おまけに自分にあの男を切望させる激しくも熱いこの感情をどう分類していいのか自分でもよく分からないときているのだ。あの男のことを何ひとつ知らないのに、これが愛だ恋だというのは笑止だろう。
次々と秘密の断片を垣間見せ、断片の背後には更なる巨大な秘密があることを予感させるあの男はいったい何者なのか。記憶のある自分はそれを全て知っていたのだろうか。分かりたいと振り絞るように想う。
窓外を見知らぬ都市が超高速で流れてゆく。
確かなものが何もない。握った手から砂粒が零れ落ちる感覚。
自然と傍に存在してくれた男は結局のところ最大の謎だ。全ては下らない虚構なのかも知れないと投げやりな気分にすらなる。
いや。喩え虚構世界であっても自分を殺そうと狙う者がいる。犯罪がそこにある。
警察官という存在意義か、私怨か。分からないがどうでもいい。
我ながらよく交通機動隊に捕まらないなと思うスピードでバイパスをとばし、海の近くにまでやってきていた。バイパスから海岸通りに降り漁港を通り過ぎてカーナビを見ると、この先に倉庫街がある。この時間そこなら誰もいないだろう。
徐々に辺りは淋しくなり、いつしか車列も途切れていた。尾行車もこちらを見失う恐れがなくなったためか車間距離を取っている。
通りは左へと大きくカーブしていたが、白いセダンをそのまま直進させた。暫く行くと左側にポツリとコンビニが建っている。そこだけ煌々と明るいコンビニの五百メートルほど先が倉庫街になっている筈だった。
大小数十もの海運業者の倉庫が建ち並ぶエリアで、そこそこの明かりがある。
そうして霧島は倉庫街の中にまで白いセダンを進入させると、大型貨物トラックなどが入れる広い通りで駐めてエンジンを切り車外に出た。
海がすぐ傍で潮の香りがする。低速で走る尾行車はまだ遠い。
駐めた白いセダンに凭れて待つ。背後の大型倉庫の軒に常夜灯が薄明るく灯り視界に不自由はない。夜気を吸い込むと僅かに胸が痛んだが特に影響はないと判断する。
尾行車が近づいた。得物によっては充分に有効射程内、だがまだ仕掛けてこない。
彼我の距離十五メートルで前後のサイドウィンドウが下がる。夜より黒い銃口が二つ。こちらも銃を抜く。白いセダンと尾行車がすれ違う瞬間、互いに発砲。
二つの銃口が吐いたオレンジ色の火炎、そのマズルフラッシュを狙い、霧島は白いセダンを掩蔽物にしつつ二丁の銃を速射で撃ち飛ばす。
だが直後に三射目が後席のサイドウィンドウから発射され、白いセダンの屋根で跳弾して耳元を掠めた。咄嗟に身を低くしたところで更に撃ち込まれ、白いセダンのウィンドウが一枚、派手に叩き割られる。
通り過ぎたステーションワゴンは約二十メートル先でUターンし、ふいに速度を落とすと人影を三つ吐き出した。ステーションワゴンはそのまま唸りを上げる勢いでこちらに向かってくる。ドライバー含めて敵は最低四名。降り立った人影が発砲する。
タタタ……と、場違いなまでに軽快な音を立てて連射されるそれは発射速度の速いサブマシンガンが三丁。思ってもみない敵の装備だった。あまりの火力の違いに霧島は反撃できず、大型倉庫の間に飛び込んで転がる。すぐに跳ね起き走り出した。
背後に一射を放っておいて倉庫の隙間を駆け抜け、やや細い通りを右へ。小型倉庫が並んだ辺りに走り込む。十秒ほど全速で走って十字路の角にある倉庫を掩蔽にし、呼吸を整えようとするが上手くいかない。思ったより躰にガタがきているようで肩で息をする。
そうしているうちにも気配が近づいてきた。辺りの倉庫に火線が注がれる、そこから敵の位置を予測し狙い撃つ。九ミリパラが二発減る。更に二発。
だがマズルフラッシュで悟られたか、集中火線を浴び一射で引っ込まざるを得なくなった。的確にこちらを追い詰めてゆくやり方は敵もプロのようだ。プロを三人も向こうに回して殺さず手中に収めようなどとは甘かったかと、霧島は内心臍を噛む。
そのとき背後から気配がした。約十五メートル後方、さっきのステーションワゴンが近づいてくる。しまった、挟撃されたと思った途端、左腕のギプスを弾が掠める。角材でぶん殴られたような衝撃に躰ごと振り回され、倉庫の角から弾き出された。
息を詰まらせて転がりつつ、両手保持したシグでダブルタップ。サブマシンガンの一人を撃ち倒す。精一杯の反撃。
唸る二丁のサブマシンガン。最低でも毎分四百発、速ければ毎分千五百発という発射速度で地面のコンクリートが砕かれ散る。破片が耳朶を裂いて飛んだ。
転がり避ける。頭と顔を庇った左腕をまた弾が掠めた。これも殴られたような衝撃。ギプスが割れたか。しかし本気で拙い。時間の問題だと思った刹那、違う撃発音を耳にした。
呻き声が聞こえ、サブマシンガンの火線が止む。霧島は這った姿勢から身を捻り、背後のステーションワゴンに向けて二射を放つ。だが敵は既にUターンし遠ざかっていた。
酸欠か過呼吸か分からない眩暈ですぐには起き上がれなかった。腕の痛みに耐えつつ、ただ喘ぎながら前方を注視する。倒れた三人の向こうから抜き身の銃を手に人影が駆け寄ってきた。
霧島は這ったままでシグを構えるがすぐに手を下ろす。自分の名を呼ぶ声。
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