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第22話
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一階のエントランスを出ると暑くはあったが海風が強くなっていて、さほどの不快は感じなかった。シドは黒髪をはためかせながら、先を歩いてゆくハイファの長い金髪が風に巻かれるのを眺める。
間にジャイルズを挟み、白い宙港面のふちにあるファイバの小径を辿って小さな土手を降りると、そこはもうビーチの白い砂だった。
細かな珊瑚の欠片が混じった砂をざくざく踏んで波打ち際まで進む。
ここは宙港のプライヴェートビーチといった具合になっていて、泳いでいる者は見かけないが、シドたちと同じ考えで散策する他星人らしき人々が見受けられた。
夕方近くなって薄青い空には大小の月であるパイロープとシトリンが白く輝き始めている。
思い出の海を間近に見たシドは少々はしゃいだ気分になっていた。ジャイルズも水色の目を瞠って水平線を眺め、ハイファは嬉しそうなシドを見て幸せに浸っていた。
そうしているうちにも恒星パライバは巨大な赤い球となって、熟れた果実が落ちるように水平線へと沈んでゆき、黄色く色づいたパイロープとシトリンが自己主張を始めている。
愛し人とまたこの光景を見られた僥倖に感謝しつつ、ハイファは海風に長い髪をなびかせながら、シャープなラインを描くシドの横顔に言った。
「もう暑くないね」
「海遊びするには丁度いいんじゃねぇか?」
「貴方、泳ぐ気なの?」
「俺が泳げねぇのは知ってるだろ」
「私も泳げません。泳ぐような水のない星で育ちましたから」
そんなことを喋りながら海に背を向け、今度もハイファ・ジャイルズ・シドの順でホテルに戻るべく土手を上り、ファイバの小径を戻り始めた。夕日も観賞し終え、同じくホテルに戻る人々もいるようで、三人の前後にはこれも三人ずつの他星系人らしい男女が歩いている。
宙港面を照らすライトで視界も悪くない中、道のりも半ばまで来た頃だった。
ふいに振り向いた前方の他星系人らしい男三人がスーツの上着の裾を払い、銃を抜き出してシドたちに向けて構えていた。同時に背後の女一人と男二人も銃を手にシドたちを囲む。
彼らはプロのようで見事に隙がなく、シドとハイファが銃を抜くヒマなどなかった。
そこでシドは隙を見せるまでの時間稼ぎ、先手を打って口を開く。
「何者だ、あんたら?」
「質問はこちらからする」
「目的は誰なんだよ?」
「耳がないらしいな」
男の一人が言った途端、女が表情も変えずに銃のバレルをシドの左肩に叩きつけていた。
「……くっ……っ!」
「シドっ!」
ジャイルズを押し退けてハイファがシドに駆け寄ろうとする。だが幾つもの銃口がそれを制止した。顔色を変えたハイファにシドは歯を食い縛りながらも目を向ける。
「うっ……大丈夫だ、無茶はするな」
「そんな……」
大丈夫である筈はなかった。アバラの一本くらいヒビが入っていても管内を平気で歩き回っているシドが蒼白な顔をして脂汗を流しているのである。心配で泣きそうになった。だが泣いていては状況を打開できない。
「ハイファス=ファサルート、我々と一緒にきて貰おうか」
やはり自分が目的だったかとハイファはホテルから出たのを悔やんだが今更だ。
「もしかして貴方たちはリマライ星系人なのかな?」
「質問は……まあいい。我々は雇われただけでね、あんたをリマライに連れて行く」
「ふうん。放っておいてくれても明日には自分で出向くけど?」
「雇い主は待っていられないらしい。ワープ六回、難儀だが我慢して貰う」
と、そのときノーマークだったジャイルズが姿を掻き消した。次の瞬間にはシドを殴った女の真ん前に現れ、その銃にむしゃぶりついている。
「まさか、サイキ持ち!?」
女は取り上げられそうになった銃のトリガを引いた。引いたというよりジャイルズを振り払おうとしてガク引きしたのだ。発射されたのは二発、一発が足元のファイバを割り、もう一発がハイファ側にいた誘拐仲間の側頭部を掠める。
この隙を逃がすシドとハイファではない、シドは二秒と掛からず五連射を放つ。二人の男の銃機関部をガラクタに変え、更に男女三人の右肩にフレシェット弾をぶち込んでいた。
一方のハイファはシドほど甘くない、テミスコピーを抜くなり速射でそれぞれ三人の右手首を撃ち抜き、的の大きな腹にダブルタップを叩き込んでいる。そしてシドは宙港面を照らすライトの下、回転するように倒れた女の銃を蹴り飛ばした。
「ジャイルズ、大丈夫か!」
「私は……たぶん平気です」
「すまん、助かったぜ。……にしても何者だ、これ?」
「それは訊いてみなけりゃね」
表情を消したハイファは腹にダブルタップの奴らに意識がないのを見取ると、シドが撃った男女に近づいて男の肩の銃創をつま先で捩るように踏みつける。
「貴方たちの雇い主は誰?」
「……」
「義理を立ててここで死ぬ? それともビーチで日光浴しながら傷を治す? どっちか好きな方を選ばせてあげる。三、二、――」
シドまでが退くような恐ろしく優しいハイファの声に、男は口を開きかけた。
「リマライ……ミント、FC支社の中に……あうっ!」
男は頭を割って絶命する。倒れていた女が藻掻きつつ落ちていた銃を左手で拾って撃ったのだ。続けざまにもう一人もあとを追わせ、女は自分の左胸に熱い銃口を向けてトリガを引く。
たった三秒ほどのこと、半ば唖然としてシドとハイファにも止められなかった。
これで意識のない半死体が四つに頭を割った死体がふたつだ。仕方なくハイファが宙港警備部と救急隊にリモータ発振。駆け付けた宙港警備部には別室カスタムメイドリモータでの身分証明と『緊急任務中の別室員』だということで押し切る。
二週間は口も利けないであろう男女を移動式再生槽に放り込み、救急コイルが運んでいくのを見送った。
一通りの実況見分を済ませ、ハイファは一台だけ残した救急コイルにシドを押し込んだ。いつもなら抵抗するシドも、余計な口を一切利かなくなっていたハイファに恐れをなして素直に乗り込む。勿論大事なコソ泥王子も一緒だ。
宙港医務室では半死体を都市内の救命救急センターに送り出したばかりで喧噪の真っ只中、だがここでもハイファの据わりきった目に圧され、真っ先にシドの簡易スキャンである。
「あー、これは左の鎖骨が折れてますねえ」
「全治どのくらいだ?」
「手術して再生槽入りなら五日ですなあ」
「再生槽は抜きで、明日ワープさせてくれ」
「……本気ですか?」
結局シドは局所麻酔だけで骨を繋ぐ手術を受け、痕が残らないよう切開創を再生液で洗われた上に、骨折箇所にアミノ酸やリン酸カルシウムを注入する部分点滴を受けた。点滴が終わると合成蛋白接着剤で厳重に固められ、上から透明のギプス包帯をキッチリと巻かれる。
ハイファに睨まれたが痛覚ブロックテープは拒否した。治りが少々遅くなるだけではなく、上半身に貼ると痺れて咥えた煙草を落とすというふざけた理由からである。
ジャイルズも簡易スキャンされたが、コソ泥王子は幸い何処にも怪我はなかった。
一人無傷だったハイファはずっと黙ってシドの治療を見守っていた。いつもなら大騒ぎする場面、だが唇を引き結んでずっと傍に佇んでいて、何事かを考え続けているらしかった。
間にジャイルズを挟み、白い宙港面のふちにあるファイバの小径を辿って小さな土手を降りると、そこはもうビーチの白い砂だった。
細かな珊瑚の欠片が混じった砂をざくざく踏んで波打ち際まで進む。
ここは宙港のプライヴェートビーチといった具合になっていて、泳いでいる者は見かけないが、シドたちと同じ考えで散策する他星人らしき人々が見受けられた。
夕方近くなって薄青い空には大小の月であるパイロープとシトリンが白く輝き始めている。
思い出の海を間近に見たシドは少々はしゃいだ気分になっていた。ジャイルズも水色の目を瞠って水平線を眺め、ハイファは嬉しそうなシドを見て幸せに浸っていた。
そうしているうちにも恒星パライバは巨大な赤い球となって、熟れた果実が落ちるように水平線へと沈んでゆき、黄色く色づいたパイロープとシトリンが自己主張を始めている。
愛し人とまたこの光景を見られた僥倖に感謝しつつ、ハイファは海風に長い髪をなびかせながら、シャープなラインを描くシドの横顔に言った。
「もう暑くないね」
「海遊びするには丁度いいんじゃねぇか?」
「貴方、泳ぐ気なの?」
「俺が泳げねぇのは知ってるだろ」
「私も泳げません。泳ぐような水のない星で育ちましたから」
そんなことを喋りながら海に背を向け、今度もハイファ・ジャイルズ・シドの順でホテルに戻るべく土手を上り、ファイバの小径を戻り始めた。夕日も観賞し終え、同じくホテルに戻る人々もいるようで、三人の前後にはこれも三人ずつの他星系人らしい男女が歩いている。
宙港面を照らすライトで視界も悪くない中、道のりも半ばまで来た頃だった。
ふいに振り向いた前方の他星系人らしい男三人がスーツの上着の裾を払い、銃を抜き出してシドたちに向けて構えていた。同時に背後の女一人と男二人も銃を手にシドたちを囲む。
彼らはプロのようで見事に隙がなく、シドとハイファが銃を抜くヒマなどなかった。
そこでシドは隙を見せるまでの時間稼ぎ、先手を打って口を開く。
「何者だ、あんたら?」
「質問はこちらからする」
「目的は誰なんだよ?」
「耳がないらしいな」
男の一人が言った途端、女が表情も変えずに銃のバレルをシドの左肩に叩きつけていた。
「……くっ……っ!」
「シドっ!」
ジャイルズを押し退けてハイファがシドに駆け寄ろうとする。だが幾つもの銃口がそれを制止した。顔色を変えたハイファにシドは歯を食い縛りながらも目を向ける。
「うっ……大丈夫だ、無茶はするな」
「そんな……」
大丈夫である筈はなかった。アバラの一本くらいヒビが入っていても管内を平気で歩き回っているシドが蒼白な顔をして脂汗を流しているのである。心配で泣きそうになった。だが泣いていては状況を打開できない。
「ハイファス=ファサルート、我々と一緒にきて貰おうか」
やはり自分が目的だったかとハイファはホテルから出たのを悔やんだが今更だ。
「もしかして貴方たちはリマライ星系人なのかな?」
「質問は……まあいい。我々は雇われただけでね、あんたをリマライに連れて行く」
「ふうん。放っておいてくれても明日には自分で出向くけど?」
「雇い主は待っていられないらしい。ワープ六回、難儀だが我慢して貰う」
と、そのときノーマークだったジャイルズが姿を掻き消した。次の瞬間にはシドを殴った女の真ん前に現れ、その銃にむしゃぶりついている。
「まさか、サイキ持ち!?」
女は取り上げられそうになった銃のトリガを引いた。引いたというよりジャイルズを振り払おうとしてガク引きしたのだ。発射されたのは二発、一発が足元のファイバを割り、もう一発がハイファ側にいた誘拐仲間の側頭部を掠める。
この隙を逃がすシドとハイファではない、シドは二秒と掛からず五連射を放つ。二人の男の銃機関部をガラクタに変え、更に男女三人の右肩にフレシェット弾をぶち込んでいた。
一方のハイファはシドほど甘くない、テミスコピーを抜くなり速射でそれぞれ三人の右手首を撃ち抜き、的の大きな腹にダブルタップを叩き込んでいる。そしてシドは宙港面を照らすライトの下、回転するように倒れた女の銃を蹴り飛ばした。
「ジャイルズ、大丈夫か!」
「私は……たぶん平気です」
「すまん、助かったぜ。……にしても何者だ、これ?」
「それは訊いてみなけりゃね」
表情を消したハイファは腹にダブルタップの奴らに意識がないのを見取ると、シドが撃った男女に近づいて男の肩の銃創をつま先で捩るように踏みつける。
「貴方たちの雇い主は誰?」
「……」
「義理を立ててここで死ぬ? それともビーチで日光浴しながら傷を治す? どっちか好きな方を選ばせてあげる。三、二、――」
シドまでが退くような恐ろしく優しいハイファの声に、男は口を開きかけた。
「リマライ……ミント、FC支社の中に……あうっ!」
男は頭を割って絶命する。倒れていた女が藻掻きつつ落ちていた銃を左手で拾って撃ったのだ。続けざまにもう一人もあとを追わせ、女は自分の左胸に熱い銃口を向けてトリガを引く。
たった三秒ほどのこと、半ば唖然としてシドとハイファにも止められなかった。
これで意識のない半死体が四つに頭を割った死体がふたつだ。仕方なくハイファが宙港警備部と救急隊にリモータ発振。駆け付けた宙港警備部には別室カスタムメイドリモータでの身分証明と『緊急任務中の別室員』だということで押し切る。
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一通りの実況見分を済ませ、ハイファは一台だけ残した救急コイルにシドを押し込んだ。いつもなら抵抗するシドも、余計な口を一切利かなくなっていたハイファに恐れをなして素直に乗り込む。勿論大事なコソ泥王子も一緒だ。
宙港医務室では半死体を都市内の救命救急センターに送り出したばかりで喧噪の真っ只中、だがここでもハイファの据わりきった目に圧され、真っ先にシドの簡易スキャンである。
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「全治どのくらいだ?」
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ハイファに睨まれたが痛覚ブロックテープは拒否した。治りが少々遅くなるだけではなく、上半身に貼ると痺れて咥えた煙草を落とすというふざけた理由からである。
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