身を知る雨

第1話

朝目覚めた少女は
寝ぼけた足取りで1階まで降りて
外に出て家のポストを見るとそこには、
誰宛かもかいていない手紙が入っていた。



拝啓

未来の妃咲様


毎日寒い日が続いていますが、
風邪はひいていませんか？
ちゃんとご飯は食べていますか？
しっかり薬を飲んで病気を治してください。

俺は今君の部屋で君の泣いてる姿を見て
すごく抱きしめたいです。

どうして泣くの。
ほら 俺は君の隣にいるよ。
君の背中をさすってるよ。

そんな泣いたら服が汚れちゃうよ
そんな泣かれたら俺まで涙が止まらない。

ほら、君のせいだ。

どうして泣かせるのはいつも俺なんだよ

ねえ思い出して。
病院で出会ったときのこと。
病院でバイバイしたときのこと。

妃咲。前をみて。
一緒に行こう。
おいで。




泣いて顔がぐしゃぐしゃになった妃咲は、
手紙で言われた通り前を見たら
手紙の差出人が目の前に見えた。

妃咲はその少年に手を掴まれた気がして、
引っ張られた方にかけて行った

ついたそこは彼との思い出の場所だった。