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35:二度目は更に幸せに
しおりを挟む凪咲の体に触れる熱く硬い感覚。これはきっと男性の雄たる象徴だろう。
つい数分前まで凪咲の中に埋められ、激しく荒々しく快感を与えていたもの。だが先程、肌を重ねて凪咲が果てた際、武流も同時に果てていたはずだ。男性のそれは果てると硬さを失うというのは凪咲も知っている。
……つまり、これは再び硬さを取り戻したということだ。
「その……、凪咲さんの体が柔らかくて、それで……」
触れ合うことが気持ち良く、次第に性的に昂ってしまったのだろう。だがそれをはっきりと説明するのは躊躇われるようで武流の口調は随分としどろもどろだ。
それが可愛く思え、凪咲は彼に一度キスをすると「もう一度しましょう」と二度目を誘った。
「でも、凪咲さんも疲れてるでしょうし」
「大丈夫です。それより、武流さんが求めてくれることが嬉しいから。……だから、もう一回」
彼の耳元で囁くように告げれば、武流が静かに頷き、次いで凪咲の秘部に再び熱が押し当てられた。
自ら足を曲げて開き、少し腰を浮かして彼が挿入しやすいように体勢を整える。まるでそれに感謝を示すかのように武流がキスをしてくれた。
再び熱い怒張が体を貫かんと押し入ってくる。先程までの密事でいまだ秘部は愛液で潤っており、熱を苦も無く受け入れた。
「んっ、ふ、ぅうう」
「……っ。凪咲さん、辛くないですか?」
「大丈夫です。……でも、私、次は我慢できないかもしれません」
「我慢?」
「だって……、今も凄く気持ちいから……、だから、すぐにいっちゃうかも」
一度果てた体は敏感になっており、既に意識は快感に蕩けかけている。
きっと直ぐに果ててしまうだろう。恥ずかしさを覚えながら話せば武流が一瞬言葉を詰まらせ、かと思えば深く息を吐いた。
「……俺は今の凪咲さんの言葉で果てそうでしたよ」
「私の言葉で?」
「そう煽るような事を言わないでください。俺だって、凪咲さんが相手だといつもギリギリなんですから」
宥めるように額にキスをし、次いで囁くように「動きますね」と告げてくる。
凪咲が頷くのとほぼ同時に熱い熱が一度引き抜かれ、再び奥を突いた。
「あっ……、はぁ、……んぅ」
「……凪咲さん」
「武流さん……、あ、気持ち良い……」
「俺も、気持ち良いです……」
凪咲の声は快感に蕩け切っているが、武流の声も熱に浮かされるような色気がある。
腰を打ち付ける動きは先程よりも荒々しく、まるで凪咲の体を押さえつけるように伸し掛かると深くキスをしてきた。彼の体の重さに、深く挿入される熱に、それによる与えられる強い快感に、凪咲の体はろくに動けずただ悶えるしかない。
「んぅ……、んっ……ふぅう」
深いキスにより喘ぐことも許されず、嬌声がくぐもった声に変わる。
口内を蹂躙するように武流の舌が入り込み、凪咲の舌を絡める。それに対しても声をあげることは出来ず、もっとと舌での愛撫を強請るように自らも舌を差し出して絡めた。混ざり合った唾液が口の端から伝い落ちていく。
「は、あ……凪咲さん、俺、もう……」
「あっ、んあぁ! わ、私、も。だから武流さん、一緒に」
共に果てたいという凪咲の言葉を聞き、武流が返事の代わりに一度キスをし、次いで己の体を支える腕と凪咲の体を掴む手に力を入れた。
元より力が込められていた彼の体に更に力が入るのが分かる。くる、と凪咲は本能でそれを感じ取り、快感で蕩けきった意識ながらに彼の動きを後押しするように、武流の体に自ら抱き着き求めるように足を絡めた。
凪咲の体に体重が掛けられる。それと同時に奥まで押し込められていた怒張が更に最奥を強く抉るように擦った。
「……くっ」
「あぁっ、あ、ふあぁぁっ!!」
その瞬間の刺激は暴力的なほどに強く、凪咲の体は一瞬にして強張り、喉から悲鳴じみた声が溢れた。
◆◆◆
果てた瞬間の弾けたような意識は次第に形を取り戻すも、強い快感は余韻として残り、肌を撫でられるだけでも快感の波が体を巡っていく。
そのうえぬるりと秘部から熱が抜かれるとそれすらも快感となり、吐息交じりの甘い声を漏らしてしまう。大きく開かれていた足は力なくポスンとシーツに落ち、せめてと緩慢な動きで足を閉じるので精いっぱいだ。
「ふぁ……、んぅ……」
「凪咲さん、愛してます。俺を受け入れてくれてありがとう」
「ん……ぁ……」
武流の愛の言葉に対して凪咲も言葉を返そうとし、声にならない声だけを返した。吐息と喘ぎ声の狭間のようなそれはただ甘いだけで言葉にはなっていない。
「私も愛してます」「私のことを受け入れてくれてありがとう」「幸せ」と、伝えたい言葉はたくさんあるのに一つとして言葉になってくれないのだ。
それでも凪咲が伝えようとした気持ちは伝わったのか、武流が嬉しそうに目を細めて微笑んだ。
「水を持ってきますね。それとパジャマも。今夜は一緒にこのベッドで寝ましょう」
一つのベッドで一緒に眠り、共に朝を迎える。以前に肌を重ねた夜、互いに望んだものの叶わなかった時間だ。
それを望む武流に、凪咲も幸福感を胸に感じながら頷いて返した。
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