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第一章 異世界転移と悲惨な結末
5.仲間がそろう
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5.仲間がそろう
低木越しに、聖騎士団のマントを付けた三人の男が見える。
こいつらか。ジェラルドの手柄を横取りしたのは。
さんざんジェラルドだけに討伐や任務をこなさせて、
貴族の権威やお金でそれをまるっと横取りしたクズども。
そのせいでジェラルドは、
ずっと目標にし努力してきた聖騎士になれなかったのだ。
彼らは小太りだったり貧弱だったり、
見ればすぐに”弱い”ってわかりそうなものだが。
兵長の目、どんだけ節穴なんだか。
奴らはジェラルドの前でふんぞり返って
聖騎士団の制服を見せびらかすように立っていた。
「いやあ、聖騎士団の制服は上質だな。高いぞ~、これ」
「これ着ているだけで女の視線が違うんだよ、へへっ」
「普通の兵士より、はるかに格上なんだから当然だろ」
ジェラルドは何も言わず、立ち尽くしている。
その姿を、彼らは意地の悪い笑みを浮かべた顔で見ながら、
テンション高めに話を続ける。
「明日から忙しくなるぞ~」
「さっそく魔物の退治だもんなあ。めんどくせえ」
「ま、いいじゃないか。おい、ジェラルド、
俺たちが昼めし食ってる間に全部倒しておけよ」
ヘラヘラ笑いながら彼らは去っていこうとする。
エリザベートが前に出て何か言いかけたので
それを制して俺が彼らに声をかけた。
「あー、君たち。待ってくれたまえ」
彼らは飛び上がるくらいに驚いた後、
ジェラルドの背後に立つ俺たちの存在にやっと気が付く。
「で、殿下!?」
大慌てで膝をついて礼をする。
さすがに彼らも、表立っては俺を馬鹿にしてこないようだ。
俺はキラキラを振りまきながら、彼らに言った。
「就任おめでとう。君たちの活躍に期待しているよ」
「は、はい! 国のため、
この身を捧げる所存でございます!」
彼らは目を泳がせ、どもりながらも返事をする。
「いやあ、父上も喜んでいたよ。
あのギルドラを倒した腕前だ。
凶悪な盗賊団も一網打尽だってね」
ははは、それほどでもありません……
乾いた笑いをまき散らしながら、彼らは小声で答える。
「君たちには特に重要な任務についてもらえるよう、
兵長にも伝えておくよ。
どうだ? 名誉なことだろう?」
「へ? は、はい……がんばり、ます」
そう言いながら、横目でジェラルドを見ている。
お前ががんばるんだからな、そう言いたいのだろう。
……つくづく甘いぜ。
俺はジェラルドに向きなおり、笑顔で続ける。
「ジェラルドも今日付けで俺の護衛兵だ。
しっかり頼むぞ!」
俺の言葉に、ジェラルドは目を見開くが。
「……えええええええええ!」
ポンコツ三人組はそれ以上に動揺したようだ。
思わず叫び声をあげ、目玉は落ちそうになっている。
全員が慌てふためく様に、俺は笑いが抑えられなかった。
”それはマズイ! マズ過ぎる!”
そう言いたいのが丸わかりな様子で、
つばを飛ばしながら、必死な顔で俺に叫ぶ。
「こ、こいつじゃダメですよ! 弱いから!」
「そうです! 聖騎士団にすらなれなかったんですよ?」
「絶対にやめておいたほうが良いです!」
俺は笑顔で首を横に振った。
「いや、これはもう決定事項だ。
父上から俺の護衛は、
聖騎士団からもれた者から選ぶように言われたのだ。
強い者は、国防に回すべきであるからな」
実は、それは本当だ。
”生きても死んでもどうでも良い者に、大切な兵は使えん”
そう言われたのだ、あのクソ親父に。
「だからこれは”王命”ってことなんだ。
軍令や、その辺の貴族の権限など、
及びもつかない”至上命令”だからね。
……これからは宜しく頼むよ、ジェラルド」
「はい。この命に代えてお守りいたします」
笑いを押し殺したジェラルドが綺麗な礼をする。
三人組は真っ青な顔で震えている。
”明日からどうすれば良いのだ?”
そんな字幕が見えるようだった。
「さっそく打ち合わせをしよう、ジェラルド。
自分の宿舎に戻っている時間はないよ。
すぐに護衛を始めてもらうからね。
……あ、君たちは行って良いよ?
明日から頑張ってくれたまえ」
困惑したまま動かない彼らに、
エリザベートが凍り付くような微笑を浮かべて宣告する。
「軍の総司令官である父にも伝えておきますわ。
有望なチームにふさわしい、強敵をあてがうように」
彼女は真っ赤な瞳をらんらんとさせ、
見るものが凍り付くような笑顔で続ける。
「任務は山ほどありますわ。休む間なんてないほどに。
初戦は北の谷に住まう邪悪な吸血妖魔が良いかしら?
あら、それじゃ皆さんにとってはつまらないかも」
じりじりと前に進みながら、次々と凶悪モンスターを挙げ
彼らに追い込みをかける彼女。
正直、コワイ。
「もちろん部下など不要ね、だって足手まといですもの。
そうね、あなた方ほどの腕前なら、
あの残忍な盗賊団も三人だけで充分でしょう」
いやいやいやいや、そんな、などと、
謙遜にみせかけた否定をするが、
エリザベートは丸無視する。
そしてとどめだ。
「さ、すぐに父に伝えて手配しますわ。
今夜にでも出立できるよう、
準備に向かってくださるかしら?」
叫びを押し殺し、彼らはゆっくり歩き出すが、
未練がましく振り返り、ジェラルドを見た。
そりゃもう、必死のご様子だ。
そんな彼らに、ジェラルドは笑顔で手を挙げる。
「こちらは王命ですから、私は任務に尽力いたします。
皆さんもがんばってください!」
彼らはものすごい形相でジェラルドを睨んだ後、
自分の父親にでも泣きつくつもりなのか、
三人は急に走り去っていったのだ。
遠ざかっていく彼らを見ながら、俺は考えた。
こうやってちょっとずつ、
現状を変えていくしかないだろう、と。
低木越しに、聖騎士団のマントを付けた三人の男が見える。
こいつらか。ジェラルドの手柄を横取りしたのは。
さんざんジェラルドだけに討伐や任務をこなさせて、
貴族の権威やお金でそれをまるっと横取りしたクズども。
そのせいでジェラルドは、
ずっと目標にし努力してきた聖騎士になれなかったのだ。
彼らは小太りだったり貧弱だったり、
見ればすぐに”弱い”ってわかりそうなものだが。
兵長の目、どんだけ節穴なんだか。
奴らはジェラルドの前でふんぞり返って
聖騎士団の制服を見せびらかすように立っていた。
「いやあ、聖騎士団の制服は上質だな。高いぞ~、これ」
「これ着ているだけで女の視線が違うんだよ、へへっ」
「普通の兵士より、はるかに格上なんだから当然だろ」
ジェラルドは何も言わず、立ち尽くしている。
その姿を、彼らは意地の悪い笑みを浮かべた顔で見ながら、
テンション高めに話を続ける。
「明日から忙しくなるぞ~」
「さっそく魔物の退治だもんなあ。めんどくせえ」
「ま、いいじゃないか。おい、ジェラルド、
俺たちが昼めし食ってる間に全部倒しておけよ」
ヘラヘラ笑いながら彼らは去っていこうとする。
エリザベートが前に出て何か言いかけたので
それを制して俺が彼らに声をかけた。
「あー、君たち。待ってくれたまえ」
彼らは飛び上がるくらいに驚いた後、
ジェラルドの背後に立つ俺たちの存在にやっと気が付く。
「で、殿下!?」
大慌てで膝をついて礼をする。
さすがに彼らも、表立っては俺を馬鹿にしてこないようだ。
俺はキラキラを振りまきながら、彼らに言った。
「就任おめでとう。君たちの活躍に期待しているよ」
「は、はい! 国のため、
この身を捧げる所存でございます!」
彼らは目を泳がせ、どもりながらも返事をする。
「いやあ、父上も喜んでいたよ。
あのギルドラを倒した腕前だ。
凶悪な盗賊団も一網打尽だってね」
ははは、それほどでもありません……
乾いた笑いをまき散らしながら、彼らは小声で答える。
「君たちには特に重要な任務についてもらえるよう、
兵長にも伝えておくよ。
どうだ? 名誉なことだろう?」
「へ? は、はい……がんばり、ます」
そう言いながら、横目でジェラルドを見ている。
お前ががんばるんだからな、そう言いたいのだろう。
……つくづく甘いぜ。
俺はジェラルドに向きなおり、笑顔で続ける。
「ジェラルドも今日付けで俺の護衛兵だ。
しっかり頼むぞ!」
俺の言葉に、ジェラルドは目を見開くが。
「……えええええええええ!」
ポンコツ三人組はそれ以上に動揺したようだ。
思わず叫び声をあげ、目玉は落ちそうになっている。
全員が慌てふためく様に、俺は笑いが抑えられなかった。
”それはマズイ! マズ過ぎる!”
そう言いたいのが丸わかりな様子で、
つばを飛ばしながら、必死な顔で俺に叫ぶ。
「こ、こいつじゃダメですよ! 弱いから!」
「そうです! 聖騎士団にすらなれなかったんですよ?」
「絶対にやめておいたほうが良いです!」
俺は笑顔で首を横に振った。
「いや、これはもう決定事項だ。
父上から俺の護衛は、
聖騎士団からもれた者から選ぶように言われたのだ。
強い者は、国防に回すべきであるからな」
実は、それは本当だ。
”生きても死んでもどうでも良い者に、大切な兵は使えん”
そう言われたのだ、あのクソ親父に。
「だからこれは”王命”ってことなんだ。
軍令や、その辺の貴族の権限など、
及びもつかない”至上命令”だからね。
……これからは宜しく頼むよ、ジェラルド」
「はい。この命に代えてお守りいたします」
笑いを押し殺したジェラルドが綺麗な礼をする。
三人組は真っ青な顔で震えている。
”明日からどうすれば良いのだ?”
そんな字幕が見えるようだった。
「さっそく打ち合わせをしよう、ジェラルド。
自分の宿舎に戻っている時間はないよ。
すぐに護衛を始めてもらうからね。
……あ、君たちは行って良いよ?
明日から頑張ってくれたまえ」
困惑したまま動かない彼らに、
エリザベートが凍り付くような微笑を浮かべて宣告する。
「軍の総司令官である父にも伝えておきますわ。
有望なチームにふさわしい、強敵をあてがうように」
彼女は真っ赤な瞳をらんらんとさせ、
見るものが凍り付くような笑顔で続ける。
「任務は山ほどありますわ。休む間なんてないほどに。
初戦は北の谷に住まう邪悪な吸血妖魔が良いかしら?
あら、それじゃ皆さんにとってはつまらないかも」
じりじりと前に進みながら、次々と凶悪モンスターを挙げ
彼らに追い込みをかける彼女。
正直、コワイ。
「もちろん部下など不要ね、だって足手まといですもの。
そうね、あなた方ほどの腕前なら、
あの残忍な盗賊団も三人だけで充分でしょう」
いやいやいやいや、そんな、などと、
謙遜にみせかけた否定をするが、
エリザベートは丸無視する。
そしてとどめだ。
「さ、すぐに父に伝えて手配しますわ。
今夜にでも出立できるよう、
準備に向かってくださるかしら?」
叫びを押し殺し、彼らはゆっくり歩き出すが、
未練がましく振り返り、ジェラルドを見た。
そりゃもう、必死のご様子だ。
そんな彼らに、ジェラルドは笑顔で手を挙げる。
「こちらは王命ですから、私は任務に尽力いたします。
皆さんもがんばってください!」
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