愛言葉を贈らせて〜謎めいてる彼女の甘い罠〜

愛宮

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第二章『小鳥の戦略(鈴野結羽視点)』

*6*甘過ぎ彼氏③*

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「朔って、藤堂朔か?卒業式の日に告白された犬属性の男子だっけ?」
「そ、お姉ちゃんと朔を合わせてみようかなって」
「つか結衣は、その藤堂に苦手意識持ってなかったか?結羽が一時期、藤堂ばかりに気を配ってたせいで嫉妬してたじゃん、俺もだけど。結衣の奴、今も藤堂が見舞いに来る時間はわざと外してんだろ?」
「お姉ちゃんシスコンだから仕方ないよ」
「シスコンはお前の方が圧強めだろ」
「お姉ちゃんと私、相思相愛だもん。朔の事をよく知ればさ、お姉ちゃんも見方がきっと変わると思うの。上手く懐かせる事が出来たら、朔はお姉ちゃんの良い番犬になってくれる、泣きたい時の癒しにもなると思う」

結局は本人達次第な所はあるけど、二人の縁が良い方向に進んでくれればいいな、と願ってしまう。
それに、朔には恩を売っているつもりだから、恩は返して貰わなきゃね。

「ところで結羽、来年3月25日に小鳥フェスタが開催されるみたいだけど、これ一緒に行かないか?」

多駕が見せてくれたスマホ画面には、可愛らしい文字で小鳥フェスタと書かれいる。ふれあいコーナーもあるみたい。
二駅先で行われるその催し。
もう少し、早い時期に開催してくれたら良かったのにと、我儘な事をつい思ってしまう。
楽しみだけど、正直、難しいかな。
そんな事、多駕も承知してるだろうに。

「行く!小鳥と戯れたい」
「楽しみだな」
「うん」

ワクワクする約束を持ち掛ける多駕は、余りにも残酷だ。
全くもって酷い彼氏である。
先ほど訪れ一番に「多駕の部屋に遊びに来るのが今日で最後」と伝えた仕返しなのだろうか。
もうね、体がそろそろ限界みたいなんだよね。
動かすのが大変になってきちゃったの。

多駕がふわりっと緩く抱き締めてくる。
身知った優しすぎるその温もりに、限界とばかりに、抑えていた涙が、一気に流れ出す。

「ぅ~、お預けくらったら、こんな心踊る楽しそうな催しを誘ってきた多駕を恨んでやるから。バケて出てやる」
「上等だね」


.
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