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番外編&あとがき
*バレンタインデー土砂降り案件(朔✕衣)*
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※藤堂朔視点。
誰も居ないワンルームの部屋に、興奮する感情のまま帰宅を果たした。
鞄には、先ほど彼女から貰ったチョコが入っている。
けれど、俺の興奮の大元はそれではない。
今だ外は土砂降り。
俺もびしょ濡れ。
先ほど見せられた姿が頭から離れない。
全身濡れ、艶っぽい色気を醸し出す彼女の姿。
俺はその姿に煽られた。
「触れたい」と言う感情に流され・・・そうになったが、途中で耐えた。
この際、抱きしめてしまった事は勘弁して欲しい。
あれは彼女が悪い。
*****
傘を持ち合わせていなかった彼女に合わせ、屋根のあるバス停でとりあえず雨宿りをしていた。
今日は2月にしては暖かく、白いブラウスと桃色のスカートを纏い、春を思わせる優しい雰囲気で軽装な彼女。
しかし、そのブラウスもスカートも今は雨に濡れ、普段見えない箇所をこれでもかって言うくらいに晒し出してくれている。
黄色の下着は透けて浮かび、服が張り付き強調された彼女の胸は、予想以上に大きく見えた。
彼女はきっと、自分がどれだけ男を惑わす格好をしているのか気づいていない。
だからそんな誘惑する格好のまま、平気でお約束のノルマの言葉を吐けたのだ。
しかも笑顔付きで。
「好きですよ、藤堂君」
やっぱり、どう考えても彼女が悪い。
惹かれている女の子に、媚薬効果抜群の姿と言葉を貰ったら、抱きしめてしまうのは仕方ない事だと思う。
もっと触れたくて、彼女の唇に目が向いた。
あと数センチの距離だっただろうか、彼女から小さく溢れた「やだ」の声に、俺は自分がしようとしていた行為を理解した。
危なかった。
彼女が拒否の言葉をくれて良かった。
でなかれば、あのまま触れていた。
おそらく、俺が彼女に向ける気持ちを一度でも表現したら、彼女は二度と俺の前に現れてはくれないだろう。
そんな気がする。
それは困る。
早く、彼女の目的を知る日が来れば良いと思う。
でなければ、この疼く感情を、どう対処していいのか動きが取れなくてもどかしい。
クリスマスの日、そのうちに、と彼女は言った。
けど今だに、なぜ俺に好意ある言葉をくれるのか彼女から教えて貰っていない。
だから、好意の言葉が、彼女の本音かどうかも俺は知らないままだ。
正直、先ほど彼女がついた「やだ」の拒絶の言葉は、自分が想像していた以上にダメージが大きい。
どうか、俺の行為に驚き、思わず出てしまっただけの言葉である事を願いたい。
彼女の顔を窺い見る。
林檎顔で目線に困り、泣きそうな愛くるしい恥ずかしそうな表情を浮かべている。
俺の前では大抵、明るく無邪気な振る舞いを崩さす、面白くない作り笑顔が多いだけに、照れた顔を覗かす彼女は、やたら俺の心に刺さった。
本来の彼女は、とても初心で真面目な可愛い娘な気がする。
俺のブレザーを彼女の肩から被せれば、スカート丈くらいまでは何とか隠れた。
これで、他の男の目に晒される心配は減ったかな。
傘も強引に握らせた。
「チョコ、ありがと」
そう言い残し、俺はバス停から走って逃げた。
熱く興奮が収まらない体を冷やすには、土砂降りの雨ぐらいが丁度良い。
バレンタインデー土砂降り案件 終
告白ゲーム期で、すっ飛ばした朔&衣のバレンタインでのプチアクシデント(?)話でした。
誰も居ないワンルームの部屋に、興奮する感情のまま帰宅を果たした。
鞄には、先ほど彼女から貰ったチョコが入っている。
けれど、俺の興奮の大元はそれではない。
今だ外は土砂降り。
俺もびしょ濡れ。
先ほど見せられた姿が頭から離れない。
全身濡れ、艶っぽい色気を醸し出す彼女の姿。
俺はその姿に煽られた。
「触れたい」と言う感情に流され・・・そうになったが、途中で耐えた。
この際、抱きしめてしまった事は勘弁して欲しい。
あれは彼女が悪い。
*****
傘を持ち合わせていなかった彼女に合わせ、屋根のあるバス停でとりあえず雨宿りをしていた。
今日は2月にしては暖かく、白いブラウスと桃色のスカートを纏い、春を思わせる優しい雰囲気で軽装な彼女。
しかし、そのブラウスもスカートも今は雨に濡れ、普段見えない箇所をこれでもかって言うくらいに晒し出してくれている。
黄色の下着は透けて浮かび、服が張り付き強調された彼女の胸は、予想以上に大きく見えた。
彼女はきっと、自分がどれだけ男を惑わす格好をしているのか気づいていない。
だからそんな誘惑する格好のまま、平気でお約束のノルマの言葉を吐けたのだ。
しかも笑顔付きで。
「好きですよ、藤堂君」
やっぱり、どう考えても彼女が悪い。
惹かれている女の子に、媚薬効果抜群の姿と言葉を貰ったら、抱きしめてしまうのは仕方ない事だと思う。
もっと触れたくて、彼女の唇に目が向いた。
あと数センチの距離だっただろうか、彼女から小さく溢れた「やだ」の声に、俺は自分がしようとしていた行為を理解した。
危なかった。
彼女が拒否の言葉をくれて良かった。
でなかれば、あのまま触れていた。
おそらく、俺が彼女に向ける気持ちを一度でも表現したら、彼女は二度と俺の前に現れてはくれないだろう。
そんな気がする。
それは困る。
早く、彼女の目的を知る日が来れば良いと思う。
でなければ、この疼く感情を、どう対処していいのか動きが取れなくてもどかしい。
クリスマスの日、そのうちに、と彼女は言った。
けど今だに、なぜ俺に好意ある言葉をくれるのか彼女から教えて貰っていない。
だから、好意の言葉が、彼女の本音かどうかも俺は知らないままだ。
正直、先ほど彼女がついた「やだ」の拒絶の言葉は、自分が想像していた以上にダメージが大きい。
どうか、俺の行為に驚き、思わず出てしまっただけの言葉である事を願いたい。
彼女の顔を窺い見る。
林檎顔で目線に困り、泣きそうな愛くるしい恥ずかしそうな表情を浮かべている。
俺の前では大抵、明るく無邪気な振る舞いを崩さす、面白くない作り笑顔が多いだけに、照れた顔を覗かす彼女は、やたら俺の心に刺さった。
本来の彼女は、とても初心で真面目な可愛い娘な気がする。
俺のブレザーを彼女の肩から被せれば、スカート丈くらいまでは何とか隠れた。
これで、他の男の目に晒される心配は減ったかな。
傘も強引に握らせた。
「チョコ、ありがと」
そう言い残し、俺はバス停から走って逃げた。
熱く興奮が収まらない体を冷やすには、土砂降りの雨ぐらいが丁度良い。
バレンタインデー土砂降り案件 終
告白ゲーム期で、すっ飛ばした朔&衣のバレンタインでのプチアクシデント(?)話でした。
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