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【第三話・厄介な恋心③】
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喫茶「茶々介」控え室。
背にはロッカー、眼前には無表情の透夜、腿の間には透夜の足が捩じ込まれ、身動きが制限させられてしまっている咲名。
そうなってしまった原因は、ほんの数秒前に咲名が何気なく発した言葉。
「楓ちゃんね、頑張り屋でとても良い子よ。私は、龍崎君と楓ちゃんも、お似合いだと思うな」
透夜は、咲名の耳元に顔を寄せる。
「咲名がね、俺をどう想おうが咲名の自由だよ。でもね、これだけはよく知っておいて、俺が好きなのは、咲名だって事」
厳そかな口調で、透夜が咲名へと告げる。
咲名は俯いたまま、何の言葉も紡がない。
ただ、唇を噛み締め、手のひらに爪の跡が付く程、拳を握りしめていた。
*****
「咲名さ、透夜の事を前世から好きなのに、どうして誤魔化してるの?単なる恥じらいじゃなさそうだし」
白兎高校からバイト先へ向かう道すがら、舞が咲名に問う。
まさかの質問に咲名の足が止まる。
「え?」っとした驚き顔が舞に向く。
「もしかして、バレてないと思ってた?今の咲名ちゃんは隠し上手みたいだけど、前世版咲名なんて露骨に顔に出てたわよ。透夜に向ける笑顔なんて、とろけてて可愛かったんだから」
「・・・忍びらしく、頑張って、隠してたつもりだったんですけど」
「忍んでなかったね、残念ながら、頑張りは認めるけど。で、私の質問の答えは?誤魔化す理由」
「誤魔化してません。前世の私が、透夜さんを好きだったのは確かです。でも、今の私は龍崎君を好んでない、ただそれだけです。前世と今は違うんです」
「ややこしい・・・いじっぱりめ」
ふいっと顔を背け、頑なな態度の咲名。
これは幾ら問い詰めても意地を緩めるつもりはなさそうだ、と舞は諦める。
とりあえず、今日の所は。
「それと聞きたかったんだけど、透夜と咲名ってさ、前世では所謂セフレではあったじゃない?あ、フレンドはないか、先輩後輩?」
「なっ、な、なんで知っ、え??」
「前世では咲名よりお姉さんでしたからね私、そういった事情は、読み取れるわよ。まぁ、さっきも言った通り、咲名がわかり易い娘って言うのもあったけど。それで、今の陽葵咲名ちゃんは、そういう記憶をどういう心持ちで保存してるのかな?」
「し、知りません、覚えてません、記憶に無いです!!バイト遅れるので、先に行きますっ」
底意地悪く尋ねてくる舞に、咲名は真っ赤な顔で全速力で走り去る。
前世の身のこなしを、透夜同様受け継いでいるのか、咲名も足が速い。
あっという間に見えない。
「・・・拗れに拗れて絡んじゃってるな。でも、今世こそは、可愛い忍達には絶対幸せになって貰わないと困るのよね。だから、ごめんね咲名、咲名の気持ちが滞納しない様に、こうやって時々は意地悪言わせて煽らせてね」
舞の策略により、その日のバイト中、咲名はやたら透夜を避けまくる事になる。
刺激的な行いをしている前世の自分達の映像が幾度となくフラッシュバックしては、咲名を辱めていたからだ。
透夜も、自分を拒絶しまくる咲名に、訳も分からず大打撃を受けていた。
「・・・咲名が、頭、撫でさせてくれない」
咲名と透夜のドキマギを、カウンター席で珈琲を飲みながら、優雅に眺めている舞。
そんな舞の額を、春が優しく小突く。
「何かしたろ?」
「べっつに」
【第三話・厄介な恋心ーーー終】
背にはロッカー、眼前には無表情の透夜、腿の間には透夜の足が捩じ込まれ、身動きが制限させられてしまっている咲名。
そうなってしまった原因は、ほんの数秒前に咲名が何気なく発した言葉。
「楓ちゃんね、頑張り屋でとても良い子よ。私は、龍崎君と楓ちゃんも、お似合いだと思うな」
透夜は、咲名の耳元に顔を寄せる。
「咲名がね、俺をどう想おうが咲名の自由だよ。でもね、これだけはよく知っておいて、俺が好きなのは、咲名だって事」
厳そかな口調で、透夜が咲名へと告げる。
咲名は俯いたまま、何の言葉も紡がない。
ただ、唇を噛み締め、手のひらに爪の跡が付く程、拳を握りしめていた。
*****
「咲名さ、透夜の事を前世から好きなのに、どうして誤魔化してるの?単なる恥じらいじゃなさそうだし」
白兎高校からバイト先へ向かう道すがら、舞が咲名に問う。
まさかの質問に咲名の足が止まる。
「え?」っとした驚き顔が舞に向く。
「もしかして、バレてないと思ってた?今の咲名ちゃんは隠し上手みたいだけど、前世版咲名なんて露骨に顔に出てたわよ。透夜に向ける笑顔なんて、とろけてて可愛かったんだから」
「・・・忍びらしく、頑張って、隠してたつもりだったんですけど」
「忍んでなかったね、残念ながら、頑張りは認めるけど。で、私の質問の答えは?誤魔化す理由」
「誤魔化してません。前世の私が、透夜さんを好きだったのは確かです。でも、今の私は龍崎君を好んでない、ただそれだけです。前世と今は違うんです」
「ややこしい・・・いじっぱりめ」
ふいっと顔を背け、頑なな態度の咲名。
これは幾ら問い詰めても意地を緩めるつもりはなさそうだ、と舞は諦める。
とりあえず、今日の所は。
「それと聞きたかったんだけど、透夜と咲名ってさ、前世では所謂セフレではあったじゃない?あ、フレンドはないか、先輩後輩?」
「なっ、な、なんで知っ、え??」
「前世では咲名よりお姉さんでしたからね私、そういった事情は、読み取れるわよ。まぁ、さっきも言った通り、咲名がわかり易い娘って言うのもあったけど。それで、今の陽葵咲名ちゃんは、そういう記憶をどういう心持ちで保存してるのかな?」
「し、知りません、覚えてません、記憶に無いです!!バイト遅れるので、先に行きますっ」
底意地悪く尋ねてくる舞に、咲名は真っ赤な顔で全速力で走り去る。
前世の身のこなしを、透夜同様受け継いでいるのか、咲名も足が速い。
あっという間に見えない。
「・・・拗れに拗れて絡んじゃってるな。でも、今世こそは、可愛い忍達には絶対幸せになって貰わないと困るのよね。だから、ごめんね咲名、咲名の気持ちが滞納しない様に、こうやって時々は意地悪言わせて煽らせてね」
舞の策略により、その日のバイト中、咲名はやたら透夜を避けまくる事になる。
刺激的な行いをしている前世の自分達の映像が幾度となくフラッシュバックしては、咲名を辱めていたからだ。
透夜も、自分を拒絶しまくる咲名に、訳も分からず大打撃を受けていた。
「・・・咲名が、頭、撫でさせてくれない」
咲名と透夜のドキマギを、カウンター席で珈琲を飲みながら、優雅に眺めている舞。
そんな舞の額を、春が優しく小突く。
「何かしたろ?」
「べっつに」
【第三話・厄介な恋心ーーー終】
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