婚約七年目、愛する人と親友に裏切られました。

テンテン

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レイブンの顔が真っ青になった。
そんな偽りの愛で、私を騙せると思ったのだろうか。

「あなたは身勝手な理由で私たちを傷つけた。私たちはあなたを許さない」

アリアとミラが隣に立つ。

「私の親友を傷つけておいて、タダで済むとは思ってないわよね?」

「お兄様ごめんなさい。もうあなたのこと好きじゃないみたい」

レイブンの体が小刻みに震え始めた。

「い、嫌だ……お、俺は――こんなところで終わる人間じゃなぁぁい!!!」

そして叫んだかと思うと、扉に向かって走りだした。
だが国王の護衛の兵士が前に立ちふさがり、剣を抜く。

「ここは通さん!」

「邪魔だぁ!!!」

レイブンがおもむろに手を兵士に向けると、そこから光が溢れ出した。
太陽を直視したかのような眩しい光に、その場にいた全員が目をつむる。

「ふははっ! 俺は生きる、生きるぞ!!!」

やっと目を開けた時には、レイブンが扉を開けていた。
だが、そこに立ちふさがる人影があった。

「こんにちは、レイブン」

「あ……ロ、ロイ……?」

そこには自宅謹慎を命じられているはずのロイが立っていた。
レイブンが魔法を使うために、ロイへと手をかざす。
しかし瞬間、ロイが素早い動きで、レイブンの腹に拳をめり込ませた。

「うぐっ……」

低い呻き声を上げると、レイブンはその場に膝をつき、動かなくなる。
どうやら気絶してしまったらしい、口から泡のようなものがぶくぶくと噴き出ている。

「ロイ様!」

私が慌てて駆け寄ると、ロイが手をふり、爽やかな笑みを見せる。

「謹慎中ではなかったのですか?」

「あ、ああ……」

ロイは気まずそうに頭をかく。

「実はこっそり抜け出してきたんだ……居ても立っても居られなくてな。セバスチャンなら国王様のところへ行くと思ったから来てみたが……少しは役に立ったかな?」

「はい……十分過ぎるくらいです」

その時だった。
遠くの方からロイの名前を叫ぶ声が聞こえてきた。
それを聞いたロイの顔が真っ青になる。

「お父様だ……もうバレたのか……エミリア!」

ロイが慌てたように私の手を握る。

「君からお父様に説明してくれ! 早く!」

「え……えぇ!?」

ロイに手を引かれ、王宮の廊下を走る。
全てが終わり安心しているはずなのに、なぜだか心臓が音を立てていた。

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