ザ・ネクスト・テラ - The Next Terra -

戶村

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災厄編第1章 災厄の始まり

第3節 領主の責

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 協力ギルドとの会合が終わり二關は〈ステイツ・オブ・ネクストテラ〉で領主としてプレイしていた都市〈柏〉。そこの〈役場〉現実世界で言う市役所と公邸が組み合さった様な施設に来ていた。

 麹町の日の出財団本館から柏の街役場は馬を乗り継いで四時間程度の場所にある。四時間だ、四時間も掛かる。〈転移石〉があれば数秒だった。
 自動車があれば一時間程度の距離だろうが、現実世界の三倍以上かかってしまった。東京と柏はそんな距離感だ。
『せめて自動車か鉄道があればなー』
 無い物をねだってもしょうがない。

 役場に入る直前、光郁は領主として認識されるか心配をしていたが、職員が自分の顔を見ると蝋燭の灯の中で死んだ魚の目をしながら頭を下げてきた。
 恐らくは領主として認識されているのであろうと思った。時刻は夜十時過ぎ、町内のゴタゴタの処理に追われているのだろう……

「二關様! 今までどこをほっつき歩いていたのですか! 何が何だかよくわかりませんが、街中がおかしな事になってる時に!」大股で怒りのオーラを纏いながら近づいてくるメガネをかけた秀才風の女性。
〈ステイツ・オブ・ネクストテラ〉のゲーム内で〈秘書兼アドバイザー〉として出てくる、自分がシオリ名付けたNPCだ。「面会希望の方を三名、お待ちして頂いております。松戸伯富田様、風早伯真野様、小金伯馬場様の三名です。お急ぎください」言い終わると同時に殴られた…… パーではなくてグーでだ。

 自分は殴られた反動で地べたに倒れていたが秘書に引っ張り起こされそのまま面会室に連行されていった。面会室に着くと三人の男性がいた。三人とも割とお高そうな着物を羽織っていた。

 一人が口を開いた。「光郁さんお久しぶりです。小金の街の領主、馬場です。対面でお会いするのはオフ会以来ですね」声を聞いてすぐに分かった。馬場とは密に連絡を取っており、実際にオフ会でも一度会った事があった。
 柏の街と小金の街は隣り合っており、接続道路を新設したり移設したりするには両領主の同意が必要だった故に、密に連絡を取り合っていた仲だ。続いて二人が口を開いた。
「初めまして、風早の村領主の真野です」
「光郁ちゃん、どもーっす」
 風早の村は柏の街から見て東南にある村である、そこの領主らしい。風早に領主が居る事は知っていたが関わりがなかった。
 そしてもう一人、妙になれなれしいのは松戸の街の領主富田だ。彼はRPGが飽きたとの事で領地運営のみに移行した者で、財団設立時のメンバーだった。
「お待ち頂いていた様で申し訳ない。東京…… じゃなくて江戸の方に居たものでして。真野さんですね初めまして。柏の街の領主の光郁です。馬場さんも富田さんもお久しぶりです」
 複雑な気持ちだった。馬場は探検家としてのレベルは大して高くない。真野はリアルマネーを投入して領主をメインとしているプレイヤーだった。

「先ほどまでギルドの会合に出席していまして…… ステイツやファームのプレイヤーはどうなっているのかと言う話題も出ていましたので、確認出来て良かった。ところで、ここまでお越し頂いたのはどういったご用件でしょうか」二關は質問した。
「光郁さんは、大規模なギルドのお偉を務めていらっしゃるという事で、ご相談がありましてここまで来ました」小金の領主、馬場が答えた。

「実は俺の領地で探検家どもが宿屋の占拠しやがってな…… 奴らを宿、延いては領地から追い出したい……」富田が怒りに震えながら答えた。
「あー、こっちでも起こってますか。江戸も惨憺たる状況ですよ…… 富田さんには財団を作るときに色々お世話になりましたから、出来る限りの事はしたいと思います」ここまで言ったところで、四藏に言われた事を思い出した。
 治安維持のためにギルドを動かす。つまりそれは探検家同士で争いを起こすと言う事だ。これを勝手に決めてしまったらどうなる。
「ただ…… 財団の方も混乱している状況なのですぐには動けない。明日か明後日中にはどうするか決めたいと思います」
 みっともないしダサい話しだと思った。混乱している事は確かだし混乱しない方がおかしい。が、その状況下で下手な事すれば自分の首を締める事になるだろうに…… 迷惑極まりない話だ。

「確認だけど、それは建物の中で戦闘行為が行われた上で占拠されてしまったって事だよな」二關の質問に富田は頷いた。
 今まではダンジョンを除いては建物の中で戦闘行為なんて物は出来なかった。メニューの項目に戦闘メニューが出て来なかったのだから当たり前だ。メニューが出ない現状において頭で考えながら身体を動かせば特技や魔法が発動出来る。
 江戸の街でPKやPKKが起こっているんだ。攻撃禁止エリアの施設も例外無しと言う事だ。

「一応、柏の街の領兵ならすぐに派遣できると思いますが」松戸の街にも領兵は居るはずだ。治安維持部隊である領兵が足らないのであれば、領兵で事済むのであればそれに越した事はない。
「俺の街にも領兵はいる。ただ、割とレベルが高い探検家の集団みたいで歯が立たん」
「あー、そう言う事か。わかりました、検討します」江戸を拠点にする銀剣騎士団等PKを組織的に働いているギルドもあるが、彼らも一応攻略組。ダンジョンに挑んだりする普通のギルドだ。
 そう言うギルドとは別にギルドも名乗らずにPKを主体に活動するプレイヤー達が多くいた。PKをやるには相手の戦闘能力より高くなければならない。よってPKをやる集団というのは高レベルプレイヤが多かった。

「柏の街は領兵はどの程度抱えているのですか?」風早の村の真野が唐突に二關に質問した。
「ザッと常備は六千くらいですかね。ゲーム時代の設定が残っていれば訓練済み市民は七万程度だったと思います。」
 このゲームには領兵と呼ばれる軍隊が存在した。領地単位で人数を設定する事が可能で、住民を訓練する事で、予備役の様な物も作る事が可能だった。
 この領兵は領地の治安維持に重要である。
 人口千人に対して十人程度を揃える事で、探検家を除く住民の犯罪率を低水準に抑える事、恐獣への対処も基本的には可能だった。柏の街は人口三十万を抱える都市だ。三千人居れば事足りる規模だ。
 領兵にはもう一つの役割があった。公国 (柏の街が属する下総公国等)や近隣の領地へ兵士を貸出し、対価を得る機能だ。
 このゲームの世界でも戦争はあった。領地同士の戦争から公国同士の戦争まであった。
 戦争が起こる事によって、探検家へ大量にクエストが発布されイベントの様な扱いを受けていた。
 当然探検家だけでなく、各領地へ領兵の派遣を求めるクエストも発布される。派遣された領兵が多ければ多いほど公国の忠誠ポイントが貯まり、納める税が下がっていくシステムだった。

「柏の街の領兵を風早の村にお貸し頂く事は可能でしょうか」真野は少し緊張した面持ちで切り出してきた。
 真野が領主となったのは今回の災厄直前、一週間前の事だった。村の規模は小さく人口は千五百人程度。常備の領兵はゼロ。訓練済みの住民は五十人に満たないらしい。
 本来であれば領兵は十五人程度、予備役から三十人程度動員すれば事足りるはずだった。
 しかし、風早の村には欠点があった。
 村の東にダンジョンがあり、北にある手賀湖てがこ(元の世界で言う手賀沼てがぬま)があり、恐獣が多く出現しやすい環境にあった。
 ゲームの時はゲームスタートから村が一定規模になるまで恐獣は出現しなかったが、ゲームの世界に取り込まれてから、突如として恐獣が出現する様になった。
 既に予備役を全て動員していて、それでもなお対処しきれていないらしい。

「わかりました。そう言う事であれば百人程お貸ししましょう。ゲーム時代の保護が消えているとしたら、金銭面は大丈夫ですか」現在、公国へ貸出している兵は居ない。治安悪化で領兵の稼働状況は高いが、予備役動員で賄える。
 さらに、周辺領地の安定は巡り巡って柏の街の利益になるであろうと二關は考えていた。

「スタートボーナスが無くなったとすると、財政面は正直…… きついですね。柏の街から領兵を借りたとしてその対価をいつまで支払えるかどうか……」
「領兵は無償でお貸しします。この情勢下です、その辺は気にして頂く必要はありませんよ」
「ホントですか!?」今まで暗かった真野の顔があからさまに明るくなった。
 新人の領主にとって、今の状況は住民の命どころか自分の命も危ない。
 面倒臭い手順を踏めば、ゲーム時代から隣接領地と戦争する事も可能だった。弱小領主にとって、隣から領兵を借り受け自身の領地に駐屯する。という事は一種の抑止力になる。

「その代わりと言ってはなんですが……」領兵を無償で派遣する。しかし対価無しとの言うのも不公平感があるかもしれない。
「日の出財団の施設用地を用意してほしい、そして真野さんの領内で生産された農作物を優先的に柏の街と日の出財団に卸してほしい。勿論無償では無くちゃんとした価格で買い取ります」
 四藏が五島から受け取った物流に関するレポート。柏の街の住工商中心の都市で食料生産力は乏しい、レポートの内容が起こるとなると街の維持困難になる可能性があった。
「…… それは構いません。むしろ歓迎です。しかし……」
「しかし?」
「風早の村は開墾し始めた直後で、領内は殆どが森です。大した生産能力が無いと言いますか……」そりゃそうだ、〈ステイツ・オブ・ネクストテラ〉は、言ってしまえばターン制ゲームだ。
 俗に言う都市開発系のシムゲーと違い発展速度は極めて遅い。始めてから一週間では重課金でもしない限り大した発展はしない。
「そんな事は問題になりません。先程領兵を百人派遣すると言いましたが、余剰分は領内の開発に回して頂いて構いません。場合によっては柏の街から人的支援も可能です」
「…… つまり、柏の街は風早の村を食料庫にしたいと…… わかりました。お受けいたしましょう。ありがたいお話です! 感謝です!」そう言うと真野は嬉しそうに立ち上がり深々頭を下げた。
「風早から食料が柏に卸されるとなると、俺ん所に小金の余剰生産分が回ってくるのか」ニヤニヤしながら松戸の街の富田が言った。
「過剰生産されちゃうと農作物からの税収が落ちちゃうんだけどな」と馬場は苦笑いをし富田を小突いていた。

「そういえば、この辺の中身入り領主(プレイヤ)はどこにでしたっけ」二關は確認がてら質問してみた。
「八柱に居なかったっけ」馬場が富田に訊いた。
「あー、八柱にも確か居るけど……」富田は苦笑いしながら言いにくそう下を向いてしまった。
「一週間前に攻め込んで半分以上割譲させたせいか、使者を送っても返されちゃってな」頬を人差し指で掻きながらバツが悪そうな顔をしていた。

「そうだ、確か流山にも居たよな」小金の街の東に流山の街があった。二ヶ月ほど前までは小金の北だったが、小金の街が流山の街の東側を奪った結果、柏の街と流山の街の間に小金の街が食い込むような形になった。
「富田と一緒だ。気まずくて使者も送っていない」気まずくなったのか顔を逸らしながら馬場が答えた。

「そう言う光郁ちゃんの所だって、北の方に村があっただろ」
「田中の村?結構昔に領内の資金を財団へ流すために戦争ふっけたら、引退しちゃったから全土買い取った。今は柏の街だね」富田が揚げ足を採った様に嬉しそうに言うものだから、冷淡に答えてやった。
「光郁ちゃん怖っ。敵に回さんとこ」富田はニヤニヤしながらワザとらしく返してきた。

「とにかく、この辺の領主たちである程度協力していかないとマズイかも知れません。みんなが良識を持って落ち着いて行動しているなら兎も角、私達も混乱していますし」風早の村の真野が言った。
「ぉ、話し戻した。取り敢えず、中身入り領主(プレイヤー)に声をかけて、近いうちに集まろう」富田の提案に皆頷いた。
「今日はもう遅いので、領兵を護衛につけます」面会室の外にいた職員に護衛の準備を頼んだ。流石に風早に送る兵士の編成は翌日に回ってしまった。

 三人を門まで見送り執務室に戻ると、秘書のシオリが居た。
「二關様、街の治安の件ですが」手書きの資料を渡しながら言った。
 領地内での荷車襲撃が十五件、強盗が八件、探検家同士の喧嘩が多数等々惨憺たる現状がまとめられていた。
 柏の街には治安を守る領兵が六千居る。探検家最高レベルは二百だ。領兵は各領地の維持費の掛け方によるが、概ね百から百七十くらいの強さだ。ボチボチ強い。そのおかげか犯罪行為の九割程度の検挙が出来ていたらしい。
 十二件がNPCが殺害された事件、さらに探検家同士の喧嘩に至っては三件が加害者か被害者の探検家が死亡した。
 そして戸惑ったのは刑の執行の書類だ。死亡事件での刑の執行は死罪が該当するとの事だ。それの許可を求める書類が目の前に置かれていた。

 死刑の執行について今までは法務大臣が許可を出していた。しかし、この世界での死刑の執行許可は国家単位ではなく領地単位、許可を出す人間も領主の役割らしい。
 死刑については抵抗はなかった。しかしこの世界に放り込まれて一日も経過していない。突然この世界に放り込まれて混乱している状況だ。
 そんな中で領主兼探検家である自分が、探検家の死刑を執行したなんて広まったら、財団内部からの反感を買ってしまう。
「シオリさん、今は非常に情勢が不安定な状況です。探検家を中心に温度感が高い。死を伴う刑罰執行の全てを保留します。役人全てに通達を出して徹底して下さい。くれぐれも私の許可をなしに刑罰を執行しない様に」自分の指示にシオリはあからさまに不服そうな顔をした。

「僭越ながら申しますが、甘いのではないですか。彼らは罪人、罪人に情けは無用。領民にも示しが付きませんよ!」シオリは、やや語気を強めに反論してきた。
 彼女が言っている事は、この世界での常識だ。間違ってはいないのだろう。
「探検家は今、大変な状況に居ます。私を含めて。私も領主であり探検家で、探検家ギルドの役員です。そして、この領地の収入は日の出財団に頼ってます。ここまで言えばわかりますよね。あくまでも保留です。免罪ではありません」
 二關の反論に、不満そうな顔をしている物の「承知いたしました」と一言残して執務室から出ていった。

 二關は会議の終わり際に四藏に言われた事を思い出していた。
 銀剣騎士団が情報開示を要求してきた事。そして親しいギルド間で行なっていた会議へ入れろと要求があった事だ。そして四藏はこうも言った。
「財団や関係ギルドのメンバーの命は財団役員、特に二關や一守の肩に乗っている。些細な事も慎重に」と。
 銀剣騎士団の件は全て断る事を前提に四藏が対応してくれるとの事だった。

 仮に、二關が刑の執行許可を出したとする。それが銀剣騎士団等の財団に敵対的な団体に伝わったら。歪められ噂を流されてしまうかもしれない。
 今後の事を考えながら秘書官に渡された治安に関する報告書を眺めていた。すると障子の向こうに人影が見えた。
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