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3年
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*
「・・・」
時々、私は眠れなくなる。
眠れても眠りが浅い。
だから、深い眠りに付けた時は不思議だった。
「・・・大丈夫か?」
「・・・ん」
宏高はブラウンケットを肩に掛けてくれた。
「・・・いつもはどうしてた?」
「大学の勉強したり、ドラマ見たりしてた・・・」
「・・・憂季」
「ん?」
宏高は私の手を握った。
「・・・先生?」
「・・・今日、日向先生に会に行くけど・・・どうする?」
あれは卒業式の日だった。
あの事件のせいで・・・私の代の卒業式は中止になった。
「・・・行く」
「・・・無理するなよ」
「うん・・・」
:
「・・・」
「・・・憂季さん」
そう呼んだ日向先生はロン毛を後ろで束ねてた。
「・・・何?付き合ってるんですか?」
「い――」
「・・・はい」
私が肯定したのに宏高はビックリしていた。
「・・・不思議ですね」
「・・・」
「もしかして、私が宏高先生に傷を付けた責任をとってるんですか?」
「・・・いいえ。彼とは4年前から付き合ってます」
「・・・宏高先生、未成年に手ぇ出したんですか・・・」
「・・・」
「・・・それにしても・・・この3年、1回も面会に来なかった憂季さんが来るなんて・・・どういう風の吹き回しです?」
「・・・死んで」
「はぁ?!」
自分の息遣いが荒くなるのが解る。
本当は来たくなかった。
でも、この人に蹴りをつけるには今日しかない・・・
そう思ったから、私は面会に来た。
「・・・憂季さんの口から随分と物騒な言葉が出ましたね。久々に聞きましたよ・・・」
日向先生はそう言うと立ち上がった。
「・・・憂季が怒ってるなんて・・・」
日向先生は私の唇を親指で触れた。
「・・・」
「・・・憂季」
私の唇に日向先生の唇が近付いた。
(日向先生の耳元で囁く)
「ッ・・・!!」
「・・・?」
「何で・・・?!」
日向先生の顔が離れると私は宏高の腕を引っ張って、
その場をあとにした。
途中で足を止めると気持ち悪くなった。
「・・・吐きそうか?」
頷くと宏高は刑務官に多目的トイレの場所を聞いていた。
「・・・少し歩くけど我慢しろよ」
ホテルに戻っても、まだ気持ち悪かった。
私の吐き気が治まったのは日付が変わった頃だった。
「・・・せんせ」
「ん?」
「・・・せんせーが好き」
「・・・なら、俺と結婚する?」
「・・・双子欲しい」
「・・・性別は??」
「・・・男女」
「ふふふっ・・・」
「・・・ふふっ」
気持ち悪くないのに宏高は私の背中をさすっててくれた。
「・・・」
時々、私は眠れなくなる。
眠れても眠りが浅い。
だから、深い眠りに付けた時は不思議だった。
「・・・大丈夫か?」
「・・・ん」
宏高はブラウンケットを肩に掛けてくれた。
「・・・いつもはどうしてた?」
「大学の勉強したり、ドラマ見たりしてた・・・」
「・・・憂季」
「ん?」
宏高は私の手を握った。
「・・・先生?」
「・・・今日、日向先生に会に行くけど・・・どうする?」
あれは卒業式の日だった。
あの事件のせいで・・・私の代の卒業式は中止になった。
「・・・行く」
「・・・無理するなよ」
「うん・・・」
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「・・・」
「・・・憂季さん」
そう呼んだ日向先生はロン毛を後ろで束ねてた。
「・・・何?付き合ってるんですか?」
「い――」
「・・・はい」
私が肯定したのに宏高はビックリしていた。
「・・・不思議ですね」
「・・・」
「もしかして、私が宏高先生に傷を付けた責任をとってるんですか?」
「・・・いいえ。彼とは4年前から付き合ってます」
「・・・宏高先生、未成年に手ぇ出したんですか・・・」
「・・・」
「・・・それにしても・・・この3年、1回も面会に来なかった憂季さんが来るなんて・・・どういう風の吹き回しです?」
「・・・死んで」
「はぁ?!」
自分の息遣いが荒くなるのが解る。
本当は来たくなかった。
でも、この人に蹴りをつけるには今日しかない・・・
そう思ったから、私は面会に来た。
「・・・憂季さんの口から随分と物騒な言葉が出ましたね。久々に聞きましたよ・・・」
日向先生はそう言うと立ち上がった。
「・・・憂季が怒ってるなんて・・・」
日向先生は私の唇を親指で触れた。
「・・・」
「・・・憂季」
私の唇に日向先生の唇が近付いた。
(日向先生の耳元で囁く)
「ッ・・・!!」
「・・・?」
「何で・・・?!」
日向先生の顔が離れると私は宏高の腕を引っ張って、
その場をあとにした。
途中で足を止めると気持ち悪くなった。
「・・・吐きそうか?」
頷くと宏高は刑務官に多目的トイレの場所を聞いていた。
「・・・少し歩くけど我慢しろよ」
ホテルに戻っても、まだ気持ち悪かった。
私の吐き気が治まったのは日付が変わった頃だった。
「・・・せんせ」
「ん?」
「・・・せんせーが好き」
「・・・なら、俺と結婚する?」
「・・・双子欲しい」
「・・・性別は??」
「・・・男女」
「ふふふっ・・・」
「・・・ふふっ」
気持ち悪くないのに宏高は私の背中をさすっててくれた。
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