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魔法少女のいる世界

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魔法少女となり、可愛らしい姿で世界を守る。
女の子ならば,誰しも一度は考えたことがあるだろう。
もし、女性だけが魔法を扱うことのできる,そんな世界があるのならば。
これは、そんな世界のお話である。

ー20xx年ー
世界は魔法で溢れていた。
女性の肉体にのみ、不思議な力が生まれるようになった。
この不思議な力を魔力という。
個人差はあるものの、6歳頃から体内で生成されはじめ、それが徐々に体内に蓄積されていくことが研究によりわかっている。
魔力を操れるようになるのは平均で12歳から14歳。
蓄積されている魔力の最も多い10代前半が最も純粋で強い魔力を持っているとされている。
しかし、40代を境に生成されにくくなり、60代になる頃にはほとんど生成されなくなる。
そのため、これらの魔力は女性の生理周期と関係があるのではとも言われている。
魔力を術式として展開し、操ることで様々な魔法が使える。
また、母親の魔力が強いと産まれてくる子供にも影響することがある。
この魔力は、母親が胎児を守るために生成されるようになったのではないかとされている。
これが、今わかっている限りの魔法の原理とその結果から導き出された考察だ。
そして忘れてはいけないのが、魔物と魔女の存在である。
魔物は、正体不明のバケモノで様々な姿形をしている。
基本的に知性はないとされているが、10代の魔法少女に匹敵するほどの魔力を持っており、その魔力を使って暴れ、周囲の人間に被害をもたらす存在として恐れられている。
また、時折魔物は放射線のような光線を撒き散らし,遠方に対してまで被害をもたらすことがある。
そして魔女。
魔女は,女性のような姿をしており,知性を持っていることが多い。
魔法少女や魔物ほどの魔力はないものの,時に魔物を引き連れていることもありかなり厄介。
また、魔女は昔活躍していた魔法少女たちに姿形が似ていることもある。
人々を脅かす魔物や魔女と戦う存在。
それが魔法少女だ。
彼女たちの年齢は、最も純粋で強力な魔力を持っているとされている10代。
大体20歳で卒業とされている。
しかし、日々魔物や魔女と戦っているがために,戦闘中に死亡してしまう魔法少女も多い。
それでも尚魔法少女が多いのは、国や公安による福利厚生の制度がしっかりしているからだ。
基本的に魔法少女になるためには,国や地域の公安に掛け合い、魔力量などを測定し,魔法少女としての適性を確かめる。
魔法少女の適性魔力量はおよそ2000以上。
そして、平均的な少女の魔力量は1000から1500とされている。
魔力量は生まれ持っているものと思われがちだが,鍛えたり生活を見直すだけで増えることもある。
そのため,魔力量は難なくクリアできることがほとんど。
しかし、問題は魔法だ。
魔法は,魔力を様々な形に変えて使用するのだ。
魔法は,魔法少女の数だけあると言ってもよい。
魔法は,大きく分けて2つ。
1つは攻撃。
主に活躍している魔法少女は,攻撃系魔法を使っている。
そして2つ目は回復。
傷を癒したり、病気を治したり、または治りを早めたりすることができる。
これは魔法少女であらずとも、ほとんどの少女たちが使える。
しかし,この回復魔法を使って他人に影響を及ぼすのは至難の業とされている。
そのため,他者に対する回復魔法を使用できる魔法少女は、実はとても重宝されるのだ。
そんな貴重な他者への回復魔法を使える魔法少女がいた。
名前は如月双葉。
姉である如月一葉とペアを組んで活躍している。
双葉は,他者に対する回復魔法を使うことのできる天才だが、基本人の前には立ちたがらない内向的な性格だった。
それに対して姉の一葉は、超攻撃系魔法を使用し、一撃で魔物や魔女を倒すことができる。
彼女もまた天才で,妹の双葉とは対照的に、社交的で明るい性格をしていた。
派手な魔法や戦闘で,カメラ映えするとのことで,テレビなどにもよく取り上げられる大人気魔法少女だ。



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