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3話 他視点
しおりを挟む「お待ちしておりましたアルベルト皇子」
神殿の豪華な中庭で馬車から降りた帝国皇子に優雅にデイジアが微笑んだ。
金髪で見目麗しく整った容姿。そして16歳の美しい少女。
今までの聖女の中で歴代最高の【聖気】を持つと言われる、神の申し子。
聖女デイジアが帝国皇子アルベルトを出迎えた。
美しい金髪の青年アルベルトと美しい少女デイジア。
まるで絵に描いたような光景に周りの神官達もほぅっと息を漏らす。
「デイジア、会いたかったよ。仕事は大丈夫かい?君は頑張りすぎるところがあるから無理をしないか心配だ」
抱きしめて言う皇子にデイジアは微笑んだ。
「大丈夫です。国の民と……皇子の為ですもの。苦労なんてありませんわ」
「……ありがとう。そう言ってくれると嬉しいよ」
二人は、見つめあってキスを交わす。
アルベルトはデイジアから見て理想の皇子だった。
美しい容姿、高い魔力、厚い人望、誰にでも優しく慕われるその人望。
最初、デイジアは、アルベルトの事を神殿にきた身分の低い女と皇帝の隠し子としか認識していなかった。
それでも帝国の情勢は大きく変わり、アルベルトは戦場で成果を示した。
そして戦いぶりと帝国の貢献ぶりにいつの間にか妾から生まれたアルベルトが皇位継承権第一位になっていたのだ。
だから母にたのんで奪った。妹のソフィアから。
アルベルトもデイジアのほうが美しいと了承してくれたのだ。
デイジアは小さい頃から全てが完璧だった。
美しい金髪。可愛い容姿。皆から愛される清き高潔な血。
足りないのは【聖気】のみだった。
リザイア家の血をひくものは【聖気】をもち世界に【聖気】恵む力を持っていた。
しかしなぜかその【聖気】の力を強くもっていたのは茶髪で可愛くない容姿の妹ソフィア。
だから聖気も奪った。闇の業火【セスナの炎】で焼いてソフィアのもつ【聖気】をデイジアに移したのだ。
だって妹ソフィアのものは全部デイジアのものだから。
昔からそうだった、妹が持つ者を欲しいと言うと、すぐ母がソフィアから取り上げてくれた。
だから神殿の秘術を使い、ソフィアの持つ【聖気】を奪って、ソフィアを閉じ込めたことも、デイジアにとっては些細な事でしかない。
だって母が、そう言っていた。醜いソフィアのものは全部デイジアのもの。
(そう、全て愛されて慕われるのは聖女デイジア。茶髪の醜いソフィアじゃないわ)
そう思いながらデイジアは愛おしそうにデイジアをエスコートするアルベルトに微笑んだ。
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