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1章 異世界に召喚されました
45話 アイスクリーム作り
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「よーし、リリ、今日はアイスとチョコケーキでもつくろうか」
私はテーブルの上にチョコケーキとアイスの材料を広げ、リリにそう言った。
結局あのあと、一度家に帰りたいとコロネに言った所、あっさりとOKがでた。
リリがいないとコロネ側の行動が女神に筒抜けにならないか聞いた所、前回の逆探知(?)でだいたいの魔力の質がわかったので結界を張って防げるとの事。
前々から思ってはいたが、コロネってマジ優秀キャラじゃね?
と思うのだが、いかんせん性格が残念すぎて、そう見えないのが悲しいところ。
まぁ、私のせいなんですけどね!マジごめんなさい。
「アイスって何?はじめて食べる!」
リリがわくわくしながら聞いてくる。
「冷たくて甘くて美味しいよ。
……まぁ、料理スキルないから美味しいかは保証できないけど」
言いながら、私は手早く、材料を計測し、必要分にとりわける。
そして、侍女さんたちの用意してくれた砂糖を袋からだそうとし――固まる。
なんか砂糖が黒い。
や、流石にこの世界で白砂糖まで精製できる技術があるとは思わないけどさ。
かといって黒砂糖やきび砂糖ってわけでもない。
日本にある黒砂糖なんか比べものにならないくらい、さらに黒い。
「これ……砂糖ですか?」
つい、侍女さんに聞いてしまう。
「はい。私たちの世界ではそれが砂糖ですね」
と、一番年長の侍女さんが答えてくれる。
うーん。おかしい。ゲームの世界そのままなら普通に白砂糖も普及してていいんだけど。
だって雑貨屋とかで普通に売ってたし。
「白砂糖とかはないのですか?」
「サトウキビからつくる砂糖は一般にはあまり出回らないのです。
サトウキビやテンサイは魔物が好み、すぐ畑が荒らされてしまって栽培が難しいと聞きました。
ですので、庶民の間では、果物や木の実から糖分を魔道具で抽出したものが砂糖と呼ばれています」
「へぇ、そんな魔道具あるんだ。すごいな。
まさか、それもコロネ作とかいいませんよね?」
私が冗談交じりにいうと、
「はい。
コロネ様が人間の商人から相談をうけて作成したものです」
やべぇ。まじあいつチート級だ。
「てか、コロネって随分多才ですね」
「大賢者様ですから」
と、侍女さんは誇らしげに微笑み
「猫様の前では見る影もありませんけれど……」
と、残念そうにため息をつく。
顔には出さなかったが、やはり侍女さんもあの変態の方のコロネに戸惑っていたようだ。
うん。なんかごめん。それ私のせいだわ。
それにしても……サトウキビは栽培が難しいか……。
私なら、栽培する全域に罠を展開して、魔物入れないようにするってのもできなくはない。
し・か・も。罠の種類によっては罠にかける種族も選別可能。
魔物だけ除外もできる。
これはあれか!?
異世界で罠スキルを使ってサトウキビ栽培からはじめるスローライフ!的な物語の主役になれたりするフラグか!?
などと妄想に浸っていると
「ネコ また 僕の考えた最強設定 考えてる」
と、リリちゃん。
「な、なんで解るかな!?」
「ネコ 顔のにやけ方でわかる」
「ちょ、そんなににやけてたか!?
ひょっとしてまだ心読めたりしないよな!?」
「ネコ リリよりレベル上 そんな簡単に見れない。
この前のコロネは ココロ 不安定だった。
グラグラしてた。
だから前みたいに 精神世界連れていかれるの心配だった
だから覗いただけ
普段は絶対覗かない」
リリがちょっとむくれてみせる。
どうやらコロネの記憶を勝手に覗いたのを気にしていたようだ。
「ああ、ごめん。そんな深い意味があって言ったわけじゃなかったんだが……。
その場のノリっていうか雰囲気っていうか。
リリが勝手に覗いてるなんて考えてないから大丈夫」
「ほんと?」
「本当本当」
言って、リリの頭をごしごし撫でてやると、えへへーと顔をほころばせた。
「んじゃ、脱線しまくってたお菓子づくりやるとするか。
……にしても」
私は黒い砂糖をぺろりと少し舐めてみる。
確かに甘い……が、何か違う。
こうーー例えるならカロリーオフの甘味料っぽいのだ。
砂糖の甘味となにか違う。
レシピが日本と同じなのになんとなーく料理に旨みが足りないと思っていたが、もしかしたら調味料の違いなのかもしれない。
「うーん。この砂糖じゃ分量わからないな」
言って、私はアイテムボックスから普通のグラニュー糖を取り出す。
こっちで作ったほうが美味しいだろう。
出来ればアイテムボックスのアイテムが切れても大丈夫なように現地のもので完成させたかったけど……。
とりあえず分量を用意したあと
生クリームの代用をバターと牛乳などで作り始めた。
私の作業様子をリリが物珍しげにのぞき込んでくる。
「ネコ 手際いいね 料理得意なの?」
「中学時代はよく親と作ったかな……って言ってもわからないか。
小さいときよく親と作ってたんだよ」
「じゃあリリもネコとつくる!」
と、リリちゃんが張り切り出す。
「そうだな。リリもお菓子作れるようになっておいたほうがいいかもな。
食べるの好きだし」
「うんうん! 自分で作れればいつでも食べれる!」
目をキラキラさせて言うリリに
「意外と、面倒で作らないものだけどな」
と、身も蓋もない本音をつい返してしまう。
「ネコ ロマンが たりない」
ぷぅっとむくれるリリに
「ごめんごめん。じゃあ作ろうか?」
私は微笑んだ。
△▲△▲△▲△▲△▲
「冷たくて美味しいっ!!」
アイスをリリが嬉しそうにほおばる。
結局、リリ達に教えながら作ったのでほぼ一日がかりで作ったケーキとアイスだったが思いの外好評だった。
侍女さんたちも美味しいと言いながら食べてくれたのだ。
まぁ、生クリームが代用品だったりしたので、本当の味を知ってる私からすると、ちょっと美味しさが足りないのだが……。
けれど料理スキルがなくてもそこそこの味は作れるらしい。
もしかして私が勘違いしてただけで、料理スキルは料理に付与される効果がアップされるだけなのかもしれない。
「チョコレートケーキもおいしいねぇ」
と、アイスとチョコケーキを交互にたべて喜ぶ。
「リリが頑張って手伝ってくれたからなぁ。そりゃ美味しいだろ。
メレンゲとか頑張って作ってくれたし」
私が言うとえへへーと顔をほころばせた。
まぁ、本来なら機械を使わないとかき混ぜるのに時間がかかって一番面倒なメレンゲ作りをリリに任せた所、一瞬でメレンゲになったのはマジ驚いたが。
ブレンダーよりすごいとか、流石異世界の高レベはやれることが違う。
「ねぇねぇ、ネコ。これ コロネにも持っていこう」
と、リリが提案するが
「もう夜だし、明日でいいんじゃないか?」
「ええええー」
とリリが不満げに言うが、
「うーん。作ったのをあげたい気持ちはわかるけど……コロネ甘いもの好きじゃないだろ。
カンナちゃんのお菓子ですらすぐリリにあげちゃうくらいだし。
このお菓子リリ用に作ったから普通より甘いから男の人にはきついと思うぞ?」
そう、コロネはあのカンナちゃんの手作りお菓子ですら、リリが物欲しそうに見ていれば簡単にあげてしまう。
カンナちゃん手作りだから美味しいのにも関わらずである。
「うううう」
思い当たる節があったのかリリがガックリとうなだれた。
「どうせ二、三日かかるって言ってたし、明日は大人向けのお菓子でも作ればいい。
リリにももっと作り方教えたいし、メイドさん達にも作り方覚えてもらえば、いつでも作ってもらえるだろ?」
「本当!?明日もお菓子づくり?」
「うん。そのつもりだけど。
……嫌か?」
私の問いにリリはぶんぶんと首を横に振り
「ううん!ネコと一緒! お菓子づくり 嬉しい!」
とにっこり微笑む。
うん、こうやってリリちゃんと親睦を深めるのも大事だよね。
いつも戦闘ばかりじゃ流石に可哀想だし。
こうして私とリリちゃんのお菓子作り教室がはじまるのだった。
私はテーブルの上にチョコケーキとアイスの材料を広げ、リリにそう言った。
結局あのあと、一度家に帰りたいとコロネに言った所、あっさりとOKがでた。
リリがいないとコロネ側の行動が女神に筒抜けにならないか聞いた所、前回の逆探知(?)でだいたいの魔力の質がわかったので結界を張って防げるとの事。
前々から思ってはいたが、コロネってマジ優秀キャラじゃね?
と思うのだが、いかんせん性格が残念すぎて、そう見えないのが悲しいところ。
まぁ、私のせいなんですけどね!マジごめんなさい。
「アイスって何?はじめて食べる!」
リリがわくわくしながら聞いてくる。
「冷たくて甘くて美味しいよ。
……まぁ、料理スキルないから美味しいかは保証できないけど」
言いながら、私は手早く、材料を計測し、必要分にとりわける。
そして、侍女さんたちの用意してくれた砂糖を袋からだそうとし――固まる。
なんか砂糖が黒い。
や、流石にこの世界で白砂糖まで精製できる技術があるとは思わないけどさ。
かといって黒砂糖やきび砂糖ってわけでもない。
日本にある黒砂糖なんか比べものにならないくらい、さらに黒い。
「これ……砂糖ですか?」
つい、侍女さんに聞いてしまう。
「はい。私たちの世界ではそれが砂糖ですね」
と、一番年長の侍女さんが答えてくれる。
うーん。おかしい。ゲームの世界そのままなら普通に白砂糖も普及してていいんだけど。
だって雑貨屋とかで普通に売ってたし。
「白砂糖とかはないのですか?」
「サトウキビからつくる砂糖は一般にはあまり出回らないのです。
サトウキビやテンサイは魔物が好み、すぐ畑が荒らされてしまって栽培が難しいと聞きました。
ですので、庶民の間では、果物や木の実から糖分を魔道具で抽出したものが砂糖と呼ばれています」
「へぇ、そんな魔道具あるんだ。すごいな。
まさか、それもコロネ作とかいいませんよね?」
私が冗談交じりにいうと、
「はい。
コロネ様が人間の商人から相談をうけて作成したものです」
やべぇ。まじあいつチート級だ。
「てか、コロネって随分多才ですね」
「大賢者様ですから」
と、侍女さんは誇らしげに微笑み
「猫様の前では見る影もありませんけれど……」
と、残念そうにため息をつく。
顔には出さなかったが、やはり侍女さんもあの変態の方のコロネに戸惑っていたようだ。
うん。なんかごめん。それ私のせいだわ。
それにしても……サトウキビは栽培が難しいか……。
私なら、栽培する全域に罠を展開して、魔物入れないようにするってのもできなくはない。
し・か・も。罠の種類によっては罠にかける種族も選別可能。
魔物だけ除外もできる。
これはあれか!?
異世界で罠スキルを使ってサトウキビ栽培からはじめるスローライフ!的な物語の主役になれたりするフラグか!?
などと妄想に浸っていると
「ネコ また 僕の考えた最強設定 考えてる」
と、リリちゃん。
「な、なんで解るかな!?」
「ネコ 顔のにやけ方でわかる」
「ちょ、そんなににやけてたか!?
ひょっとしてまだ心読めたりしないよな!?」
「ネコ リリよりレベル上 そんな簡単に見れない。
この前のコロネは ココロ 不安定だった。
グラグラしてた。
だから前みたいに 精神世界連れていかれるの心配だった
だから覗いただけ
普段は絶対覗かない」
リリがちょっとむくれてみせる。
どうやらコロネの記憶を勝手に覗いたのを気にしていたようだ。
「ああ、ごめん。そんな深い意味があって言ったわけじゃなかったんだが……。
その場のノリっていうか雰囲気っていうか。
リリが勝手に覗いてるなんて考えてないから大丈夫」
「ほんと?」
「本当本当」
言って、リリの頭をごしごし撫でてやると、えへへーと顔をほころばせた。
「んじゃ、脱線しまくってたお菓子づくりやるとするか。
……にしても」
私は黒い砂糖をぺろりと少し舐めてみる。
確かに甘い……が、何か違う。
こうーー例えるならカロリーオフの甘味料っぽいのだ。
砂糖の甘味となにか違う。
レシピが日本と同じなのになんとなーく料理に旨みが足りないと思っていたが、もしかしたら調味料の違いなのかもしれない。
「うーん。この砂糖じゃ分量わからないな」
言って、私はアイテムボックスから普通のグラニュー糖を取り出す。
こっちで作ったほうが美味しいだろう。
出来ればアイテムボックスのアイテムが切れても大丈夫なように現地のもので完成させたかったけど……。
とりあえず分量を用意したあと
生クリームの代用をバターと牛乳などで作り始めた。
私の作業様子をリリが物珍しげにのぞき込んでくる。
「ネコ 手際いいね 料理得意なの?」
「中学時代はよく親と作ったかな……って言ってもわからないか。
小さいときよく親と作ってたんだよ」
「じゃあリリもネコとつくる!」
と、リリちゃんが張り切り出す。
「そうだな。リリもお菓子作れるようになっておいたほうがいいかもな。
食べるの好きだし」
「うんうん! 自分で作れればいつでも食べれる!」
目をキラキラさせて言うリリに
「意外と、面倒で作らないものだけどな」
と、身も蓋もない本音をつい返してしまう。
「ネコ ロマンが たりない」
ぷぅっとむくれるリリに
「ごめんごめん。じゃあ作ろうか?」
私は微笑んだ。
△▲△▲△▲△▲△▲
「冷たくて美味しいっ!!」
アイスをリリが嬉しそうにほおばる。
結局、リリ達に教えながら作ったのでほぼ一日がかりで作ったケーキとアイスだったが思いの外好評だった。
侍女さんたちも美味しいと言いながら食べてくれたのだ。
まぁ、生クリームが代用品だったりしたので、本当の味を知ってる私からすると、ちょっと美味しさが足りないのだが……。
けれど料理スキルがなくてもそこそこの味は作れるらしい。
もしかして私が勘違いしてただけで、料理スキルは料理に付与される効果がアップされるだけなのかもしれない。
「チョコレートケーキもおいしいねぇ」
と、アイスとチョコケーキを交互にたべて喜ぶ。
「リリが頑張って手伝ってくれたからなぁ。そりゃ美味しいだろ。
メレンゲとか頑張って作ってくれたし」
私が言うとえへへーと顔をほころばせた。
まぁ、本来なら機械を使わないとかき混ぜるのに時間がかかって一番面倒なメレンゲ作りをリリに任せた所、一瞬でメレンゲになったのはマジ驚いたが。
ブレンダーよりすごいとか、流石異世界の高レベはやれることが違う。
「ねぇねぇ、ネコ。これ コロネにも持っていこう」
と、リリが提案するが
「もう夜だし、明日でいいんじゃないか?」
「ええええー」
とリリが不満げに言うが、
「うーん。作ったのをあげたい気持ちはわかるけど……コロネ甘いもの好きじゃないだろ。
カンナちゃんのお菓子ですらすぐリリにあげちゃうくらいだし。
このお菓子リリ用に作ったから普通より甘いから男の人にはきついと思うぞ?」
そう、コロネはあのカンナちゃんの手作りお菓子ですら、リリが物欲しそうに見ていれば簡単にあげてしまう。
カンナちゃん手作りだから美味しいのにも関わらずである。
「うううう」
思い当たる節があったのかリリがガックリとうなだれた。
「どうせ二、三日かかるって言ってたし、明日は大人向けのお菓子でも作ればいい。
リリにももっと作り方教えたいし、メイドさん達にも作り方覚えてもらえば、いつでも作ってもらえるだろ?」
「本当!?明日もお菓子づくり?」
「うん。そのつもりだけど。
……嫌か?」
私の問いにリリはぶんぶんと首を横に振り
「ううん!ネコと一緒! お菓子づくり 嬉しい!」
とにっこり微笑む。
うん、こうやってリリちゃんと親睦を深めるのも大事だよね。
いつも戦闘ばかりじゃ流石に可哀想だし。
こうして私とリリちゃんのお菓子作り教室がはじまるのだった。
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