【グラニクルオンライン】〜女神に召喚されたプレイヤーがガチクズばかりなので高レベの私が無双します〜

てんてんどんどん

文字の大きさ
45 / 187
1章 異世界に召喚されました

44話 魔法障壁

しおりを挟む
「ああ、そういえば。私としたことが忘れる所でした」

 言ってコロネは私とリリに小さな赤い宝石の組み込まれた指輪をさしだす。

「……これは?」

「強制的に魔力制御する機能と外見をエルフにする機能を収めた魔道具です。
 それと姿も多少変える効果があります。
 第一王子や第二王子の手の者が猫様達と接触をはかろうと躍起になっていますから。
 リュートを通じ、国王に猫様とリリ様に不要に話しかける事を禁じてもらってはいますが、偶然を装うかもしれません。
 念のため変装しておいたほうがいいでしょう」


「ああ、プレイヤーは魔力をダダ漏れさせてるんだっけ。
 コロネの記憶でもそんな事言ってたような。
 ってか、やっぱり自分もダダ漏れしてるのか?」

「はい。残念ながら。
 こちらの人間でしたら、やり方がわからなくても魔力の高い人間は本能的に抑えるはずなのですが……。
 プレイヤーの方はどちらかというと、無理に魔力を放っている、そんな感じがしますね」

「うーん。あれかな、そもそも魔物を倒してなんぼのゲームだし。
 魔物が寄ってくるように、わざとそうしてるとか?」

 そういえば、ゲーム内でもやたら魔法使いやら回復職ばかり魔物が狙うのも、そこらへんが関係してたのかもしれない。

「……ああ、なるほど。
 生きるために抑えている私達とでは根本的に考えが違うのですね……」

 コロネが複雑な表情になる。うん。なんかごめんなさい。
 自分たちの世界が遊びの世界というのは複雑なものがあるだろう。


「そういえば、記憶で思い出したけど、プレイヤーの魔法を爆発させた魔道具かっこよかった。
 魔力核?にぶつけて爆発させたやつ。
 あれはまだあるのか?余ってるなら自分もほしいな」

「ありますが……もう猫様も私も必要ないものだと思います。
 そもそもあのやり方が効くのはプレイヤーくらいなので」

「え?そうなのか?」

「はい。これもまたプレイヤーの方のみの特徴なのですが……。
 本来は魔法を放つ前には魔法障壁を張るはずなのですが、何故かプレイヤーの方々はその動作をカットしてますから
 だからあのように魔力核に魔道具をぶつける事ができましたが、普通ならはじかれて終わりでしょう」

「魔法障壁?」

「はい。そうですね……グラッド」

「おぅ?」

 コロネに突然話をふられてグラッドがキョトンとする。

「今から私が魔法を詠唱しますので、そこのぬいぐるみを詠唱中投げつけてください」

 言って、コロネが魔法を詠唱しだした。
 グラッドが手にもっているぬいぐるみをそのまま、コロネに投げるが、ぬいぐるみはボスンとコロネにあたる寸前で跳ね返る。

「おー攻撃防いだ」

「これが魔法障壁です。
 自分のレベルより低いものや同レベルの者の軽い攻撃なら弾いてしまいます。
 まぁ、流石に自分よりレベルが高い者や同レベルの威力の高い魔法などを防ぐほどの防御力はありませんが。

 では、次に猫様同じ要領でお願いできますか」

 コロネに言われ、私も軽い睡眠の呪文を唱え始める。
 そこにグラッドからぬいぐるみ攻撃をうけ――


 ぽすっ!

 グラッドが投げたぬいぐるみがそのまま私に直撃する。

「本当だ。張ってない」

 何でそんな重要な部分カットしてんだよ。神様。
 ああ、もしかしてあれか……

「PvP用かな?」

「PvP用……ですか?」

 私の一人言にコロネが聞き返す。

「うん。騎士同士の決闘みたいなもん?
 プレイヤー同士がルールを決めて戦うんだけど、魔法は強すぎるから、よく詠唱中に威力の弱いポーションとかぶつけて魔法キャンセルとかしてたからなぁ。
 確かにこの魔法障壁使えたら、ゲームバランス的に魔法使い系が強くなりすぎる」

「ゲームというのもなかなかどうして、大変なものなのですね……」

 言いつつ、何かに気づいたのか、急に慌てだし

「猫様先程の魔道具は後で用意しておきます。
 それより、そろそろ街へ行かれてはどうでしょうか?」

 と、視線をチラリとリリの方に向ける。

 私もつられてリリを見やれば、完璧にむくれていた。
 うん。ぷぅっとほっぺを膨らませて、むくれている。

 やべぇ、出かけるっていってから話が長くなりすぎた!

「そ、そうだな。リリそろそろ出かけるぞ」

「ネコ コロネ いつも話長い。 リリ 待ってた」

 と、完璧ご機嫌斜めのリリちゃん。
 うん。ごめん。これからは気をつける。

 でも、リリが不満を言うようになったのは喜ぶべきなのかもしれない。
 前なら大人しく会話が終わるまでまってたけど、ちょっといい子すぎたし。
 これくらいの方が歳相応なんだと思う。

 子育てなんてしたことないからたぶんだけど。



 △▲△▲△▲△▲△▲

「うーん。なんだかこれ甘くない」

 あれから、コロネが言っていたケーキ屋に行ってみたのだが……

 リリちゃんのご機嫌が治るかとおもったが、ここのケーキはお気に召さなかったようだ。

「頼んだ種類が悪かったのかな。違うケーキ頼んでみるか?」

「うーん。やっぱりカンナのケーキがいい」

 まだご機嫌斜めのリリちゃんがワガママを言う。

「うーん。カンナちゃんの料理も数に限りがあるからなぁ。
 このペースで食べてたらすぐなくなるぞ?」

「ううううう」

 リリががっくりとフォークをもったまま項垂れた。
 私はリリのケーキを少しばかりわけてもらい食べてみるが……確かに甘くない。
 見かけは甘そうに見えるんだけどなぁ。

「でも、確かにこのケーキあまり甘くないな。
 これなら、自分が作ったほうがまだましかもしれない」

 周りに店員がいないのを確認して小声で言う。

「またホットケーキつくる?」

「うーん。コロネも時間がかかりそうだし、せっかくならもうちょっと手の混んだもの作ってみようか?」

「本当!リリも作りたい!」

 リリが嬉しそうに身を乗り出す。


「じゃあ、作ってみようかな。リリも手伝ってくれるか?」

「うん!リリも手伝う!」

 こうして私とリリのお菓子づくりがはじまった。
しおりを挟む
感想 20

あなたにおすすめの小説

【完結】転生したら最強の魔法使いでした~元ブラック企業OLの異世界無双~

きゅちゃん
ファンタジー
過労死寸前のブラック企業OL・田中美咲(28歳)が、残業中に倒れて異世界に転生。転生先では「セリア・アルクライト」という名前で、なんと世界最強クラスの魔法使いとして生まれ変わる。 前世で我慢し続けた鬱憤を晴らすかのように、理不尽な権力者たちを魔法でバッサバッサと成敗し、困っている人々を助けていく。持ち前の社会人経験と常識、そして圧倒的な魔法力で、この世界の様々な問題を解決していく痛快ストーリー。

お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~

志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」 この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。 父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。 ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。 今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。 その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

白いもふもふ好きの僕が転生したらフェンリルになっていた!!

ろき
ファンタジー
ブラック企業で消耗する社畜・白瀬陸空(しらせりくう)の唯一の癒し。それは「白いもふもふ」だった。 ある日、白い子犬を助けて命を落とした彼は、異世界で目を覚ます。 ふと水面を覗き込むと、そこに映っていたのは―― 伝説の神獣【フェンリル】になった自分自身!? 「どうせ転生するなら、テイマーになって、もふもふパラダイスを作りたかった!」 「なんで俺自身がもふもふの神獣になってるんだよ!」 理想と真逆の姿に絶望する陸空。 だが、彼には規格外の魔力と、前世の異常なまでの「もふもふへの執着」が変化した、とある謎のスキルが備わっていた。 これは、最強の神獣になってしまった男が、ただひたすらに「もふもふ」を愛でようとした結果、周囲の人間(とくにエルフ)に崇拝され、勘違いが勘違いを呼んで国を動かしてしまう、予測不能な異世界もふもふライフ!

【本編45話にて完結】『追放された荷物持ちの俺を「必要だ」と言ってくれたのは、落ちこぼれヒーラーの彼女だけだった。』

ブヒ太郎
ファンタジー
「お前はもう用済みだ」――荷物持ちとして命懸けで尽くしてきた高ランクパーティから、ゼロスは無能の烙印を押され、なんの手切れ金もなく追放された。彼のスキルは【筋力強化(微)】。誰もが最弱と嘲笑う、あまりにも地味な能力。仲間たちは彼の本当の価値に気づくことなく、その存在をゴミのように切り捨てた。 全てを失い、絶望の淵をさまよう彼に手を差し伸べたのは、一人の不遇なヒーラー、アリシアだった。彼女もまた、治癒の力が弱いと誰からも相手にされず、教会からも冒険者仲間からも居場所を奪われ、孤独に耐えてきた。だからこそ、彼女だけはゼロスの瞳の奥に宿る、静かで、しかし折れない闘志の光を見抜いていたのだ。 「私と、パーティを組んでくれませんか?」 これは、社会の評価軸から外れた二人が出会い、互いの傷を癒しながらどん底から這い上がり、やがて世界を驚かせる伝説となるまでの物語。見捨てられた最強の荷物持ちによる、静かで、しかし痛快な逆襲劇が今、幕を開ける!

真祖竜に転生したけど、怠け者の世界最強種とか性に合わないんで、人間のふりして旅に出ます

難波一
ファンタジー
"『第18回ファンタジー小説大賞【奨励賞】受賞!』" ブラック企業勤めのサラリーマン、橘隆也(たちばな・りゅうや)、28歳。 社畜生活に疲れ果て、ある日ついに階段から足を滑らせてあっさりゲームオーバー…… ……と思いきや、目覚めたらなんと、伝説の存在・“真祖竜”として異世界に転生していた!? ところがその竜社会、価値観がヤバすぎた。 「努力は未熟の証、夢は竜の尊厳を損なう」 「強者たるもの怠惰であれ」がスローガンの“七大怠惰戒律”を掲げる、まさかのぐうたら最強種族! 「何それ意味わかんない。強く生まれたからこそ、努力してもっと強くなるのが楽しいんじゃん。」 かくして、生まれながらにして世界最強クラスのポテンシャルを持つ幼竜・アルドラクスは、 竜社会の常識をぶっちぎりで踏み倒し、独学で魔法と技術を学び、人間の姿へと変身。 「世界を見たい。自分の力がどこまで通じるか、試してみたい——」 人間のふりをして旅に出た彼は、貴族の令嬢や竜の少女、巨大な犬といった仲間たちと出会い、 やがて“魔王”と呼ばれる世界級の脅威や、世界の秘密に巻き込まれていくことになる。 ——これは、“怠惰が美徳”な最強種族に生まれてしまった元社畜が、 「自分らしく、全力で生きる」ことを選んだ物語。 世界を知り、仲間と出会い、規格外の強さで冒険と成長を繰り広げる、 最強幼竜の“成り上がり×異端×ほのぼの冒険ファンタジー”開幕! ※小説家になろう様にも掲載しています。

裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね

竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。 元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、 王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。 代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。 父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。 カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。 その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。 ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。 「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」 そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。 もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。 

【鑑定不能】と捨てられた俺、実は《概念創造》スキルで万物創成!辺境で最強領主に成り上がる。

夏見ナイ
ファンタジー
伯爵家の三男リアムは【鑑定不能】スキル故に「無能」と追放され、辺境に捨てられた。だが、彼が覚醒させたのは神すら解析不能なユニークスキル《概念創造》! 認識した「概念」を現実に創造できる規格外の力で、リアムは快適な拠点、豊かな食料、忠実なゴーレムを生み出す。傷ついたエルフの少女ルナを救い、彼女と共に未開の地を開拓。やがて獣人ミリア、元貴族令嬢セレスなど訳ありの仲間が集い、小さな村は驚異的に発展していく。一方、リアムを捨てた王国や実家は衰退し、彼の力を奪おうと画策するが…? 無能と蔑まれた少年が最強スキルで理想郷を築き、自分を陥れた者たちに鉄槌を下す、爽快成り上がりファンタジー!

処理中です...