118 / 187
2章 人間領へ行くことになりました
35. つっこみが追いつかない
しおりを挟む
私たちが城壁を飛び越えてに入った時。異様な雰囲気だった。
コロシアムから男達の殺せという声が沸き起こり、コロシアムの周りに集まった女性達が祈るようなポーズを捧げていた。
「何事でしょうか?」
瞬間移動と、浮石を駆使して空を飛びつつ言うコロネに
「コロシアム、いま死刑されそうな子いる」
と、リリが答えた。
「死刑?何か罪を犯した人でもいるのか」
「罪状――プレイヤーの服にワインこぼした」
リリの言葉に、私とコロネが固まる。
はい。ちょっと意味がわかりません。
プレイヤーの服にワインこぼしたくらいで死刑にされんの?
「リリもよくわからない。面倒。もう聞こえてくる心の声。ネコとコロネに送る」
送られてきた死刑理由は――とってもくだらないものだった。
△▲△
コロシアム中央に置かれたギロチン台。
その両脇にたたずむ槍をもった兵士達。
そして一人の少女を中央におき、殺せ殺せと大合唱にする異様な目をした男たち。
私たちがコロシアム上空に到着したとき。
まさに死刑が執行されるその直前だった。
「貴様っ!!私とカノに嫌がらせをした数々を忘れたのか!!
私たちが二人で歩いているところを前を横切っただろう」
プレイヤーカノの肩に手をおいた王子が、一番偉そうな観客席から叫び、少女が何か口答えをした。
そして、両脇の兵士達が槍で少女を貫こうとする。
「そのギロチンは何の意味があるんだぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
私の絶叫とともに、私の放った一撃で兵士二人が吹っ飛ぶ。
いや、だって目の前にギロチンあるんだよ!?
普通ギロチンで殺すと思わない!?
や、殺させる気はないけどさ!!
「まずそこにツッコミを入れるとはさすが猫様」
少女を保護するかのように抱きかかえ言うコロネ。
「ねーネコ、この人たちはどうするの?全員死なない程度にぶっ飛ばす?
ショック療法!」
と、コロシアムにいる人たちを眺め聞いてくるリリちゃん。
「や、リリちゃんやめて。リリちゃんがそれやったら大惨事になるから」
リリちゃん的に手加減してるつもりでも、まったく手加減できてないのがリリちゃんなのだ。
何かやったらきっと死屍累々になる姿しか思えない。
そんなことになったら復活の呪文をする羽目になるコロネが過労で死んでしまう。
「大丈夫!リリ、手加減の方法漫画で学んだ!峰打ち!」
「爪に峰あるのか?
ってか、爪があったっただけで死ぬから。武器に触れただけで死ぬから
レベル差考慮して!?」
「むむむむむ。人間ヤワイ!」
いや、リリちゃんが強いだけです。
「な、何者だ!?」
一瞬何がおきたのかわからず、ぽかーんとする会場だったが、罪状を読み上げていた神父らしき男が私たちを指さした。
「ネコのペットと!」
「その下僕です」
すかさず私を指さして答えるリリとコロネ。
「お前らぁぁぁぁぁぁぁ!!!それ気に入ったのかぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
コロネに抱き上げられた少女から痛い視線を浴び、私は絶叫をあげるのだった。
▲△▲
「何を邪魔をする!!その女はカノのドレスに嫌がらせでワインをかけた極悪人だぞ!!」
観客席の一番いい席から王子らしき美形ハーレムその1が叫び、
「その通りです。あまつさえ、カノの苦手なキュウイを食卓のメニューに並べた!!」
と、女子プレイヤーを守るように前に立、叫ぶ騎士美形ハーレムその2。
「その通りです。彼女はカノに嫌がらせをするという大罪をおかしているのです。
晩餐の時にカノの席だけ用意しなかった!
誰かは存じませんが邪魔はしないでいただきたい」
と、なかなかの中年イケメンだった神官ハーレムその3。
はい。魅惑怖いです。ちょっと何言ってるかわからないです。
なんだよ。子供の嫌がらせレベルの事で死刑とかありえないだろ。
ってか、その大罪とかってこの少女の記憶覗いたけれど、はっきりいちゃもんれべるじゃねーか。
いきなり押しかけてきて、席がなかった✩
キュウイを前日までパクパク食べていたのに、急に苦手なの✩
いきなりぶつかってきてワインをこぼされた✩
とかやったのはそっちのカノとかいうプレイヤーだろ。
いや、別にそれがなくても死刑はありえんが。
「カミュ怖い……」
つい、カノを睨めば、カミュとかいうハーレムにカノがぎゅっと抱きついた。
ピキィィィィィ!!!!
顔が引き攣るのが自分でもわかった。
「あ、ネコ怒ってる」
「そうですね。珍しい」
と、実況中継する二人。
ええええい。五月蝿い!!女の敵は女なのだ。
嫌いなんだよ!!ぶりっこで男たらしこんで、男に嘘吹き込んで悲劇のヒロイン演じるタイプ!
小学生の時いたんだよ、この手のタイプが。
私も一度悪者にされたことがあるんだよ!
もちろん、嘘証明してみせたけど!
「いい加減ぶりっこ演技はやめたらどうだ。
こっちはプレイヤーだ。
お前の誘惑は効かない」
私が言えば、カノは涙目になって
「ぶりっこなんて酷い。
私は止めたの!死刑なんてよくないって!
でも皆がっ」
ピキピキピキ。
レベル203がレベル20前後の雑魚を止められないとかなんの冗談かなー?
魅惑してて止められないとかないだろ、マジで。
「ネコ、本気で怒ってる」
「始めて見ました」
若干、引き気味に避難しはじめる二人。
周りの男達はそんなカノをちやほやと慰めはじめる。
あああ、やばい。もう全員なんでやねんと吹っ飛ばしてやりたい!でもそれやるとマジ死ぬ!
私は地面に一気に魔方陣を書き上げるとトラップを発動した。
【ツッコミのタライっ!!!】
私の一言とともに……その場に居た全員にトラップのたらいが落ちてくるのだった。
▲△▲
「さぁ、取り巻きハーレム共は全員気絶したぞ。
何か言いたい事はあるか?」
コロシアムで、カノ以外の男性達はみなタライの効果で気絶状態におちいっている。
今は私とカノが対峙するのみだ。
「そ、そんな!!なんで!!
別に貴方に迷惑かけてないじゃない!
何で邪魔するの!?」
と、プレイヤーカノ。
「何でも何もないだろう!!
こんな意味のない死刑をやっているのに放っておけるかっ!!
謝れっ!!ローズに謝れっ!!
お前たちがイチャイチャ国政をないがしろにしてたのを一人で切り盛りしてただろう!!
彼女がどんなに血がにじむような思いをしてこの地を切り盛りしていたのかわかるか!!
お前が男達を魅了したせいで、全然仕事のできなくなった男達の代わりに一人で戦ってたんだ!!」
「酷いっ!!
私だって努力したわっ!!
ここの作物がよく育つように魔石をくだいていれたり!!
学校を庶民にまでつくったり!!
何で私の努力を見てくれないの!?
そんな女よりよほど国の為に尽くしたわ!」
「魔石を砕いていれた?」
私が問うと、カノは何故か誇らしげに胸をはって
「そうよ。
ダンジョン産の魔石を農地にまくと、植物がよく育つの。
私が発見して各地に広めたのよ!凄いでしょ?」
「犯人はおまえかぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
私の怒りのハリセンがカノに直撃するのだった。
コロシアムから男達の殺せという声が沸き起こり、コロシアムの周りに集まった女性達が祈るようなポーズを捧げていた。
「何事でしょうか?」
瞬間移動と、浮石を駆使して空を飛びつつ言うコロネに
「コロシアム、いま死刑されそうな子いる」
と、リリが答えた。
「死刑?何か罪を犯した人でもいるのか」
「罪状――プレイヤーの服にワインこぼした」
リリの言葉に、私とコロネが固まる。
はい。ちょっと意味がわかりません。
プレイヤーの服にワインこぼしたくらいで死刑にされんの?
「リリもよくわからない。面倒。もう聞こえてくる心の声。ネコとコロネに送る」
送られてきた死刑理由は――とってもくだらないものだった。
△▲△
コロシアム中央に置かれたギロチン台。
その両脇にたたずむ槍をもった兵士達。
そして一人の少女を中央におき、殺せ殺せと大合唱にする異様な目をした男たち。
私たちがコロシアム上空に到着したとき。
まさに死刑が執行されるその直前だった。
「貴様っ!!私とカノに嫌がらせをした数々を忘れたのか!!
私たちが二人で歩いているところを前を横切っただろう」
プレイヤーカノの肩に手をおいた王子が、一番偉そうな観客席から叫び、少女が何か口答えをした。
そして、両脇の兵士達が槍で少女を貫こうとする。
「そのギロチンは何の意味があるんだぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
私の絶叫とともに、私の放った一撃で兵士二人が吹っ飛ぶ。
いや、だって目の前にギロチンあるんだよ!?
普通ギロチンで殺すと思わない!?
や、殺させる気はないけどさ!!
「まずそこにツッコミを入れるとはさすが猫様」
少女を保護するかのように抱きかかえ言うコロネ。
「ねーネコ、この人たちはどうするの?全員死なない程度にぶっ飛ばす?
ショック療法!」
と、コロシアムにいる人たちを眺め聞いてくるリリちゃん。
「や、リリちゃんやめて。リリちゃんがそれやったら大惨事になるから」
リリちゃん的に手加減してるつもりでも、まったく手加減できてないのがリリちゃんなのだ。
何かやったらきっと死屍累々になる姿しか思えない。
そんなことになったら復活の呪文をする羽目になるコロネが過労で死んでしまう。
「大丈夫!リリ、手加減の方法漫画で学んだ!峰打ち!」
「爪に峰あるのか?
ってか、爪があったっただけで死ぬから。武器に触れただけで死ぬから
レベル差考慮して!?」
「むむむむむ。人間ヤワイ!」
いや、リリちゃんが強いだけです。
「な、何者だ!?」
一瞬何がおきたのかわからず、ぽかーんとする会場だったが、罪状を読み上げていた神父らしき男が私たちを指さした。
「ネコのペットと!」
「その下僕です」
すかさず私を指さして答えるリリとコロネ。
「お前らぁぁぁぁぁぁぁ!!!それ気に入ったのかぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
コロネに抱き上げられた少女から痛い視線を浴び、私は絶叫をあげるのだった。
▲△▲
「何を邪魔をする!!その女はカノのドレスに嫌がらせでワインをかけた極悪人だぞ!!」
観客席の一番いい席から王子らしき美形ハーレムその1が叫び、
「その通りです。あまつさえ、カノの苦手なキュウイを食卓のメニューに並べた!!」
と、女子プレイヤーを守るように前に立、叫ぶ騎士美形ハーレムその2。
「その通りです。彼女はカノに嫌がらせをするという大罪をおかしているのです。
晩餐の時にカノの席だけ用意しなかった!
誰かは存じませんが邪魔はしないでいただきたい」
と、なかなかの中年イケメンだった神官ハーレムその3。
はい。魅惑怖いです。ちょっと何言ってるかわからないです。
なんだよ。子供の嫌がらせレベルの事で死刑とかありえないだろ。
ってか、その大罪とかってこの少女の記憶覗いたけれど、はっきりいちゃもんれべるじゃねーか。
いきなり押しかけてきて、席がなかった✩
キュウイを前日までパクパク食べていたのに、急に苦手なの✩
いきなりぶつかってきてワインをこぼされた✩
とかやったのはそっちのカノとかいうプレイヤーだろ。
いや、別にそれがなくても死刑はありえんが。
「カミュ怖い……」
つい、カノを睨めば、カミュとかいうハーレムにカノがぎゅっと抱きついた。
ピキィィィィィ!!!!
顔が引き攣るのが自分でもわかった。
「あ、ネコ怒ってる」
「そうですね。珍しい」
と、実況中継する二人。
ええええい。五月蝿い!!女の敵は女なのだ。
嫌いなんだよ!!ぶりっこで男たらしこんで、男に嘘吹き込んで悲劇のヒロイン演じるタイプ!
小学生の時いたんだよ、この手のタイプが。
私も一度悪者にされたことがあるんだよ!
もちろん、嘘証明してみせたけど!
「いい加減ぶりっこ演技はやめたらどうだ。
こっちはプレイヤーだ。
お前の誘惑は効かない」
私が言えば、カノは涙目になって
「ぶりっこなんて酷い。
私は止めたの!死刑なんてよくないって!
でも皆がっ」
ピキピキピキ。
レベル203がレベル20前後の雑魚を止められないとかなんの冗談かなー?
魅惑してて止められないとかないだろ、マジで。
「ネコ、本気で怒ってる」
「始めて見ました」
若干、引き気味に避難しはじめる二人。
周りの男達はそんなカノをちやほやと慰めはじめる。
あああ、やばい。もう全員なんでやねんと吹っ飛ばしてやりたい!でもそれやるとマジ死ぬ!
私は地面に一気に魔方陣を書き上げるとトラップを発動した。
【ツッコミのタライっ!!!】
私の一言とともに……その場に居た全員にトラップのたらいが落ちてくるのだった。
▲△▲
「さぁ、取り巻きハーレム共は全員気絶したぞ。
何か言いたい事はあるか?」
コロシアムで、カノ以外の男性達はみなタライの効果で気絶状態におちいっている。
今は私とカノが対峙するのみだ。
「そ、そんな!!なんで!!
別に貴方に迷惑かけてないじゃない!
何で邪魔するの!?」
と、プレイヤーカノ。
「何でも何もないだろう!!
こんな意味のない死刑をやっているのに放っておけるかっ!!
謝れっ!!ローズに謝れっ!!
お前たちがイチャイチャ国政をないがしろにしてたのを一人で切り盛りしてただろう!!
彼女がどんなに血がにじむような思いをしてこの地を切り盛りしていたのかわかるか!!
お前が男達を魅了したせいで、全然仕事のできなくなった男達の代わりに一人で戦ってたんだ!!」
「酷いっ!!
私だって努力したわっ!!
ここの作物がよく育つように魔石をくだいていれたり!!
学校を庶民にまでつくったり!!
何で私の努力を見てくれないの!?
そんな女よりよほど国の為に尽くしたわ!」
「魔石を砕いていれた?」
私が問うと、カノは何故か誇らしげに胸をはって
「そうよ。
ダンジョン産の魔石を農地にまくと、植物がよく育つの。
私が発見して各地に広めたのよ!凄いでしょ?」
「犯人はおまえかぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
私の怒りのハリセンがカノに直撃するのだった。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】転生したら最強の魔法使いでした~元ブラック企業OLの異世界無双~
きゅちゃん
ファンタジー
過労死寸前のブラック企業OL・田中美咲(28歳)が、残業中に倒れて異世界に転生。転生先では「セリア・アルクライト」という名前で、なんと世界最強クラスの魔法使いとして生まれ変わる。
前世で我慢し続けた鬱憤を晴らすかのように、理不尽な権力者たちを魔法でバッサバッサと成敗し、困っている人々を助けていく。持ち前の社会人経験と常識、そして圧倒的な魔法力で、この世界の様々な問題を解決していく痛快ストーリー。
お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~
志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」
この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。
父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。
ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。
今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。
その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
白いもふもふ好きの僕が転生したらフェンリルになっていた!!
ろき
ファンタジー
ブラック企業で消耗する社畜・白瀬陸空(しらせりくう)の唯一の癒し。それは「白いもふもふ」だった。 ある日、白い子犬を助けて命を落とした彼は、異世界で目を覚ます。
ふと水面を覗き込むと、そこに映っていたのは―― 伝説の神獣【フェンリル】になった自分自身!?
「どうせ転生するなら、テイマーになって、もふもふパラダイスを作りたかった!」 「なんで俺自身がもふもふの神獣になってるんだよ!」
理想と真逆の姿に絶望する陸空。 だが、彼には規格外の魔力と、前世の異常なまでの「もふもふへの執着」が変化した、とある謎のスキルが備わっていた。
これは、最強の神獣になってしまった男が、ただひたすらに「もふもふ」を愛でようとした結果、周囲の人間(とくにエルフ)に崇拝され、勘違いが勘違いを呼んで国を動かしてしまう、予測不能な異世界もふもふライフ!
【本編45話にて完結】『追放された荷物持ちの俺を「必要だ」と言ってくれたのは、落ちこぼれヒーラーの彼女だけだった。』
ブヒ太郎
ファンタジー
「お前はもう用済みだ」――荷物持ちとして命懸けで尽くしてきた高ランクパーティから、ゼロスは無能の烙印を押され、なんの手切れ金もなく追放された。彼のスキルは【筋力強化(微)】。誰もが最弱と嘲笑う、あまりにも地味な能力。仲間たちは彼の本当の価値に気づくことなく、その存在をゴミのように切り捨てた。
全てを失い、絶望の淵をさまよう彼に手を差し伸べたのは、一人の不遇なヒーラー、アリシアだった。彼女もまた、治癒の力が弱いと誰からも相手にされず、教会からも冒険者仲間からも居場所を奪われ、孤独に耐えてきた。だからこそ、彼女だけはゼロスの瞳の奥に宿る、静かで、しかし折れない闘志の光を見抜いていたのだ。
「私と、パーティを組んでくれませんか?」
これは、社会の評価軸から外れた二人が出会い、互いの傷を癒しながらどん底から這い上がり、やがて世界を驚かせる伝説となるまでの物語。見捨てられた最強の荷物持ちによる、静かで、しかし痛快な逆襲劇が今、幕を開ける!
真祖竜に転生したけど、怠け者の世界最強種とか性に合わないんで、人間のふりして旅に出ます
難波一
ファンタジー
"『第18回ファンタジー小説大賞【奨励賞】受賞!』"
ブラック企業勤めのサラリーマン、橘隆也(たちばな・りゅうや)、28歳。
社畜生活に疲れ果て、ある日ついに階段から足を滑らせてあっさりゲームオーバー……
……と思いきや、目覚めたらなんと、伝説の存在・“真祖竜”として異世界に転生していた!?
ところがその竜社会、価値観がヤバすぎた。
「努力は未熟の証、夢は竜の尊厳を損なう」
「強者たるもの怠惰であれ」がスローガンの“七大怠惰戒律”を掲げる、まさかのぐうたら最強種族!
「何それ意味わかんない。強く生まれたからこそ、努力してもっと強くなるのが楽しいんじゃん。」
かくして、生まれながらにして世界最強クラスのポテンシャルを持つ幼竜・アルドラクスは、
竜社会の常識をぶっちぎりで踏み倒し、独学で魔法と技術を学び、人間の姿へと変身。
「世界を見たい。自分の力がどこまで通じるか、試してみたい——」
人間のふりをして旅に出た彼は、貴族の令嬢や竜の少女、巨大な犬といった仲間たちと出会い、
やがて“魔王”と呼ばれる世界級の脅威や、世界の秘密に巻き込まれていくことになる。
——これは、“怠惰が美徳”な最強種族に生まれてしまった元社畜が、
「自分らしく、全力で生きる」ことを選んだ物語。
世界を知り、仲間と出会い、規格外の強さで冒険と成長を繰り広げる、
最強幼竜の“成り上がり×異端×ほのぼの冒険ファンタジー”開幕!
※小説家になろう様にも掲載しています。
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
【鑑定不能】と捨てられた俺、実は《概念創造》スキルで万物創成!辺境で最強領主に成り上がる。
夏見ナイ
ファンタジー
伯爵家の三男リアムは【鑑定不能】スキル故に「無能」と追放され、辺境に捨てられた。だが、彼が覚醒させたのは神すら解析不能なユニークスキル《概念創造》! 認識した「概念」を現実に創造できる規格外の力で、リアムは快適な拠点、豊かな食料、忠実なゴーレムを生み出す。傷ついたエルフの少女ルナを救い、彼女と共に未開の地を開拓。やがて獣人ミリア、元貴族令嬢セレスなど訳ありの仲間が集い、小さな村は驚異的に発展していく。一方、リアムを捨てた王国や実家は衰退し、彼の力を奪おうと画策するが…? 無能と蔑まれた少年が最強スキルで理想郷を築き、自分を陥れた者たちに鉄槌を下す、爽快成り上がりファンタジー!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる