【グラニクルオンライン】〜女神に召喚されたプレイヤーがガチクズばかりなので高レベの私が無双します〜

てんてんどんどん

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3章 魔獣と神々

4. 魔獣セファロウス戦

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「みーーつーーけーーた」

 そう言うレオンの声は……以前の声とは程遠く、何故か何人もの人物が一斉に声をあげたかのようなしわがれた声だった。
 ゾクリと、嫌な感覚が私の背中を伝う。

 ――こいつ強い。

 私は本能的にヤバイ敵と判断するが、このままにしておくわけにもいかない。

 とりあえず、なんとかしないと。

「エ…る…ふ……NPCのエルフど…こだっ!!」

 魔獣になったレオンがカタコトになった言葉で吠えた瞬間。私に無数の虫が襲いかかってくる。
 レイド戦ではかなりお世話になった全体攻撃だ。
 弱い虫が攻撃や詠唱をかたっぱしから邪魔してくるという、エグイ攻撃だが。

 しかし、糸の攻撃はレベル補正無効にできる技が結構ある。
 虫くらいなら余裕で倒せるだろう。

 私はすぐさまトラップマスターのスキルを駆使し、虫を一匹残らず駆逐すると

「コロネのことかっ!!」

 レオンに叫ぶ。すると、レオンが気持ち悪いくらい恍惚な笑を浮かべ

「コロネだ…せ…ごう、もん……こんど、こそ……いのち、ごい…させる」

 カタコトで返事をする。
 うん。コロネってレヴィンとかレオンとかなんでこんな変な人達に人気なんだよ。
 モテモテだね!!まったく羨ましくないけど!

 どうやら、あの時コロネに殺された恨みからか、コロネへの執念をこじらせたらしい。
 殺されたリリにではなく、コロネに執着する時点でその気のあるやつだったのだろうか。
 てか、なんでこいつセファロウスと合体してんだよ。女神に何かされたのか。

 とにかく、このコロネへの困った執念を利用しない手はない。

 私はすぐさま念話で守護天使とコロネ達に指示をだす。
 復活の使えるファルティナとリリとコロネは魔道具で姿を隠したままそのまま待機。
 アルファーとレイスリーネは私のサポート。

 私の指示と同時に、翼で空からかけつけたアルファーとレイスリーネが私達の戦いに参戦した。

「ぢがう!おまえぢがう! えふる出せ!!」

 と、舌や光線を乱れうちしまくり、レオンが叫びながら私とアルファーに攻撃してくる。
 レイスリーネはガン無視だ。
 うん、男だけかよ。それだけコロネに執着してるということか?
 なんつーか、どこまでレオンは意思があるのだろう。
 もうコロネ大好きマンにしか見えない。


『炎天飛翔槍!!』

 レイスリーネの放った一撃が、レオンの顔面に直撃し――ぶしゅぅぅっと変な音をたてた。
 が、一度潰れたかのように見えたレオンの顔は再び再生する。

「いだ…い、いだ…い、お前ゆるざない!!」

 と、レオン。

 私をメインに狙っていたレオンの攻撃がレイスリーネに向かう。
 ――っち!!私が瞬間移動でカンだけで躱してる攻撃をレイスリーネがよけられるか!?

 思った瞬間。

 ごすっ!!

 やはりレベル100差の壁は厚かったようで、レイスリーネの身体をレオンの舌が貫いた。

「レイスリーネ!!」

 私はすぐさま瞬間移動でその場に飛び、その舌を、レベル補正無効にできる技で切り裂き、その体を抱きかかえる。

「猫様!!危ないっ!!」

 レイスリーネを抱えて無防備になった私に攻撃してこようと伸ばされた舌を、アルファーが片っ端から剣で薙ぎ払った。
 ああ、うん。ヤバイ。
 なんとかアルファーのおかげで助かったのはいまのはマジやばかった。
 生き返られるんだから咄嗟に庇うクセはやめないと。
 私はレイスリーネを石化させ、そのままアイテムボックスに仕舞い込む。
 うん。ごめんね。あとでちゃんと回復させるから。

 sionとかにアルファーは他の守護天使より強いと言われていただけあって、レベル差によるスピード差があるにも関わらず、なんとか迫り来る攻撃をすべてなぎ払ってくれている。
 アルファーが時間を稼いでくれているうちに私もトラップを完成させないと。
 あまり長引けば、心配で待ちきれないようすのリリとコロネが参戦してきてしまう可能性もある。

 あの二人我慢たりないし。

 アルファーが時間を稼いでくれている間。攻撃を避けているふりをして私はそれを完成させた。

 ――そして。コロネに合図をおくったその瞬間。

「くっ!??」
 
 攻撃の一つを躱しきれなかったアルファーの身体が、レオンの舌に絡め取られる。

「アルファー!?」
 
 私が向かおうとするが、魔獣の体中にある顔の目が見開き、私に魔法を打ち込んでくるため、うまくいかない。

「あ”あ”あ”、ごろず…なぶりごろず……」

 レオンが残忍な笑を浮かべ

「うあああああ!?」

 激痛に悲鳴をあげるアルファー。
 舌に物凄い力で巻き上げられ、アルファーの体からミシミシとありえない音が響き、悲鳴をあげる。

「あ”あ”あ”いい、くる・・しめ・・もっと…ひ・・めい」

 言いつつ、アルファーを絡めた舌に更に力を入れようとしたその時。

「相変わらず、自分より弱いものを痛めつける事でしか自尊心を満たせないようですね。
 浅ましい」

 私よりやや後方から、声が聞こえる。
 攻撃を掻い潜り振り向けば――ーそこには白龍のリリに乗った状態で、コロネが立っているのだった。


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