22 / 70
22話 嬉し恥ずかしフレンド弁当
しおりを挟む
「なんだ誰かと思えばCクラスの連中じゃないか」
こんにちは。目玉焼きには醤油派かソース派かでリーチェとリカルドがもめていたので、私はタルタルソース派ですと答えてドン引きされた、セレス・キャラデュース(10歳)です。
学校の裏庭で、なんと今日はアリーシャの手作り弁当をいただける事になりました。
一緒に食べようとお弁当を広げていたら、底意地悪貴族マークに話しかけられました次第です。
取り巻きを5人ほど連れて歩いていてわざわざこちらに嫌がらせですか。
なんですか、いかにも「これから悪口いってやんよ!」と言いたげなその顔は。
アリーシャがびくっとするので、私がその間に入ります。
せっかくアリーシャが作ってくれた麗しのフレンド弁当を食べようとする所だったのに邪魔以外の何ものでもありません。
「なんでもいま6人しかいないらしいじゃないか。
どうせ試合に勝てないんだ。学費の無駄なんだからとっとと退学したらどうだ」
けらけらとマークが底意地の悪い笑声をあげれば、取り巻きA~Eも同じく笑い出しました。
「あなた達に関係ない。在学するか辞めるかは私が決める」
「なんだと!?マーク様に向かって何を言って」
取り巻きBが私に掴みかかってこようとしたので、サッをよけてやりました。
ぶっ叩いてやってもよかったのですが、手加減できず、はるか遠くまで飛んで行かれてしまったら大変です。騒ぎが大きくなるのは望みません。
早く追い払ってフレンド弁当を食べたいと思います。
「おっとっとと」と、わざとらしい声をあげて取り巻きBは上げた拳を宙にさ迷わせ……
がっこーん。
よろけてアリーシャが私のために作ってくれた分の弁当を盛大にぶちまけました。
避けた先にお弁当などなかったので、わざとよろける振りをしてお弁当をぶちまけたのです。
「あ」
「………あ」
その場で私とアリーシャが固まっていれば、
「女のくせに生意気に避けるからだ」
と、取り巻きB。
「そんな貧乏くさい弁当一個で済んで命拾いしたな」とマーク。
「言いたいことはそれだけですか」
ゴゴゴゴゴゴゴ。私の怒りに大地が震えます。
「な、なんだっ!???」
「マ、マーク様っ!!」
私の放つオーラにマークとその他大勢がガクブルしながらこちらを視ました。
「言いたい事はそれだけかと聞いているのです。
これはっ!!アリーシャが作ってくれたフレンド弁当です!
それをっそれを……」
折角友達が作ってくれたお弁当なんて陰キャには夢のようなシチュエーションをっ。
お友達の作ってくれたお弁当。
こんなありがたい事はパリピでもなかなかありません!たぶん!
そう、パリピすら越えられる夢と希望のつまったお弁当なのです。
「謝りなさい」
「え?」
「本来なら万死に値しますが、アリーシャもいるので、貴方たちの謝罪で許してやろうと言っているのです。謝りなさい」
「何を言ってるたかが平民如……」
マークの言葉に私の沸点が頂点になります。
舐めないでいただきたい、兄4歳のいたずらに全力でぶち切れて闇の力を目覚めさせた私の沸点の低さをっ!!!
ずわっ!!!
私の放った魔力が世界を支配しはじめ
「セレスちゃん!?」
アリーシャが私の手をつかんだ事で我に返ります。
はっ!?私としたことが。
気が付けばマーク御一行様は情けなく気絶しているのでした。
「……アリーシャごめん、お弁当ダメにしてしまいました」
気絶してしまった悪ガキたちを放置して、私達は学舎に戻りました。
ちょっと涙目になってしまうのが自分でもわかります。
楽しみにしていたのに泥まみれのぐちゃぐちゃです。
アリーシャが朝から頑張って作ってくれたお弁当です。
陰キャのあこがれの的、夢と希望のつまった友達の愛情弁当をダメにしてしまいました。
「セレスちゃんのせいじゃないよ。悪いのはあいつらだもん。
私を守ってくれたんだから怒る事じゃないよ?むしろありがとう」
「アリーシャ……」
「私のでよかったらまた作ってくるから……ね?
食堂に何か食べに行こう!」
そう言って微笑むアリーシャは天使です。
見ていなさい。マーク。こんなかわいい子に手をだし、フレンド弁当をぐちゃぐちゃにし、そして後でセディスに説教を受ける恨み……模擬戦で果たしてみせましょう。
こんにちは。目玉焼きには醤油派かソース派かでリーチェとリカルドがもめていたので、私はタルタルソース派ですと答えてドン引きされた、セレス・キャラデュース(10歳)です。
学校の裏庭で、なんと今日はアリーシャの手作り弁当をいただける事になりました。
一緒に食べようとお弁当を広げていたら、底意地悪貴族マークに話しかけられました次第です。
取り巻きを5人ほど連れて歩いていてわざわざこちらに嫌がらせですか。
なんですか、いかにも「これから悪口いってやんよ!」と言いたげなその顔は。
アリーシャがびくっとするので、私がその間に入ります。
せっかくアリーシャが作ってくれた麗しのフレンド弁当を食べようとする所だったのに邪魔以外の何ものでもありません。
「なんでもいま6人しかいないらしいじゃないか。
どうせ試合に勝てないんだ。学費の無駄なんだからとっとと退学したらどうだ」
けらけらとマークが底意地の悪い笑声をあげれば、取り巻きA~Eも同じく笑い出しました。
「あなた達に関係ない。在学するか辞めるかは私が決める」
「なんだと!?マーク様に向かって何を言って」
取り巻きBが私に掴みかかってこようとしたので、サッをよけてやりました。
ぶっ叩いてやってもよかったのですが、手加減できず、はるか遠くまで飛んで行かれてしまったら大変です。騒ぎが大きくなるのは望みません。
早く追い払ってフレンド弁当を食べたいと思います。
「おっとっとと」と、わざとらしい声をあげて取り巻きBは上げた拳を宙にさ迷わせ……
がっこーん。
よろけてアリーシャが私のために作ってくれた分の弁当を盛大にぶちまけました。
避けた先にお弁当などなかったので、わざとよろける振りをしてお弁当をぶちまけたのです。
「あ」
「………あ」
その場で私とアリーシャが固まっていれば、
「女のくせに生意気に避けるからだ」
と、取り巻きB。
「そんな貧乏くさい弁当一個で済んで命拾いしたな」とマーク。
「言いたいことはそれだけですか」
ゴゴゴゴゴゴゴ。私の怒りに大地が震えます。
「な、なんだっ!???」
「マ、マーク様っ!!」
私の放つオーラにマークとその他大勢がガクブルしながらこちらを視ました。
「言いたい事はそれだけかと聞いているのです。
これはっ!!アリーシャが作ってくれたフレンド弁当です!
それをっそれを……」
折角友達が作ってくれたお弁当なんて陰キャには夢のようなシチュエーションをっ。
お友達の作ってくれたお弁当。
こんなありがたい事はパリピでもなかなかありません!たぶん!
そう、パリピすら越えられる夢と希望のつまったお弁当なのです。
「謝りなさい」
「え?」
「本来なら万死に値しますが、アリーシャもいるので、貴方たちの謝罪で許してやろうと言っているのです。謝りなさい」
「何を言ってるたかが平民如……」
マークの言葉に私の沸点が頂点になります。
舐めないでいただきたい、兄4歳のいたずらに全力でぶち切れて闇の力を目覚めさせた私の沸点の低さをっ!!!
ずわっ!!!
私の放った魔力が世界を支配しはじめ
「セレスちゃん!?」
アリーシャが私の手をつかんだ事で我に返ります。
はっ!?私としたことが。
気が付けばマーク御一行様は情けなく気絶しているのでした。
「……アリーシャごめん、お弁当ダメにしてしまいました」
気絶してしまった悪ガキたちを放置して、私達は学舎に戻りました。
ちょっと涙目になってしまうのが自分でもわかります。
楽しみにしていたのに泥まみれのぐちゃぐちゃです。
アリーシャが朝から頑張って作ってくれたお弁当です。
陰キャのあこがれの的、夢と希望のつまった友達の愛情弁当をダメにしてしまいました。
「セレスちゃんのせいじゃないよ。悪いのはあいつらだもん。
私を守ってくれたんだから怒る事じゃないよ?むしろありがとう」
「アリーシャ……」
「私のでよかったらまた作ってくるから……ね?
食堂に何か食べに行こう!」
そう言って微笑むアリーシャは天使です。
見ていなさい。マーク。こんなかわいい子に手をだし、フレンド弁当をぐちゃぐちゃにし、そして後でセディスに説教を受ける恨み……模擬戦で果たしてみせましょう。
22
あなたにおすすめの小説
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
もしかして寝てる間にざまぁしました?
ぴぴみ
ファンタジー
令嬢アリアは気が弱く、何をされても言い返せない。
内気な性格が邪魔をして本来の能力を活かせていなかった。
しかし、ある時から状況は一変する。彼女を馬鹿にし嘲笑っていた人間が怯えたように見てくるのだ。
私、寝てる間に何かしました?
目の前で始まった断罪イベントが理不尽すぎたので口出ししたら巻き込まれた結果、何故か王子から求婚されました
歌龍吟伶
恋愛
私、ティーリャ。王都学校の二年生。
卒業生を送る会が終わった瞬間に先輩が婚約破棄の断罪イベントを始めた。
理不尽すぎてイライラしたから口を挟んだら、お前も同罪だ!って謎のトバッチリ…マジないわー。
…と思ったら何故か王子様に気に入られちゃってプロポーズされたお話。
全二話で完結します、予約投稿済み
次期国王様の寵愛を受けるいじめられっこの私と没落していくいじめっこの貴族令嬢
さら
恋愛
名門公爵家の娘・レティシアは、幼い頃から“地味で鈍くさい”と同級生たちに嘲られ、社交界では笑い者にされてきた。中でも、侯爵令嬢セリーヌによる陰湿ないじめは日常茶飯事。誰も彼女を助けず、婚約の話も破談となり、レティシアは「無能な令嬢」として居場所を失っていく。
しかし、そんな彼女に運命の転機が訪れた。
王立学園での舞踏会の夜、次期国王アレクシス殿下が突然、レティシアの手を取り――「君が、私の隣にふさわしい」と告げたのだ。
戸惑う彼女をよそに、殿下は一途な想いを示し続け、やがてレティシアは“王妃教育”を受けながら、自らの力で未来を切り開いていく。いじめられっこだった少女は、人々の声に耳を傾け、改革を導く“知恵ある王妃”へと成長していくのだった。
一方、他人を見下し続けてきたセリーヌは、過去の行いが明るみに出て家の地位を失い、婚約者にも見放されて没落していく――。
王妃の仕事なんて知りません、今から逃げます!
gacchi(がっち)
恋愛
側妃を迎えるって、え?聞いてないよ?
王妃の仕事が大変でも頑張ってたのは、レオルドが好きだから。
国への責任感?そんなの無いよ。もういい。私、逃げるから!
12/16加筆修正したものをカクヨムに投稿しました。
どうぞお好きに
音無砂月
ファンタジー
公爵家に生まれたスカーレット・ミレイユ。
王命で第二王子であるセルフと婚約することになったけれど彼が商家の娘であるシャーベットを囲っているのはとても有名な話だった。そのせいか、なかなか婚約話が進まず、あまり野心のない公爵家にまで縁談話が来てしまった。
【完結】以上をもちまして、終了とさせていただきます
楽歩
恋愛
異世界から王宮に現れたという“女神の使徒”サラ。公爵令嬢のルシアーナの婚約者である王太子は、簡単に心奪われた。
伝承に語られる“女神の使徒”は時代ごとに現れ、国に奇跡をもたらす存在と言われている。婚約解消を告げる王、口々にルシアーナの処遇を言い合う重臣。
そんな混乱の中、ルシアーナは冷静に状況を見据えていた。
「王妃教育には、国の内部機密が含まれている。君がそれを知ったまま他家に嫁ぐことは……困難だ。女神アウレリア様を祀る神殿にて、王家の監視のもと、一生を女神に仕えて過ごすことになる」
神殿に閉じ込められて一生を過ごす? 冗談じゃないわ。
「お話はもうよろしいかしら?」
王族や重臣たち、誰もが自分の思惑通りに動くと考えている中で、ルシアーナは静かに、己の存在感を突きつける。
※39話、約9万字で完結予定です。最後までお付き合いいただけると嬉しいですm(__)m
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる