85 / 85
外伝
外伝:英語の重要性
しおりを挟む
「英語なんてなんで勉強しないといけないんですかね」
少年が夕暮れの教室で呟く。
「あら、紀美丹君、文系科目は得意なんじゃなかったかしら?」
少年のその呟きに呆れたように少女は返す。
「いや、別に苦手とかじゃないんですよ。ただ、僕のこれからの人生に必要なさそうだなぁって思いまして。僕、日本から出るつもりないんで」
「紀美丹君、海外旅行とか行く気ないの?」
少年は少し考えると、
「それはちょっと行ってみたいですけど。ーーでも今ってスマホの翻訳機能がすごい進歩してるじゃないですか。だから、僕自身が英語できなくてもほぼ問題ないんですよね」
「便利になりすぎた弊害ね。紀美丹君がどんどんダメになっていくわ」
なにも言い返せない。
「じゃあ、そんな紀美丹君に英語の必要性を教えてあげるわ」
「どうやってですか?」
少女は、二つの画像をスマホに表示させる。
「まずこの画像を見なさい」
そこには、英字Tシャツを着た少年が少女に告白するシーンがマンガで描かれていた。
少年の、
『俺の女になれよ?』
という台詞をうけた少女が、
『なによこいつ。でも、好き♡』
一瞬で落ちている。少女がちょろすぎる。
「はぁ、ところでこのキャラクター、僕と尾張さんに似てません?」
「気のせいよ」
「次にこの画像を見なさい」
先ほどのイラストの少年の告白を受けた少女の反応が別のものに変わっている。
「『狂ってる!』」
「これで分かったでしょう。英語が出来ないと、こんな恥を晒す事になるのよ」
少女は、画像と少年を見比べて笑いを堪えている。
『That's nuts. 』って『狂ってる』って意味だったのか。
「でも、これ少女の方が英語わからなかったら全部解決しますよね」
「それは、気づいても指摘してはいけないことよ」
そういうと、少女は、スマホの電源を切る。
「世界の公用語日本語になりませんかね」
「世界でもまれに見る複雑な言語なのに、それを海外の人たちに強いるなんてかわいそうよ」
少年は、はぁ、とため息をつくと単語帳を眺めはじめる。
少女は、それを見て、
「まぁ、頑張りなさいな」
というと、スマホで猫動画を見はじめる。
「いや、尾張さんも勉強しましょうよ」
少女は、チラッと少年を見て、やれやれと言った顔をすると猫動画を見る作業に戻るのだった。
少年が夕暮れの教室で呟く。
「あら、紀美丹君、文系科目は得意なんじゃなかったかしら?」
少年のその呟きに呆れたように少女は返す。
「いや、別に苦手とかじゃないんですよ。ただ、僕のこれからの人生に必要なさそうだなぁって思いまして。僕、日本から出るつもりないんで」
「紀美丹君、海外旅行とか行く気ないの?」
少年は少し考えると、
「それはちょっと行ってみたいですけど。ーーでも今ってスマホの翻訳機能がすごい進歩してるじゃないですか。だから、僕自身が英語できなくてもほぼ問題ないんですよね」
「便利になりすぎた弊害ね。紀美丹君がどんどんダメになっていくわ」
なにも言い返せない。
「じゃあ、そんな紀美丹君に英語の必要性を教えてあげるわ」
「どうやってですか?」
少女は、二つの画像をスマホに表示させる。
「まずこの画像を見なさい」
そこには、英字Tシャツを着た少年が少女に告白するシーンがマンガで描かれていた。
少年の、
『俺の女になれよ?』
という台詞をうけた少女が、
『なによこいつ。でも、好き♡』
一瞬で落ちている。少女がちょろすぎる。
「はぁ、ところでこのキャラクター、僕と尾張さんに似てません?」
「気のせいよ」
「次にこの画像を見なさい」
先ほどのイラストの少年の告白を受けた少女の反応が別のものに変わっている。
「『狂ってる!』」
「これで分かったでしょう。英語が出来ないと、こんな恥を晒す事になるのよ」
少女は、画像と少年を見比べて笑いを堪えている。
『That's nuts. 』って『狂ってる』って意味だったのか。
「でも、これ少女の方が英語わからなかったら全部解決しますよね」
「それは、気づいても指摘してはいけないことよ」
そういうと、少女は、スマホの電源を切る。
「世界の公用語日本語になりませんかね」
「世界でもまれに見る複雑な言語なのに、それを海外の人たちに強いるなんてかわいそうよ」
少年は、はぁ、とため息をつくと単語帳を眺めはじめる。
少女は、それを見て、
「まぁ、頑張りなさいな」
というと、スマホで猫動画を見はじめる。
「いや、尾張さんも勉強しましょうよ」
少女は、チラッと少年を見て、やれやれと言った顔をすると猫動画を見る作業に戻るのだった。
0
この作品は感想を受け付けておりません。
あなたにおすすめの小説
12年目の恋物語
真矢すみれ
恋愛
生まれつき心臓の悪い少女陽菜(はるな)と、12年間同じクラス、隣の家に住む幼なじみの男の子叶太(かなた)は学校公認カップルと呼ばれるほどに仲が良く、同じ時間を過ごしていた。
だけど、陽菜はある日、叶太が自分の身体に責任を感じて、ずっと一緒にいてくれるのだと知り、叶太から離れることを決意をする。
すれ違う想い。陽菜を好きな先輩の出現。二人を見守り、何とか想いが通じるようにと奔走する友人たち。
2人が結ばれるまでの物語。
第一部「12年目の恋物語」完結
第二部「13年目のやさしい願い」完結
第三部「14年目の永遠の誓い」←順次公開中
※ベリーズカフェと小説家になろうにも公開しています。
優しい雨が降る夜は
葉月 まい
恋愛
浮世離れした地味子 × 外資系ITコンサルのエリートイケメン
無自覚にモテる地味子に
余裕もなく翻弄されるイケメン
二人の恋は一筋縄ではいかなくて……
雨降る夜に心に届いた
優しい恋の物語
⟡☾·̩͙⋆☔┈┈┈ 登場人物 ┈┈┈ ☔⋆·̩͙☽⟡
風間 美月(24歳)……コミュニティセンター勤務・地味でお堅い性格
雨宮 優吾(28歳)……外資系ITコンサルティング会社勤務のエリートイケメン
靴屋の娘と三人のお兄様
こじまき
恋愛
靴屋の看板娘だったデイジーは、母親の再婚によってホークボロー伯爵令嬢になった。ホークボロー伯爵家の三兄弟、長男でいかにも堅物な軍人のアレン、次男でほとんど喋らない魔法使いのイーライ、三男でチャラい画家のカラバスはいずれ劣らぬキラッキラのイケメン揃い。平民出身のにわか伯爵令嬢とお兄様たちとのひとつ屋根の下生活。何も起こらないはずがない!?
※小説家になろうにも投稿しています。
余命僅かな大富豪を看取って、円満に未亡人になるはずでした
ぜんだ 夕里
恋愛
傾きかけた家を救うため、私が結んだのはあまりにも不謹慎な契約――余命いくばくもない大富豪の辺境伯様と結婚し、彼の最期を穏やかに看取ることで莫大な遺産を相続する、というものだった。
しかし、人の死を利用して富を得るなど不正義!
そう考えた私が立てたのは、前代未聞の計画。
「そうだ、遺産が残らないくらい贅沢の限りを尽くしてもらえば、すべて丸く収まるじゃない!」
Blue Moon 〜小さな夜の奇跡〜
葉月 まい
恋愛
ーー私はあの夜、一生分の恋をしたーー
あなたとの思い出さえあれば、この先も生きていける。
見ると幸せになれるという
珍しい月 ブルームーン。
月の光に照らされた、たったひと晩の
それは奇跡みたいな恋だった。
‧₊˚✧ 登場人物 ✩˚。⋆
藤原 小夜(23歳) …楽器店勤務、夜はバーのピアニスト
来栖 想(26歳) …新進気鋭のシンガーソングライター
想のファンにケガをさせられた小夜は、
責任を感じた想にバーでのピアノ演奏の代役を頼む。
それは数年に一度の、ブルームーンの夜だった。
ひと晩だけの思い出のはずだったが……
完結【強引な略奪婚】冷徹な次期帝は、婚姻間近の姫を夜ごと甘く溶かす
小木楓
恋愛
完結しました✨
タグ&あらすじ変更しました。
略奪された大納言家の香子を待っていたのは、冷徹な次期帝による「狂愛」という名の支配でした。
「泣け、香子。お前をこれほど乱せるのは、世界で私だけだ」
「お前はまだ誰のものでもないな? ならば、私のものだ」
大納言家の姫・香子には、心通わせる穏やかな婚約者がいた。
しかし、そのささやかな幸福は、冷徹と噂される次期帝・彰仁(あきひと)に見初められたことで一変する。
強引な勅命により略奪され、後宮という名の檻に閉じ込められた香子。
夜ごとの契りで身体を繋がれ、元婚約者への想いすら「不義」として塗り潰されていく。
恐怖に震える香子だったが、閉ざされた寝所で待っていたのは、想像を絶するほど重く、激しい寵愛で……?
「痛くはしない。……お前が私のことしか考えられなくなるまで、何度でも教え込もう」
逃げ場のない愛に心が絡め取られていく中、彰仁は香子を守るため、「ある残酷な嘘」を用いて彼女を試す。
それは、愛するがゆえに彼女を嫉妬と絶望で壊し、「帝なしでは息もできない」状態へ作り変えるための、狂気じみた遊戯だった。
「一生、私の腕の中で溺れていろ」
守るために壊し、愛するために縛る。
冷酷な仮面の下に隠された、
一途で異常な執着を知った時、香子の心もまた甘い猛毒に溶かされていく――。
★最後は極上のハッピーエンドです。
※AI画像を使用しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる

