世界終わろう委員会

初瀬四季[ハツセシキ]

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世界終わろう委員会

尋問

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「では、あなたが殺したわけではないとそう言うんですね?」

 女性は、久喜錐クキキリと名乗った。事の仔細を彼女達に話すと久喜さんはそう繰り返し確認する。

「はい」

「では、その男の詳しい特徴を教えて頂けますか?」

 特徴と言っても、暗くて良く見えなかったからなぁ。

「えーと、全身黒づくめで、中肉中背、軽薄な印象でした。ただ、僕を見るときの目つきが」

 家畜を見ているような。そんな印象があった。
 命はみんな平等だと主張しても、だからといって人の命を家畜と同様に奪っていいのかと問えば、多くの人はノーと答えるだろう。
 しかしあの目は、人間も屠殺される前の動物も同じだとそう思っているようだった。

 それを聞いた、久喜さんは、メモを取る男性と目を合わせる。

「わかりました。貴重なお話をお聞かせいただきありがとうございます」

 久喜さんは、そう言うと背を向けて歩き出す。
 僕がホッと息を吐き、胸を撫で下ろしたところで、

「ところで、現場にあった自転車ですが、あれはあなたのものですか?」

「えっ? あ、はい」

 久喜さんは、僕をジッと見つめながら、

「二つとも?」

 と質問する。

 忘れてた。一つは尾張さんの物じゃないか。ちょっと待て、この場合僕、窃盗になってない? 乗ってきたの尾張さんだけど、尾張さん成仏したはずだし、自転車が勝手に移動するはずないから、それは僕が持ってきたってことに。
 捕まる? 僕逮捕されるの?

「いえ、一つは借り物です」

 悩んだ末に、正直に言うことにした。

「そうですか。失礼しました。ただ、なにか不自然な気がしたので」

 まるで、あなた達三人の他にも誰かいたような。と久喜さんは呟くと、会釈して部屋を出ていく。

 まあ、そりゃあ不自然ではあるだろうなぁ。何か特別な理由でもない限り、一人で二つの自転車を運ぶ奇特な人間がいるとは思えない。
 あのときの僕にしたって、出来ればその辺に置いて行きたかった。

「紀美丹君」

 それまで口を閉ざしていた椎堂さんが、いよいよといった様子で口を開く。

「尾張さんは、送ってあげられたの?」

 


 
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