エロゲー主人公に転生したのに悪役若様に求愛されております

雪平@冷淡騎士2nd連載中

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赤く染まり、触手に絡まり

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ーーー

また生まれ変わるのか、とのんびり考えながら目が覚めた。

眩しい光が目の前にあって、腕で隠すと照明だと気付いた。
大きいシャンデリアに高そうな模様の天井が見えた。

生まれ変わったら病院から始まるのかと思ったが、いくら高い病院でもこんな場所はないだろう。
じゃあここは何処だ?俺はセレブの子供に生まれ変わったのか?

そんな事を考えながら、自分の大人の手を見て「そんなわけないか」と独り言を呟く。
俺はシリウスに刺された筈なのに生きている、ここは何処だ?

記憶が確かなら、見た事がある部屋のような気もする。
布団を捲り、腹を見ると包帯が巻かれて手当てをされていた。
上半身は裸で、真っ黒なズボンを穿いているだけの格好だった。

とりあえず、あの時死んだわけではないみたいだ…じゃあシリウスはいったい何処に…
そう考えていたら、手首になにかが絡みついている事に気付いた。

片手を持ち上げると、青紫色の気持ち悪いミミズのようなものがウネウネと動いていた。

「気持ち悪っ!!」

つい叫んで腕から引き剥がそうと掴もうとしたが、ずるっと手が滑った。
ねちゃ…と変な液体が手にべっとりと付着していた。

まるでうなぎを掴んでいるように、つるつると滑っていてその度に変な液体が溢れてくる。

ベッドがべちゃべちゃになって、足を滑らせて倒れた。

ミミズのようなものは俺の両足に絡みついて、下半身にも這っている。
どんだけいるんだよと、銃を掴もうと腰に触れるが何も掴めない。

そうだ、このズボン…俺のじゃなかった…周りを見渡しても銃は見当たらなかった。
そんな事をしている間にも、ミミズのようなものはズボンの裾から中に入ってくる。

ぞわぞわと気持ち悪くて、足を暴れさせて抵抗したかったががっちりと掴まれて抵抗は無駄に終わった。
ミミズのようなものは何をしようとしているのか見ていると、下着の中に入ってこようとする。

「それはダメだって!離せ!聞いてんだろ!!」

たまに俺の声に反応しているから絶対に聞いている筈だ。
なのに無視するとは…やっぱりミミズだからなのか?

下半身を触られても、気持ち悪いだけで不快でしかない。
…なのに、俺の心とは裏腹で体は熱くなってきていた。

まるでシリウスにされた時のようだが、ミミズの場合は不快感もあるから自分の身体にも嫌な気分になる。

殴ってもダメージは大してないみたいで、俺にはどうする事も出来ない。
情けなくて悔しくて、愛しい人の名前を呼ぶ事しか思い付かなかった。

「し、シリウ…」

「何をしてる?レイン」

「……へ?」

俺達しかいない筈の部屋で別の声が聞こえて、ミミズのようなものを見る。
こんなグロテスクなものから、かっこいい声が聞こえたらびっくりだな。

まっすぐ前を見ると、俺のズボンに入っていたミミズのようなものを掴んでいるシリウスがいた。
シリウスが現れると、さっきまで頑なに俺を離さなかったミミズのようなものがしゅるしゅると解けてベッドの下に入っていった。

やっぱりここはシリウスの部屋だったか、一度しか行った事がなかったから忘れていた。

シリウスは「俺の使い魔の一匹が迷惑掛けたな」と言っていた。
そんな事どうでもいい、また…置いていかれたと思ってた……良かった。

シリウスが俺の腹に触れて、労わるように撫でていた。
痛みはないが、別の感情が芽生える。

さっきミミズのようなものに触られた熱が全部腹部に集まってくる。
シリウスに触られると、どうしようもなくなってくる。

シリウスに見られると、俺の全身が溶けてしまいそうになる。
「悪かった」と言っているが、シリウスにも理由があるのは分かってる。
理由もなく、あんな事しない…もし殺そうとしただけなら俺の事を助けたりしない。
あのままシリウスに助けられなかったら、普通に死んでいる。

「シリウス、なんで刺したのか…理由聞いていいか?」

「ああでもしないとレインを連れていく事が出来なかったからな」

「それって、シリウスの傍に居ていいって意味か?」

「違う」

期待していたが、あっさりシリウスに否定されてしまった。

じゃあなんで俺を魔王の城に連れてきたんだよ。
シリウスの気持ちがよく分からない。
シリウスが逃げないように、ギュッと手を握ると握り返してくれた。

お互い同じ気持ちなのに、なんでダメなんだよ。

俺はシリウスがなんて言おうとしても、一緒にいたい。
俺が心から嫌いだって言うまで諦めたりしない。

「レイン、俺達は敵同士だ…なのに何故俺の事を探してたんだ?」

「気付いてたのか?」

「ずっと見ていたからな」

「見ていたなら分かるだろ、俺は種族とか関係ない!たとえ誰に嫌われてもシリウスを愛し続ける」

「それがどういう意味か分かっているのか?」

「分かってる、俺はシリウスを愛してる」

そう言うと、シリウスは目を見開いて俺の腰を引き寄せて抱きしめられた。

今度は刺される事なく、ただ優しく抱きしめられているだけだった。

俺の心からの願いと想い、ちゃんとシリウスに伝わっただろうか。
人である事を捨てて、俺はシリウスと共にいる事を選んだ。

エロゲーの主人公が闇堕ちって言うんだっけ、まさか愛のために自らがそう望むとは思わなかった。
あの日あの時、シリウスに偶然出会って俺の運命は変わった。

そんな人生もあっていいだろうと、後悔していない。

「レインの気持ちは分かった、俺もそれに応えなくてはな」

そう言ったシリウスは俺の頬に触れて、唇が合わさった。
久しぶりのキスは甘くて頭の中が痺れてくる。

舌を絡み合い、夢中になって深く繋がる。

唇を離されてシリウスの腕に触れると「まだ傷口が塞がっていない、今日はここまでだ」と言われた。
痛みはないし、大丈夫だと言ったがシリウスが離れてしまった。

でも、今日という言葉がこんなに嬉しいものなんだとは思わなかった。
次がある、もうシリウスは俺から逃げたりしないよな。

シリウスの肩に寄り掛かると、そのままジッとしていた。
こうすると、普通の恋人のようだよな…このまま何もなく過ごせたらいいんだけど無理だよな。

魔物と人間には大きな壁があるし、王道RPGだと魔王は永遠の敵だ。
俺がシリウスの味方をするという事は、俺も敵側になる覚悟は出来ている。

でも、せめて少しの間くらいは穏やかな時間をシリウスと過ごしたい。

「俺を連れてきたくせに、なんで傍にいる事を否定したんだ?」

「俺がレインをここに連れてきたのはレインの治療のためだ」

「治療ってシリウスが俺を刺した傷の?」

「違う」

そう言ってシリウスは俺の腹を撫でていた。

シリウスの話によると、俺はシリウスに刺される前…シリウスの魔力によって体が危険な状態だった。
確かに気持ち悪くて体が変で、口から血を吐いていた。

シリウスの力は傍にいるだけで、人間に有害らしい。
あのまま放っておいたら、人間の医者には治せない不治の病で死んでいたと言っていた。
俺の中にあるシリウスの魔力を抜く事が出来るのは魔力の張本人であるシリウスだけだ。

でもあの場でシリウスが連れて帰ったら、俺の仲間やシリウスの仲間が変に思う。
だから他の人間のように刺して、殺したと見せかけて連れて帰った。

俺が仲間のところに帰れるように…魔王に誘拐された人間を装った。
そして、魔王軍に俺が死んだと思わせて俺が治療中に殺しに来ないように…

全部、俺のためにそこまでしてくれていたのか。

「ありがとう、シリウス…でも俺…もうシリウスから離れる気はないから」

「あぁ、分かっている…レインがそのつもりなら俺も心変わりしても手放せないからな」

「心変わりするほどの軽い気持ちじゃねぇよ」

俺がニッと笑うとシリウスも微笑んでいた。

大道芸人の皆には悪い事をした、一言心配しないでくれと言いたいがシリウスの味方をする今気軽に会いに行けるものではない。

でも、もしなにかいい方法が思い付いたら「俺は大丈夫、ありがとう」と伝えたい。

心の中で心配掛けたと謝ると、シリウスに手の甲をキスされた。

甘い雰囲気にドキリとする、でも体を繋げられない……近くにいるのにこんなもどかしい気分になるなんて…
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