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双子の悪魔
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「…何?」
「「本物の人間?」」
「見たままだけど」
「見た目じゃ」
「わからないねぇ」
双子の悪魔は、お互いの顔を見合わせて「ねぇー」と声を重ねていた。
俺が人間だって、この双子は知っているのに今更なんで聞くんだ?
もしかして、今の今まで生き残っているからという理由じゃないよな。
そうだとしたら人間の事を舐め過ぎじゃないか?
初期レベルなら厳しいが、ラストダンジョンに進めるほどのレベルがあるなら簡単だ。
どうやったら人間の証拠になるのか分からない。
耳は尖っている悪魔が多いが、シリウスみたいに人間に化ける悪魔もいるから証明にはならない。
双子の悪魔の言う通り、見た目では人間か悪魔か分からない。
「どうしたらいいんだ?」
「じゃあ、逆立ちして」
「城を一周してきて!」
「それのどこが人間の証明なんだよ!」
だんだん双子の小悪魔達に遊ばれている気がしてきた。
とりあえず俺は人間で、シリウスなら分かってくれる事を伝えた。
なんでいきなり疑い出したのか分からない、なにかあったのか?
双子の悪魔は困った顔をして「「シリウス様は今は忙しいから無理」」と断られた。
ずっと疑われたままだと、お互い納得出来ないよな。
そこで、人間の証明ではないけど俺の証明が出来るものがあった事を思い出した。
腰に下げていたホルダーから銃を取り出して双子の悪魔に見せた。
この銃はシリウスのもので、シリウスの武器に触れられるのは俺くらいだ。
これで証明にならないなら俺には何も出来ない!
「この銃って…」
「シリウス様の気配がする」
双子の悪魔が腕を伸ばして、銃に触れようとした。
指先が銃に触れる前に、小さな結界のようなのが見えた。
手を弾いて、指が焦げて真っ黒に変わっていた。
慌てて手当てをしようと部屋に双子の悪魔を呼んだ。
銃をホルダーに戻して、双子の悪魔を見ると嬉しそうにしていた。
黒焦げになっても痛いような顔をしていなかった。
痛みはあると思うけど、このくらいなら平気なのか?
シリウスが用意してくれた、俺用の救急箱を取り出した。
「なに」
「してるの?」
「指が焦げてるから応急処置しないと」
「このくらい」
「シリウス様に与えられた痛みだと思えば」
「「平気だよ」」
双子の悪魔はキャッキャ笑っていて、俺だけ呆然としていた。
とりあえず俺がレインだと分かってくれたようで良かった。
双子の悪魔は俺がレインだと分かった瞬間に、もう俺に用がなくなったから帰ろうとしていた。
待て待て、俺に何も説明しないで帰るつもりなのか?
シリウスに言われた事が気になっている、何を言われてきたんだ?
俺が本物かどうかとか、まるで俺が偽物だと疑っているようだ。
まさか、そういう事なのかと双子の悪魔の腕を掴んで考えた。
双子の悪魔が暴れているから、腕を離して解放した。
「もう、なに?」
「乱暴な人間だな」
「シリウスに何を言われたか話してくれ」
「えー」
「関係ないのにー」
「俺を調べたんだから、関係はあるよな」
話すまで外に出さないぞとは言っていないが、念じてみた。
双子の悪魔は、小さな声で作戦会議を始めてしまった。
黙って見ていたら、話がまとまったのか俺の方を見つめていた。
シリウスとの話は他言無用だと言われているみたいだ。
でも、俺はシリウスの大切な人という認識のようで話してくれるみたいだ。
大丈夫だ、なにかシリウスに言われる前に俺がシリウスに双子を脅して聞いた話だって言う。
俺は怒られるけど、双子は仕方なく話したと言えば怒られたりはしない。
そこはちゃんと話してくれた双子を全力で守るよ。
「シリウス様は侵入者がいるって言った」
「でも、他の魔物達から侵入者の話は聞かない」
「顔を変えられる悪魔が潜んでいるかもしれない」
「顔真似が得意な悪魔が誰かの真似をしているかもしれない」
双子の悪魔は、機械のように淡々と説明してくれた。
なるほど、だから俺が本物か聞いてきたんだな。
これから他の人にも聞いてみるみたいで、部屋から出ようとした。
双子の悪魔は魔王軍の幹部だ、見た目とは違いそれなりに強い。
用心棒として同行する必要はなさそうではある。
それでも、俺もシリウスの役に立ちたいから一緒に行きたい。
偽物か本物かなんて魔王城に来て日が浅い俺が分かるわけがない。
他になにかアピールポイントがあればいいんだけどな。
考えていたら、双子の悪魔はまた作戦会議をしていた。
俺には戦う力くらいしか役立つものがないな、と改めて思う。
「ねぇ、一緒に」
「ねぇ、行きたい?」
「行かせてくれるなら」
「強い?」
「自分で言うのもなんだけど、賞金首ハンターとして名は知られてるくらいにはな」
「体力ある?」
「…あ、あぁ」
双子の悪魔は俺の言葉に、にっこりと笑って腕を引っ張られた。
どういう意味か分からなかったが、部屋を出て何処かに連れられた。
双子の言葉の意味が分かるのは、意外と早かった。
魔王城の地下に連れられた俺は、とんでもない光景を見た。
ボタボタと天井から黒いスライムのような魔物が落ちてきていた。
双子の悪魔は「「聞き込みするから守ってね」」と言っていた。
この黒いスライムのようなものから双子を守る事を任された。
銃を構えると、地下に住む魔物のところに走っていった。
天井から降ってくる魔物を撃ち落とすと、ジュッと蒸発したような音が地下に響いた。
アレに当たったら軽い火傷では済まないだろうな。
「「本物の人間?」」
「見たままだけど」
「見た目じゃ」
「わからないねぇ」
双子の悪魔は、お互いの顔を見合わせて「ねぇー」と声を重ねていた。
俺が人間だって、この双子は知っているのに今更なんで聞くんだ?
もしかして、今の今まで生き残っているからという理由じゃないよな。
そうだとしたら人間の事を舐め過ぎじゃないか?
初期レベルなら厳しいが、ラストダンジョンに進めるほどのレベルがあるなら簡単だ。
どうやったら人間の証拠になるのか分からない。
耳は尖っている悪魔が多いが、シリウスみたいに人間に化ける悪魔もいるから証明にはならない。
双子の悪魔の言う通り、見た目では人間か悪魔か分からない。
「どうしたらいいんだ?」
「じゃあ、逆立ちして」
「城を一周してきて!」
「それのどこが人間の証明なんだよ!」
だんだん双子の小悪魔達に遊ばれている気がしてきた。
とりあえず俺は人間で、シリウスなら分かってくれる事を伝えた。
なんでいきなり疑い出したのか分からない、なにかあったのか?
双子の悪魔は困った顔をして「「シリウス様は今は忙しいから無理」」と断られた。
ずっと疑われたままだと、お互い納得出来ないよな。
そこで、人間の証明ではないけど俺の証明が出来るものがあった事を思い出した。
腰に下げていたホルダーから銃を取り出して双子の悪魔に見せた。
この銃はシリウスのもので、シリウスの武器に触れられるのは俺くらいだ。
これで証明にならないなら俺には何も出来ない!
「この銃って…」
「シリウス様の気配がする」
双子の悪魔が腕を伸ばして、銃に触れようとした。
指先が銃に触れる前に、小さな結界のようなのが見えた。
手を弾いて、指が焦げて真っ黒に変わっていた。
慌てて手当てをしようと部屋に双子の悪魔を呼んだ。
銃をホルダーに戻して、双子の悪魔を見ると嬉しそうにしていた。
黒焦げになっても痛いような顔をしていなかった。
痛みはあると思うけど、このくらいなら平気なのか?
シリウスが用意してくれた、俺用の救急箱を取り出した。
「なに」
「してるの?」
「指が焦げてるから応急処置しないと」
「このくらい」
「シリウス様に与えられた痛みだと思えば」
「「平気だよ」」
双子の悪魔はキャッキャ笑っていて、俺だけ呆然としていた。
とりあえず俺がレインだと分かってくれたようで良かった。
双子の悪魔は俺がレインだと分かった瞬間に、もう俺に用がなくなったから帰ろうとしていた。
待て待て、俺に何も説明しないで帰るつもりなのか?
シリウスに言われた事が気になっている、何を言われてきたんだ?
俺が本物かどうかとか、まるで俺が偽物だと疑っているようだ。
まさか、そういう事なのかと双子の悪魔の腕を掴んで考えた。
双子の悪魔が暴れているから、腕を離して解放した。
「もう、なに?」
「乱暴な人間だな」
「シリウスに何を言われたか話してくれ」
「えー」
「関係ないのにー」
「俺を調べたんだから、関係はあるよな」
話すまで外に出さないぞとは言っていないが、念じてみた。
双子の悪魔は、小さな声で作戦会議を始めてしまった。
黙って見ていたら、話がまとまったのか俺の方を見つめていた。
シリウスとの話は他言無用だと言われているみたいだ。
でも、俺はシリウスの大切な人という認識のようで話してくれるみたいだ。
大丈夫だ、なにかシリウスに言われる前に俺がシリウスに双子を脅して聞いた話だって言う。
俺は怒られるけど、双子は仕方なく話したと言えば怒られたりはしない。
そこはちゃんと話してくれた双子を全力で守るよ。
「シリウス様は侵入者がいるって言った」
「でも、他の魔物達から侵入者の話は聞かない」
「顔を変えられる悪魔が潜んでいるかもしれない」
「顔真似が得意な悪魔が誰かの真似をしているかもしれない」
双子の悪魔は、機械のように淡々と説明してくれた。
なるほど、だから俺が本物か聞いてきたんだな。
これから他の人にも聞いてみるみたいで、部屋から出ようとした。
双子の悪魔は魔王軍の幹部だ、見た目とは違いそれなりに強い。
用心棒として同行する必要はなさそうではある。
それでも、俺もシリウスの役に立ちたいから一緒に行きたい。
偽物か本物かなんて魔王城に来て日が浅い俺が分かるわけがない。
他になにかアピールポイントがあればいいんだけどな。
考えていたら、双子の悪魔はまた作戦会議をしていた。
俺には戦う力くらいしか役立つものがないな、と改めて思う。
「ねぇ、一緒に」
「ねぇ、行きたい?」
「行かせてくれるなら」
「強い?」
「自分で言うのもなんだけど、賞金首ハンターとして名は知られてるくらいにはな」
「体力ある?」
「…あ、あぁ」
双子の悪魔は俺の言葉に、にっこりと笑って腕を引っ張られた。
どういう意味か分からなかったが、部屋を出て何処かに連れられた。
双子の言葉の意味が分かるのは、意外と早かった。
魔王城の地下に連れられた俺は、とんでもない光景を見た。
ボタボタと天井から黒いスライムのような魔物が落ちてきていた。
双子の悪魔は「「聞き込みするから守ってね」」と言っていた。
この黒いスライムのようなものから双子を守る事を任された。
銃を構えると、地下に住む魔物のところに走っていった。
天井から降ってくる魔物を撃ち落とすと、ジュッと蒸発したような音が地下に響いた。
アレに当たったら軽い火傷では済まないだろうな。
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