冷淡騎士に溺愛されてる悪役令嬢の兄の話

雪平@冷淡騎士2nd連載中

文字の大きさ
84 / 299

カイウスの話17

しおりを挟む
ライムを襲った体罰男の処理も終わり、騎士団の仕事に戻った。

放火事件の犯人が精霊だという事は分かったが、何故そうしたのかはまだ分からない。
他の精霊に聞いても手がかりはない。
リーズナは精霊の化身だから俺よりもその辺の情報に詳しい。

だから今リーズナに調べてもらっているが、手がかりがなかった場合…あの放火事件の犯人である精霊を探すしかない。
……でも、何処にいるんだ?それにあの音と精霊の抜けた羽は…

「カイ様?どうかされたんですか?」

「……いや、何でもない」

「俺、ずっとカイ様に憧れてて…こうして一緒に仕事出来るなんて夢みたいです!」

そう言って俺にキラキラした眼差しを向ける見習い騎士に「そうか」とだけ言った。

放火事件の手がかりを探すついでに街の見回りをしようと思い、見習い騎士と共に歩いている。

俺への憧れもあるだろうがハイドレイの家は貧しくて、両親を養うために騎士団に入ったと聞いている。
先輩騎士達からの評判も悪くないし、まだ未熟だが鍛錬すればユリウスよりも強くなるかもしれない。

国民の評判も悪くはないが、物を貰いすぎるのはどうかと思う…仕事中だ。

周りを見渡して怪しい奴がいないか確認する。

「そういえばカイ様、ライムと知り合いだったんですね」

「………」

「き、聞いちゃダメでしたか!ごめんなさい…」

俺が少しキツい目で見たからハイドレイは肩をびくつかせて怯えていた。

別に関係を隠すつもりはない、後ろめたい事なんて何もないから…
ただ、ライムを呼び捨てで呼んでいるのが嫌だ…器が小さいだろうが、それは嫌だ。

リーズナとかクマとかライムの家族ならまだ許せるが、なんでお前が呼ぶんだ。
ライムを医務室に運んでくれた恩はあるが、それとこれとは話が別だ。

ハイドレイは誤魔化すように、別の話題に変えた。
マリーの話に変わり、いつの間に知り合ったんだと不思議に思った。

別に聞いてはいないが、マリーは最近騎士団の兵舎でも手伝いをしているとハイドレイがペラペラと喋っていた。
再び「そうか」とだけ言うと、俺の目の前になにかが通り過ぎていった。

ハイドレイの目の前も通ったので、きっと見ている筈だ。

「ハイドレイ、今なにか通らなかったか?」

「えっ、いえ…」

ハイドレイが見えないならそれは精霊か魔物。
でも俺達に危害を加える気はなさそうだから魔物ではなく精霊。
しかもまっすぐに飛んでいるようには見えなかった、小刻みな動きが不自然だった。

もしかしたら羽根が少ない精霊なのかもしれない。

そう思ったら、見失う前に精霊を捕まえて今度こそ事情を聞こうと走り出した。
後ろから訳も分からず付いてくるハイドレイの足音が聞こえてきた。

街の広場を抜けて、人気のない路地裏まで走っていた。
だから、広場で起こった出来事を知らなかった。

「おい止まれ!手荒な真似はしたくない!」

「はぁはぁ…カイ様、いったい誰に言ってるんです?」

何も見えていないハイドレイからしたら俺は可笑しな奴だろう。
俺の声は精霊に届いている筈だ、それでも止まらないというなら仕方ない。

手に電流を流して、精霊に向かって放った。

精霊はフラフラしているから避ける事も出来ずに直撃した。
力を弱くしたから身体が痺れて動けない程度だ。

走るスピードを遅くして、地面に落ちた精霊を手のひらに乗せる。

「…すまなかった、君に聞きたい事があったんだ」

『……ふ、ふ…』

「君は…もしかして」

羽根が、この前よりも減っている…何とか飛べるだろうが…こんなに少なかったら長距離は無理だ。
それに、それだけではない。

精霊の小さな首をよく見てみると、傷があった。
犯人が自分だと言わないために喉を潰したのか。

こんな酷い事をするなんて、眉を寄せて名も知らない犯人に怒りを覚えた。

とりあえず連れて帰ってリーズナと相談するかと、転送魔法を使った。

ハイドレイはずっとなにかを見ようとしていて、俺が見ている方向とは別の方向を見ていた。
突然走り出したから戸惑っただろう、すまないとだけ言って仕事に戻ろうと路地裏を出た。

いつも通り賑やかな街だと思っていたが、何だか様子が可笑しかった。

俺の顔を見るなり「カイ様!」と近付いてきた。

それだけでなにかあったのだろうという事は分かる。

「どうかしたのか?」

「それが…悪魔の子が現れたんです」

「……悪魔?」

「カイ様が戦ったあの悪魔を召喚した男が現れたんです!」

あの悪魔とは俺の事だろう。
しかし俺は誰にも召喚された覚えはない。

上手く話せないのか、俺にはなにが言いたいのか分からなかった。

「ゆっくりでいいから話してくれ」と落ち着かせていたら、俺を呼ぶもう一人の声が聞こえた。

そこにいたのは買い物カゴを抱えているローズがいた。
ローズは後は自分が話すと、街の人の肩に手を添えていた。

ローズも知ってる事なのか、俺が街を少し外していた間にいったいなにがあったんだ?

「カイ様、ここでは話しづらい内容なので…」

「………」

話しづらい?嫌な予感がするが、今は仕事中だからここで話してほしい。

そうローズに言うがローズは頑なに口を閉ざしている。
急ぎではないのか?見るかぎり怪我人はいないように見えた。

急ぎではないなら、仕事が終わったら聞く事にした。

俺がいる事で広場にいた街の人達がホッとしたような顔をしていた。

本当になにがあったのか、俺とハイドレイは顔を見合わせていた。

そして仕事を早めに終わらせて、急いで屋敷に向かって帰った。

玄関前にはローズがいて、俺とローズは俺の部屋に向かった。
周りの人物が知ってる事を誰にも聞かせたくない理由が分からない。
最近のローズは幼馴染みの俺でも理解出来ない事が多すぎる。

部屋に到着してドアを閉めると、ローズが口を開いた。

「あの場でカイ様に話しづらいと判断しましたので、お待たせしました」

「…どういう事だ」

「アイツとご友人である事を隠すために、アイツの話題を避ける事がよろしいかと…」

「俺に後ろめたい交友関係なんてないが…」

「アレを友人だと呼びたくないと言うなら申し訳ございません」

アイツとかアレとか、誰の事を言っているのか……俺の大切な人なら容赦はしないぞ。

ローズに背を向けて上着を脱ぐと、近付いてきた。
俺の上着を受け取ろうとしているのだろうが、拒否した。
このくらい自分一人で出来る。

窓からリーズナが入ってきて、ローズは「ローベルト」と口にした。

「ローベルトがとうとう正体をあらわしました」

「…正体って何の事だ」

「手の甲の悪魔の紋様を街の人々に見せつけて殺害予告もしたんです、やはりローベルトは危険な存在です」

ローズの言っている事を事実だとすると、ライムはいつもしている手の甲を隠す手袋が外れてしまい、他の人に見られた。
殺害予告はよく分からないが、ライムは勘違いされやすいから聞き間違いかなにかだろう。

今回もまたライムは悪くはない、広場の人間達が無傷なのが何よりの証拠だと思う。
ローズが言うような悪のローベルトなら脅すだけなんてしない筈だろ?

俺の言葉だけじゃなく、証拠もあるのに何故ローズはそこまでローベルトを恨むんだ?

最近のローベルトの動きも関係しているのか?

ローズはメイド長であるが、騎士団員とも知り合いがいる。
だから最近の事件の事もローズは知っている。

誰が話したか犯人探しをするつもりはないが、騎士団の極秘に近い情報を話すのはいい事ではない。

「ローズ、また騎士団員に情報を聞いたのか?」

「カイ様を守るためです」

「お前になにが守れるんだ」

「私はカイ様のために…」

「……もういい、出ていってくれ」

ローズと話していると頭が痛くなる。
俺を何だと思っているんだ……お前になにが出来るんだ?

守るべき者は俺じゃない、弱い人だろ…ライムを守れよ。
ライムが守れないなら、軽々しく守るなんて口にするな。

……俺が、ライムを守る…何を犠牲にしても…

ローズが部屋からいなくなり、リーズナは精霊の傷を見ていた。
背中を見ても、無理矢理引きちぎられた痛々しい痕が残っていた。

『カイ、俺が調べた情報…聞きたいか?』

「…当たり前だろ、最近精霊が起こす事件が目立つ…早く解決しないと犠牲者が出る」

『精霊が見える奴がいる、お前とライム以外に…』

なるほど、確かにこの傷は荒いが手当てをしている痕跡がある。
魔物に襲われても精霊同士の喧嘩でも、精霊がこんな手当ての仕方はしない。

ソイツが犯人なら捕まえる必要がある。

そしてそれは一人ではないとリーズナが衝撃的な事を言っていた。

そう何人もいるものなのか?でもそんな奴、今までライム以外見た事がない。
相手がどんな奴なのか、慎重に調べる必要があるな。

今日の広場の件もある、ライムが心配でベランダの扉を開ける。
外も暗くて、もう帰ってきてもいい時間帯なのに部屋は暗い。
寝た可能性もあるが、嫌な感じがした。

ベランダから出るとリーズナがもうベッドで丸まって眠っていた。

俺の心配のせいで今起こすのも可哀想だ…明日、ライムに聞いてみようと思い…窓を見つめた。

そして翌日、ライムが仕事場に来ていないとクマから聞かされた。
今まで遅刻や休んだ事がないから余計に心配していた。

俺はライムに食事を作るために買い物をしていたが、すぐにやめて急いで家に帰った。
部屋のベランダを開けても、ライムの部屋は真っ暗だった。

『カイ、何処かに行くのか?』

「もしかしたらいるかもしれない」

リーズナにそう言い、精霊の宮殿に向かった。

俺とライムが離れていても、唯一繋がっている場所。
ライムが望んでいないと、会えないが…もしかしたら…と思ってやってきた。

夜桜が舞う美しい宮殿の扉の前で誰かがいるのが見えた。

この場所にいるのはたった一人しかいない。

「ライム!!」

「…っ、かい…うす?」

急いで駆け寄り、その小さな身体を抱き寄せる。

震えている、いったいなにがあったんだ?
ライムも弱々しい力ですがるように俺の腕を掴んでいた。
泣いてるのか「ぐすっ」と聞こえる。

不安定な状態で聞くわけにもいかない、とりあえず今は何も聞かない。
ずっとここにいたら風邪を引いてしまう。

ライムを横抱きして、宮殿に入るとライムのお腹から小さな音が聞こえた。
恥ずかしそうにお腹を隠すライムに、向かう場所を変えた。

「ライム、先に食事にしようか」

「…で、でも…カイウス…仕事終わりじゃないの?」

「俺も夕飯まだだから、付き合ってくれ」

そう言うとライムは断れないからズルイやり方だが、一緒に食べてもらう。
ライム…もしかして、飯を食べていないのか?

食堂にやってきて、ライムを座らせて料理を作ろうとライムから離れようとした。
しかし、一歩が踏み出せなかった。

後ろを見たら、ライムが俺の服を掴んでいた。
震えるライムの手を握って、両手で包み込むと服を離した。

「一緒に料理、作るか?」
しおりを挟む
感想 174

あなたにおすすめの小説

【完結】愛されたかった僕の人生

Kanade
BL
✯オメガバース 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。 今日も《夫》は帰らない。 《夫》には僕以外の『番』がいる。 ねぇ、どうしてなの? 一目惚れだって言ったじゃない。 愛してるって言ってくれたじゃないか。 ねぇ、僕はもう要らないの…? 独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。

悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?

  *  ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。 悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう! せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー? ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください! ユィリと皆の動画つくりました! お話にあわせて、ちょこちょこあがる予定です。 インスタ @yuruyu0 絵もあがります Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら! 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!

やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。

毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。 そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。 彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。 「これでやっと安心して退場できる」 これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。 目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。 「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」 その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。 「あなた……Ωになっていますよ」 「へ?」 そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て―― オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。

【完結】伴侶がいるので、溺愛ご遠慮いたします

  *  ゆるゆ
BL
3歳のノィユが、カビの生えてないご飯を求めて結ばれることになったのは、北の最果ての領主のおじいちゃん……え、おじいちゃん……!? しあわせの絶頂にいるのを知らない王子たちが、びっくりして憐れんで溺愛してくれそうなのですが、結構です! めちゃくちゃかっこよくて可愛い伴侶がいますので! ノィユとヴィルの動画を作ってみました!(笑)  インスタ @yuruyu0   Youtube @BL小説動画 です!  プロフのwebサイトから飛べるので、もしよかったらお話と一緒に楽しんでくださったら、とてもうれしいです! ヴィル×ノィユのお話です。 本編完結しました! 『もふもふ獣人転生』に遊びにゆく舞踏会編、完結しました! 時々おまけのお話を更新するかもです。 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!

【完結】悪役令息の従者に転職しました

  *  ゆるゆ
BL
暗殺者なのに無様な失敗で死にそうになった俺をたすけてくれたのは、BLゲームで、どのルートでも殺されて悲惨な最期を迎える悪役令息でした。 依頼人には死んだことにして、悪役令息の従者に転職しました。 皆でしあわせになるために、あるじと一緒にがんばるよ! 透夜×ロロァのお話です。 本編完結、『もふもふ獣人転生』に遊びにゆく舞踏会編、完結しました! 時々おまけを更新するかもです。 『悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?』のカイの師匠も 『悪役令息の伴侶(予定)に転生しました』のトマの師匠も、このお話の主人公、透夜です!(笑) 大陸中に、かっこいー激つよ従僕たちを輸出して、悪役令息たちをたすける透夜(笑) 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!

公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜

上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。 体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。 両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。 せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない? しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……? どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに? 偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも? ……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない?? ――― 病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。 ※別名義で連載していた作品になります。 (名義を統合しこちらに移動することになりました)

俺、転生したら社畜メンタルのまま超絶イケメンになってた件~転生したのに、恋愛難易度はなぜかハードモード

中岡 始
BL
ブラック企業の激務で過労死した40歳の社畜・藤堂悠真。 目を覚ますと、高校2年生の自分に転生していた。 しかも、鏡に映ったのは芸能人レベルの超絶イケメン。 転入初日から女子たちに囲まれ、学園中の話題の的に。 だが、社畜思考が抜けず**「これはマーケティング施策か?」**と疑うばかり。 そして、モテすぎて業務過多状態に陥る。 弁当争奪戦、放課後のデート攻勢…悠真の平穏は完全に崩壊。 そんな中、唯一冷静な男・藤崎颯斗の存在に救われる。 颯斗はやたらと落ち着いていて、悠真をさりげなくフォローする。 「お前といると、楽だ」 次第に悠真の中で、彼の存在が大きくなっていき――。 「お前、俺から逃げるな」 颯斗の言葉に、悠真の心は大きく揺れ動く。 転生×学園ラブコメ×じわじわ迫る恋。 これは、悠真が「本当に選ぶべきもの」を見つける物語。 続編『元社畜の俺、大学生になってまたモテすぎてるけど、今度は恋人がいるので無理です』 かつてブラック企業で心を擦り減らし、過労死した元社畜の男・藤堂悠真は、 転生した高校時代を経て、無事に大学生になった―― 恋人である藤崎颯斗と共に。 だが、大学という“自由すぎる”世界は、ふたりの関係を少しずつ揺らがせていく。 「付き合ってるけど、誰にも言っていない」 その選択が、予想以上のすれ違いを生んでいった。 モテ地獄の再来、空気を読み続ける日々、 そして自分で自分を苦しめていた“頑張る癖”。 甘えたくても甘えられない―― そんな悠真の隣で、颯斗はずっと静かに手を差し伸べ続ける。 過去に縛られていた悠真が、未来を見つめ直すまでの じれ甘・再構築・すれ違いと回復のキャンパス・ラブストーリー。 今度こそ、言葉にする。 「好きだよ」って、ちゃんと。

【完結】悪役令息の伴侶(予定)に転生しました

  *  ゆるゆ
BL
攻略対象しか見えてない悪役令息の伴侶(予定)なんか、こっちからお断りだ! って思ったのに……! 前世の記憶がよみがえり、反省しました。 BLゲームの世界で、推しに逢うために頑張りはじめた、名前も顔も身長もないモブの快進撃が始まる──! といいな!(笑) 本編完結、恋愛ルート、トマといっしょに里帰り編、完結しました! おまけのお話を時々更新しています。 きーちゃんと皆の動画をつくりました! もしよかったら、お話と一緒に楽しんでくださったら、とてもうれしいです。 インスタ @yuruyu0 絵もあがります Youtube @BL小説動画 プロフのwebサイトから両方に飛べるので、もしよかったら! 本編以降のお話、恋愛ルートも、おまけのお話の更新も、アルファポリスさまだけですー! 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!

処理中です...