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第13話
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背中に冷や汗が流れる。
がっちり掴んできた手には、絶対に離さないという強い意思を感じる。
気付かなかった。
いや、副隊長を陛下が制止した時点で親衛隊の人垣を越えていたことに気付くべきだった。
しかしもう後の祭り。
…居留守まで使って無視し、挙句城内中逃走した後だけに、もう何も言えない。
あれだけ元気に逃走しただけに仮病も使えないし。
「陛下!」
副隊長も捕まった私に気付き、陛下の腕に手を掛けた。
その表情は苛立ちを隠そうとしていない。
「どけ」
「なら陛下がその手を先に離してください。そうしていただければ離します」
「………」
「………」
睨み合う二人。
挟まれる私。
(ああもう最悪…)
最近胃が痛いことばっかりで嫌になる。
そもそも何故陛下は謹慎されている私に会いに来たのか?
…いないとわかったら合いかぎまで使って入りにきたこともしっかり問い詰めたいけど。
「何故シセリアが陛下から逃げたのか、その理由をご理解いただけませんか?」
「理解していると言っただろう」
「いいえ理解していません。あなたの行動が、シセリアにどれだけ悪影響を及ぼしているか、考えていない」
「何も問題はない」
「大ありです!」
何を言っても聞かない陛下に、一歩も引かない副隊長。
(もう面倒だわ…)
今ここに至るまで城内中を逃走しまくった。
しかも全力で追いかけてくる陛下から逃げるために全力疾走だ。
疲れは既にピークにきていた。
その疲れが、私から冷静な判断力を奪っていく。
「もう結構です」
そう言い捨てて、陛下を見据える。
不敬だなんだ言われようと、もう我慢ならない。
肩を掴んでいる手を、その一本の指に思いっきり爪を立てた。
「いっ!」
痛みにひるんだ一瞬に、手を振りほどく。
そして、真正面から陛下を見据え、言い放った。
「騎士やめます」
「はっ?」
「えっ?」
私の発言に全員がきょとんとする。
結局、彼は殿下の頃から全然成長していない。
自身の状況と、相手の状況を考えずにみっともない行為を平然と行い、挙句それによって今の地位を脅かされているという事実すら目に入っていない。
なんと愚かなことか。
街に自ら繰り出し、民の生活を観察するなど熱心なところはあってもその一方でひどく我儘なのは変わらない。
何を思ってか知らないが、私を強引に親衛隊に入隊させたのだって火種になりうる。
ここまで短慮だとは思わなかった。
成長したと思ったあの時の私を全力で張り倒したい。
「脱隊手続きに入らせていただきます」
くるりと振り返り、その足を宿舎の部屋に向ける。
「ま、待て!」
後ろから陛下の迫る気配がする。
私は陛下へと顔を向け、その手が私へと伸びているのを確認した。
瞬間、私はその手を『本気』で叩き落とした。
「触らないでください!」
叩き落された手を呆然と見つめる陛下。
その情けない姿に、怒りすら湧いてくる。
こんな人の我儘に振り回された自分が情けなく思えてきた。
宿舎へと再び歩を進める。
もう誰も引き留めようともついてくることも無かった。
「短かったものね…」
荷造りをしている最中、ふと呟く。
騎士となってわずか半年。
こんなことになるとは思わなかった。
普通に騎士になって、そして……
「そし、て……?」
言葉にしてふと気づいた。
その先を……何も考えていなかったことに。
漠然と、ただ『グリエ』のときと同じように騎士になることしか考えていなかった。
『グリエ』の時とは違うのに。
彼は男で、でも私は女で。
同じ道は歩めない。
そのことすら分かっていなかった。
そんなことも分かっていなかった。
自分が笑えてくる。
「ふ、ふふ……なによ………」
陛下を短慮扱いしておきながら、私自身も短慮だった。
人の事なんて言えない。
そして、今もまた。
「…これからどうしよう…」
反対を押し切ってまで騎士になりながらどの面下げて『騎士辞めました』、なんて言えば良いんだろう。
つくづく自分の考えのなさに呆れてくる。
せっかくの特注の騎士服を脱ぎ、外出用のシャツとズボンに着替える。
令嬢らしい服なんて何一つ持ってきていない。
来るときですらこれだった。
騎士服は洗濯係に出して、隊長に渡す脱隊届もしたためた。
こういうときは副隊長時代の記憶が役に立つ。
本来であれば王族警護の親衛隊はその機密保持のため、そう簡単に辞められない。
けど、今の私の状態なら、むしろ辞めさせようとしたいくらいのはず。
簡単に受理してもらえるだろう。
…陛下がどう出るかが分からないけど、その辺は宰相と隊長でうまくやってくれる…はず。
着替えをまとめたカバンと、脱隊届の書類を手に、部屋を振り返る。
「…ありがとう」
『グリエ』の時には言いそびれた言葉。
わずか数日とはいえお世話になった部屋にお礼を言い、部屋を後にした。
道すがら、考え事に耽る。
そもそも陛下は何を思って私を親衛隊に任命したのか。
実績?まだ積んでない。
実力?あの護衛とのやりとりだけで?
それとも……あの噂の通り…?
(ないわね…)
最後に考えたことはあり得ないと否定しておく。
最初の邂逅で興味を引いてしまったのは確かだけれど、だからといってそれだけで親衛隊入りまでさせるとは思えない。
そうなると、理由は全く分からない。
でも…もうそんなことを考える必要はない。
もう…終わるのだから。
「…確かに受け取りました」
隊長が不在だったので副隊長に脱隊届を手渡した。
「ご迷惑をおかけしました」
副隊長には(陛下がらみで)何かと迷惑をかけてしまった。
謝罪せずにはいられなかった。
「いいんです。悪いのは……」
そこで副隊長は口ごもった。
いくら副隊長でも大っぴらに陛下を非難することはできない。
(『あほルド』なんて言ったら物理的に首が飛びかねないわ)
「それで、これからどうされるつもりですか?」
やはり気になるのか、訊ねてきた。
「一度、家に帰ります」
ちゃんと家に報告しなければならない。
陛下と関係を持った…といううわさは実家にも届いただろう。
さぞ面倒なことになっているかもしれないけど、そこをちゃんとさせておかないと家にも迷惑がかかってしまう。
若干憂鬱だけど、こればっかりはしょうがない。
別れの挨拶を済ませ、王宮を出ていく。
王宮のある首都から実家までは馬車で数日かかる。
その運賃と、途中の宿泊費は今手持ちにあるお金だとかなり微妙。
はっきり言って貧乏。
(困ったわね)
腰に下げた剣の出費が今更になって痛い。
何気に高給取りである親衛隊としての給金を一回でも受け取ってからなら違ったのに、もう今更遅い。
お金が無くて帰れない…そんな理由を言い訳にした盾が、徐々に私の中で大きくなっていく。
家族に報告しなければならない。
その重荷が今更ながらに重くのしかかる。
その現実から目を逸らしたくて、私は何か稼ぐ方法はないかと探し始める。
(『久しぶりに』売り子でもしようかしら)
もはや『数十年前』の記憶頼りだけれど、全くない訳じゃない。
仮にも侯爵令嬢が下町でアルバイト……母が卒倒しそうだけど、もう気にしない。
私は早速、アルバイト募集の張り紙を掲げた店に飛び込んだ。
「いらっしゃいませー」
一人お客が扉をくぐったのを見かけて挨拶をする。
入ったお店は昼は食堂、夜は酒場という典型的なお店だった。
しかし料理人の腕が良く、価格もリーズナブルなので大人気のお店だった。
そんなわけで人手不足に悩むこのお店にアルバイトを申し込んだら即決された。
昼の食堂バージョンでは、とにかくお客の出入りが激しい。
さっさと入ってさっさと食べてさっさと出ていく。
注文の確認、料理の提供、清算、テーブルの片づけ、それらをスピーディーのこなさなくてはならない。
しかも店内は人が混雑しているため、いかに隙間をすり抜けられるかが肝心だ。
そんな中では、この小柄な体は役に立つ。
「お待たせしましたー」
出来上がった料理をテーブルに置く。
その瞬間、背後のお客の手が伸びてきたのを感じ取る。
伸びた先がどこかを考えると、明らかに用があって伸びた手ではない。
「いてぇ!」
「おさわり厳禁でございます」
口元にっこり、目は一切笑わず。
そんな顔で告げればお客は青ざめて食事に戻っていく。
これが夜になるとさらにひどくなるのだけれど、店主からは『正当防衛』の許可をもらってるので、いかなるおさわりも許さない。
というか気持ち悪いから絶対やだ。
そうやって昼と夜を忙しく働きながら、これからのことをぼんやりと考えていた。
普通の令嬢なら、私くらいの年になればもう結婚を考えるころだ。
婚約者がいても不思議じゃないし、結婚してることもある。
他家に嫁いで跡継ぎを生み、家を守る。
それが普通の令嬢の役目。
おそらく、実家に戻ればそんな未来が待っているだろう。
…そんな未来は嫌だ。
他にやりたいことがあるわけじゃない。
ただ、そんな『普通』が嫌なだけ。
ひどく我儘で、そんなところまで陛下と同じ、なんてひどく自己嫌悪に襲われたときもあった。
実家には『帰る路銀が無いので働いてお金が溜まったら帰ります』と手紙を送った。
その二日後にお迎えの馬車が来た。
自分の足で帰ると、丁重に断った。
…ただの時間稼ぎなのは分かってる。
でも、家に帰ったらもう我儘が通用しない・言えない自分がいる気がした。
目の前にいないからこそできる我儘。
目の前にしたら……もう言える自信がない。
がっちり掴んできた手には、絶対に離さないという強い意思を感じる。
気付かなかった。
いや、副隊長を陛下が制止した時点で親衛隊の人垣を越えていたことに気付くべきだった。
しかしもう後の祭り。
…居留守まで使って無視し、挙句城内中逃走した後だけに、もう何も言えない。
あれだけ元気に逃走しただけに仮病も使えないし。
「陛下!」
副隊長も捕まった私に気付き、陛下の腕に手を掛けた。
その表情は苛立ちを隠そうとしていない。
「どけ」
「なら陛下がその手を先に離してください。そうしていただければ離します」
「………」
「………」
睨み合う二人。
挟まれる私。
(ああもう最悪…)
最近胃が痛いことばっかりで嫌になる。
そもそも何故陛下は謹慎されている私に会いに来たのか?
…いないとわかったら合いかぎまで使って入りにきたこともしっかり問い詰めたいけど。
「何故シセリアが陛下から逃げたのか、その理由をご理解いただけませんか?」
「理解していると言っただろう」
「いいえ理解していません。あなたの行動が、シセリアにどれだけ悪影響を及ぼしているか、考えていない」
「何も問題はない」
「大ありです!」
何を言っても聞かない陛下に、一歩も引かない副隊長。
(もう面倒だわ…)
今ここに至るまで城内中を逃走しまくった。
しかも全力で追いかけてくる陛下から逃げるために全力疾走だ。
疲れは既にピークにきていた。
その疲れが、私から冷静な判断力を奪っていく。
「もう結構です」
そう言い捨てて、陛下を見据える。
不敬だなんだ言われようと、もう我慢ならない。
肩を掴んでいる手を、その一本の指に思いっきり爪を立てた。
「いっ!」
痛みにひるんだ一瞬に、手を振りほどく。
そして、真正面から陛下を見据え、言い放った。
「騎士やめます」
「はっ?」
「えっ?」
私の発言に全員がきょとんとする。
結局、彼は殿下の頃から全然成長していない。
自身の状況と、相手の状況を考えずにみっともない行為を平然と行い、挙句それによって今の地位を脅かされているという事実すら目に入っていない。
なんと愚かなことか。
街に自ら繰り出し、民の生活を観察するなど熱心なところはあってもその一方でひどく我儘なのは変わらない。
何を思ってか知らないが、私を強引に親衛隊に入隊させたのだって火種になりうる。
ここまで短慮だとは思わなかった。
成長したと思ったあの時の私を全力で張り倒したい。
「脱隊手続きに入らせていただきます」
くるりと振り返り、その足を宿舎の部屋に向ける。
「ま、待て!」
後ろから陛下の迫る気配がする。
私は陛下へと顔を向け、その手が私へと伸びているのを確認した。
瞬間、私はその手を『本気』で叩き落とした。
「触らないでください!」
叩き落された手を呆然と見つめる陛下。
その情けない姿に、怒りすら湧いてくる。
こんな人の我儘に振り回された自分が情けなく思えてきた。
宿舎へと再び歩を進める。
もう誰も引き留めようともついてくることも無かった。
「短かったものね…」
荷造りをしている最中、ふと呟く。
騎士となってわずか半年。
こんなことになるとは思わなかった。
普通に騎士になって、そして……
「そし、て……?」
言葉にしてふと気づいた。
その先を……何も考えていなかったことに。
漠然と、ただ『グリエ』のときと同じように騎士になることしか考えていなかった。
『グリエ』の時とは違うのに。
彼は男で、でも私は女で。
同じ道は歩めない。
そのことすら分かっていなかった。
そんなことも分かっていなかった。
自分が笑えてくる。
「ふ、ふふ……なによ………」
陛下を短慮扱いしておきながら、私自身も短慮だった。
人の事なんて言えない。
そして、今もまた。
「…これからどうしよう…」
反対を押し切ってまで騎士になりながらどの面下げて『騎士辞めました』、なんて言えば良いんだろう。
つくづく自分の考えのなさに呆れてくる。
せっかくの特注の騎士服を脱ぎ、外出用のシャツとズボンに着替える。
令嬢らしい服なんて何一つ持ってきていない。
来るときですらこれだった。
騎士服は洗濯係に出して、隊長に渡す脱隊届もしたためた。
こういうときは副隊長時代の記憶が役に立つ。
本来であれば王族警護の親衛隊はその機密保持のため、そう簡単に辞められない。
けど、今の私の状態なら、むしろ辞めさせようとしたいくらいのはず。
簡単に受理してもらえるだろう。
…陛下がどう出るかが分からないけど、その辺は宰相と隊長でうまくやってくれる…はず。
着替えをまとめたカバンと、脱隊届の書類を手に、部屋を振り返る。
「…ありがとう」
『グリエ』の時には言いそびれた言葉。
わずか数日とはいえお世話になった部屋にお礼を言い、部屋を後にした。
道すがら、考え事に耽る。
そもそも陛下は何を思って私を親衛隊に任命したのか。
実績?まだ積んでない。
実力?あの護衛とのやりとりだけで?
それとも……あの噂の通り…?
(ないわね…)
最後に考えたことはあり得ないと否定しておく。
最初の邂逅で興味を引いてしまったのは確かだけれど、だからといってそれだけで親衛隊入りまでさせるとは思えない。
そうなると、理由は全く分からない。
でも…もうそんなことを考える必要はない。
もう…終わるのだから。
「…確かに受け取りました」
隊長が不在だったので副隊長に脱隊届を手渡した。
「ご迷惑をおかけしました」
副隊長には(陛下がらみで)何かと迷惑をかけてしまった。
謝罪せずにはいられなかった。
「いいんです。悪いのは……」
そこで副隊長は口ごもった。
いくら副隊長でも大っぴらに陛下を非難することはできない。
(『あほルド』なんて言ったら物理的に首が飛びかねないわ)
「それで、これからどうされるつもりですか?」
やはり気になるのか、訊ねてきた。
「一度、家に帰ります」
ちゃんと家に報告しなければならない。
陛下と関係を持った…といううわさは実家にも届いただろう。
さぞ面倒なことになっているかもしれないけど、そこをちゃんとさせておかないと家にも迷惑がかかってしまう。
若干憂鬱だけど、こればっかりはしょうがない。
別れの挨拶を済ませ、王宮を出ていく。
王宮のある首都から実家までは馬車で数日かかる。
その運賃と、途中の宿泊費は今手持ちにあるお金だとかなり微妙。
はっきり言って貧乏。
(困ったわね)
腰に下げた剣の出費が今更になって痛い。
何気に高給取りである親衛隊としての給金を一回でも受け取ってからなら違ったのに、もう今更遅い。
お金が無くて帰れない…そんな理由を言い訳にした盾が、徐々に私の中で大きくなっていく。
家族に報告しなければならない。
その重荷が今更ながらに重くのしかかる。
その現実から目を逸らしたくて、私は何か稼ぐ方法はないかと探し始める。
(『久しぶりに』売り子でもしようかしら)
もはや『数十年前』の記憶頼りだけれど、全くない訳じゃない。
仮にも侯爵令嬢が下町でアルバイト……母が卒倒しそうだけど、もう気にしない。
私は早速、アルバイト募集の張り紙を掲げた店に飛び込んだ。
「いらっしゃいませー」
一人お客が扉をくぐったのを見かけて挨拶をする。
入ったお店は昼は食堂、夜は酒場という典型的なお店だった。
しかし料理人の腕が良く、価格もリーズナブルなので大人気のお店だった。
そんなわけで人手不足に悩むこのお店にアルバイトを申し込んだら即決された。
昼の食堂バージョンでは、とにかくお客の出入りが激しい。
さっさと入ってさっさと食べてさっさと出ていく。
注文の確認、料理の提供、清算、テーブルの片づけ、それらをスピーディーのこなさなくてはならない。
しかも店内は人が混雑しているため、いかに隙間をすり抜けられるかが肝心だ。
そんな中では、この小柄な体は役に立つ。
「お待たせしましたー」
出来上がった料理をテーブルに置く。
その瞬間、背後のお客の手が伸びてきたのを感じ取る。
伸びた先がどこかを考えると、明らかに用があって伸びた手ではない。
「いてぇ!」
「おさわり厳禁でございます」
口元にっこり、目は一切笑わず。
そんな顔で告げればお客は青ざめて食事に戻っていく。
これが夜になるとさらにひどくなるのだけれど、店主からは『正当防衛』の許可をもらってるので、いかなるおさわりも許さない。
というか気持ち悪いから絶対やだ。
そうやって昼と夜を忙しく働きながら、これからのことをぼんやりと考えていた。
普通の令嬢なら、私くらいの年になればもう結婚を考えるころだ。
婚約者がいても不思議じゃないし、結婚してることもある。
他家に嫁いで跡継ぎを生み、家を守る。
それが普通の令嬢の役目。
おそらく、実家に戻ればそんな未来が待っているだろう。
…そんな未来は嫌だ。
他にやりたいことがあるわけじゃない。
ただ、そんな『普通』が嫌なだけ。
ひどく我儘で、そんなところまで陛下と同じ、なんてひどく自己嫌悪に襲われたときもあった。
実家には『帰る路銀が無いので働いてお金が溜まったら帰ります』と手紙を送った。
その二日後にお迎えの馬車が来た。
自分の足で帰ると、丁重に断った。
…ただの時間稼ぎなのは分かってる。
でも、家に帰ったらもう我儘が通用しない・言えない自分がいる気がした。
目の前にいないからこそできる我儘。
目の前にしたら……もう言える自信がない。
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