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序幕~必ず殺してくる男②~
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「…………うっ」
ふと、ウルスラは目を覚ました。
開けた視界の先にはなじみのベッドの天蓋があった。生まれた頃からずっと目が覚めるたびに見続けてきた光景。
それを見るということは、まだ自分が生きている証拠であり、そのことにウルスラは絶望した。
(ああ……まだ生きている。いやだ…いやだ…。…どうして私は死んでないの………?)
あんな苦しみが続くくらいなら死んでしまいたいのに。
そして何より、もうモートンを見たくなかった。彼の顔も声も、何もかも受け付けたくない。
すでに彼には別の愛する女性がいる。それに、ウルスラが生きていては邪魔だと言っていたから、生きていることに気付いたら今度こそ殺しにくるかもしれない。
いっそ殺された方がマシかとも思ってしまうけれど、また死の恐怖を味わうのもイヤだ。
(いっそ自殺でもしたほうが……あら?)
そう思ったところで、ふと自分の身体にあの苦しさが無いことに気付いた。
全身の傷みは無く、視界も1年ぶりに広く見える。さらに体は軽く、思い切って体を起こそうと勢いを付けたら、いともたやすく体は起き上がった。
まるで病気が…いや、毒が完全に無くなったかのような感覚に、ウルスラは困惑するしかない。
(どういうこと?全然体が苦しくない。呼吸も楽だし、首も簡単に回るわ。あれ?あのぬいぐるみは……)
体の動きを確認していると、ソファーの上に置かれたぬいぐるみが目に入った。そのぬいぐるみは、ウルスラが14歳の時に突然両親と執事長が亡くなってしまい、その悲しみと憤りの矛先となって破いてしまい、捨てたはずのものだ。
八つ当たりしてしまったぬいぐるみの惨状に、ウルスラはまた悲しんだことを覚えている。
しかし、今はそれが何の破れも無く、綺麗なままでたたずんでいる。あれはたしか8歳の誕生日に父から贈られたものだ。
(どうしてぬいぐるみが……いえ、ぬいぐるみだけじゃないわ!部屋が、まるで昔のように…)
ぬいぐるみ以外にも部屋の状況に気付いて、ウルスラは驚いた。
ウルスラはモートンと結婚するにあたり、部屋の模様替えをしている。
それまでは少女らしく可愛い部屋だった。白とピンクを基調とした花柄の壁紙やカーペット、動物のぬいぐるみを棚やソファーの上に置いたり、かわいらしい小物を机の上に置いたりして、好きな部屋作りに没頭していた。
しかし、結婚を機に少女趣味の部屋作りをやめた。いつまでも少女のままではいられないし、モートンの隣に立つにふさわしい女性になろうと思ったのだ。
壁紙はピンクをやめて白一色にし、ぬいぐるみや小物は全て捨て、最低限必要な筆記用具や小物は余計な装飾のないシンプルなデザインのものにした。
せっかく集めたぬいぐるみや小物を捨てることは悲しかったけれど、これもモートンのお嫁さんになるために必要なことだと割り切ったのに。
どうしてか昔に戻った部屋に今自分はいる。
一体自分に何が起きたのか。混乱したままウルスラはひとまずベッドから下りてみて、やっと気づいた。自分の体が小さくなっていることに。
(ど、どういうこと?明らかに視点が低いわ。…そうだ、鏡を!)
すぐさま部屋に備え付けられた全身鏡の前に立った。
そこには、毒に侵され、髪も肌も目も、何もかもやつれて艶を失い枯れ切った姿はない。むしろ逆で、何もかも艶々でふっくら。肩口で切りそろえられた水色の髪は緩やかに揺れ、目はぱっちりしてエメラルドの輝きを放っている。
そして、何より身長が低い。そう、まるで子供になったかのように。
「な、何が起き……そ、そうだ。日記を!」
ウルスラには日記をつける趣味があった。その日記を見れば、今いつなのかが分かるはず。
急いで机に向かい、引き出しにしまった羊皮紙製の分厚い日記帳を開くと、最後に書かれた日付を見て愕然とした。
(この日付……これはつまり、今が8年前ということ、なの?)
日記の日付が示す事実は、今のウルスラは9歳という事。
それが分かると、色々と合点はいった。部屋の様子も、自身の状態も、9歳の頃ならこんな感じだったから。
でも、当然それで終わりというわけではない。どうして自分は9年前に戻っているのか、それがさっぱりだった。
(まさか、私が死にかけていたのは夢の中のお話だった?確かに夢だと思いたかった。けど、お父様たちが死んだ悲しみや、毒の苦しみ、モートンが言ったことへの絶望感は、夢なんかとは思えない…それとも、今が夢なのかしら?)
モートンの狂気に歪んだ笑み。あれを思い出すだけで体の震えが止まらない。ただの夢で済ませるには、ウルスラの心は到底納得しそうにない。あの恐怖は紛れもなく本物だったと。
震える体を自分の手で抱き締めながら、必死に今の状況を理解しようと努めた。けど、どう考えても結論は一つで、自分は9年前に戻ってきたということだけ。どうしてそうなったのかはまるで分からない。
「…とにかく、もっと調べないと。今は……これから夜明けかしら?」
カーテンを見ると、うっすら明るくなり始めている。カーテンを開けると、屋敷の壁ごしに日の出が昇ろうとしていた。
「朝日を見るなんて…いつぶりかしら……」
16歳になってモートンと結婚してからすぐに、ウルスラは病気になって起き上がれなくなった。実際には毒を飲まされていたわけだが、それからはずっと朝日を見ることができなかった。
久しぶりの朝日とは、こんなにも美しいものだったのか。ウルスラの目からは、静かに涙が流れた。
それからしばらくして、ウルスラを起こしに侍女が部屋を訪れた。
すでに起きていたウルスラに侍女は驚き、ウルスラもまた数年ぶりの侍女との再会にまた涙を流した。
両親が死に、執事長が亡くなったことで、屋敷の使用人は一新されてしまった。新しい執事長には亡くなった執事長の息子がついたが、古参の使用人のほとんどは解雇されてしまい、新しい使用人ばかりになってしまった。
ウルスラの侍女も新人ばかりにされ、手は遅いし失敗はする。にもかかわらず謝りもしない。使用人という立場でありながら、完全にウルスラを舐めていた。使用人にそんな扱いをされる自分のことが情けなくて、陰でひっそり泣くこともあった。
それをモートンに言ったこともあったが、「いずれ女主人となるのだから、使用人の躾くらいできるようになったほうがいいんじゃないか」とやんわり窘められる。
なんとか躾けようとすれば、今度は理不尽だなんだと反抗された。新しい執事長からは苦言を呈され、結局ウルスラはずっと使用人に舐められっぱなしだった。
情けなくて、悔しくて、でもどうにもできない。惨めだったけど、モートンと結婚さえすれば変えられると信じていた。
実態はさらに悪化しただけで、ベッドで寝込んだウルスラは最低限の世話だけ。それすらも、部屋の外からやりたくない、イヤだという声が聞こえてくる。
見舞いに来てくれるモートンだけが、唯一の心の支えだった。それすらも、実はウルスラの毒の進行具合を見ていただけだったのかもしれないと思うと、どうしようもない。
そんな辛い記憶がよみがえり、涙したウルスラを侍女は優しく抱きしめてくれた。「悪夢でも見たんですか?大丈夫です、もう悪夢は終わりましたよ」そう優しく声までかけてくれる。
あの優しい侍女が戻ってきてくれた、そのことが途方もなく嬉しい。
人に抱きしめてもらう温かさ、柔らかさ。それは今が現実であることを教えてくれた。
侍女に抱きしめてもらいながら、ウルスラはあの辛いことも、そして今も現実であると受け止めるようにした。そして、今度こそあの失敗を繰り返さないようにしようと固く誓うのだった。
ふと、ウルスラは目を覚ました。
開けた視界の先にはなじみのベッドの天蓋があった。生まれた頃からずっと目が覚めるたびに見続けてきた光景。
それを見るということは、まだ自分が生きている証拠であり、そのことにウルスラは絶望した。
(ああ……まだ生きている。いやだ…いやだ…。…どうして私は死んでないの………?)
あんな苦しみが続くくらいなら死んでしまいたいのに。
そして何より、もうモートンを見たくなかった。彼の顔も声も、何もかも受け付けたくない。
すでに彼には別の愛する女性がいる。それに、ウルスラが生きていては邪魔だと言っていたから、生きていることに気付いたら今度こそ殺しにくるかもしれない。
いっそ殺された方がマシかとも思ってしまうけれど、また死の恐怖を味わうのもイヤだ。
(いっそ自殺でもしたほうが……あら?)
そう思ったところで、ふと自分の身体にあの苦しさが無いことに気付いた。
全身の傷みは無く、視界も1年ぶりに広く見える。さらに体は軽く、思い切って体を起こそうと勢いを付けたら、いともたやすく体は起き上がった。
まるで病気が…いや、毒が完全に無くなったかのような感覚に、ウルスラは困惑するしかない。
(どういうこと?全然体が苦しくない。呼吸も楽だし、首も簡単に回るわ。あれ?あのぬいぐるみは……)
体の動きを確認していると、ソファーの上に置かれたぬいぐるみが目に入った。そのぬいぐるみは、ウルスラが14歳の時に突然両親と執事長が亡くなってしまい、その悲しみと憤りの矛先となって破いてしまい、捨てたはずのものだ。
八つ当たりしてしまったぬいぐるみの惨状に、ウルスラはまた悲しんだことを覚えている。
しかし、今はそれが何の破れも無く、綺麗なままでたたずんでいる。あれはたしか8歳の誕生日に父から贈られたものだ。
(どうしてぬいぐるみが……いえ、ぬいぐるみだけじゃないわ!部屋が、まるで昔のように…)
ぬいぐるみ以外にも部屋の状況に気付いて、ウルスラは驚いた。
ウルスラはモートンと結婚するにあたり、部屋の模様替えをしている。
それまでは少女らしく可愛い部屋だった。白とピンクを基調とした花柄の壁紙やカーペット、動物のぬいぐるみを棚やソファーの上に置いたり、かわいらしい小物を机の上に置いたりして、好きな部屋作りに没頭していた。
しかし、結婚を機に少女趣味の部屋作りをやめた。いつまでも少女のままではいられないし、モートンの隣に立つにふさわしい女性になろうと思ったのだ。
壁紙はピンクをやめて白一色にし、ぬいぐるみや小物は全て捨て、最低限必要な筆記用具や小物は余計な装飾のないシンプルなデザインのものにした。
せっかく集めたぬいぐるみや小物を捨てることは悲しかったけれど、これもモートンのお嫁さんになるために必要なことだと割り切ったのに。
どうしてか昔に戻った部屋に今自分はいる。
一体自分に何が起きたのか。混乱したままウルスラはひとまずベッドから下りてみて、やっと気づいた。自分の体が小さくなっていることに。
(ど、どういうこと?明らかに視点が低いわ。…そうだ、鏡を!)
すぐさま部屋に備え付けられた全身鏡の前に立った。
そこには、毒に侵され、髪も肌も目も、何もかもやつれて艶を失い枯れ切った姿はない。むしろ逆で、何もかも艶々でふっくら。肩口で切りそろえられた水色の髪は緩やかに揺れ、目はぱっちりしてエメラルドの輝きを放っている。
そして、何より身長が低い。そう、まるで子供になったかのように。
「な、何が起き……そ、そうだ。日記を!」
ウルスラには日記をつける趣味があった。その日記を見れば、今いつなのかが分かるはず。
急いで机に向かい、引き出しにしまった羊皮紙製の分厚い日記帳を開くと、最後に書かれた日付を見て愕然とした。
(この日付……これはつまり、今が8年前ということ、なの?)
日記の日付が示す事実は、今のウルスラは9歳という事。
それが分かると、色々と合点はいった。部屋の様子も、自身の状態も、9歳の頃ならこんな感じだったから。
でも、当然それで終わりというわけではない。どうして自分は9年前に戻っているのか、それがさっぱりだった。
(まさか、私が死にかけていたのは夢の中のお話だった?確かに夢だと思いたかった。けど、お父様たちが死んだ悲しみや、毒の苦しみ、モートンが言ったことへの絶望感は、夢なんかとは思えない…それとも、今が夢なのかしら?)
モートンの狂気に歪んだ笑み。あれを思い出すだけで体の震えが止まらない。ただの夢で済ませるには、ウルスラの心は到底納得しそうにない。あの恐怖は紛れもなく本物だったと。
震える体を自分の手で抱き締めながら、必死に今の状況を理解しようと努めた。けど、どう考えても結論は一つで、自分は9年前に戻ってきたということだけ。どうしてそうなったのかはまるで分からない。
「…とにかく、もっと調べないと。今は……これから夜明けかしら?」
カーテンを見ると、うっすら明るくなり始めている。カーテンを開けると、屋敷の壁ごしに日の出が昇ろうとしていた。
「朝日を見るなんて…いつぶりかしら……」
16歳になってモートンと結婚してからすぐに、ウルスラは病気になって起き上がれなくなった。実際には毒を飲まされていたわけだが、それからはずっと朝日を見ることができなかった。
久しぶりの朝日とは、こんなにも美しいものだったのか。ウルスラの目からは、静かに涙が流れた。
それからしばらくして、ウルスラを起こしに侍女が部屋を訪れた。
すでに起きていたウルスラに侍女は驚き、ウルスラもまた数年ぶりの侍女との再会にまた涙を流した。
両親が死に、執事長が亡くなったことで、屋敷の使用人は一新されてしまった。新しい執事長には亡くなった執事長の息子がついたが、古参の使用人のほとんどは解雇されてしまい、新しい使用人ばかりになってしまった。
ウルスラの侍女も新人ばかりにされ、手は遅いし失敗はする。にもかかわらず謝りもしない。使用人という立場でありながら、完全にウルスラを舐めていた。使用人にそんな扱いをされる自分のことが情けなくて、陰でひっそり泣くこともあった。
それをモートンに言ったこともあったが、「いずれ女主人となるのだから、使用人の躾くらいできるようになったほうがいいんじゃないか」とやんわり窘められる。
なんとか躾けようとすれば、今度は理不尽だなんだと反抗された。新しい執事長からは苦言を呈され、結局ウルスラはずっと使用人に舐められっぱなしだった。
情けなくて、悔しくて、でもどうにもできない。惨めだったけど、モートンと結婚さえすれば変えられると信じていた。
実態はさらに悪化しただけで、ベッドで寝込んだウルスラは最低限の世話だけ。それすらも、部屋の外からやりたくない、イヤだという声が聞こえてくる。
見舞いに来てくれるモートンだけが、唯一の心の支えだった。それすらも、実はウルスラの毒の進行具合を見ていただけだったのかもしれないと思うと、どうしようもない。
そんな辛い記憶がよみがえり、涙したウルスラを侍女は優しく抱きしめてくれた。「悪夢でも見たんですか?大丈夫です、もう悪夢は終わりましたよ」そう優しく声までかけてくれる。
あの優しい侍女が戻ってきてくれた、そのことが途方もなく嬉しい。
人に抱きしめてもらう温かさ、柔らかさ。それは今が現実であることを教えてくれた。
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