異国の国に落ちた子

天音 翔

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一人の子

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 生きるのに理由など必要なのだろうか?
親も妹も僕を必要とはしてくれない、、、、僕は何かしてしまったのだろうか?

ただ、生きていただけだった。一応、僕の夢はあった。動物達を治す獣医さんになることだった。怪我をした子達を見るのが辛かった。少しでも元気にしてあげたい。僕にでも救える命があるかもしれない。そう考えたらやる気が出た。

少しでも早く動物のことが学びたくて少し遠くの専門高校に行った。受験は前期と後期があった。その学校は倍率が高くて前期は予想通り落ちてしまった。
受ける前わかっていた結果だった。でも、その結果を見てお母さんが落胆してるのをみた。やっぱり僕は出来損ないなんだと、改めて実感させられた瞬間だった。
どうせ受からないんだから後期は変えた方がいいんじゃない?とお母さんは勧めてきた。でも、僕は諦めなかった。後期は落ちないように苦手な勉強も面接も頑張った。

その結果受かることが出来た。それは今思えば奇跡だったのだと思う。もちろんお母さんもお父さんも喜んでくれた。おばあちゃんもおじいちゃんも。僕は嬉しかった。いつもは興味なさそうにしたり、無視したり、影で文句を言ってた家族が褒めてくれたんだ。それだけで、少しは僕の心は晴れた気がした。

入学してからは、すごく苦痛だった。最初は良かった。すごく楽しかった。仲良くしてくれた子もいた。でも、それもほんのわずかだった。僕は、特に病気とかでもないのに、授業中良く眠くなってしまう。ちゃんと寝た日にも、寝てしまう。だから、友達にノートを見せてもらうことが多かった。多分、それが迷惑だったのだろう。仲良くしてくれた子が離れていった。そして、クラスからも省かれるようになった。用事があって話しかけるとすごく嫌そうな顔をしていた。「ごめんなさい、、ごめんなさい、、」そう心の中で言いながら目を合わせないように素早く伝言だけを伝えた。
みんなグループでお弁当を食べるなか、僕は1人でたべた。一人で食べるお弁当は味がしなかった。
お昼の時間はみんな一緒にわちゃわちゃしながら食べていた。僕は一人。教室にいるのがとても気まずかった。だから僕は、逃げた。人がいない図書室かトイレにいる時が1番心が休まった。教室にいるだけで心は握りつぶされそうなほど辛かった。人の視線が怖くて怖くて仕方なかった。
学期が変われば少しは変わるかと思った。でも、変わらなかった、、、、、、死にたい。そう思ってしまった僕の心はもう、壊れていたんだと思う。僕は耐えられなくなってついにリスカをするようになってしまった。腕や手に傷が増えていった。人に何を思われようと別にそんなのどうでも良くなっていた。学校でもリスカをやめられなくて隠れてしたりもした。腕から血が滲み出て来る瞬間はあぁ、僕は生きているんだって実感させられた。痛いかと言われたら痛かった。でも、それよりも僕の心の方が今にも悲鳴をあげていたんだ。もう、無理だよ。疲れたって。





これは僕の心が弱いから起きたこと。誰も悪くない。
そうでしょ?そうだと誰か言って、、、、、、、







お母さんは、毎日文句を言いながらもお弁当を作ってくれた。僕の出来が悪くて、叩くことも言葉で精神的に傷つけてくることもあった。やれと言われたことをしなかった僕が悪かった。お母さんが怒るのは仕方ないんだ。。それでも、誕生日は祝ってくれたし、欲しいものは時々ではあったが買ってくれた。
成績が下がれば、進学はさせない。就職をしろと言われた。ごめんない、、ごめんなさい、、たくさん謝った。結局許して貰えなかった。勉強を頑張るしか僕に残された未来はなかった。
お母さんは僕なんかよりずーーっと頭のいい妹が大好きだ。妹のためなら何でもしてた。妹もいい大学に行かせるんだ!って意気込んでた。だから僕にかけるお金はないって影で言ってたの知ってるよ?僕なんかが1番目に生まれてごめんなさい。お母さんの思い通りに行かなくてごめんなさい、、、、。もうすぐ死ぬから許してください、、。だから、僕一人のお金が浮く分、妹をいい大学に行かせてあげてね。死ぬことそれが、たった1人の妹にできる僕の最初で最後のお仕事だから。


妹は勉強ができない僕の事を物凄くバカにしてきた。1個下の妹は僕と年子だった。僕と違って生徒会の副委員長や陸上部の部長もしていた。頭も良くて10番以内には必ず入ってた。もちろん高校受験も前期で受かってた。僕よりも頭のいい進学校に。だからバカにされても比べられても仕方ないって全部割り切ってた。運動もできない勉強もできない、そんなのお兄ちゃんじゃないって言わた。すごく辛かった。あぁ、生まれて来なければよかったって何回思ったことか。でも、それでも、妹は僕があげたプレゼントを大切に使ってくれている。それだけの事でも、僕の心は救われたんだ。黙っていれば可愛かった。口には出さなかったが頭のいい妹は僕の自慢の妹だったよ。ありがとう。これからも勉強頑張ってね。

お父さんは、お母さんや妹の味方だ。僕が悪いとすぐ叱る。お酒が入るともっと酷かった。
おじいちゃんやおばあちゃんは、高校入るまでは優しくて好きだった。高校入ってからは母親の味方をし始めた。妹みたいに賢ければね~って笑って言ったの全部聞こえてたよ。仕方ないよね。僕が出来損ないなんだから。




生まれてきて本当にごめんなさい。なんの取り柄もない出来損ないでごめんなさい。
神様。僕が生まれてきた意味はなんですか?意味が無いのなら死なせてください。

それが今の僕のお願いです



神様がいるのなら僕の最初で最後のわがまま聞いてくれませんか?


願わくば僕だけを見てくれて、僕だけを愛してくれる人のもとへ連れて行ってくれませんか?もう二度と辛い思いをしたくないんです、、、、どうか、、、お願いします、、

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