1 / 3
一人の子
しおりを挟む生きるのに理由など必要なのだろうか?
親も妹も僕を必要とはしてくれない、、、、僕は何かしてしまったのだろうか?
ただ、生きていただけだった。一応、僕の夢はあった。動物達を治す獣医さんになることだった。怪我をした子達を見るのが辛かった。少しでも元気にしてあげたい。僕にでも救える命があるかもしれない。そう考えたらやる気が出た。
少しでも早く動物のことが学びたくて少し遠くの専門高校に行った。受験は前期と後期があった。その学校は倍率が高くて前期は予想通り落ちてしまった。
受ける前わかっていた結果だった。でも、その結果を見てお母さんが落胆してるのをみた。やっぱり僕は出来損ないなんだと、改めて実感させられた瞬間だった。
どうせ受からないんだから後期は変えた方がいいんじゃない?とお母さんは勧めてきた。でも、僕は諦めなかった。後期は落ちないように苦手な勉強も面接も頑張った。
その結果受かることが出来た。それは今思えば奇跡だったのだと思う。もちろんお母さんもお父さんも喜んでくれた。おばあちゃんもおじいちゃんも。僕は嬉しかった。いつもは興味なさそうにしたり、無視したり、影で文句を言ってた家族が褒めてくれたんだ。それだけで、少しは僕の心は晴れた気がした。
入学してからは、すごく苦痛だった。最初は良かった。すごく楽しかった。仲良くしてくれた子もいた。でも、それもほんのわずかだった。僕は、特に病気とかでもないのに、授業中良く眠くなってしまう。ちゃんと寝た日にも、寝てしまう。だから、友達にノートを見せてもらうことが多かった。多分、それが迷惑だったのだろう。仲良くしてくれた子が離れていった。そして、クラスからも省かれるようになった。用事があって話しかけるとすごく嫌そうな顔をしていた。「ごめんなさい、、ごめんなさい、、」そう心の中で言いながら目を合わせないように素早く伝言だけを伝えた。
みんなグループでお弁当を食べるなか、僕は1人でたべた。一人で食べるお弁当は味がしなかった。
お昼の時間はみんな一緒にわちゃわちゃしながら食べていた。僕は一人。教室にいるのがとても気まずかった。だから僕は、逃げた。人がいない図書室かトイレにいる時が1番心が休まった。教室にいるだけで心は握りつぶされそうなほど辛かった。人の視線が怖くて怖くて仕方なかった。
学期が変われば少しは変わるかと思った。でも、変わらなかった、、、、、、死にたい。そう思ってしまった僕の心はもう、壊れていたんだと思う。僕は耐えられなくなってついにリスカをするようになってしまった。腕や手に傷が増えていった。人に何を思われようと別にそんなのどうでも良くなっていた。学校でもリスカをやめられなくて隠れてしたりもした。腕から血が滲み出て来る瞬間はあぁ、僕は生きているんだって実感させられた。痛いかと言われたら痛かった。でも、それよりも僕の心の方が今にも悲鳴をあげていたんだ。もう、無理だよ。疲れたって。
これは僕の心が弱いから起きたこと。誰も悪くない。
そうでしょ?そうだと誰か言って、、、、、、、
お母さんは、毎日文句を言いながらもお弁当を作ってくれた。僕の出来が悪くて、叩くことも言葉で精神的に傷つけてくることもあった。やれと言われたことをしなかった僕が悪かった。お母さんが怒るのは仕方ないんだ。。それでも、誕生日は祝ってくれたし、欲しいものは時々ではあったが買ってくれた。
成績が下がれば、進学はさせない。就職をしろと言われた。ごめんない、、ごめんなさい、、たくさん謝った。結局許して貰えなかった。勉強を頑張るしか僕に残された未来はなかった。
お母さんは僕なんかよりずーーっと頭のいい妹が大好きだ。妹のためなら何でもしてた。妹もいい大学に行かせるんだ!って意気込んでた。だから僕にかけるお金はないって影で言ってたの知ってるよ?僕なんかが1番目に生まれてごめんなさい。お母さんの思い通りに行かなくてごめんなさい、、、、。もうすぐ死ぬから許してください、、。だから、僕一人のお金が浮く分、妹をいい大学に行かせてあげてね。死ぬことそれが、たった1人の妹にできる僕の最初で最後のお仕事だから。
妹は勉強ができない僕の事を物凄くバカにしてきた。1個下の妹は僕と年子だった。僕と違って生徒会の副委員長や陸上部の部長もしていた。頭も良くて10番以内には必ず入ってた。もちろん高校受験も前期で受かってた。僕よりも頭のいい進学校に。だからバカにされても比べられても仕方ないって全部割り切ってた。運動もできない勉強もできない、そんなのお兄ちゃんじゃないって言わた。すごく辛かった。あぁ、生まれて来なければよかったって何回思ったことか。でも、それでも、妹は僕があげたプレゼントを大切に使ってくれている。それだけの事でも、僕の心は救われたんだ。黙っていれば可愛かった。口には出さなかったが頭のいい妹は僕の自慢の妹だったよ。ありがとう。これからも勉強頑張ってね。
お父さんは、お母さんや妹の味方だ。僕が悪いとすぐ叱る。お酒が入るともっと酷かった。
おじいちゃんやおばあちゃんは、高校入るまでは優しくて好きだった。高校入ってからは母親の味方をし始めた。妹みたいに賢ければね~って笑って言ったの全部聞こえてたよ。仕方ないよね。僕が出来損ないなんだから。
生まれてきて本当にごめんなさい。なんの取り柄もない出来損ないでごめんなさい。
神様。僕が生まれてきた意味はなんですか?意味が無いのなら死なせてください。
それが今の僕のお願いです
神様がいるのなら僕の最初で最後のわがまま聞いてくれませんか?
願わくば僕だけを見てくれて、僕だけを愛してくれる人のもとへ連れて行ってくれませんか?もう二度と辛い思いをしたくないんです、、、、どうか、、、お願いします、、
0
あなたにおすすめの小説
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
【完結済】「自由に生きていい」と言われたので冒険者になりましたが、なぜか旦那様が激怒して連れ戻しに来ました。
キノア9g
BL
「君に義務は求めない」=ニート生活推奨!? ポジティブ転生者と、言葉足らずで愛が重い氷の伯爵様の、全力すれ違い新婚ラブコメディ!
あらすじ
「君に求める義務はない。屋敷で自由に過ごしていい」
貧乏男爵家の次男・ルシアン(前世は男子高校生)は、政略結婚した若き天才当主・オルドリンからそう告げられた。
冷徹で無表情な旦那様の言葉を、「俺に興味がないんだな! ラッキー、衣食住保証付きのニート生活だ!」とポジティブに解釈したルシアン。
彼はこっそり屋敷を抜け出し、偽名を使って憧れの冒険者ライフを満喫し始める。
「旦那様は俺に無関心」
そう信じて、半年間ものんきに遊び回っていたルシアンだったが、ある日クエスト中に怪我をしてしまう。
バレたら怒られるかな……とビクビクしていた彼の元に現れたのは、顔面蒼白で息を切らした旦那様で――!?
「君が怪我をしたと聞いて、気が狂いそうだった……!」
怒鳴られるかと思いきや、折れるほど強く抱きしめられて困惑。
えっ、放置してたんじゃなかったの? なんでそんなに必死なの?
実は旦那様は冷徹なのではなく、ルシアンが好きすぎて「嫌われないように」と身を引いていただけの、超・奥手な心配性スパダリだった!
「君を守れるなら、森ごと消し飛ばすが?」
「過保護すぎて冒険になりません!!」
Fランク冒険者ののんきな妻(夫)×国宝級魔法使いの激重旦那様。
すれ違っていた二人が、甘々な「週末冒険者夫婦」になるまでの、勘違いと溺愛のハッピーエンドBL。
希少なΩだと隠して生きてきた薬師は、視察に来た冷徹なα騎士団長に一瞬で見抜かれ「お前は俺の番だ」と帝都に連れ去られてしまう
水凪しおん
BL
「君は、今日から俺のものだ」
辺境の村で薬師として静かに暮らす青年カイリ。彼には誰にも言えない秘密があった。それは希少なΩ(オメガ)でありながら、その性を偽りβ(ベータ)として生きていること。
ある日、村を訪れたのは『帝国の氷盾』と畏れられる冷徹な騎士団総長、リアム。彼は最上級のα(アルファ)であり、カイリが必死に隠してきたΩの資質をいとも簡単に見抜いてしまう。
「お前のその特異な力を、帝国のために使え」
強引に帝都へ連れ去られ、リアムの屋敷で“偽りの主従関係”を結ぶことになったカイリ。冷たい命令とは裏腹に、リアムが時折見せる不器用な優しさと孤独を秘めた瞳に、カイリの心は次第に揺らいでいく。
しかし、カイリの持つ特別なフェロモンは帝国の覇権を揺るがす甘美な毒。やがて二人は、宮廷を渦巻く巨大な陰謀に巻き込まれていく――。
運命の番(つがい)に抗う不遇のΩと、愛を知らない最強α騎士。
偽りの関係から始まる、甘く切ない身分差ファンタジー・ラブ!
絶対に追放されたいオレと絶対に追放したくない男の攻防
藤掛ヒメノ@Pro-ZELO
BL
世は、追放ブームである。
追放の波がついに我がパーティーにもやって来た。
きっと追放されるのはオレだろう。
ついにパーティーのリーダーであるゼルドに呼び出された。
仲が良かったわけじゃないが、悪くないパーティーだった。残念だ……。
って、アレ?
なんか雲行きが怪しいんですけど……?
短編BLラブコメ。
【完結済】あの日、王子の隣を去った俺は、いまもあなたを想っている
キノア9g
BL
かつて、誰よりも大切だった人と別れた――それが、すべての始まりだった。
今はただ、冒険者として任務をこなす日々。けれどある日、思いがけず「彼」と再び顔を合わせることになる。
魔法と剣が支配するリオセルト大陸。
平和を取り戻しつつあるこの世界で、心に火種を抱えたふたりが、交差する。
過去を捨てたはずの男と、捨てきれなかった男。
すれ違った時間の中に、まだ消えていない想いがある。
――これは、「終わったはずの恋」に、もう一度立ち向かう物語。
切なくも温かい、“再会”から始まるファンタジーBL。
全8話
お題『復縁/元恋人と3年後に再会/主人公は冒険者/身を引いた形』設定担当AI /c
なぜ処刑予定の悪役子息の俺が溺愛されている?
詩河とんぼ
BL
前世では過労死し、バース性があるBLゲームに転生した俺は、なる方が珍しいバットエンド以外は全て処刑されるというの世界の悪役子息・カイラントになっていた。処刑されるのはもちろん嫌だし、知識を付けてそれなりのところで働くか婿入りできたらいいな……と思っていたのだが、攻略対象者で王太子のアルスタから猛アプローチを受ける。……どうしてこうなった?
嫌われ魔術師の俺は元夫への恋心を消去する
SKYTRICK
BL
旧題:恋愛感情抹消魔法で元夫への恋を消去する
☆11/28完結しました。
☆第11回BL小説大賞奨励賞受賞しました。ありがとうございます!
冷酷大元帥×元娼夫の忘れられた夫
——「また俺を好きになるって言ったのに、嘘つき」
元娼夫で現魔術師であるエディことサラは五年ぶりに祖国・ファルンに帰国した。しかし暫しの帰郷を味わう間も無く、直後、ファルン王国軍の大元帥であるロイ・オークランスの使者が元帥命令を掲げてサラの元へやってくる。
ロイ・オークランスの名を知らぬ者は世界でもそうそういない。魔族の血を引くロイは人間から畏怖を大いに集めながらも、大将として国防戦争に打ち勝ち、たった二十九歳で大元帥として全軍のトップに立っている。
その元帥命令の内容というのは、五年前に最愛の妻を亡くしたロイを、魔族への本能的な恐怖を感じないサラが慰めろというものだった。
ロイは妻であるリネ・オークランスを亡くし、悲しみに苛まれている。あまりの辛さで『奥様』に関する記憶すら忘却してしまったらしい。半ば強引にロイの元へ連れていかれるサラは、彼に己を『サラ』と名乗る。だが、
——「失せろ。お前のような娼夫など必要としていない」
噂通り冷酷なロイの口からは罵詈雑言が放たれた。ロイは穢らわしい娼夫を睨みつけ去ってしまう。使者らは最愛の妻を亡くしたロイを憐れむばかりで、まるでサラの様子を気にしていない。
誰も、サラこそが五年前に亡くなった『奥様』であり、最愛のその人であるとは気付いていないようだった。
しかし、最大の問題は元夫に存在を忘れられていることではない。
サラが未だにロイを愛しているという事実だ。
仕方なく、『恋愛感情抹消魔法』を己にかけることにするサラだが——……
☆お読みくださりありがとうございます。良ければ感想などいただけるとパワーになります!
【本編完結】落ちた先の異世界で番と言われてもわかりません
ミミナガ
BL
この世界では落ち人(おちびと)と呼ばれる異世界人がたまに現れるが、特に珍しくもない存在だった。
14歳のイオは家族が留守中に高熱を出してそのまま永眠し、気が付くとこの世界に転生していた。そして冒険者ギルドのギルドマスターに拾われ生活する術を教わった。
それから5年、Cランク冒険者として採取を専門に細々と生計を立てていた。
ある日Sランク冒険者のオオカミ獣人と出会い、猛アピールをされる。その上自分のことを「番」だと言うのだが、人族であるイオには番の感覚がわからないので戸惑うばかり。
使命も役割もチートもない異世界転生で健気に生きていく自己肯定感低めの真面目な青年と、甘やかしてくれるハイスペック年上オオカミ獣人の話です。
ベッタベタの王道異世界転生BLを目指しました。
本編完結。番外編は不定期更新です。R-15は保険。
コメント欄に関しまして、ネタバレ配慮は特にしていませんのでネタバレ厳禁の方はご注意下さい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる