ブラックな国は最強レベルアップで滅ぼそう~5人の仲間と異世界に!ゴブリン男とバカにされただ一人追い出された先のダンジョンが何気にチートだった

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08 超絶レベルアップの序曲

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 俺達は簡単に初級のイージーダンジョンを踏破した。

 誰も見向きもしないこの不人気ダンジョンだが踏破した前後に偶然鑑定したことで、なんとダンションボスを倒すとレベルが上がるということに気が付いてしまったんた。

 本来ならばレベルを上げるのは簡単なことじゃない。今のレベル20くらいの状態だったらゴブリンなら1000匹倒してもレベルは上がらないだろうし、ハイゴブリンを100匹倒しても上がるかどうか分からない微妙なラインだ。

 とにかく根気と粘り強い鍛練が必要なんだ。
 それがダンジョンボスを倒すだけで良いというのだから本当に信じられない事象だよ。

 鑑定のスキルがなかったら絶対気付かないよな。
 マジで鑑定さまさまだね。
 頑張って攻略しまくろう。


 それで今は4周目。

 「ナターシャのMPの残りが少なくなってきたからな、これが最後のアタックだぞ」

 「んっ !」

 無事にボスを倒して、更にレベルがひとつ上がったんだ。
 これで俺はレベル20にナターシャは18になった。
 
 「このダンジョンにあんまり人が来ないってことは誰も気付いて無いんじゃないか ? これはスゴい発見かも知れないぞ ! まだ判らないけど俺たちだけの秘密にしような !」

 「んっ、秘密 !」

 「キューー !」

 「無理せずに明日、頑張ろうな !」

 「うんうん !」
 「キュー キュー !」

 スラコとスラミも、オーって感じで一生懸命ピョンピョン跳ねている。 
 コイツらホント可愛いな !

 俺はスキルマスターという職で、ちょっと凄そうなんだけど、今のところ探知、鑑定、転移、アイテムボックスのスキルしか持ってないんだよね。
 特別凄そうなスキルも魔法も無い。転生者特有の、良くありがちなスキルしかないんだよ。

 ナターシャのスキルを操作できたのと、転移を取得できた時には おおっと思ったけど、それもたまたま運が良かったって感じだし、まだスキルを得るためのSPも少ないし、特に何かが優れているわけでもないよな ?
 
 だけど、レベルアップであっという間に二人ともがSP100を超えた。すると、ナターシャの取得可能スキルに冒険者の必需品の回復魔法が出たんだ。

 幸先がいいぜ。取得に必要なSPは100。これはもちろん即決でしょう。そして俺は100を消費して身体強化と剣技を取得した。

 それにさ、異世界の回復魔法は欠損した四肢が元通りに戻ったり、瀕死の冒険者が素早く回復したりする。下手すれば細胞ひと欠片残っただけでも復活したりするよね。だから回復魔法があればもしかしたら、ナターシャの火傷の痕を治せる可能性があるかも知れないし……

 もし、どんな形でもその方法があるんだったら、どんなに難しい方法でも最優先で、わずかな可能性だったとしてもそれに掛けてみたいんだ。
 
 


 翌日
 朝からダンジョンに入って3周ほどすると、俺達のレベルが上がった効果なのかダンジョン内に現れる敵がまるで相手にならなくなってきたんだ。

 俺たちは二人ともレベル20を超えて、かなり強くなったみたいだ。
 ハイゴブリンもメイジゴブリンも軽く倒せるようになったんだ。

 「ナターシャの魔法は危ない時以外は封印して節約しようか ?」
 「うん !」
 
 6周目を越えると一周するのにかかる時間は一時間を切った。どんどんレベルが上がるのが楽しくて何周でも続けたい気持ちでいたんだ。
 ところが8周目にナターシャが遅れ出した。

 「ナターシャ ! 大丈夫か ?」

 「うっ うん… 」

 ナターシャはこれまで一言も文句を言わずに、俺と行動を共にして来たんだ。とてもありがたいけど、それだけにどれくらい辛いのかがさっぱり分からない !

 「お前、辛くても言えないだろう ?」

 「うっ ううん ‼‼」

 ナターシャは必死に首を振るが……

 「ダメだな !!」

 「ええええっっ !! あっ、あっ、あっ 歩ける 歩けるし… 
 どうか…… 
 どうか…… !!! 」

 「キューーーー !!!!」

 ナターシャは俺の肩をつかんで首を横にふるふるし、わなわなとしているんだ。

 んっ ?? 何をそんなに慌ててるんだろう ?

 もしかしたら置いていかれるとか ? 
 何か誤解しているのかも知れないな ?

 俺も余計なことは話さない方だからしょうがないけど、そんなに冷酷な性格じゃ無いんだけどなぁ。

 「あー、心配するなよ。無理をしてはダメだということさ !」

 「えっ… 」

 「引き返して、しっかり休んで、又一緒に頑張ろうな ! 置いてきぼりにしたりなんて、しないよ !! まったく、俺のことをどんだけ悪徳なヤツだと思ってるんだよ ?!」

 それとなく頭を撫でてあげた。

 「 ……うん、よっ  良かったーーー !!!!」

 「キュッ キュッ キュウーーン !!」

 そうしてしっかり説明したら、ようやくオレが冷たい悪魔のような心の持ち主で無いことを理解してくれたようだ。
 可愛そうに、彼女のこの様子だと今までに、歩けなくて置き去りにされたりした事があったのかも知れないな。それだけじゃない。
 きっともっと辛いことや、悲しいことがあったんだろうな。
 
 帰りはおぶってあげた。

 ところがだ。
 チビで細くてガキだと思っていたのに、意外と俺の背中にコイツの胸の膨らみがポヨヨンと当たって、少しだけドキドキしてしまったんだよ。少しだけだぜ !!

 好きとか可愛いとかさ、エロいこととかはまったく無いんだ。そもそも弟的だと思ってたんだがね。しかし俺は陰キャ気味で女子に全く免疫が無いからなぁ。ハハハハ参ったぜ ! コイツ、女の子なんだな。

 この日は7周して俺はレベル27にナターシャは25になって、SPをかなりたくさん獲得したんだ。

 俺は探索をSP50消費して取得し、更に50消費して身体強化をLV3に、更に20ずつ使って剣技、探知をLV2にしたんだ。
 そしてナターシャはSP50を消費して身体強化を取得し、火魔法をLV3、回復魔法と身体強化をLV2に上げた。

 これで多少なりともスキルは充実してきた。今日はナターシャの体力がキツかったようなので身体強化のスキルを取得して疲労が溜まらないように対策をした。これで少しでも楽になってくれると良いんだけどな !


ケンタロー スキルマスター 16才 男 
 レベル:27 人族 異世界人
 攻撃力:87
 守備力:63
 ラック:32
 体力 :76
 速さ :62
 魔力 :49
 HP:72/101 MP:10/46 SP:47
 スキル:身体強化LV3・剣技LV2・探索LV1・探知LV2・転移・鑑定・アイテムボックス

 ナターシャ 魔術師 14才 女 
 レベル:25 人族 
 攻撃力:25
 守備力:30
 ラック:19
 体力 :39
 速さ :29
 魔力 :81
 HP:33/49 MP:8/78 SP:82
 スキル:身体強化LV1・生活魔法LV1・火魔法LV3・回復魔法LV2・付与術LV1


 △▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△


 更に翌日
 この日も朝からダンジョンへ潜った。

 すでにここの魔物ではてんで相手にならないほどのレベルに達していた。それから更に、何周かこなして俺のレベルが30を越えると、このダンジョンの敵はボスを除いて、全て一撃で倒せるようになってしまった。

 今ではボスのゴブリンジェネラルですら雑魚扱いなのだが……

 「ナターシャ ! 身体強化で体力を上げたけど調子はどうだい ?」

 「うん…  良いよ… 」

 この子とは初めて一緒に歩いた時から、年も少し下の女の子だし、いくらか速度を落として進まなければならないだろうなと思っていた。ところが俺と同じくらいの速さで歩いていたから丁度良くて、それからは気にもしていなかったんだ。

 実際にはこれまで頑張って付いて来てたんだろうけど、それが昨日、ついに疲労でどうしょうもなくなって付いて来れなくなってしまったという感じだった。

 オレに分からないように、気を使って無理をしていたのかも知れないな。あーあ、女子と歩いたこともない俺では気付くこともできなかった。悪いことをした。修行が足りないな。

 ナターシャの疲労もかなり改善されて今日は元気一杯だ。どうやら身体強化のスキルを上手く使いこなしているようで、昨日とは全然違って元気そうだ。

 魔法も身体強化もだけど、この子はオレなんかより何かと器用でとても上手く使いこなしている。ちょっと天才肌だよな。まあしかし、これで体力の心配はしなくても周回できるようになったんだ。

 すると、いよいよ1周するのに30分も掛からなくなってきた。
 
 しかし不人気とはいえ、ダンジョンの中に誰かが居ると、何度も追い越して不審に思われてしまうから困ったものだ。
 どうにかできないものかと新しいスキルを見て考えていると隠密というスキルを見つけたので、早速二人ともSP50を消費して取得した。

 試しに、他の冒険者たちと会った時に隠密のスキルを発動するとぜんぜん気付かれない。これは良い。
 高ランクの冒険者にはバレちゃいそうだけど、このダンジョンにはそんな人は来ないからね。心配いらない。

 この日も周回している最中に見かけた冒険者は二組だけだった。
 まず恋人同士なのか若い男女二人の冒険者が一組。彼らはダンジョン攻略に来たのか旅行に来たのかといったところだろう。まったくうらやましいよ !

 あゝでも、はたから見たら俺たちふたりも同じなのか ? せいぜい兄妹程度にしか見えないだろ。そんな感覚はまるで無かったよ。

 それから、小学高高学年くらいの男女三人が一組。
 コイツらは冒険ごっこにでも来たんだろうな ?
 少年二人はゴブリンソードを持ち、女の子は杖で、普通の服装だった。
 こんなところに子供が来るのは珍しいから、彼らの戦いにちょっと気を取られた。

 その相手はゴブリン二体だったのだが、男の子二人がどんどん前に出て、女の子は後ろからサポートしていた。

 「おりゃ !」

 「それそれー ! ははっ、こんなの大したことないぜ !」

 言葉は頼もしいがその剣技はそんなに鋭いものではなくて、一撃、二撃と当てるものの、まだ体の線が細いからパワーがないのだろう。なかなか倒せずに苦労しているようだった。

 「やったあ !」

 「オレの必殺技で仕留めたぜ」

 「うん。でも、そろそろ引き返した方がいいんじゃない ?」

 「大丈夫大丈夫。このダンジョンは弱い奴しか出ないって有名なんだ」

 それでもどうにか倒すことができたようだ。しかし弱いゴブリンだから良いようなものの、ちょっと強力な魔物が出たら危ないんじゃないかな ?
 何か言おうかとも思ったけど、やる気にはやっていて逆に論破されそうなのでやめておいた。

 隠密のスキルを発動して追い越して行くことにした。こうすれば俺たちの存在を知られることも無い。

 そうして俺たちは普通にボスを倒して一周した。
 すると、さっきの三人組が予想に反して1階層を攻略し、2階層まで来ていた。

 しかし案の定、こてんぱんにやられていた。
 相手は三体のゴブリンだ。しかし、そのうちの一体はハイゴブリンだった。
 前衛だった少年二人は倒されて、そんな彼らをかばうようにして女の子が踏ん張っていた。
 
 「グギャギャギャ。ギャッギャッギャッ !!」

 「グヘー、グヘヘヘ !」

 ゴブリンたちはもう、勝ちを確信して歓び、嫌な感じの下品な薄ら笑いを浮かべていた。

 そいつらは倒した男子などに目もくれず、11~12歳のまだ幼い女の子にロックオンしていた。
 下っぱらしき二体のゴブリンは少女の左右に取り付いて左半身と右半身をそれぞれガッシリと抱えられ、抑え込まれていた。
 左のゴブリンは肩の辺りをペロペロしていた。

 これは堪えられるものではないだろう。
 そこへボスらしきハイゴブリンが一歩二歩と歩み寄っているのだ。 
 まさに絶体絶命だ。

 「いや~~~~~ !!!!!
 グニョグニョして気持ち悪い。
 離して ! 離して~ ! ああ~~ん⤵⤵」

 「ヤメロー !! シャルミーノに手を出すならオレを倒してからにしろ !」

 「ゴン… 」

 イヤイヤ ! アンタ、もう倒されてるでしょうが !!

 「うわっ、グフッ !」

 ゴブリンたちもこのウザい奴め、と思ったのかは分からないけどゴンと呼ばれた少年の頭を踏み付けて黙らせた。

 「ケンタロ… あれ !」
 そんな彼らを見つけたナターシャが指を指した。

 それはもう、ハイゴブリンの手が少女の身体に触れる寸前だった。

 「ああっ…… 」

 こうなってしまっては俺たちに助けないという選択肢は無かった。
 
 できうる限りのスピードでハイゴブリンに迫り、その背後のわき腹を横から目一杯力を込めてぶん殴った。
 
 すると、まるで空気の抜けた風船のように吹っ飛んでいった。
 それを見て目を丸くしていた右側のゴブリンもナターシャに間近から風魔法でふっ飛ばされ、左側のゴブリンはオレの全力のチョップで息を断った。

 「えっ… ナニがおこったというの… 」

 あまりに一瞬のできごとに、シャルミーノは自分が救われたということも理解できてなかった。

 「あぶないところだったな ! 助けるのがあと3分遅かったらどうなってたことやら ?」

 「うんうん… 」

 「あっ、助ける ? 
 助かったのね ? 
 うええええーーー ! ありがとう。怖かったよーーー !」

 最悪の事態から抜け出したことが分かると、恐怖がリアルだったことと安心感が同時に訪れて、泣き崩れてしまった。こんな少女には堪えられない出来事だ。
 辛かっただろう。
 
 そんな少女にオレが何もできずにいると、ナターシャはギュッと抱き寄せて、背中をさすっていた。
 そして少し落ち着くと生活魔法で服に付いたドロドロの汚れを落としいく。
 なんだろうね ? こういうときのこの子の対応の的確さって。スゴいよな。カリスマ看護師さんってか、聖母みたいだな。

 それから少し遅れて少年たちを回復魔法で治療していった。命に別条はないようだ。良かった !

 意地を張るのかなと思ったけど、案外素直にお礼の言葉が出たし、反省の感じが凄く見て取れた。
 あんなにオラオラ感が出ていたよっぽど堪えたようだ。

 「ゴメンなさい。もうしません。本当にありがとうございます」

 と言われてびっくりした。大丈夫か ? と聞くと、
 「オレがやられるのは良いけど、仲間が… それも守らなきゃいけない女子がやられるのはあっちゃいけないことで… 」

 と、反省していた。

 そう言われると、生意気そうなコイツらも、急に可愛らしく思えてきた。
 人間、弱っているモノには優しくしてあげたくなるもので…
 3人を連れてダンジョンから出て、家の近くまで送ってあげることにした。


 ▷▶▷▶▷▶▷▶▷▶▷▶▷▶▷▶▷
 

 そして翌日、昨日のゴタゴタのうっぷん晴らしに、俺達はまるで耐久レースのサーキットでも周回しているかのようにしてダンジョン踏破を繰り返したんだ。

 この日は何のトラブルも無く、キリの良い20周をこなすことができた。なんと ! 一日でレベルが20も上がったということなのだ。これで俺はレベル47ナターシャは45になったんだ。

 これぐらいのランクだと、ギルドでもビクビクしなくてすみそうだ。しかしこんなもんじゃないぜ。俺達の快進撃はまだまだ続く !!

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